払う人、払わない人、それぞれに思惑はあると思いますが
議論が交わされる事で様々な人の意見を知ることが出来るのは良いことですね。
ただ相手の人格を否定するような論調にならないよう気を付けたいところです。
さて、南アルプスマイカー協力金と言えば以前からずっと気になっていたことがあって
それはズバリ
『協力金の値上げは妥当なのか?』
ピンとこない方に簡単に説明しておきますと
南アルプスのマイカー規制協力金は過去2度に渡って値上げが行われています。
1度目は令和元年度 100円→200円 人件費増加に伴う赤字解消を理由に
2度目は令和4年度 200円→300円 コロナによる通行者の減少を理由に
そもそもこの協力金に対して反発が強いのは
短期間に値上げを繰り返したことも理由としてあるのではないかと思います。
では値上げの根拠について少し紐解いていきましょう
【令和4年度 収支決算資料】
https://www.pref.yamanashi.jp/documents/2071/r4shuushi.pdf
上記の資料は昨年(令和4年度)のマイカー規制に係る収支の決算資料です。
見ていただくとわかりますが、収入の実に50%を協力金で賄っています。
ちなみに協力金の徴取は平成20年度より実施されていますが
開始から現在に至るまで『行政負担額』の700万円は一銭たりとも変わっていません。
要するに
『行政は定額(700万円)しか出さないから、足りない分は登山者から徴取せよ』
という方針であると読み解けます。
よって山梨県側のマイカー規制は協力金ありきの制度設計であり
支出が増えれば協力金を増額せざるを得ない懐事情であるということです。
収入の半分を『協力金』という名の寄付金に頼っているという財政状況は
正直、歪であると言わざるを得ないですね。
これを行政(山梨県、南アルプス市、早川町)の出し渋りと見るか
協力金の徴取が妥当であると見るかで支払いに対する意識に違いが出るのは納得です。
さてそんな中、今回注目したいのは2度目の値上げについて。
【令和4年度南アルプスマイカー規制の結果】
https://www.pref.yamanashi.jp/documents/2071/r4kiseikekka.pdf
こちらは近年の南アルプス林道の利用者数をまとめた山梨県の資料です。
平成26年度〜令和元年度までの6年間の利用者数は、平均しておよそ7万人いました。
それが令和3年度に2.6万人にまで減少しています。
これを受けて令和4年度も利用者数が減少傾向にあるとの見立てから値上げが行われ
協力金は300円になりました。
上記した通り、名目は『コロナによる通行者の減少』です。
実際、令和4年度の利用者は3.2万人に留まり、利用者の増加幅は前年比で120%。
平均7万人の利用者がいた以前の水準には戻ってはいません。
さて問題はここから先の話。
この協力金はいつまで『コロナによる通行者の減少』を理由に300円を継続するかです。
そもそも令和4年度の利用者の減少はコロナによるものだったのでしょうか?
少し視点を変えて長野県側からの南アルプス林道利用者の推移を見てみましょう。
令和3年度の利用者数は2.5万人。
令和4年度の利用者数は5.4万人。増加幅は前年比で200%超です。
長野県側は、過去最多の利用者数を記録した平成15年度で6.3万人ですから
令和4年度の時点で登山者は相当数戻って来ている計算になります。
同じ年度にもかかわらず、山梨県側とは全く状況が異なっているのです。
この数字が何を意味するのか?察しの良い方はお気づきですね?
おそらく近年、山梨県側からの登山者が長野県側に流れているのです。
理由は単純明白。
2019年に崩れて今なお通行不能となっている広河原〜北沢峠間の林道復旧が遅れ
山梨県側から北沢峠に入れないからに他なりません。
仮にそうだとすれば、協力金の100円の値上げの意味も変わってきます。
登山者数が減ったことにより収入が減り
それを根拠に100円の値上げが行われたのは決算書にもある通り事実です。
しかし、原因がコロナではなく林道復旧の遅れによる登山者の流出であるとするならば?
一体我々は何に対して100円余分に協力金を払っているのでしょうか?
単に収入が減ったから協力金を値上げしよう、では理解は得づらいのではないかと思います。
同様にコロナだから、物価高だからも理由としてはもはや通用しません。
現状を正しく分析して、何故値上が必要なのか理解させて納得させること。
それが徴取する側の責任であり義務ではないでしょうか?
