新潟焼山(新潟県糸魚川市)からの下山中に右足を置いた際、(少し濡れていたこともあってか)滑ってしまい、踏ん張ろうとした際に右膝を捻りました。激痛とともに「これは下山を継続できないかもしれない」と血の気が引いていきました。「とんでもないことになった」気がしました。イメージでは、<右膝がバラバラになってぶっ飛んでいった感じ>です。
そういえば、受傷した場所は、『地獄谷』の少し手前。これは地獄に落ちかけたとも言えるし、地獄には落ちずに踏みとどまったと言えるのかもしれません。
転んですぐに、トレランの男性2名(登り)が通りがかられ、お声がけいただきました。この日は登山日和だったのですが、新潟焼山はロングコースだからか、ほとんど人がいませんでした。私と同じコースで私より後方には男性おひとりだけだったのが、これで計3名になり、少しだけ不安が緩和されました(ここから登山口まで、携帯の電波が入るところがほとんどないことは登りの際に確認済みで、万が一歩けなくなった時に自力では救助要請ができない可能性があったたので)。
とりあえず痛み止めを飲んで、落ち着こうと努めました。まだ時間は午前11時台、水と食料も残っています。ゆっくり立ち上がって、歩き始めると何とか歩けそうです。この先、難所の「地獄谷」「大谷」がありましたが、慎重に通過し、結局、そのままそろりそろりと登山口まで下りられました(ほぼコースタイムでした)。
下山後に、笹倉温泉 龍雲荘で、右膝を確認したところ、膝はちゃんと付いていました。「ん?たいしたことないのか?」(ピチピチのロングタイツを履いていたので、足首側からめくっても膝が見えず、タイツを脱ぐしかなく、この時点まで膝の状態を見ることができていませんでした)。
少し遠回りまでして「あげ藤」さんでトンカツを食べましたが、その後、自宅までの運転中に痛みが強くなり、腫れてきたので、コンビニで氷を買って、アイシングしながら帰路につきました。帰宅後は自宅の階段の上り下りもままならない状況に・・・
【新潟焼山 下山時に右膝を捻挫】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5982503.html
2023.10.02(月)
膝はどんどん腫れていき、「丸太」みたいな形です。さすがに仕事は休みをもらって、近所の整形外科を受診しました。「レントゲンで骨は何ともないが、靭帯か半月板損傷の可能性あり、総合病院でMRI検査が必要、サポーターを着用して2週間は安静に」と言われました。
当社は年に1回のリフレッシュ休暇があり、平日3連休+土日=5連休が取れます。今年は10月4日(水)〜7日(土)に新潟・福島方面へ遠征して、平ヶ岳・会津駒ヶ岳・越後駒ヶ岳の百名山3座を登頂する計画を立てていました。ケガをした直後の下山中は、「百名山日帰り最難関の平ヶ岳は無理でも越後駒ヶ岳くらいなら」とか、「清四郎小屋・御池ロッジ・伝之助小屋に泊まってみたいからドライブ&登山口の下見にしようかな」と思っていたんですが、ドクターストップがかかったからというよりも、階段の上り下りや車の乗り降りがやっとな状態でしたので、この日キャンセルの連絡を入れました。
【ケガで幻となった新潟・福島遠征:平ヶ岳・会津駒ヶ岳・越後駒ヶ岳】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5852537.html
2023.10.03(火)
痛みと腫れは少しよくなり、仕事に行きました。足を引きずっていて、多くの方に「どうしたの?」と声を掛けられる状況でしたが、何とか通常業務ができました。
2023.10.04(水)〜09(月)
リフレッシュ休暇。痛みと腫れは日に日によくなり、どんどん膝が曲がるようになって普通に歩けるようになっていきました。新潟・福島遠征がなくなりましたので、近所の低山&上高地でリハビリをしました。上高地散策は天候にも恵まれ、最高でした。バスターミナルから徳沢まで往復しても痛みは感じず、右膝は「何ともない」と確信。富山マラソン(11月5日開催)にも間に合うと信じていました。
