クマについて念のため調べていたところ付随案件の「クマ被害防止のための入林禁止」について周知されていない事実が発覚したため触れておきます。
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⚫:2023年の秋田県の入林禁止地域
(2016〜2018年にかけて開始)
秋田森林管理局
秋田森林管理署
米代東部森林管理署
・鹿角市十和田高原地区
・鹿角市八幡平(仙北市との境界の大場谷地から澄川発電所入り口までの国道341号線沿い周辺山域)
・仙北市田沢湖玉川地区
・仙北市田沢湖田沢地区(宝仙湖より北の鹿角市との境界までの国道341号線沿い周辺山域)
入山禁止期間:春の融雪〜秋の降雪
*:ネマガリタケ採り時期は重点的に規制
*:八幡平大場谷地遊歩道は6月より一部開放
*:田沢湖玉川地区叶沢付近硫化水素規制有り
*:近隣の焼山は硫化水素の危険から一部の登山道に通行禁止有り
**:米代東部森林管理署の認識では「大場谷地↔茶釜の滝」間での登山道使用届けを受理・許可していないためこのルートは正規登山道とは認めていない。
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十和田高原地区は「2016年、十和利山クマ襲撃事件」として詳しいため扱いません。
今回扱うのは八幡平国立公園の地域についてです。
《仙北市と鹿角市を通る国道341号線の宝仙湖より北側、澄川発電所入り口までの区間においてクマ被害防止のために雪解け〜降雪までの期間を国道からの入林禁止とする》
要約するとこういう事となりますが、登山道については森林管理局の管轄外のため、登山道の管理上はクマに注意しての通行が可能です。
さらに秋田県が主にネマガリタケ採り期間中にツキノワグマ出没警報を出しているため森林管理局の入林禁止措置が霞んでおり秋田県民ですらネマガリタケ採り期間外は入林しても構わないと誤認している状況が続いていました。
そしてこの問題が鹿角市に存在する滝100選の茶釜の滝に関わってきます。
夜明け島渓谷の最奥部に位置する茶釜の滝は渓谷ルートの他に入林禁止地域の国道341号線沿いに存在する大場谷地からの入山ルートが紹介されていますが現在どちらのルートも公式な案内板表示は無い状況です。
渓谷ルートであれば入渓禁止ではないため自身の責任により進入は可能のようですが危険箇所に設置されているロープやハシゴの使用は安全補償されたものではないことを付け加えておきます。
大場谷地ルートは元々茶釜の滝出合いの左俣を詰め上がるルートが正しいそうですがいつの間にか出合い付近へと尾根筋をたどるルートがメインとなっていたようです。
但し、大場谷地ルートは先に示したとおりどちらのルートも森林管理署に認められた登山道ではないため入林禁止の指示に従わない場合不法侵入として罰せられる恐れがあります。
これは国定公園・自然公園の法令よりも財産管理者の財産権利が優先されるためです。
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茶釜の滝ルートがこのような扱いとなったきっかけは2020年9月24日に発生した頭部への落石事故救助がきっかけですが要救助者との合流までに5時間以上かかって無事救助された事実しか報道されていません。
頭部負傷と翌日降雨の天気予報が出されていたため夜間救助を実行したと推定されます。
要救助者は大場谷地ルートから入渓しているため救助側も大場谷地ルートを進んだものの渓谷のあまりの急傾斜により渓谷ルートに変更し直して救助しました。
この落石事故以後は大場谷地ルートの草刈りは行われることが無く、2023年現在も入林禁止地域を通過する大場谷地ルートをあちこちで登山道として紹介されていることに関して行政各所もあまりよくは思っていないようでした。
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入林禁止地域となってからも大場谷地ルートでの茶釜の滝の山行記録が公開されていますが少なくとも「入林禁止措置が周知徹底されておらず紛らわしい表示のため誤認して進入してしまった」・「渓谷内の設置物は使用者の責任」と表示してあれば貴重な記録として公開しても問題ないのでは? …と私は思うのですが関係各所がどう考え判断するのかわかりません。
ヤマレコユーザーの中には田沢小和瀬地区の禁止表示に従い入山場所を変更した人がいた事実だけは示しておきます。
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守るべき事を守った上で自身の危険排除の実力に合わせた山行を楽しみましょう。
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