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草すべりの分岐には、荷物がひとつ。ピストンしている人が1人いるようだ。分岐から一旦下る稜線には、道がはっきりついているようには見える。ザラザラと落ち着いていない斜面を下り、ハイマツをこするような狭い道を進む。濡れたシャクナゲがきれいだ。岩と岩の間の植物を踏みつけないように、避けるのも楽しい。ただし、地図では破線で、実際も殆んど印がない。稜線を外さないように気をつけねば。
上部がザレているのが小太郎山だろうか。ずっと目の前に見えてはいる。そして、先客が1人、さっきからずっとその頂にいるので、きっと頂上だろうと思い込んでいた。でも実は、その先に、よくあることだが、本体の柔らかいシルエットの山体が隠れていた。結局、巻き道はなく、さっき見えていた結構急なザレを行くことになる。さらに30分、ようやく山頂。静かだ。一日中過ごしてもいいようなところだ。残念ながらほとんど雲の中だが、いいところだ。山荘のお弁当を食べて、帰途につくことにする。
帰路、近道をしようと、稜線をはずして、仙丈側の細かめのガレのかすかな道を進むが、完全に行き止まりになる。戻るのが面倒なのでガレをよじ登ることになった。来た道を帰るのが安全である。ガレが道に見えてしまうのである。今度こういうことがあったら、きちんと引き返すことにする。