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ヤマレコとの付合いも12年になりました。はじめたきっかけは会社の登山仲間たちとの情報共有でした。始めてからしばらくはカシミールを使い、ルートを決め、時間を割り出し、計画書を作り、メールで参加者に送付する。そういうことをやっていました。ヤマレコというサービスがあり、一連のタスクをこのサービス一本でできると知りました。当時はヤマレコくらいしか同様のサービスがなかったと思います。
ちなみに登山を始めたきっかけは、2013年に富士山が世界遺産に登録され、会社の同僚たちと小屋泊で登頂しようという企画からでした。この投稿につけた写真はその時のものです。消失してしまった富士宮の5合目のレストハウスで撮ったもので、海外の事務所のメンバー何人かが有志で参加するなどそこそこ大がかりなイベントでした。そこに参加してから私の山登りが始まりました。
ヤマレコ人生は3つのステージに分かれます。第1ステージは2013年~2015年、第2ステージは2015年~2023年、第3ステージは2023年から現在ということになります。
第1ステージは、もっぱら会社の同僚とその家族とのグループ登山。多いときは30名を越えるような規模。少ないときでもコアメンバー5~6名くらいが集まるなどクラブ活動としては割と活発でした。わたしは上述した富士登山からとりまとめを担当しました。登山というのは行先を考えるところから楽しく、苦になることなど全くありませんでした。百名山や子供連れでも楽しめるような場所を選んで回っていました。
転機が訪れたのは2015年9月。ツマが子供たちを自転車に乗せ保育園の送迎中に転倒し骨折など大怪我をしてしまいました。
会社の同僚たちとの登山には長男を必ず連れて行っていました。うちは3兄弟ですが下の2人はまだ小さく、3人連れていくという訳にはいきませんでした。登山中はツマが下の2人をみていました。宿泊登山となると土日はツマはワンオペになってしまいます。専業主婦ではなく共働きなのは今も同じです。長男を連れて山に行くことは運動にもなるからと理解してもらってもいました。
そういった中でのツマの大怪我。さすがに疲れもあったと思います。わたしは登山にいくことを止めることにしました。
第2ステージはシンプルです。2015年から2023年までの間。全く山には行きませんでした。仕事と子育てに時間を充てました。ただこうは書いてはいますが、山に行かなくなっただけで仕事に明け暮れる日々になりました。大きな責任も持たされ、数字を作らなければなくなりました。もともとコンサルティングという過酷な世界で生きており、平日などはその日に帰宅することは稀。ほぼ毎日深夜タクシーで帰宅していました。休日に山に行かず、溜めた仕事をこなす合間に子供らを見るようになったというだけでした。
では、第3ステージへの転機はどう訪れたか。2021年6月28日のことは鮮明に覚えています。血圧は200越え。毎月、毎四半期、数字との壮絶な戦い。多忙な日々が続き、ストレスで酒量も増え、深夜のグローバル会議などで昼も夜もない生活を送っているうちに脳出血になってしまいました。
幸い発見が早く、手術などもすることなく降圧剤を投与されただけで血圧も下がり、1週間で退院。後遺症が残るようなことにはなりませんでした。
半年間の休職。車も運転できない、スポーツも禁止、多少の散歩だけならいい。そういう生活を2年弱続けました。会社は辞めず、別の部署に転籍することになりました。コンサルティングという世界ではなく、企業幹部にアドバイスをするシニアな仕事に就くことになり、海外出張もなく深夜のグローバル会議もなしという平和な世界に身を置くことになりました。朝4時くらいに起床し、夜22時には寝る。今でも継続していますが、そういう生活です。
そして第3ステージが始まりました。わたしの登山履歴を見て頂くと、日の出からスタートし、早ければ午前中に、遅くても昼過ぎには下山し、14時か15時には帰宅できるような行程になっています。しかも行先は丹沢か奥多摩。1~2時間で自宅に戻ることができる場所ばかりです。なぜそうなっているか。理由はすでに上述した通りです。
山には復帰するものの、家庭に皺寄せしないような形、それが日の出スタート、昼前後に下山という行程なのです。こういうスタイルの場合、会社の同僚と行くとかグループで行くとかがなかなかし辛く、結局ソロという形が定着してしまいました。決して集団行動が苦手とか人が嫌いという訳ではありませんw。
結局山に復帰してしまいましたが、そのきっかけは塔ノ岳に登ったときですかね。3月だったと思いますが、透き通るような青空の下、眼下には富士山や相模湾や丹沢の山々が連なっていました。空気も美味しく、久しぶりの本格的な運動をして生き返ったような気分になりました。ここから先の話はヤマレコで山を楽しんでいる皆さんと同じです。山は本当にいい。心の底から、地面や空気や木々などとの対話を楽しんでます。それ以上でもなければそれ以下でもない。何かにこだわることなくただただ歩くことが楽しい。それだけです。
そういったことを記録として残しておける。ソロでバリエーションルートであっても、残っている足跡を見つけ、「あれは〇〇さんが残したものかな?」とほくそ笑み、孤独さなどは微塵も感じなくても済む。あと自分では行けないところのログや草花の写真を見てまたほくそ笑む。ヤマレコのおかげでそういうことができているかなとも思っています。まぁこれからもよろしくお願いいたします。
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