ここまで富士吉田ルートからの登山について調べてリスクを考えてきました。いただいたコメントなどを含めてリスクと低減策をまとめてみます。
◯工程リスク
体力見合わない工程を選び、実施するリスクです。
コースタイム、標高差を見るとよほどの方でない限り、日帰りはリスクが
かなり高いです。
一番のリスク低減策は体力に応じて二日もしくは三日の工程を選ぶことだと
思います。二日に分けても登り6時間のコースタイムなので半分でも
登り3時間を二日続けて登り、最後は4時間下る体力が必要です。
あまり長い山を登った経験のない方は自分の体力や管理方法などについて
よく理解されていないと思うのでツアーに参加されるか、ツアーに沿って
計画を立てられるのがリスク低減になりそうです。
またツアーの場合、登山開始時間が早いことや体力に応じた位置の山小屋で
あることを確認して選ぶのがリスク低減につながると考えられます。
山行記録を読むと八合目手前くらいからぐったりと疲れてる登山者が多くなると
あります。仮眠では体力が十分回復しないので、体力に不安がある方は七合目と
山頂で泊まり三日目にゆっくり降りてくるという工程がいいかもしれません。
◯経験リスク
高い山や長い登山時間での登山経験は計画立案や工程管理や天候把握などの情報
収集解析力、装備、そして中止などの判断力など多くのケースでリスク低減と
寄与すると思います。とても大事なファクターですが過信につながることもあり、
注意が必要です。特に誰もが登る山や前に登ったことのある山だったりしたら。
ただそういった経験をお持ちでない方が多いのも富士山登山だと思います。
そういった方の単独や経験の少ない人同士のグループの登山は遭難リスクがかなり
高いと思います。登山ガイドつきのツアーへの参加や登山ガイドや経験豊富な方と
一緒に登ることで大きくリスクが低減すると思います。
◯悪天候リスク
他の山での重大な遭難記録を見るとほとんどが悪天候です。先週山の上に台風なみ
の風が吹き雨が降って体感温度がマイナスになるという最悪な環境もありました。
悪天候だと体力が奪われ、行動時間も長くなり、まわりが見えずに道を踏み外すな
どが起こります。先日の低体温症の方が多かった日もそうでした。
このリスクの低減策は、
・山の天気予報の情報収集力と解析力があること
・悪天候が見込まれるときに登らないこと
・悪天候になりかけたら中止するか、山小屋などに避難すること
今日は外れましたが、てんくらCなら登らないはよいと思います。
もちろん予報が悪く外れることもあります。そういった場合、自分だけで判断せず
経験の少ない方は登山ガイドさんや山小屋の方に意見を聞くのは大事です。
まわりの登山者にしたがうのもいいと思います。
せっかく来たのだから、明日は会社に出社しないといけないから、
いけるところまでいってみようと考えて、、、、
遭難事例でよく聞く話です。そう考えた時点でリスクはかなり高まっています。
コメントでいただきましたが、山頂などの気温を考えると7月下旬から8月上旬を
選ぶとリスク低減になります。
◯体力管理リスク
登れば誰でも体力は減ってきます。そこで適度なペースや休憩あるいは食事や仮眠で
ある程度のレベル以下にならないように管理していくのがリスク管理です。
もちろん登山前日の睡眠時間や登山口へのアプローチも含んで管理が必要です。
レベルを下回ると急に動けなくなったり低体温症にかかったりして、大きな事故に
つながります。喉が乾く前に水を飲むとか、お腹が空かないようにちょこちょこ
食べるとかいわれてることですね。兆候がでる前の対処が大事です。
富士山はふつうの山と違って、このルートには多くの山小屋があり、水や食べ物
そして休憩も取りやすくなっています。自分で水や行動食をもっていくとともに
うまく山小屋を活用するのがリスク低減につながりますね。
また計画でペースや休憩ポイントと休憩時間をしっかり決めておくとよいと思います。
私は単独の時は休憩が短くなりがちで同じタイプの方は気をつけましょう。
◯高山病リスク
実際に登ってみないとわからないリスクですが、コメントいただいたように
飛行機での様子や3000m級の山に登ったときの様子である程度の危なそうか
どうかの推測はできそうです。といってもひどくなければ登るのかと。
なのでこのリスク低減には、
ゆっくり体を慣らしながら登ること
休憩を多めにとること
自分に高山病の症状が少しでもでてないか確認すること
途中の療養所に相談できること
が大切だと思います。
さらに単独ではなくいつも一緒に登ってる人と一緒だと異常に気づきやすいし、
ツアーなどでは登山ガイドさんが様子をみてくださるのではないかと思います。
また死につながる病気です。ひどい場合は必ず周囲の勧告にしたがいましょう。
ペースや高度の確認にはヤマレコマップなどのアプリが便利です。ヤマレコでは
富士山アプリを別途提供されているので私はぜひ使いたいと思います。
とても長くなってすみません。
こうやって考えていくと富士山登山は山小屋や診療所など重大な事故につながらないように多くのリスク削減の策が講じられています。登山の大変さを考えると遭難が多いのではなく、多くのさまざまな登山者が登られる中、これだけの遭難で収まっていることがすごいと思えます。関係者のご尽力がすごいのだと思います。
遭難されて救助を呼ばれた方はほんとに氷山の一角なのでその方の行動だけを非難してもあまり警鐘を鳴らすことにはならないのではとも感じました。
多くの人にとって一番のリスク低減策は、リスクについてよく理解すること、そしてリスクを考えて自分にあったいいツアーへの参加することだと思います。
そして山に慣れてると自覚している私のような方は富士山を舐めずに、もう一度自分で自分の登山のリスク分析して、的確かつ詳細な山行計画の立案とリスクに応じた装備の準備が必要だと考えます。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
書きながら見る山と思ってたけど、他のルートも検討して来年登ってみようかなぁと
思いはじめています。さてどうなるでしょう。
では
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