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2020年07月05日 09:10ひそかに感想生活(ネタばれ有り)全体に公開

海外ドラマ:ポアロ「三幕の悲劇」

(ネタバレしています)


最後まで犯人が分からなかった作品です。

カートライト氏は、俳優業を引退し田舎暮らしをしています。あるときパーティーを開き、自分の友人(幼馴染のストレンジ医師や、ポアロを含む)と地元の村人たちを招きます。
 そのパーティで、地元の牧師が心不全を起こして死亡してしまいます。不吉な出来事ですが、この時は彼の死に疑問を投げかけるものはいませんでした。ところが後日、友人のストレンジ医師が、夕食の席で同じように死亡します。 カートライト氏は何かあるとにらみ、牧師の死も友人の死も殺人ではないかと考え、ポアロに声をかけて一緒に捜査を開始しました。
 いろいろと動き回っていると、ストレンジ医師の療養所に怪しい患者が入院したことが分かります。ストレンジ氏と患者は何か関係があるのかと探っていた矢先、その入院患者が毒殺されました。

このように3つの殺人が起きてしまったわけですが、犯人は、カートライト氏本人でした。
さもしたり顔で、殺人とも断定されていない死を「殺人に違いない」と主張し、捜査する側に加わっていたので全然わかりませんでした。ですので最後はどんでん返しだったなあという感想です。

しかし、殺人の動機はなかなかユニークです。

カートライト氏はある若い女性に惚れていました。子供の時から成長を見守ってきた美しい女性。「私の年齢では釣り合わない」と謙遜していましたが、内心は一緒になりたいと熱い情熱を燃やしていたわけです。

女性も相手が好きで、もしカートライト氏がプロポーズしたら受け入れてくれそうな感じです。でも彼はそう出来なかった。なぜならすでに結婚していたからです。その妻は、精神を病みフランスの療養所に長いこと入院していました。結婚生活は破綻しているのだから、離婚ができたらよかったのですが、1930年代のイギリスの法律では、妻が精神を病んでいる場合は離婚ができないとされていました。
もし彼が今のまま愛する女性と結婚したら、重婚の罪に問われます。

彼がすでに既婚者であった事実はほとんど知られず、唯一、結婚の立会人だった友人ストレンジ氏はそれを知っていました。 そこで、カートライト氏は秘密の封印のため、友人の殺害を計画するのです。

まず、飲み物による毒殺を計画し、毒殺の予行演習として自分主催のパーティを開きます。結果、招待客の中で運悪く毒入りカクテルを飲んだ牧師が死亡します。そして、その死に不審を抱く人もいませんでした。彼は自分のアイデアがうまくいくことを知りました。

次に、本番として、友人ストレンジ氏を毒入りワインで殺します。

その後、「これは殺人にちがいない。ポアロ、いくぞ!!」と捜査に乗り出します。そして、ストレンジ氏の療養所にいる患者が何かカギを握っているように見えたので、ポアロとともに療養所関係者から話を聞きます。その後、その患者を殺害。
これは、ポアロを誤った方向に導くためだけに、患者さんは殺されたのでした。

これが3つの殺人事件の真相でした。
自分の「既婚の事実」を隠すため、友達を殺し・・殺人の予行演習のために牧師を殺し、捜査のミスリードのために無関係な人を殺害。合計3人を殺害した。


ドラマは面白かったと思っているのですが、あとでふと考えてみた時

“これは、奥さん一人を殺害したほうがよくなかったか?”

と思うのでした。


そのあと、奥さんを殺害しない理由も頭の中で勝手に妄想していました。やはり一度は連れ添ったから情があるのか、自分に容疑がかかるとか、殺した友人は腐れ縁的でどうでもよかった友人なのかなあ、とか、とにかく秘密を封印したいのか。
創作物なのであまり妄想してもしょうがないのですが。おかげで印象に残りました。
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