【九州遠征】開聞岳・霧島山(えびの高原→韓国岳→大浪池)・高千穂峰は雨で断念
- GPS
- 09:02
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,570m
- 下り
- 1,677m
コースタイム
- 山行
- 5:01
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 5:50
天候 | 11月19日:曇り→土砂降りと雷鳴(丸尾)→濃霧(えびの高原・高千穂峰登山口) 11月20日:晴れ→高曇り(開聞岳)→雨(下山後) 11月21日:雨(鹿児島市内)→高曇り(えびの高原)→ガス(山頂)→雨(下山時) |
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過去天気図(気象庁) | 2016年11月の天気図 |
アクセス |
【1日目】 <往路> 8:10羽田→10:05鹿児島空港 (空港バス案内所で霧島のったりおりたり1日乗車券購入……\1,100) 10:40鹿児島空港→11:14丸尾12:30→12:56えびの高原(悪天のため登山断念) <復路> 13:00 えびの高原→(バス)→14:02丸尾14:28→15:02鹿児島空港 15:30鹿児島空港→(バス)→山川駅17:15……\2,450 【2日目】 <往路> 6:03山川駅→(JR)→6:32開聞駅……\280(開聞岳2合目まで徒歩20〜30分) <復路> 12:27開聞中学校前→(路線バス)→13:10砂むし会館前……\630 14:40砂むし会館前→(路線バス)→14:45指宿駅……\140 15:07指宿駅→(JR指宿たまて箱号)→16:00鹿児島中央駅……\2,130(要予約) 【3日目】 <往路> 6:32鹿児島駅→(JR)→7:09国分駅…\650 (国分駅みどりの窓口にて霧島のったりおりたり1日乗車券購入……\1,100) 7:25国分駅→(バス)→8:19丸尾8:30→8:56えびの高原 <復路> 13:06大浪池登山口バス停→13:57硫黄谷バス停 (14:00〜16:15 霧島ホテルにて入浴) 16:23硫黄谷バス停→17:02鹿児島空港 18:35鹿児島空港→(JAL)→20:10羽田 ※航空券+ホテル(1泊)のJAL楽パック…\31,800 そして九州ふっこう割クーポン利用で\12,000割引……実額なんと\19,800! その他現地交通費+宿泊費(2泊3日)=総額\31,520 ※鹿児島らくらくめぐり 2016年11月1日〜2017年1月31日まで 鹿児島県が実施している、タクシー・レンタカー利用料金補助キャンペーン 条件を満たせば、最大5,000円割引になります。 https://kg-rakumegu.com/ -------------------------------------------------------------------------------------- 九州ふっこう割公式サイト http://kyushu-fukkou.jp/ 空港連絡バス時刻表(空港〜鹿児島市内・霧島〜指宿など) http://www.iwasaki-corp.com/bus/airport/ 霧島のったりおりたりバス(1日周遊バス) http://www.iwasaki-corp.com/bus/myplan_kirishima/ 九州のバス時刻表(バス停検索・開聞中学校前バス停など) http://qbus.jp/cgi-bin/time/menu.exe?pwd=h/menu.pwd&comp=&area=&from=012002632&to=000G01828&mod=F&menu=F |
コース状況/ 危険箇所等 |
