富士山登頂を目標に昨年12月外輪山からスタートしましたが、ようやく達成できました。
山行記録がかなり長文になってしまったため、別立てで反省の記録とします。
⚫︎経緯
当初は夏富士に挑戦するつもりで開山直前に間に合うよう計画を立てておりました。今回残雪期富士山への挑戦となったことについて、場当たり的であったことは否めません。過去にGW富士登山で事故も起きており、アイゼン・ピッケル初使用で挑むという時点で軽率と思われても仕方がないなと思います。それを自覚した上でも、誘惑には勝てませんでした。
他ユーザーさんのGW残雪期富士山の山行記録をたくさん参考にさせていただきましたがイメージが掴みきれず、アイゼン・ピッケルを使用した雪上歩行訓練を主として経験を積めれば良しとしました。
決行を決めた大きな要素は、5/2〜5/5AM頃まで日本列島を広く高気圧が覆って安定した天候が予想された事です。天気図やウインドシミュレーター等複数の情報を数時間おきに細かくチェックしました。
⚫︎山行にあたって事前に意識した事
・物を落とさない(斜度きつく遮るものが何も無いので、どこまでも落ちてしまい回収できない)
・雪の斜面では短時間の立ち休みのみとする(荷物の上げ下ろしでバランス崩す、荷物を滑らせてロストする等リスク大)
・必ずピッケルで支点確保しながら登る(滑落リスク回避)
・登れても下れないと感じたら撤退
・雪質の変化に注意
・体感温度がイメージしづらく退避場所もないため、重ね着できるようシェルや中間着を多めに持参する
⚫︎実際に行ってみて感じた事
・雪面で物を落とす等は意識した通り防止できたが、砂走りでアイゼン外した際ケースごと転がしてしまい、50mほど落下してしまった。雪面であったら間違いなく回収不能だった。
・不慣れなアイゼン歩行と酸素の薄さで想定以上に疲れた。引っ掛けによる転倒は無かったが、下山後ゲイターに穴が一箇所、靴に引っ掻き傷が二箇所付いていた。大事に至らず良かったが要注意。
・直登のトレースが多かったが気力体力続かず、ほとんどトラバース気味に斜め上にしか登れなかった。スリーオクロック・ナインオクロック・フロントポインティングがあまり試せなかったが、ダイアゴナルは多用してだいぶ慣れた。
・ほとんどの箇所で雪は緩んでいて、たまに崩れるところはあったが不安を感じるところは無かった。アイスになっているところは目視で確認し回避可能だった。斜度きついものの、下りもしっかり踏んでいけば不安なく下れた。
・初めての尻セードは、意外とすんなり速度コントロールができて快適に下れた。雪がかなり緩んでいたためと思われる。尻セード事故のニュースを多く目にするので、天候・雪のコンディション・周囲の状況等慎重に判断しなけらばならない。
⚫︎総括
「行けるところまで」で行けてしまった、たまたま登頂できたというだけなので、これを成功体験として過信してしまうと危ういと感じました。天気と風が予報通り保ってくれたことが全てでした。
言い訳のような長文反省日記を作成したくなったのは、自分のプロフ文に「富士山は舐めたら死ぬと聞いたので、しっかり体力経験積んで」と富士外輪山踏破からスタートしておきながら、本チャンで未訓練で残雪期富士に入るというのが大きな自己矛盾だと感じてしまったからなのです。画竜点睛を欠く、をまさしく体現してしまったのです。山を舐めるなというワードがブーメランとして自分の頭に刺さっている痛さを感じています。
仕切り直して、改めて当初の目標であった夏富士山登頂を目指します。
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