真の沢林道pm5:00から懸垂下降3ピッチ/昭和の古道Vol.1 秩父川又〜真の沢林道〜甲武信小屋〜雁坂峠〜秩父川又


- GPS
- 51:30
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 2,444m
- 下り
- 2,290m
コースタイム
2日目 7:00テン場〜12:00甲武信小屋13:00〜18:30雁坂小屋
3日目 6:30雁坂小屋〜10:30黒文字橋
天候 | 7/16〜7/18 真夏日ドピーカン青空♪ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
川又〜赤沢吊橋は、ほぼ遊歩道です。 赤沢吊橋〜柳小屋は登山道というより杣道。危険箇所が数か所あり、ガレ場の2ケ所はトラロープがあります。 柳小屋〜甲武信小屋。廃道・不明瞭・倒木多し。一般登山道ではありません。 甲武信小屋〜雁坂峠〜岩道場は整備された一般登山道で問題ありません。 岩道場〜黒文字橋は破線ですが踏み跡さえたどれれば問題ありません。 トイレは川又BS・観光釣り場手前・甲武信小屋・雁坂小屋にあります ルート図は一部推測が含まれています |
写真
感想
気持ちよいトロッコ道を歩いていると後ろから大荒川谷を詰めるという3人の青年にぶち抜かれます。
むむっ、最後尾の彼のザックには長ねぎが!瞬時にpさんのレコ画像の鴨が頭をよぎります。
彼らの今夜の宴会はまずまちがえなく鴨鍋と勝手に妄想。う〜む、うらやましい、、。いつも私の酒の肴はナッツ類しかありません、、
しか〜し、今回はいつもとは違います。
ふっふっふっ、実はザックには釣竿を隠し持っていて今夜は天然岩魚の刺身と塩焼きで一杯飲っちゃう作戦なのであります(^。^)
赤沢吊橋から柳小屋のトラバース道は昨年よりも荒れているようで危険個所が増えていましたが、このルートは所々で沢水を補給できるのでお気に入り♪
柳小屋で1時間休憩し吊橋を渡ってから尾根道を登りますが千丈の滝上まではきつくてヘタれます。
滝上到着は2:30、明日は甲武信経由で雁坂峠、あわよくば秩父往還道に入って樺小屋まで進みたいので休むことなく真の沢を渡り表示の消えた小さな道標から踏み跡をたどりましたが、倒木処理が多いうえ踏み跡テープ共に薄くなり確認作業に追われて時間はどんどん過ぎます。
尾根を50mほど登った先のトラバース道ではとぐろを巻いた巨大な倒木の塊が次々と現れ、乗り越えたり、巻いたり、這いつくばったり、ザックをぶん投げてすり抜けたりと、もはや登山ではなく格闘技の世界。その先にザレのトラバースまで登場しちゃう始末に、思わず天を仰ぎ見たのでありました。
ザレたルンゼのトラバースは足場はぐちゃぐちゃで高度感ありすぎ、滑落すれば樹林も皆無でどこまでも気持よく滑り落ちる事ができます、こわっ。
安全のためにザイルで確保して進むと再度とぐろを巻いた倒木、大岩を回り込み2m下降した場所はまたもやザレたルンゼでした。('_')
jaikeiさん、こんな道をよく歩きましたねぇ〜(凄)
さて、水の残りはすでに300mlも無く時刻はすでにpm5:00をすぎ、この先も倒木帯は覚悟せねばならずもたもたしてると立ち木と体をザイルでふんじばって斜面で夜を明かす事態にもなりかねません。(・_・)"
なんとしても真の沢まで降りたいのですが、往路を戻っても一時間半はかかると思われ、それでは晩酌予定時刻の6:00に間に合いません(笑)
ここで突如、起死回生の大技・懸垂下降を繰りだしました。
沢床までの高度差はおおよそ100m位で急傾斜、ザレたルンゼの右側を下降し急傾斜の尾根下を右に回りこんで樹林帯がでてくればほぼ成功!