【開聞岳】 <登山届> ・開聞ふれあい公園(駐車場)奥の売店の前にあります。 <コース状況> ・二合目登山口からは一本道なので道迷いはないと思います。 ・火山性の砂礫や岩は濡れていると滑りやすいので、特に下山には注意! ・噂に聞いてはいましたが、本当に地元小学生などが集団登山しています。 登山道が狭いので、100名以上の集団の渋滞に会うと追い越しやすれ違いが出来ません。 ※11月ですが、登山道の休憩場所や山頂には蚊やアブのような虫が結構いました。 <トイレ> ・開聞駅前 ・開聞ふれあい公園 ※登山道にはトイレはありません。 <水場> ・水場はありません。 開聞ふれあい公園に売店や自販機があります。 |
その他周辺情報 | 【開聞岳前日泊】 民宿くりや……素泊3,000(税込\3,240) 山川駅徒歩1分 夕食:宿経営の食堂で食事ができます。営業時間7:00〜22:00/ LO 20:30まで 朝食7:00〜8:30 入浴21:30まで(宿泊者のみ/入湯税\100) タオル・石鹸・シャンプー・リンス・歯ブラシはありませんが売店で購入可。 その他、TV・エアコン・ティッシュ等も有料なので注意! 清潔感はありますが、壁が薄く隣室の声は丸聞こえです。 客室に鍵は付いていますが、セキュリティBOXはありません。 お風呂に行くときは貴重品を部屋に置いたままフロントにキーを預けるのですが、ちょっと不安でした。 http://www.kuriya.net/index.htm 【下山後の温泉】 <指宿砂むし温泉・砂楽> http://sa-raku.sakura.ne.jp/ <硫黄谷・霧島ホテル> http://www.kirishima-hotel.jp/spa/ |
写真
感想
今年2016年は4月に熊本地震があり、その復興事業の一環として『九州観光支援交付金』いわゆる『九州ふっこう割』の販売がスタート。
その割引クーポンを利用して、鹿児島の霧島と開聞岳に登ってきました。
格安の航空券+宿泊プランなので当然日時の変更は不可。なので日々悪化する週間天気予報に暗澹たる気持ちになりながら、できるだけ雨に降られないよう登山計画を何度も調整し、人生初の九州旅行…しかも一人旅を楽しんできました。
因みに2日目の11月20日のみ東京の職場の山友達Kさんと現地で合流。一緒に開聞岳に登り、砂むし温泉と鹿児島観光を楽しむという、女子会的なユニーク旅となりました。
【11月19日】
この日は1人で鹿児島まで移動するため雨が降りしきる羽田空港を離陸。
すると高知の足摺岬上空を通過する頃には眼下の分厚い雨雲な消え、しかも鹿児島空港への着陸態勢にはいると桜島まで見えてきた。
雨ならば初日は指宿までの移動日にするつもりだったが、着陸後「これから天気の回復が見込まれるので良い旅を!」との機内アナウンスに背中を押され、とりあえず霧島韓国岳の登山口『えびの高原』まで行ってみることにした。
鹿児島空港に到着すると、まずは空港のロッカーに3日分の着替えが入ったザックを預けて身軽になり、バスの案内所で「霧島のったりおりたりプラン」という1日乗車券を購入。このチケットで空港〜えびの高原や霧島神宮などを何度も乗り降りできるので非常に便利でお得!そして空港からバスに乗り込み、まずは霧島温泉郷の丸尾まで移動。ここには足湯を始めお土産店や食事処もあるので適当に時間を潰せる。ちょうどお昼時だったので、施設内の店でお昼ごはんを食べたりしてえびの高原方面のバスの乗り継ぎまでの時間を過ごした。
…が、食事を終えて外に出ると、まるでバケツをひっくり返したような土砂降り!店先の軒下で雨宿りをするが一向に止む気配もなく、しかも雷鳴も聞こえてきた。このまま空港に引き返し早めに指宿へ移動しようかとも思ったが、やはり諦めきれず一縷の望みにかけて、えびの高原行きのバスに乗り込んだ。
勿論バスの乗客は私だけw こんな天気にこれから山に向かう人はいない(笑) 途中で大浪池登山口から下山したグループが乗ってきたが、みな雨にやられて酷く濡れていた。しかしえびの高原が近づくにつれ雨は徐々に止み、そのかわりに辺りは真っ白なガスに覆われていった。「これは行けるか!?」と気持ちがはやるが、えびの高原に到着すると、雨は降っていないものの辺りは夕刻のように暗くしかも視界は数メートル程の濃霧で何も見えない。時刻は13:00で下山予定時刻は16:00…CTは短いが、この悪条件のなか午後から登るというリスクを考えると、どうしてもバスを降りる気持ちにはなれずに登山を断念。そのままバスで高千穂峰河原を経由して丸尾まで戻ることにした。最終日の天気が良ければ韓国岳と高千穂峰の2座を1日で登るという強行スケジュールになるが、この天気では致し方ない。と自分を納得させた。
