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(自分の八ヶ岳山行のレコをアップしました。よろしければ、こちらも合わせてご覧下さい
【八ヶ岳】赤岳 赤岳鉱泉〜地蔵尾根〜文三郎尾根 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7053570.html )
4回にわたった「のらざあ」利用の手引き、いよいよ最終回です。これまで折に触れて語ってきたように、今回の八ヶ岳山行では、行きは茅野駅から美濃戸口行きの路線バスに乗車し、山中で1泊。2日目に赤岳へ登頂し、その下山後に帰路のみ「のらざあ」を利用させてもらいました。前回説明したように、美濃戸口から一番近いバス停は「原村エリア」にある「三井の森(もしくは四季の森北)」になります。そこから「のらざあ」でアクセスできる鉄道駅は、エリア外でありながら特例で行けるJR富士見駅だけなのですが、実は旅の計画段階では「のらざあはエリア外への運行はできない」という基本ルールしか把握していませんでした。「原村エリア」内には鉄道駅がないのですが、富士見駅へだけは例外的にでアクセスできる、ということに気づいていなかったのですね。
とはいえ、元から下山後には山麓の温泉宿にでも泊っていこうと思っていたので、その日のうちに鉄道駅までたどりつけなくてもいいかな、くらいに考えていました。となると問題は宿探しです。そこそこ標高が高い場所で、温泉があって2食付きで、手頃な値段でゆっくりできるところはないかと、あれこれ探してみたところ、標高1200mの別荘地エリアにある「信州原村八ヶ岳温泉 樅の木荘」(http://mominokisou.com/ )という宿が、まさしく条件にピッタリなことがわかりました。しかも調べてみると、宿の目の前に「のらざあ」の停留所まであります。予定日に部屋に空きもあったので、これ幸いと予約を入れました。合わせて「のらざあ」のアプリで、「三井の森」から「樅の木荘」への乗車予約も済ませました。
これで2日目までの行程は完成しました。残る問題は3日目、樅の木荘から駅までの足をどうするかです。ところがこれは意外なところから解決の糸口が見つかりました。樅の木荘の公式サイトにあるアクセスのページに、茅野駅から樅の木荘へのアクセスの方法が記載されていたのです。どうやら、のらざあで「原村役場」という停留所まで行けば、そこから茅野駅へ行くコミュニティバスが出ているらしいのです。さっそく当該の路線(穴山・原村線)の時刻表を調べてみると、6:49、7:45、9:45……といった具合に便があることが分かりました。宿の朝食の時間は7時からだったので、早食いすれば7:45のバスに乗れないこともないかもしれませんが、いかにもせわしないです。どうせ後の予定は特に決まっていないので、9:45のバスに乗るつもりにして、9時10分に樅の木荘から乗車ということで「のらざあ」の予約を入れました。
そしてやってきた「のらざあ」乗車日(山行2日目)……。赤岳から下山した自分は、美濃戸口から30分ほど歩いて三井の森停留所までやってきました。予約した16時までには30分ほどの余裕があります。管理センター前にあった自販機で500mlのコーラ(※)を買い求めると、それを飲みながら「のらざあ」を待ちました。(※余談ですが、山中では500円、登山口では220円くらいしたコーラが、ここでは確か180円でした)
のらざあのバンは定刻の少し前にやってきました。運転手さんに「予約したものです」と名前を告げると、そのまま乗車するように促され、差し出されたトレーの上に前払いの料金を乗せると、クルマはすぐに発進しました。十数分で目的地の樅の木荘に到着。あっけないくらいスムーズな乗降でした。チェックインを済ませると、その後は宿でゆっくりしました。
そして最終日である3日目。早朝5時過ぎには起床したので、朝食前に宿から30分くらいのところにある まるやち湖に散歩に出ました。宿に戻ると、7時きっかりに食堂に向かい、ゆったりと朝食を取りました。その後、朝風呂につかり散歩の汗を流し、部屋でまったり。宿のチェックアウトを済ませたのは9時少し前でした。そのまま宿の前の道にある停留所に向かうと、ちょうど「のらざあ」のバンがやってきたところでした。のらざあは他の乗客がいなければ、予約時刻より前でも発信するので9時5分頃には自分は既に車中に人になっていました。自分の他には乗客のいないバンは田舎道をスイスイ走り、9時15分くらいには原村役場に到着。アプリで予約した際にAIが出した予定では、9時10分の乗車で原村役場に到着の時刻は9時30分頃とのことだったので、予定よりかなり早く、バスの待合所で30分くらい待つことになってしまいました。まあ、ギリギリに向かってハラハラするよりはマシでしょうか。そして9時45分、定刻通りやってきたコミュニティバスに乗車し、茅野駅へ向かいました。
「のらざあ」の乗車料金は「三井の森−樅の木荘」間が500円、「樅の木荘−原村役場」間も500円でした。コミュニティバスの方は「原村役場−茅野駅」間で200円。合計で1200円なので、タクシーよりかなり安いと思います(まあ「三井の森」から直で「富士見駅」まで行っていれば700円で済んだのですが、それは今さら言っても仕方ないことです)。
以上で、自分の「のらざあ」搭乗記は終了です。ここまで自分の駄文・長文にお付き合いしていただいた皆さん、本当にお疲れさまでした。ここまでお読みくださった皆さんなら「のらざあ」で八ヶ岳にアクセスすることも決して不可能でないと、そう信じたいところであります。しかし、自分で調べたり、文章を書いたりして思ったのですが、この「のらざあ」というシステム、本当に一見さんには利用が難しいですね。元々地元の人向けのサービスなので仕方ないのかもしれませんが、「茅野市エリア」と「原村エリア」で運行エリアが分かれていて、エリア跨ぎの利用ができないとか、一部例外でエリア外の駅へ行けるとか、登山者にとって必要な情報を把握できるまでにえらい苦労しました。茅野市と原村で「のらざあ」の利用案内のページがわかれていることも、混乱に拍車をかけました。まあ「のらざあ」も導入されたばかりで発展途上のシステムです。これから利用者が増えれば、運用実績を反映して、もっと分かりやすいシステム・案内が構築されるようになることでしょう。その火を絶やさないためにも、皆さんには是非とも「のらざあ」を活用していただきたいです。
美濃戸口行きのバスがないシーズンオフの平日でも、富士見駅からたった700円を出せば、美濃戸口の2.5キロ手前まで行けるのですから……
おはようございます。
公共交通機関派の私にはとても参考になる情報、ありがとうございました。
千葉県南部にも同じような乗合タクシーの「チョイソコ」があります。バス停はあちこちにありますが、めちゃくちゃ地元の地区名なので、マップと照らし合わせないと識別が難しいですね。
停留所のわかりにくさ、これは確かに今後の課題ですね。のらざあの場合、アプリの地図から乗降位置を選択できるのですが、土地勘のない人間からすると、スマホの小さな画面では正確な場所の特定が難しかったです。予約段階で紙の地図やPC画面のネット地図と照らし合わせる必要がありました。ただ、それは裏を返せば一見さんにはわかりにくいほど各所に停留所があるということでもあります。自分も含めて公共交通派では「最寄り駅から登山口のバス停までの間になにがあるのかまるで知らない」みたいなことは珍しくないので、山麓で寄り道していくのには、むしろ便利だとも考えることもできるかもしれません、
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