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2025年02月28日 23:48雑感全体に公開

R7.2.28路傍の石

山を歩いていると、ときどきなんだか山と一体になっている感覚になることがある。

歳を重ねれば、ある程度、物分かりが良くなると思いきや、なかなかわからないことだらけ。

およそ人1人の考えなんて、大したことないんだなとか思ってしまう反面、世の中を自分というフィルターを通して見ている。

こうしている間にも世の中は動いていて、それは良くも悪くもなく、ただ動いている。

最初、私が山に行くようになったのは岐阜にある金華山から。きっかけは、ある時期まったく異なる人々から偶然、「金華山に登ったら」と何回も言われたことから。

登ってみるとその度に、同じようで異なる景色が広がっていた。道を歩いていても、変わらない日常が、なにかしら異世界に迷い込んだような気がした。不思議な体験もした。

見知らぬ人たちと、挨拶を交わす。
路傍に石がある。見慣れているはずの見慣れない風景、木々の音、鳥のさえずり、日の光。

現代の映像で表現できないものは
視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の五つの感覚のうち、匂いや味や触れること。それらは入ってこないから、そこから来る心の感覚も微妙に違ったものになる。

きっとヤマレコを使っている人の中には
実際に自分だけが体感できる何かに、とりつかれている人が多いのだろうと思う。単純に楽しいから、体力作りのため、頂上への達成感、現実逃避、普段では味わえない異世界への旅立ち。エトセトラ。

山本有三の小説「路傍の石」の名言「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」

今は、以前のように金華山には行っていないけれど、石からしたらどうなんだろうと思ったことがある。なにか理由があってそこにあるわけではなく、偶然が重なってそこにある訳で、そこになにかしら、自分の心を投影してみると、長い年月をかけてそこにあるのだろうけれど、石にもし意志があったとしたら、ふと、「今、どうしてここにいるんだろう。」と思うんだろうな。と。

自分を本当に生かすって、どういうことなんだろうな、世界の偉人と言われる人々だって、結局は人間な訳で、でも、偉業を成している。でもでも、きっと表には出てこないその人にしかない悩みがきっとあるのだと想像する。

登山道で、石があると、次に来る人が転ぶといけないからと、少し蹴って横にやることがある。登山道にベンチがあったり、ロープがはってあったりすると、誰が作ってくれたんだろうなと思う。思えば、今の自分の生活、服の一つだって、知らない誰かが作ってくれたものだなあ。登山道の踏みしろも、なにかしら、自分の知らない以前から道ゆく人のおかげで、こうしてあるくことができるんだなあと思う。
でもでも、蹴ってしまったあの石は、その後どうなってしまうんだろうな。

「自分を本当に生かす」とはどういう意味なのか、わからなくなってくるのだけれど、きっと山やまにある石たちは、上下無く、そこにあるんだなあ。人生に意味はないけれど、それを時々、考えることには意味があるんだろうな。

人生はいろいろ、人により様々、その人だけが味わった道がある。みんなが路傍の石、けれど、ここにいるみんなは、ヤマレコユーザーというただそれだけの、集まりなんだけれど。みなさんのレコを見るたびに、また、山へ登りたくなるのは、なぜだろう。

山の数え方「座」山頂は神様が座る場所と考えられていた。日本は古来より自然信仰の国で、岩や滝などにも神さまが宿るとされてきたそう。そもそも、神とは、というところなのだけれど、山へ行く度に、なにかしら得るものがあるのは、不思議なことだと思う。万物の不思議な働きを神と言うなら、きっと山頂には神が居る。

何かしら取り止めもないことを書いてしまった。
さあ、また、低山登山しよう。
そのためにはそこまで足を運ばないと。
まだ見ていない新しい景色を見るために
その景色を見た時の感動を得るために。
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コメント

誰かの意志で蹴り出される石。

蹴り出された石の意志は、
蹴り出されて、無念なのか、
安堵しているのか。


山は、
諸々、些細なことにしてくれて、
温かくもせず、冷たくもせず
今日も私たちを迎えてくれる。


そんな山が私はキライではない。
2025/3/1 17:34
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