…しかし丸尾に到着しバスを降りると、徐々に霧が晴れてきて天気回復!しかも青空や太陽まで見えてきて、納得して下りてきたはずなのに悔しくて泣きそうな気持ちになった。かといってこれから引き返すわけにも行かないので、バスの乗り継ぎ時間まで丸尾のコンビニで明日の開聞岳登山用の行動食と朝ごはん・そして今夜のビールとおつまみを調達。今日の宿泊先の山川駅付近には店など何も無いので、ここで食料を調達しておかないとならない。コンビニを出ると「指宿まで車で送ってあげる」という親切な方に声をかけられたが、チケットももう買ってあるし…と丁重に断り、空港までバスで戻りロッカーに預けた荷物をピックアップして指宿まで直通バスで向かった。
指宿を過ぎて宿泊予定の山川駅に着く頃には、もう陽が落ちて辺りが暗くなりかけていた。因みに宿泊先の民宿は山川駅のすぐ目の前。指宿にも格安の民宿やドミトリールームがあったが、駅までのアクセスの良さでこちらの宿に決めた。JR日本最南端の有人駅である山川駅は、海がすぐ目の前にありとても静かで良いところ。鹿児島初日の夜は、民宿名物の「カツオのたたき定食」で1杯呑み、明日の開聞岳登山に備えて温泉にゆっくり浸かって、のんびりと過ごした。
【11月20日】
2日目の朝は快晴!昨日の豪雨が嘘のように綺麗に晴れ渡っていた。
この日は職場の山友と合流し一緒に開聞岳に登る予定。昨夜指宿のホテルに宿泊したというKさんと山川駅(始発電車)で待ち合わせ。途中、日本最南端の駅である西大山駅で一緒に写真を撮ったりしてハイテンションで開聞駅へと向かった。
無人の開聞駅に到着する頃、ようやく夜が明けて空が明るくなってきた。東の空を見上げると真っ赤な朝焼け!とても綺麗だったが朝焼けは雨が降るサイン…天気予報では降水確率0%で1日晴れるはずなんだけど…嫌な予感…
それにしても開聞駅から見上げた開聞岳は想像よりもずっと高く大きく見えた。「標高差760mなんだけど登れるかな〜」と話しながら登山口まで緩い坂道を歩いていった。
そして開聞ふれあい公園に寄り道してトイレ休憩をした後、開聞岳へ出発!
この日は全国的に南風が流入して気温上昇。鹿児島では最高気温25度が予想されていたので朝から暑い!しかも湿度が高くて蒸し暑い!11月だと言うのに半袖になってまるで南国気分……そんな気分で2合目登山口から登り始めると辺りは鬱蒼としたジャングルのようだった。昨日立ち寄った霧島温泉郷では紅葉が見頃だったが、開聞岳付近は植生が違うのか紅葉するような樹木はあまり見られなかった。
そして水捌けの良さそうな火山性のザラザラとした砂礫の道を、3合目・4合目・5合目と登っていく。ずっと変化のない単調な道だったが、5合目まで来てようやく視界が拓けた。5合目に設えた木製の展望デッキからは長崎鼻がよく見え、その奥には薄っすらと大隅半島の山々が見えた。
その後も単調な樹林帯の登りは続く。だが7合目付近から徐々に道は道は狭くなり、仙人洞辺りからは尚一層岩がゴロゴロとした歩き難い道になってきた。そして9合目に差し掛かると、登山道のカーブもキツくなって開聞岳の山麓をぐるりと回り込みながら登っているのを実感。時折樹林の隙間から外界の海岸線が見えるようになった。ここまで来ればあともう少し!最後は巨石の露岩の急登…でも距離はそれほどでもなく、左手に御嶽神社の赤い鳥居が見えるとすぐに山頂に辿り着いた。
登山口から約2時間かけて辿り着いた山頂は、意外と狭くて岩礫があちこち散在した岩だらけの山頂だった。
とりあえず近くの大きな岩の上に登って休憩。行動食を食べながら眼下の海岸線などの景色を堪能。残念ながら水蒸気が多い空模様で快晴とは言い難い天気だったけど、それでも池田湖やバッチワークのような畑など下界の景色を眺める事が出来たのは本当に嬉しかった。開聞岳に登った甲斐があったというもの!