岩場で進路を絶たれたらハーケン・ハンマーも無くその先下降できずに失敗で斜面にザイル固定ビバークの上、翌日に登り返して仕切りなおし。成功率は90%位かと、、。
懸垂1ピッチ目は表面だけ乾いている泥壁を下降し、すぐさま2ピッチ目を開始。垂直懸垂になりますがザイル径は6m、できるだけテンションをかけたくはないと思っていたところ木の根が豊富でほとんどフリーで降りれました。その先ホールドのないザレ場をしゃがんだ状態でズルズル降り尾根下を右に回りこむと、樹林がありました〜!
あいかわらず斜面は急ですがザイルを出している時間分だけ晩酌開始が遅くなりますので「1.2.3.ダァ〜ッ」と気合で降りて、木に抱きついたりスライディングで止まったり、両手両足にお尻までフル活用して滑り落ちたり、ようやく沢音が聞こえ傾斜が少し緩くなってからは絶好調でガンガンくだります。←この直後コケました。
沢床直前の懸垂3ピッチ目で最後の岩場にのっかり、そこから倒木帯に乗って木の隙間をすり抜けて沢床に到着〜のはずが、最後の1m弱に足が地面に着きません(汗)
ザックが木と木の間に挟まって身動きがとれずに足だけをジタバタ状態でもがいているといきなりドテッと落ちて、約30分で全下降終了となりました(^^
降りた地点は大滝の真下で傾斜のあるゴルジュ帯のど真ん中の様です、
水さえ補給できれば即ビバーク&酒の予定でしたができれば平らな場所で寝たいので沢を下ることにします。
やっぱりテン場の理想は明るく開けていて、
目の前に滝があってロケーションバッチリで、
寝心地のいい広い台地と燃やしきれないほどの薪があって、
沢ガールパーティーが焚き火宴会で鴨鍋を食べてるところを通りがかっちゃったりして、
「私達だけじゃあ怖いんでココに泊まってもらえませんか〜♪」
「鴨鍋とビールが余っちゃうんで良かったらいかがですか〜♪」
な〜んて誘われて一緒に宴会で盛り上がっちゃったりして。
翌日も「同じルートですね♪私たち初心者なんで一緒に登ってくれませんかぁ?」
「も〜昇っちゃう!昇っちゃう!」なんて言いながら甲武信に着くと
「西沢渓谷にデポしてある車で川又まで戻るんで一緒に乗っていきませんかぁ〜♪」な〜んて激しく妄想しながら、
小滝の下の平らな台地を今夜の宿にします、時間切れで天然岩魚の刺身は有りませんでした。
翌朝シュラフに入ったままコーヒーを飲み本日の行程を考えていると単独の沢登の方が現れ、真の沢を甲武信まで詰めるとの事。
情報交換してその場は別れ、私は突如沢屋に変身して真の沢を沢伝いで詰める事に決めました。
実は真の沢/沢登りの資料も持参し(コピペ1枚ですが)沢靴着用でここまで歩いてきたので装備は全く問題無いのであります。
しかし初めての沢への単独入渓でまともな沢歩きは2年間ご無沙汰状態。歩き出しはゴルジュ帯ど真ん中で沢靴のフリクション感覚も取り戻せない状況でいきなり迫力ある2段7m5m滝でしたが、
青空の下を小滝・ナメ滝と気持よく登っていると3人パーティーと遭遇。
昨日トロッコ道で会った鴨鍋パーティーでルート変更したらしいです。ザックをチラ見すると長ねぎはすでにありません、やはり昨夜は鴨鍋でしょう←勝ち組。
さて不動の滝10m、駒鳥の滝8m、その他たくさんの滝と倒木(笑)を超えて「荒川源流の碑」。遊歩道を300m登れば甲武信小屋なのだぁ〜♪
小屋に到着すると、朝テン場でお会いした単独の方に「お疲れさま〜」と笑顔で迎えていただき大感激です。
この方のヘルメットをはずした顔に見覚えがありました。
私がちょくちょく拝見させていただいているHPの方で、源流記行という本にも執筆されている渓流遡行の大ベテラン、今年から厳冬期の八ヶ岳にも挑んでいる庄野修さんでした。
しばらく楽しい会話をした後、雁坂小屋で再会の約束をして一足先に歩を進めます。
甲武信小屋からしばらく歩くと沢屋さんのパーティとすれ違います。
岳人にも寄稿されてる山岳ガイド山田哲哉氏が率いる5人パーティで木賊沢を詰めあがってこられたとのこと、さわやかな好印象の方でした。