冒頭でも述べた通り、払う人、払わない人、それぞれに思惑はあると思いますが
来年も『コロナによる通行者の減少』を理由にこのまま300円が継続されるようであれば
私は個人的には納得して協力金は払えないかな、金額の問題ではなく納得感の問題です。
まぁ何だかんだ言っても結局は払うんですけどねw
令和5年の決算報告と、来年の協力金の在り方には注視していきたいと思います。
私は南プスにはまだ行ったことがないので現地の温度が感がわからないのですが、自治体の温度感はあっきーさんの説明で理解することができました
富士山の協力金を払わなかった私なんですが何で払わなかったのか考えたら
「協力金のご協力をお願いします」って声をかけられたんですよね確か
募金みたいな感じ?
選択の余地がある言い方だったのでごめんなさいって断ったのですが
富士山にしても南プスにしても正当な理由があり必要な経費なら協力金などと言う曖昧なものにしなきゃいいのにって思いました
登山道整備費などハッキリした名目で取ればいいのにと
的外れなこと言ってたらごめんなさい🙏
そもそも山ってタダで登れてるのが本当に恐縮って言うかタダなのに登山道が整備されてないとか草がボーボーとか文句言う人がいたりするのって、一円も払ってないのになんかおかしいなって感じてるところがあったのでそう思いました😅
なんかすいませんm(_ _"m)ペコリ
まぁ 山小屋のトイレの100円さえ払わない自己中もたくさん見て来たから上手く行かないのはよくわりますけどね(笑)
そんなやつ見たら漏らせばいいのにって呪いをかけてますけどw
コメントありがとうございます(*'▽')
マイカー規制に係る費用について、自治体がどういう見解でいるか正確なところは定かではありませんが、少なくとも当事者(登山者)に負担させるのが筋、と思っているんだろうなと感じてしまいますよね。
仰る通り『協力金』=『募金』の認識は間違ってないと思いますよ。
運営サイドとしてはきちんと徴収したいところでしょうね。
ただ法律の関係なのか、国立公園という場所による制約なのか、なかなか法に則って一律一定額を徴収する(あるいはその土地を利用して商売する)のが難しいのではないかな?専門家じゃないので正確にはわかりませんが。
なので協力金という募金に近い形態をとらざるを得ないのかもしれません。
ただ経緯はどうあれ『協力金』である以上払う払わないは自由で選択の余地があります。
しかし、ここの協力金はしれっとなし崩し的に知らない間に徴収されるシステムなので、そもそもそれと知らずに払っている人も多いんですよ。
だからそのやり口が気に入らないという人も一定数いて当然ですね。
募金もそうですが、自分の払ったお金が何に使われるか、キッチリ納得してから払いたいという人はいて当然ですから、募る以上は説明責任は徴取する側にあると思っています。
逆に山小屋のトイレなんかは100円入れないと鍵あかないとか、受付で利用料払って鍵借りるとかそういうシステムにしても良いと思いますけどねww
私も値上がりについて理由に説明が追いついてないのが嫌ですね。というか説明が不十分なものに対してほぼ強制的に選択肢なく支払いを求められるのが好きじゃないです。お金の利用内訳とか具体的に説明があって(あとで簡単にサイトで見られるとか)選択肢があるなら支払うと思います。
いろいろ意見があるけど、まずは協力金は任意なんですよってことですね。払う人もいて、払わない人もいて、どっちも間違いじゃないなと思ってます。
コメントありがとうございます(*'▽')
山の界隈ではテント場の値上げなど根拠不明なものが多い印象で、とりあえずコロナや物価高を謳っておけばええやろの精神を感じてしまいますよね。
特に最近はコロナを理由に値上げされた価格がそのまましれっと据置というパターンも多く、世間的には終わったとされているコロナを理由にいつまで値上げしてるんだ?というケースが非常に多いなぁと思ってます。
まぁここはそんなわけで調べた通り、収入の半分を協力金で賄っているわけですが、それって自治体や行政の怠慢じゃね?とも思ったりします。
そうですね、懐事情はどうあれ形態として『協力金』の体を取っている以上、支払いは任意であり自由意志によって決定されるべきものですからね。
それに対して他人がとやかく口を出すのは少々乱暴かなと思います。
払わない人に対して変に圧力がかけられるのは一種のモラハラですし。そこは慎重に議論したいところですね。