また眼下に見える山のあちこちから煙が上がっていたのだが、後になって地熱発電の水蒸気だということが判明…この辺りは砂むし温泉といい本当に地熱が豊富だということが感じられた。
さて名残は惜しいが、バスの時間もあるので20分程で下山開始。
下山時には9合目から7合目にかけて、地元の小学生の集団登山や、地元の商工会の婚カツ登山グループ・旅行会社のツアー登山客など、100名以上の長大な列とすれ違う度に完全に足止めをされたので下山にかなりの時間を要した。また山慣れない集団が恐る恐る岩場を登っているので傍から見ていてかなりハラハラした。
そして2時間かけて開聞ふれあい公園に戻ってくると、ここでポツポツと雨が降り始め、公園の売店の軒下に入った途端とうとう本降りの雨になった。ラッキーというか私達絶対何か持ってる!というかあの朝焼けはこの雨の前兆だったてこと!?
しかしここで8合目付近ですれ違った子どもたちや山慣れないパーティの事が気にかかって不安になった。結構身軽な格好で登っていたけど大丈夫だったろうか…。
その後は開聞中学バス停まで雨の中を歩き、砂むし会館前で途中下車して「砂蒸し温泉」を体験。砂の中に埋められると想像以上の重みで身動きが取れなくなるが、ぽかぽかの地熱に暖められていい感じにデトックスできた。
そして観光列車『指宿たまて箱号』に乗って鹿児島中央駅に移動。
鹿児島市内では同行したKさんと居酒屋で打ち上げ。鳥刺しや桜島の火山灰を利用した灰干しの焼き魚や鳥の唐揚げ・鹿児島黒牛のステーキ等、地元の料理に舌鼓を打ちながら軽く飲んだ。
さて、山川駅で合流したKさんとはここでお別れ。
夜の航空便で東京へ戻る彼女を見送った後は鹿児島駅近くのホテルまでひとり散歩。鹿児島の繁華街天文館のネオンを眺めながら、ドルフィンポートやフェリー乗り場等観光地を巡ってホテルへチェックインした。
さて明日はいよいよ最終日。
初日に登れなかった韓国岳と出来れば高千穂峰にも登りたい!車があれば不可能ではないが、バス移動で1日2座登頂となるとかなりスケジュール的に厳しい。しかも明日の天気予報は雨。ホテルの部屋で何度も明日の天気図と雨雲レーダーの予想を眺めながら登山計画を煮詰める。条件は厳しいが午前中はまだ雨の確率が低いので、早朝勝負でとりあえず韓国岳だけは登ろうと心に決めて早々に就寝。明日の天気に全てをかける事にした。
【11月21日】
3日目。九州遠征最終日の朝。
鹿児島のビジネスホテルの窓から外を眺めると、桜島フェリーの灯りが鹿児島湾を明るく照らし出港していた。外はまだ雨が降っていない様子。(というか桜島フェリーって24時間運航ってことを初めて知った)
そしてTVの天気予報を気にしながら身支度を整え、6:32の電車に乗るために6:15頃にホテルをチェックアウト。しかし11階の窓から眺めた景色とは違い、外は激しく雨が降っていて愕然…このままホテルに戻り、宿泊者サービスの無料朝食を食べて1日のんびり過ごすのもありかな…と一瞬本気で考えた。が、ここで諦めたら試合終了…じゃなくて絶対後悔すると思い、初日と同じくえびの高原まで行って見ることにした。
ホテルから駅まで歩き、薄明るくなったころ鹿児島駅を出発。窓の外には桜島が大きく見えていたが雨霞でシルエットしか認識できなかった。そうしているうちに通学の学生達が次々と乗り込んできて車内は少し混雑、そして終点の国分駅で学生達と一緒に下車。国分駅に着くと雨は止んでいて遠くの空が少し明るくなっていた。しかし駅前には何もなく途方に暮れるが、とりあえず駅の改札で霧島までの1日乗車券を購入し、まもなく到着したバスに乗り込んだ。