【右膝リハビリ(受傷5日目):稲葉山「無理はできる間にしかできない」】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6009363.html
【右膝リハビリ(受傷6日目):呉羽山「怪我は稽古で治せ」】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6009372.html
【右膝リハビリ(受傷7日目):そうだ 上高地、行こう(BT〜明神〜徳沢)】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6009378.html
【右膝リハビリ(受傷8日目):頼成の森「私は必ず治る」】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6009383.html
【右膝リハビリ(受傷10日目):二上山518回目「いつやるか?今でしょ!」】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6009392.html
2023.10.10(火)
二上山で朝活してから仕事に行くほどの余裕。今さらMRI検査など受ける意味は無いような気もしますが、「異常なし」のお墨付きをもらって、翌日(10/11)からジョギングを再開しよう、と考えていました。
ところが・・・
・前十字靭帯断裂
・内側側副靭帯断裂
・外側半月板前節断裂
・骨挫傷
と思った以上の重症で驚愕しました・・・
とくに「前十字靭帯断裂」はサッカー選手でもしばしば聞く大きなケガで、復帰まで半年〜1年を要しています。受傷時点以来、再び血の気が引きました・・・
2日後に手術担当の先生の診察予定となり、「入院→全身麻酔→手術→リハビリ」かと思うと、ガクブルが止まらず、夜も眠れなくなりました。
【本日でリハビリ休止:前十字靭帯断裂・内側側副靭帯断裂・外側半月板前節断裂・骨挫傷(二上山519回目) 】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6036802.html
2023.10.12(木)
手術担当の整形外科のお医者様(O先生)の診察を受けました。手術を勧められると予想していたのですが、
・希望があれば手術しましょう、というフラットなスタンス(私が知っている外科系のお医者様の中には、手術に誘導するような説明をする方が少なからずおられるので、この点はO先生に深謝)
・O先生ご自身も前十字靭帯断裂の経験をお持ちとの由
・前十字靭帯が切れていても、まっすぐ歩いたり、まっすぐ走ることは可能
・ただし、手術をしない場合は、膝の不安定性が残るので、激しいスポーツはできない(=ハイキング程度はできるが、登山は引退)
・手術する場合は受傷1ヵ月以降(しっかり右膝の曲げ伸ばしができるようになり、右足に全荷重をかけられるようになってから)
・内側側副靭帯断裂は2〜3ヶ月で自然治癒の見込みあり
・入院は約1週間
・再診予約なし(手術希望したらその時にまた来てね)
・お会計220円
とちょっと拍子抜けでした。てっきり、オペ予定を決めることになるかと思い、スケジュール帳を握りしめていたのですが。
入院や手術を好むわけはないので、「保存療法」の選択肢を提示され、私はこちらに大きく傾きました。富山の百山100座中89座、日本百名山100座中56座、フルマラソン13回、ハーフマラソン21回。もともと運動音痴、運動嫌いだった私が、これまでよく登った、よく走った、もう十分じゃないのか。白鵬は37歳で引退、王貞治40歳、イチロー45歳、私は現在44歳。三浦カズ(56歳)には負けているけど、もう十分やったんじゃないのか。こう考えると、清々しくさえなってきて、「登山引退」に落ち込むよりも、「手術回避」にほっとした気持ちでした。
2023.10.13(金)
内側側副靭帯用の専用サポーター着脱方法を義肢装具士の方に指導していただきました。これを付けると、ますます歩行が安定するのが実感できました。
数人の山友から、「手術→登山復帰」を勧められ、気持ちが揺らいできました。いや、違う。周りから勧められるからじゃなくて、私自身がまだ「登山引退」をあきらめきれないのかもしれません。