南アルプス林道の修復事業は令和9年まで延長しているようで、長期の集客減少を見込んでいるかもしれませんね。確かに値上げに当たっては丁寧な説明が必要だと思います。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sekou/hyouka/attach/pdf/r2meval-11.pdf
コメントありがとうございます(*'▽')
令和9年ですか…
土砂崩れが発生してから今日まで丸4年、行政は何やってんだという見方もできますが
場所が場所だけに林道の部分復旧に留まらず広範囲の治山工事が必要であるという見解なんですね、てか何がビックリかってこの山域の治山工事、昭和34年度から現在まで未だに完了してないんですねw
100円の値上げ分に関しては、計算上4〜4.5万人ほどまで客数が回復すれば200円に戻しても十分賄える計算になりますが、その場合一度上げた値段を戻すのか否か。
また客数が回復しなかった場合でも、理由をずっと『コロナ』にするのか否か、関係者も頭が痛いところでしょうね。
他所者なので、地域行政や土地の方の心情、今までの経緯がわからないので収支決算書から感じた感想だけ述べますねー。
見てみると…
明らかだったのは交通会社からの協力金が予算に対して得られていない。
恐らくこれはコロナの影響かと解釈できます。
社名が直ぐに浮かぶ地元の方の方が判断容易いかと。
逆に利用者(一般通行)からの協力金は予算以上に徴収できている。
支出は予算に合わせ随分マイナスになっています。
それが苦渋で要るものまで削っているのか?そもそも必要ないものを削っているのか?
その辺りも地元の方が見ればわかるのかもしれません。
なんとなしに観光で成り立っている財政のイメージはありますが、私のイメージで調べてないので憶測の範囲です。
そして…
山へ行く人、行かない人、両者から徴収する地方の税金から今まで以上の予算をつけるのはかなり大変かと予想します。
必要なものに予算足らずでお金を使えず不十分なことになっていた。
そんな状況だったなら他府県から通行する私達は値上げ分はお支払いするべきかと思いました。
(まだ通行してないですけど〜笑)
林道復旧の遅れは人手不足とか、予算不足ではなく怠慢なら問題かと。
内情わからないので、そこはなんとも言えません。
収支決算書のみで判断した地元内情がわからない立場からの意見ですので、悪しからず…。
コメントありがとうございます(*'▽')
おぉ、わざわざ他地域の決算書まで読み解いていただいてありがとうございます♪
仰る通り、コロナを境に交通会社からの収入が減額されています。
これはコロナ前までは毎年きちんと定額で納められていたものなので、登山客の減少による収益悪化に対する措置の可能性は高いです。
あるいは定額制だったものから歩合制のような形態に制度が移行した可能性もありますね。
確かに、一度決めた予算を状況に応じて変化させるのは難しいかも。
しかもその予算の受益者は主に県外から訪れる観光客なわけですから、性質上予算がつけづらいのも納得は出来ます。
ただ、同じ道路を利用しているにもかかわらず協力金取らずに運営してる長野県側というモデルケースがすぐ隣にあるのが厄介なところで…
当然内部事情は異なるので一概には言えませんが、ぱっと見『山梨県怠慢じゃね?』と思われやすい環境にあるのは事実ですね(;´Д`)
山梨県としては、長野県のように協力金なしで運営できない明確な根拠を提示する必要があるのかな?と思います。でなければ多少の文句が出るのは受け入れるしかないかなw
林道復旧に関しては、感想として『無くても困らない路線だから力を入れていなかった』と思われても仕方ないのかな?という状況ですね。
これが広河原手前の主要林道であったなら、1年と経たずに復旧したはずです。
少なくとも4年も不通などということはおそらくあり得ないでしょう。
確かに無くても困らない路線なのは事実で、実際登山者は長野県からの入山を選択することで一定のニーズは満たされてますからね。
結果山梨県側からの入山が減少し、長野県側が潤っているという話なのですが、その煽りを協力金という形で登山者に負担させるような構図はどうなのかな〜と。
きちんとそう説明した上で協力金を募るなら良いのですが、何でもかんでもコロナでひとくくりにするのはズルじゃね?と思っちゃうんですよね。
ちょっと今年の決算書が楽しみです、また決算出たら一緒に読み解いてくださいw
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