山屋の常識に反逆するようで心苦しいですが、自分の体験からして厚底の登山靴は雪山以外では過剰に思えてなりません。重登山靴はもちろん、軽登山靴であっても、人が履いて急登を登っているのを見ると、ああ〜〜と思ってしまいます（とっても大きなお世話ですが…。嫌われるので口に出しては言いません。ここで書くだけにします）。
ぼくが山に目覚めた時期、山道具屋をめぐり歩き、最初に買ったのがモンベルのアルパインクルーザー3000という重登山靴でした。足裏が鍛えられていない迷える初心者にとって、足を地面のゴツゴツから守ってくれる固いソールは山屋の誇らしい武器と思われ、羨望の対象でした。店員さんの「これであればどんな山でも通用しますよ」の言葉を素直に信じ、購入後、飼いならせない自分を責めて苦行を重ねました。冬に凍傷から足を守ってくれる保護性能は、夏には重りとなって足の皮膚や膝関節に牙を剥くということも知らずに…。雪上を前提に作られた、片足1kgあるクッションのない夏はムレムレの靴。これで下りの大倉尾根を暴走して膝をやっちゃいました。
しばらくの試行錯誤を経て「重さは悪」との境地に達しました。しかし「厚底＝膝にやさしい」「足裏を守る」の呪縛からはなお解き放たれていなかったのです。そこでぼくは考え、「軽くて厚底の靴」へ、すなわち比較的へビーめなトレランシューズへと転進しました。一応、膝痛とは仲良く付き合いながら、騙し騙し登山を続けてきました。それが昨年までです。
今年になって、半ばヤケクソで薄底のランニングシューズで夏山を縦走してみたところ、膝痛は治らないまでも、悪化しないことに気付きました。これは意外にイケルと。逆療法はやってみるものです。
さらば登山靴、ランシュー万歳！でやっていこうと心に決めたころへ、この夏、追い討ちをかけるように薄底の靴のほうが足に良いという逆説を説くランニング本との出会いがありました。自分の中で芽生えつつあった仮説、「薄底の靴こそ膝に良いのでは？」は、俄然真実味を帯び始めました。
貧乏性のぼくとしては、結構な値段のするVFFには手が出なかったので、反骨心もあり、ホームセンターで地下足袋を買いました。VFFはいまだ履いたことないので比較できませんが、地下足袋、これで十分イケマス。今年７月以降、地下足袋で山行を５回、10kmジョグを２、３回しました。それだけで十分でした。「薄底＝膝によい」はすでに確信に変わっています。
地下足袋を試し始めてからわずかな期間で急速に膝痛とは縁が切れました。あれほどひ弱だった我が膝くんは、現在、ロング縦走してもまったく音を上げません。いままでが何だったのか？という感じです。
地下足袋はゼロ戦のように運動性能（特に登りでの）は素晴らしいですが、プロテクション性能は低いです。しかし、なんとかなるものです。あらかじめプロテクション性能が低いことを脳にインプットしておけば、足さばきがカバーしてくれます。これまで地下足袋山行を都合80kmくらいしていますが、ケガしたことはありませんし、今後もしないと思います。
現在ぼくが履いている地下足袋はホームセンターで買った最も安価なモデルです。ソールがあまりに薄いため、石ゴロゴロの道で足裏が痛むのが難点です。チューニングの余地はあります。若干のチューニングで克服できる部分であると思っています。
グリップ性能は、ソールの軟らかさと比例します。凹凸のパターンより、ソールの軟らかさがグリップ性能に影響します。
膝痛でお悩みの方がこれを読んでおられたら、今ご自身が履いておられる靴よりもソールが薄くて軟らかい靴を試してみられることをお勧めします。千円前後の投資です。よかったら、地下足袋を買って遊んでみられてはいかがかと。恥ずかしいのであれば、夜近所を散歩するだけでもいいです。しばらく続けてみれば、効果を体感していただけるものと確信しております。（責任は取れませんが（笑）でも、きっと損はないと思います）（あと、慣らしは必要です。最初はちょっとキツイです）
長文、どうも失礼いたしました m（＿＿）m
おおお！！！これは貴重な情報を！
ここ一ヶ月、これまで縁がなかった膝痛に
悩まされており、まさか・・・まさか・・・
大枚をはたいて購入した重登山靴・・？？
と思っていましたが。。。
まずはトレランシューズに戻してみたいと思います。
そしてゆくゆくは足袋にも挑戦してみますｗ
地下足袋はjinさんのレビューでも気になっていたのですが、膝にも効果的とは！
膝に不安がある自分としても大変参考になりました
近々ワークマンへ行ってきます
貴重な情報を有り難う！！
地下足袋購入に向け、後押ししてくれました。
道無き道を進むので、踏み抜きに若干不安があるのですが、
試してみなきゃあ 始まらないっと
kimidoriさん、おはようございます
そうですね、案ずるより生むがやすしですね
山では、とがった石がゴロゴロしている道を外して使うのがいいみたいです。心配な区間だけは、ザックに予備シューズを入れておいて履き替えるというのもアリですね。
杭とか木の根は、意識のどこかで必ず注意しているせいでしょう、不思議と踏み抜かないです。
土だけのトレイルでの地下足袋は、裸足感覚が味わえて、それは気持ちいいですよ。是非お試しください！！