さて国分駅からのバスルートは霧島神宮経由で少し観光気分♪そして丸尾に到着し降車しようとすると「山の方に行くなら次の丸尾温泉バス停で降りたほうがいいよ」とバスの運転手さんに教えてもらい『丸尾温泉』で下車。すっかり馴染みになった丸尾のローソンで朝食・行動食等を調達し、えびの高原行きのバスに乗り換えた。月曜日ということもあって乗客は私だけ…バスをえびの高原で降りるとすれ違いに外国人男性が乗車してきたが、この方は帰りのバスでも一緒になった。
さて2日ぶりに訪れた『えびの高原』は、雨上がり特有の湿った冷たい空気が漂っていたものの、高曇りの天気で視界は良好!広い駐車場からも韓国岳の大きな山容が綺麗に見えていた。雨が降り出す気配もないし、これはいけると確信!!駐車場から韓国岳の姿を写真に収め登山口へと向かった。
登山口を出発すると、しばらくは遊歩道歩き。クネクネと蛇行する車道と時々並行したりしながら緩く登っていく。そして10分も歩くと行手に通行止めのロープが現れた。登山道付近の硫黄山は火山活動が活発になっているため、現在レベル1に引き下げになったものの、硫化水素の危険もあるので、通行止め箇所からは新しい登山ルートが設置されていた。
そして誘導するかのようにロープが張り巡らされた新登山道を登りきると、あっという間に1合目に到着した。韓国岳はCTが1時間半程度にもかかわらずに、キッチリ1合目〜9合目の標識があり6~8分間隔でそれらを通過するので、とてもテンポよく登れる。しかも道も階段状にとても良く整備されているので、火山の危険性が無ければハイキング気分で楽しく登れる山だと思った。
そんな韓国岳も4合目を過ぎる頃から火山らしいレンガ色の石がゴロゴロする道に変わった。しかしそれでも一定して同じ角度で登っていくので歩きやすさに変わりはない。見晴らしのよい5合目で少し景色を楽しみ、7合目を過ぎた辺りから眼下に見えるようになった大浪池の青い湖面に登りの辛さも癒され徐々に高度を上げていく。
天気は登り始めと変わらず高曇りのままでそこそこ視界も良く、背後のえびの高原や硫黄山の景色がよく見えていた。北側のえびの高原から登っているので南方面の新燃岳や高千穂峰の姿はまだ見えないが、それでも山頂に着けばそれらの景色がバーンと目に飛び込んでくるのだろうと期待して登っていった。しかし文字通り雲行きが怪しくなったのは、9合目を過ぎて山頂まであと1〜2分という場所にある分岐にたどり着いた時。気がつけば辺りは真っ白いガスが流れ込んでいて、すぐ近くにある山頂標がなんとか薄っすらと見える程度。当然その先に見える筈の景色も何も見えなかった。
そうして10:24韓国岳に登頂。時間があればすぐにえびの高原まで引き返して11:00発のバスで高千穂峰へ向かうつもりだったが、GPSの調子が悪く登山口でモタモタして出発が遅れてしまった為その余裕も無くなってしまった。しかもこの天気…今からガスに覆われた高千穂峰に登っても苦行にしかならないと判断して、日本百名山89座目となった韓国岳を満喫することにした。幸い山頂には誰もいない♪これは思いっきり楽しめる♪と一人写真撮影会を実行。タイマーをセットして普段なら撮れないようなバカ写真を何枚も撮って遊んだ。
そうこうしているうちに、今まで何処にいたのか後続の登山者が何名か登ってきたので、すごすごと退散…充分に愉しんだので山頂を明け渡すことにした。
さて次のバスが13:00発。時間もほどほどに余ったので、えびの高原に戻るよりもCTが長い大浪池経由で大浪池登山口へ下ることにした。