10年若くて、こども達が保育園に通っていた頃ならば手術を即断したと思います。自分の趣味だけではなく、公園を走り回ったり、おんぶしたり、スキーに行ったり、いろんなことをしなければいけなかったですからね(現在は長男:中2、長女:小6)。
2023.10.14(土)
モンベルショップでトレッキングポールを購入してきました(決してオペを受けずにこのトレッキングポールで激しい登山をしようとしているのではありませんよ、ハイキングの時のお守りです)。「転ばぬ先の杖」ならぬ「転んだ後の杖」。モンベルショップは「三井アウトレットパーク 北陸小矢部」の中に入っていて駐車場がとても広いんですね。車に戻るときに、自分の車どこだったかなぁ、あっ、こっちかと体の向きを変えた瞬間に、右膝が「ぐらっと」と来たのを感じました。これが「膝くずれ」の前兆かもしれません。やっぱり右膝グラグラなんだな。
【稲葉山→「転んだ後の杖」を購入】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6055993.html
[手術を受ける場合]
・登山やマラソンに復帰できる可能性。ただし、すべての患者が受傷前レベルに復帰できるわけではないよう。でも歩行時間が短いコースをこれまでよりもゆとりを持って登れるならそれでいいかな。5〜10kmくらいジョギングできればそれでいいかな。
・術後しばらくは松葉杖生活となり、日常生活や仕事、車の運転(私の場合右膝なので)にも大きな支障。
[手術を受けない場合]
・日常生活でも「膝くずれ」を起こす不安、将来的には変形性膝関節症へと進行する不安を抱え続けることになる。
・入院しなくてよい。手術を受けなくてよい。術後の痛みがない。術後のリハビリがない。→これって現実逃避??
決断は焦らず、じっくり考えます。そして私が住んでいるのは北陸富山で、少し考えているうちに雪が降ります。手術を受ける場合、この時期に術後の歩行が不安定なわけにはいかないので(雪で滑って再断裂など目も当てられません)、2月下旬に手術、(雪の心配が無くなる)3月上旬に退院が最短か?この後は、長女の小学校卒業式、中学校入学式。卒業式はあきらめて、入学式を目標にしようかな。この頃は、職場の有力メンバーがひとり産休に入って人数減る時期と重なるかもしれないな(こんな時に仕事のことは気にしないようにしようとは思うのですがどうしても・・・)。
今日の一曲はZARDで『揺れる想い』
写真は、受傷した新潟焼山の山頂、下山後に食べたトンカツ定食、もっとも腫れていた時の右膝です。
初めまして。
今回は大変なお怪我をされさぞかしご心配のこととお察し申し上げます。
小生は大学卒業直前に右膝後十字靭帯断裂と半月板を割ってしまいました。
翌日に整形外科を受診しましたが、診断ミスで手術可能な時期を逸してしまい、そのままです。
和式トイレに膝を曲げて使用できるのに1年かかりました。
50代で人工関節になるかもと言われましたが、現在60代半ばですがハイキングをしています。
ただ右膝痛は時々出ます。変形性膝関節症は4段階の2です(と最近言われましたが小生には意味が分かりません。)
一つ気になることは小生は手術可能期間を逃してしまったのですが、ryotakanaさんの手術は(されるなら)1か月以降とのことですが、(余計なお世話かもしれませんが)いつまでなら手術可能かをご確認されておいた方が良いかなと自分の経験から思いました。
お大事になさってください。
ご心配いただき、ありがとうございます。整形外科の先生からは「この手術に『手遅れ』はないから、いつでもよい」と言われました。fujikitaさんの場合と話が合わないですが、約40年間(現在60代半ばで大学時代にお怪我されたとのことですので)で事情が変わったのか、fujikitaさんは後十字靭帯で私は前十字靭帯だからなのか、あるいは医師によって考えが違うのでしょうか。
fujikitaさんの山行記録を拝見しました。私も1年前の同じ時期に黒斑山、今年の夏の1週間違いで北八ヶ岳に登っており、親近感が湧きました。また、膝の不調をお持ちながらも、精力的に山に通われていて、大変勇気づけられました。
コメントありがとうございました!