ふぁんくさん、hoppyさん、コメントありがとうございます。
細かい理屈はベアフットランニングの本を読んでみてください。理屈なんか知らなくても、VFFや地下足袋で大地を駆けることを体が覚えれば、無意識に足の使い方が改善されると思います。
さすがに裸足じゃ厳しいですからねぇ
でもアフリカの部族なんかが裸足で暮らしているのを見ると、石ゴロゴロさえなければ裸足がベストなんでしょうね。きっと病気にもならないんではないかな。
おはようございます。
貴重な体験談です。走殿も膝痛をお持ちだったとは思いませんでした。
最近、足部の骨格にたいへんに興味を持ち始めております。手のひらに近い形状から変化し、なお現在も進行中の足部の進化。指が横一列に配置され、親指がもっとも前方に出ている形状。その理由は素足に近い地下足袋が教えてくれそうな気がします。
足裏が薄いことの利点は、その重心位置にあるのでしょう。むしろ衝撃吸収の点では不利は否めないとおもいます。低重心のおかげで、その上に立つ骨格(脚部、腰まで)に何らかの良い効果が出るものと思います。
先日、慣れないスパイク足袋を履いて、足首を悪くしました。スパイクピンの分、重心が高かったのが原因の一つと考えています。
踏み抜き、足裏の痛みに対しては、インソールでの改善を追及する余地がありそうです。ステンレス版入りのインソールなども購入しました。(討ち入りの際に効果を期待します。)
とがった岩などが露出した場所ではかえって歩きやすいと思います。指でつかむ感覚です。
上高地の主と呼ばれた常さんなどは、舗装路のことを「都会の道はすべっこくて危ない」と批判していたそうな。
長文で失礼しました。偶蹄目クラブより
私の子供の頃は、冬場以外は教室や運動場は全て裸足でした。あのアベベも裸足で42.195ｋ走りローマオリンピックを金メダル獲得。地下足袋は大賛成です。
「ＢＯＲＮ ＴＯ ＲＵＮ」メキシコ山岳民族タラウマラ族の裸足が書か興味深く読みました。（詳細は省きます）
http://www.trailrunning-ohkoku.jp/topics/2010/02/born-to-run.html
甚さん、いらっしゃい
偶蹄目クラブのメンバーに加えてくださいませ。
なんなら丹沢支部長でも引き受けますよ
ほんとに低重心は大きいですよね。
週末ワークマンで地下足袋用インソール420円というのがありまして、フワフワ素材なので迷っているうち買いそびれました。鍛錬と保護という二律背反をバランスさせたインソールをみつけたいです。
YAMAKENさん、こんにちは
あのタラウマラ族の履き物、履いてみたいっす 。
あの本には、好きなフレーズがいっぱい
「それでもカバーヨを止めることはできなかった。走ることはどうやら彼の人生で唯一の快楽であり、彼はそれをトレーニングというよりグルメ料理のように味わっていた」
「人は年をとるから走るのをやめるのではない」とデーモンは言っていた。「走るのをやめるから年をとるのだ」
こんばんは
地下足袋のお話、、、、興味深いです
入会をしてまだ日が浅いですのでもう語られていたのかもしれませんが
大阪の岸和田だんじり祭り
２日間の走行距離がフルマラソンの２倍程度の８０�劼鮹浪実�袋で走り続けます
地下足袋の足裏部分はエアークッションが入っていて通常このタイプを皆さん履いています
私も登山で使えないか気になっていまして
エアークッション地下足袋をいつか試してみようかなぁ？と思っているところです
追記：
岸和田周辺では祭りの前に大勢の方がランニングをしています
（走りこみと言っています）
１町で祭りに関わる方々が凡そ２００〜３００名×岸和田市全町のだんじりを合わせると４０数台です
夏の暑い最中に焼けたアスファルトの上を全力疾走する
だんじり祭りでの足の疲労度は相当なものだと推測します
老若男女ともにカッコ良いです
コメントありがとうございます。
エアークッションのタイプはどんな感覚なのか、前から気にはなっていました。
地下足袋にも、目的別に原型のもの、エアーのもの、スパイクのもの、カップのはいったもの、いろいろバリエーションがありますね。自分は裸足に一番近い地下足袋から出発したかったので、とりあえずふつうのタイプでがんばってますけども。
すでに自分の経験から地下足袋でロング登山しても驚かないですが、ロードで８０kmは驚きです。エアー足袋、相当のすぐれものなのでしょうねー。
hasytterさん、こんばんは。
マタギの衆は地下足袋だそうですから、そもそも合理的なんだと思います。
ためしてガッテンで分析して紹介してました。
http://cgi4.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20100714
私はまだ試していませんけど、小股を心がけています。
あと、ベアフットランニングもTVで見て、ナルホドと思いました。
コメントありがとうございます。
そうなんですよね。合理的なのは多分間違いないんですよね。
なんで世の中、登山靴全盛になってしまったのか？が自分にとっては喉から出かかっている疑問です。あ、言ってしまった
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