まずは分岐から眼下に見える大浪池方面へと下ると、足元は赤茶けた石がゴロゴロする急坂。足元が不安定で滑りやすく意外と手強さを感じたし、道は次第に荒れていって崩れやすい急斜面の涸れた沢状の道になっていった。しかも踏み跡が薄く近くに道標も見当たらない!辺りはガスっているし「これは慎重に行かないと迷うな…」と気を引き締めると、しばらくしてガッチリ整備された木の階段が現れた。よかった…これで道迷いの心配はない!しかしその階段は意外と高度感があり、所々歩けないほど斜めに傾いていたりして、なかなかスリリングなものだった。
しかしのんびりと楽しめたのはここまで。階段を下りきり樹林帯の中に入ると突然雨粒が落ちてきた。急いでレインウエアを着込んで先を急ぐ。そして韓国岳避難小屋の分岐にたどり着いた時にはかなり本降りの雨になっていた。
さてここから道は大浪池を挟んで東廻りと西回りの二手に分かれる。山頂から池を見下ろしていて東側には常にガスが掛かっていたのは知っていたので、迷わずに西廻りコースを選択し進む。途中えびの高原へ戻る分岐もあってエスケープしようか少し悩むが、ここまで来たのだからと大浪池の外周縁まで登ることにした。
ここから大浪池周辺は季節外れのミヤマキリシマがポツポツ咲いていてテンション↑。外周縁に出るまではキツイ登りだったが、ミヤマキリシマのお陰でその辛さもあまり感じなかった。そして登りきってしまえば楽しい水辺道。基本的に低灌木に囲まれた道でずっと大浪池が見られる訳ではないけど、所々にある展望台から見える池はとても大きくて綺麗な青い色をしていた。そしてこの頃から雨も小降りになり、ガスも薄くなってきたので、独り誰もいない登山道の静けさを楽しむ余裕も出てきた。
そして大浪池を半周周りきって大浪池避難小屋分岐から下山。地図上には避難小屋と書いてあるけど、私が見たところそれらしき建物は見当たらなかった。何処にあったんだろう…。
そんな疑問を持ちながら大浪池登山口へ向けて下り始める。ここから登山口まではとても整備された歩きやすい道…というかずっと石畳の参道。普段なら登山靴でなくても登れるような歩きやすい道なのだろうが、雨&濡れ落ち葉で下りは結構滑りやすい!気を抜くと時々ツルッと滑るのでかなり慎重に下っていった。
そして12:20頃大浪池登山口に到着。ここには噴火の際の避難壕があるので、少し小降りになった雨をしのぎながら、友人などに無事下山の報告メールをしたりしてバスが来るまでの45分を過ごした。
さて高千穂峰に登らなかった分、帰りの飛行機の時間まで2時間程度時間が余ってしまった。8月に韓国岳に登った会社の人から新湯温泉の良さを聞いていたので、是非その秘湯っぷりを体験してみたかったのだが、新湯温泉は硫化水素濃度が濃いため30分以上の滞在は出来ない…ということで、予定を変更して硫黄谷温泉の霧島ホテルに行くことにした。そしてバスに乗り込み高千穂河原経由で硫黄谷温泉まで移動。途中高千穂河原から乗ってきた外国人男性(朝えびの高原ですれ違った人)と一緒になり、バスの中でずっと山トークで盛り上がった。
(なんでも朝一人でえびの高原を出発する私の後ろ姿を撮って奥様に送信し「女の人も一人で登るんだから大丈夫だよ」と、彼一人で高千穂峰に登る許可を奥様から貰うことが出来たらしいw)
そして霧島ホテルで鹿児島最後の時間をゆっくり過ごした。急遽ネットで検索してこのホテルの温泉に決めたのだが、とにかく広くて湯船がたくさん!スパリゾートな雰囲気で2時間も時間をつぶすには最適だったように思う。
そして再び硫黄谷バス停まで戻り、そこから鹿児島空港直行バスに乗って東京へと帰還。雨の間隙を縫うような山旅だったが、状況に応じて色んな事を自分一人で考え判断するスリルがとても面白く且つ楽しかった。また一人旅&現地合流の二人旅という変則的な山行も変化があって、とても思い出深い旅になりました。
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