それでもカメラ買いますか？

2025年09月26日 07:09登山以外の趣味全体に公開

昨日、Bright-Doorさんの日記を拝読しました。

日記：山行に使うカメラはスマホカメラか？ガチカメラ（ミラーレス一眼など）か？
https://www.yamareco.com/modules/diary/893747-detail-372956

スマホカメラの優位性、それでも重くて嵩張る本格的なカメラ（ガチカメラ）を山に持ち込む意味。
実体験を基にわかりやすくまとめられて良い日記だなと思ったのですが
特に印象に残ったのが『ガチカメラに憧れる方が失敗するパターン』という部分で
個人的に非常に共感できたので、そこにポイントを絞って日記を書いていこうと思います。

まず大前提として

私自身、ミラーレス一眼を使ってはいますが
カメラをお持ちでない方に対して、ガチカメラの購入は敢えてお勧めしないというのが基本スタンスです。
何故ならば、高性能なスマホカメラの写真に目が慣れた現代人がガチカメラを使ったとしても
『あれ？こんなもん？』と落胆する情景が何となく想像できてしまうから。
なので、仮にガチカメラの購入について相談されたとしても、何か特殊な事情でもない限り
答えは原則『コストに見合わないと思います』

近年のスマホカメラの性能と、その進化スピードは異常と言わざるを得ません。
パッと流し見した程度ではスマホ写真とガチカメラの写真を100％判別するのはもはや難しい。
『いやいや、そんなこたぁねぇよ』という反論もあるとは思いますが、私は間違えない自信がありません。
あくまでも私の主観ですが、一般的な被写体を普通に撮影し、スマホ上で鑑賞する場合において
ガチカメラの優位性はほとんどないと思います。
もちろん細かいことを言い始めれば、数値上はガチカメラの写真の方が優れているに決まってますが

『買ってパッと撮っただけで魔法のように見違える写真が撮れた』

というようなことは現実的には起こりえないと思った方が良いです。
それなりの価格のするガチカメラを使えば無条件でキレイな写真が撮れると思われがちですが
それは大いなる誤解であるとこの場でハッキリ申し上げたい。
スマホカメラに対してガチカメラの写真が圧倒的に優れていたのは一昔前の話で
スマホカメラが急激に進化したことで、比較的進化の緩やかなガチカメラの存在意義は相対的に低下しています。
故に、私の結論は上記で述べた通り『ガチカメラはコストに見合わない』となるわけです。
これが、私の考える今現在のスマホカメラとガチカメラの立ち位置。

じゃ、何でお前は買ったんだよって話になりますよねｗ
自分の実体験とあまりに矛盾してないか？と。

ここまで散々スマホカメラの優位性について語ってきましたが
それでもなおガチカメラの方が優れている点というのは少なからずあります。
そもそも、スマホの写真が美しく見えるのはソフトウェアによる編集技術が群を抜いているだけであって
所詮は1cm前後のレンズとフルサイズの30分の１程度しかないイメージセンサーが生み出す画像。
言うなれば、それっぽくごまかす技術が神がかり的に優れているというハナシなわけです。

先ほど『パッと流し見した程度では写真の違いを100％判別するのはもはや難しい』と申し上げましたが
拡大して見ればその差は歴然、ほぼ100％判別可能です。
そこには物理的に超えられない性能の壁というものが確実に存在します。
例えば、大口径レンズと巨大なイメージセンサーによる光学性能や描写性能であり。
それらが生み出す圧倒的情報量によるレタッチ耐性の高さであり。
そして何より『撮影してる！』と実感できるフィーリング。
いかにスマホが進化しようとも、ガチカメラの長所が全て消えてなくなるわけではありません。
これらのポイントが具体的に自分の求めるニーズと合致するのか？
その見極めさえ間違えなければ、スマホ進化の著しいこのご時世であっても買う価値は十分にあります。
それらを考慮した上で、私の思うガチカメラを買って後悔しない人の条件は以下の6つ。

① スマホで捉えられない被写体を撮影する人
② スマホで表現できない描写を必要とする人
③ 望遠域を多用する人
④ 細部までシャープで鮮明な描写が欲しい人
⑤ 写真の完成イメージがある＋写真編集が好きな人
⑥ 『カメラ』で『撮影』すること自体が好きな人

これらの条件のうち、ひとつでも当てはまればガチカメラの購入を検討しても良いかもしれません。
もし複数当てはまるようなら、買ってしまってもおそらく後悔はしないと思います。
私は上記のうち④⑤⑥がガッツリ当てはまっているので、ミラーレス一眼を購入しました。
故に、全く後悔はありません。

逆に言えば、上記がひとつも当てはまらないのであれば、おそらく高確率で失敗するでしょうね。
総じて言えるのはガチカメラの優位性が昔ほどない現代において
『何を撮りたいか』『どう撮りたいか』『そもそも好きか』は殊更重要なように思います。
要するに『何となくイイ感じの写真が撮りたい』みたいな抽象的な理由ならやめといた方が無難ってことです。
むしろそれこそがスマホカメラの領分。

でもそんなの、カメラに詳しい人や昔カメラをやってた人ならばいざ知らず
これまでカメラを手に取ったことのない方が判断するのは難しいですよね。
そういう意味では、初心者がガチカメラに手を出しづらい時代になったのかもしれません。
ただ間違いなく言えるのは
買って、撮って、その写真に震えるような感動を覚える、なんてことは起こりづらくなったと思います。
スマホ写真の台頭で、世間の写真を見る目がそれだけ肥えたということなんだと思います。

最後に
冒頭の画像2・3枚目はいずれも先日私が十勝岳に行った際に撮った写真ですが
2枚目は、撮った後私が写真編集したもの
3枚目は、同条件で撮って出し（何も弄らずそのままJPEG出力）したものです。
それなりに高価なミラーレス一眼の写真でも、全く設定を詰めず、かつ写真編集しなければこんなモンです。
繰り返しますが

『買ってパッと撮っただけで魔法のように見違える写真が撮れた』

というようなことは現実的には起こりえません。
それでもカメラ買いますか？

2025-09-14 原点回帰。

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