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先日飛竜山で使って、刃を痛めた鉈を研ぎ直した。佐治武士ブランドの多層鋼の鉈、たしか「藪払い」とか名前がついていた。
多層鋼の鉈は、見た目がカッコいいがとにかく研ぎにくい。軟鉄と鋼鉄をパイ生地かミルフィーユみたいに重ね合わせてあるために、堅くて砥石の上ですべってしまい、石の目が効きにくいのだ。一方で、横方向のねじれに対してめっぽう強く、曲がることがほとんどなく、ラフな使い方ができるのが魅力だ。
他人に見られても恥ずかしくない姿に研いでおきたい。山では研ぎ上げた刃物が魔除け厄除けになってくれる。
研削力のあるくじら印の人造荒砥をかけ、これまた人造中砥で気長に肉を整える。何度も光を当ててムラを確認、水気を拭いて刃先を確認。仕上げにカラスだか巣板だかの名前の天然砥石を掛けた。この砥石は数十年前に購入したは良いものの、針気(不純物)は有るは堅いはで使い物にならず、タンスにしまい込んでいたものだ。頁岩より堅めの変成しかけた怪しい模様に騙されて、ウン万円払ったので捨てられない。
一応は見れる姿に整った。気持ちまで整うから不思議。刃先が晴れ渡れば、心も晴れる。うまく研げないと気持ちも低気圧である。
堅い刃物には堅い砥石、柔らかい刃物には柔らかい砥石、それぞれ相性がありそうだ。そういえば、豚骨こってりスープや味噌には太い麺が、さっぱり醤油スープに細麺が合うと聞いたけど、どうなんでしょう。やっぱり好みで変わるのかな。
手さぐりで研ぎを楽しんでいると、手持ちの砥石が増える一方で困るなー。
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