場所は違いますが利き手の右手親指と人差し指の間の靭帯が断裂。これは靭帯再建手術必須です。利き手親指が使えないのは大変なことですから。ところが救急車で運ばれた病院とクリニックの整形外科計2カ所で誤診されました。
手の専門医を探し当てたのは怪我してから半年経過していました。手の専門医からもっと早く来てほしかった、と言われました。
手術を手がける整形外科医は体のパーツごとに専門が分かれています。なので膝の専門医で靭帯再生手術実績を公表しているハイレベルのドクターに診ていただいて下さい。
手指の場合ですが靭帯が断裂してからできれば1ヶ月以内に手術するのがベターと言われています。さもないと腿の靭帯を切り取って移植することになります。傷が増えます。
右膝の靱帯断裂、再建手術を受けた山仲間(元プロスポーツ選手)がいます。膝は元には戻っていないけど登山を続けています。やはり膝の専門医で手術を受けてずっとメンテに通っています。
大谷翔平さんの肘の故障でトミージョン手術の後、どの程度回復するかスポーツドクターが見解を話していました。術前の80%だそうです。私も体感ですが同じように感じています。
ご心配いただき、ありがとうございます。fujikitaさんの場合と同じで、話が合いませんね。手と膝の違いなのか、医師による考え方の違いなのでしょうか。
大谷選手の肘のトミー・ジョン手術も靭帯再建手術なんですね。私も大谷選手のように術後もステキな笑顔でいたいものです(大谷選手も本当はとても辛いのでしょうが)。
ななみさんのプロフィールを拝見しました。足首にも心配事をお持ちなのですね。そういえば、私も30年前に足首を捻挫しています・・・(現在は何ともありませんが)
「絶対に転ばないように」→ほんそれですよね!
コメントありがとうございました!
20代にスキーで右膝の前十字靭帯断裂&半月板損傷で、受傷後3年くらいで再建手術をし現在に至ります。術後20年以上経ちますが、縦走レベルの山行、通常のゲレンデスキーを楽しめています。但し、右膝関節がどうしても緩く油断すると外れる(ずれる?)ことがあります。最近、半月板が再び傷み初めているのか、ハードな運動後に痛みが出ることがあります。
術後ずっとダブルストックですが、サポーターや装具は術後数年は使用しましたが最近は使っていません。当時の担当医(Jサッカー選手の手術も担当)から「手術しても運動を続けるならば太ももの筋肉を落とさないこと」と言われ、今も意識しています。
手術するかどうかは年齢、今後の生活スタイル、家族や職場の理解等あると思いますので、じっくり考えてで良いと思います。
私自身は術後、家族とのスキーや山行を楽しめており、手術してよかったと思っています。
以上、参考になれば幸いです。
受傷後3年で手術を受けられ、その後もスキーや登山を楽しまれているとのこと。とても勇気づけられます!
おっくんさんのプロフィールを拝見しましたが、宮城県にお住まいなのですね。私、今週仙台市に出張なのです。空き時間に泉ヶ岳に登る計画を立てていましたが、ケガで断念し、今回は日和山(日本最低山)で我慢します笑。
コメントありがとうございました!
かなり昔の話ですが自分も交通事故で膝の靱帯を断裂しました。
側靱帯は手術しましたが、前十字靭帯は切れたままです。
術後20年は経過し、膝の不安定さはサポーターでカバーしてましたが、医者からは筋肉をつけるのが一番良いと言われてましたので、徐々に山登りをしながら今に至っています。
おかげで膝に不安定さはかなり解消され、数年前からサポーターなしでの登山をしています。
素早い動きや強いからの入力には対応できていないことや可動域(靱帯以外の損傷が激しかったので)が狭いので高低差のある岩場などは難儀することもありますが、一般的な登山道で登れないところは今のところありません。
不安はあると思いますが、筋力さえ落とさなければ登山を楽しむことはできます。
スキーも何度か行きましたが、膝にかかる負担は登山より大きいので今はやっていません。
医学の進歩もあると思いますので、少しでも不安が解消できればと思って投稿しました。
前十字靭帯が切れたままで、サポーターなしで登山継続中ですか!
おととい、餓鬼岳に登ってらっしゃいますね!おつかれさまでした。餓鬼岳は今年の夏に計画は立てたんですが、あまりに大変そうでビビッてやめたんです・・・
手術を受けるにせよ、受けないにせよ、筋力をつけることが重要ですね!
コメントありがとうございました!
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する