![]() |
![]() |
![]() |
静岡県賀茂郡松崎町雲見387。大海に面した小さな漁村にあります。電話0558-45-0844、入館料たったの100円。付近の地質はジオパークに指定されるもので、海水浴場も近く、見どころいっぱいの土地です。最果てとは取り消して陳謝いたします。
高低差のある土地に建てられています。一階の正面玄関からは入れません。受付と入口は県道に面した最上階。展示室は二階になります。駐車場は、県道から左に、分かれ道を浜まで降りると有ります。
昭和52年4月15日に湾内で座礁して死亡したセミクジラの全身骨格を展示してあります。セミクジラの標本は日本でも4体ほどしかない珍しいもので、ここの骨格はほぼ完全で欠損部分がありません。太地町の標本は、頭部に銛が命中して残念ながら破損箇所があります。。
なおかつ展示方法が面白い。施設が狭いためか、天井から吊るした標本が、人の目線の高さに有ります。腹の中にも口の中にも潜って入れるんです。インスタ映えしたい方はクジラに呑まれた写真をどうぞ。
下顎孔、鼓室胞、鋤骨、茎突舌骨、骨鼻口、ほかの博物館ではありえない距離と角度で観察できました。これで100円とは有り難いことです。
ここのセミクジラは体長11.5メートル、体重22.1トン。推定年齢10歳の雄の個体だったそうです。座礁したクジラを、漁師さん方はなんとか沖に返そうと試したそうですが、万策尽きてあきらめたその翌朝、クジラは自重で圧迫死。
解体処理には遠く太地町の漁師が駆けつけ、標本製作には水産庁や学会が協力して行ったそうでした。館内には当時の記録写真もあわせて展示してあり、地元の熱意が感じられます。
解説してくれた女性は、終始クジラの事を、「この子」と呼んでいました。死亡時まだ10歳だった未成熟の個体に対して、親しみを込めた呼び方で、地元の人の情けを感じさせるものでした。
館の外には、石碑が建てられクジラの魂が供養されています。戒名 滄海院鯨音魚士。「この子」の冥福と浜の平穏無事を祈り、手向けをして帰路に就いたことでした。
jimzaemonさん、こんばんわ。
こりゃまたいいところを紹介してもらいました。
西伊豆や南伊豆はまだ未踏で見どころ、
行きたいところがたくさん残っているので、
満を持して機会を待っているところです。
これは値段も手ごろで是非寄ってみたいです。
地方にはこの手のマニアックな施設が
たまに見受けられますが、なかなか
世に知られず埋もれているのが実情ですね。
k-yamaneさん おはようございます。
骨格で検索中に偶然知った場所です。ネットのおかげでございます。
おっしゃる通り、有名とは距離のせいでほど遠い施設ですね。地元の立地ならではの貴重な施設です。伊豆は海辺の城もある土地ですよ
クジラの座礁は、近年ストランディングと呼ばれ、有名な自然現象です。日本では古来「寄りくじら」と呼ばれるものだそうです。「鯨一頭、七村富む。」と言われるほど、海辺の稀な恵みだったそうなんです。
寄りくじらも併せて、鯨漁について考えをまとめたいです。とりあえず今は資料見学です。反対派の文章も読まにゃーなりません。
jimzaemonさん、こんにちわ。
セミクジラとは、聞いた事があるような無い様な、
珍しいクジラなのでしょうか。
展示方法も面白いですが、骨が飴色になっているのもすごいですね。
私はスノーモンキー見に行ったら猿とイノシシの骨格標本があって
びっくりしました。
佐久柵さん こんにちは
セミクジラ、語源は背美鯨だそうです。背びれがなくてつるつるの背中が美しいから、だそうです。背中美人なんですな。
現在、生息数は数千頭で1万に届かず、絶滅危惧種なので、捕獲もできない種類でして、珍しいのです。私は、希少種として注目していません。その生態と、進化の見事さで尊敬しています。
じつは化石種としても発見されています。シンシュウセミクジラ、戸隠の小学校の廊下で会えますよ。標本が飴色なのは、骨に含まれた油脂成分のせいです。染み出してくるくらい油が多いんです。
ピッケルのシャフトみたいなツヤですね。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する