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富士見平小屋からは、瑞牆山への石の多い道を滑らないようにやや下る。じきに小川山への標識。4時間とある。ゆっくり行ったら暗くなる。破線の道だが、人がいっさいいないだけで、雪があるわけではないので、迷うこともない。伐採小屋跡の辺りで、2回渡渉する。石の上をひょいひょい行くだけである。その後は、とにかく森。ひたすら森。花もない薄暗い森。苔びっしりの森。日焼け止めは塗る必要がなかった。シヲサブというところで、いったん視界が開ける。左に多分目的地が見える。下の方は、瑞牆山のような雰囲気の岩盤剥き出し。上の方は、ただ森。その後も、特に急斜面もなく、快適に歩く。時々、花のないシャクナゲが道を塞ぐ程度。3,4回、蜂が自分の周りを旋回する程度。東側への分岐のあと、あっけなく頂上到着。
頂上は狭い。眺望もない。信州峠へは、緑のロープをまたいで西へ行くのだろう。行けそうだが、もちろん行かない。時間は2:05。そんなに速く歩いたわけではないので、軽装ならバスで日帰りできそうだ。15分後には、来た道を戻り始めるが、じきに嫌な音がしだす。近づいてくるゴロゴロ。ついに、ピカッ、5秒後にゴロゴロ。森の中ではあるが、激しい雨が、直接打ちつけてくる。雷に追いかけられながら、川になった道をバシャバシャ下る。すぐ後方で、バリバリバリッとこの世の終わりのような音がする。独りで何か叫びながら歩いている。伐採小屋の近くの渡渉を、ずっと心配しているのだが、来た道を戻る。
やっぱり、沢が濁流になっている。幸い、膝くらいなので、ストックで確認しながら、転ばないようにゆっくり進む。もう一回渡り返す。緊張したが、これで帰れる。瑞牆山との分岐に戻って来ると、瑞牆山から下りてきた親子。多分瑞牆山の方が怖かったのではないだろうか。今回の山行は、これでお腹一杯。ビールを飲んでゆっくり寝て、明日は増富温泉に入ってすぐ帰ろう。この後、早朝までテントを雨が打っていた。
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