甲武信〜破風山〜雁坂嶺〜雁坂峠は昨年逆ルートで歩いた時はガスで覆われ眺望が悪かったので、今回はその分も景色を楽しみながらのんびりと歩き(バテバテ)雁坂小屋にビバーク。
翌朝は雁坂小屋〜岩道場〜黒文字橋、黒文字橋から入川渓流釣り場まで庄野さんに車で送迎して頂いて今回の長旅は幕を閉じました♪
庄野さん、有難うございました。
真の沢の沢登りの情報は庄野修氏のHPが詳細です→http://homepage2.nifty.com/shiba69/framepage2.htm
コメント
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懸垂下降付きですか。シンプルやぶ男としては、たじろいでしまいます。懸垂は去年の甲斐駒ケ岳でお腹いっぱいです。廃道の荒れ具合はもはや想像不可能の状態のようですね。
途中から沢登りに変更できるあたりは、釣人の面目躍如。無事の御生還、おめでとうございます。
jinzaemonさん、メッセどうも有難うございますぅ〜。
自分はjinzaemonさんと違って慎重な性格のため多種の装備持参で無事に生還ができました。
真の沢林道を以前に歩かれたようですが、「2,5万地形図にあった沢沿いの道がまだ歩行できた」or「かなり登らされた現在のテープの道のみだった」?。再訪の気持もあり20年ほど前の林道状態が非常に気になっておりますがどちらだったのでしょうか?。 ( ^^)/
実は私もかなりチキンハートなんです。。
赤沢谷出合までは、トロッコ道で現況と変わらず。柳小屋まで山腹の高巻き道で当時は鼻歌交じり、あわせて二回通過いたしましたが、イノシシと喧嘩したくらいで、無事でした。トラロープの張られた現況をレポートに拝見しましてびっくりであります。
柳小屋より林道分岐は今とかわらず。指導標の立ち直りには感動いたしました。少々の急登後に滝の上を渡渉するあたりも変わらず。その後の倒木帯は、当時はもっとおとなしくて格闘技よりはお遊戯くらいでした。林道の通るラインは、当時すでに地形図の記載とかなり違う印象でした。かなりな標高を高巻きながら、沢の源頭部を何度も横断しました。KURIRINさんの苦労なされたガリーの連続は、当時の沢が崩落したあとなのではと想像しています。次第に道と真ノ沢本流の相対高度に差がなくなるころ、ひどく落ち着いた美しい森林に入り込んでいきます。私もプレデターの視線を感じた良い思い出であります。さらに急登になり、十文字峠からの一般道に飛び出すあたりは、ウソのような静けさでした。
沢沿いにスイスイとは進めないのでは。と思います。小生も再訪の意欲がありますが、現況を伺いますと、はや勇気が減退いたしますうー。。
返信していただきとても感謝しております。
千丈の滝上の地形図道は、入川本流の赤沢谷出会い上流の記載道と同様に当時すでに廃道で、その上側にトラバースの迂回道が付けられてると納得いたしました!
ガリーの連続での時間切れが悔やまれます。「後に落ち着いた美しい森林に入り込んでいった場所辺り」にテン場を予定してましたが到達できず、翌日に探索したところ地形図記載らしき道は見つけましたがやはり倒木が激しく私は沢を登りました。その先の旧道はおそらく苔の側壁から左岸尾根沿いに急登を突き上げ十文字峠からの一般道に飛び出したのではないかと思われ、その行程は今夜の夢の中で歩く事にいたします(笑)
ありがとうございました!
お疲れさまでした。
真ノ沢レポートありがとうございます。
あそこに居ると、全く生きてる事が実感できますね。
道標もしっかり立ってる様で安心しました。
ルートなんて有って無いような所なのでなんとも言えませんが
更に荒廃を増してる印象です。
再訪したい所ですが、かなり心して掛からないと・・・。
jinzaemonさん同様、尻込みでございます(>_<)
jaikeiさん,メッセどうも有難うございます〜。
荒川源流の碑が見えた時、jaikeiさんが甲武信小屋に到着された時と同様に「今回の山行は99%終わったも同然」と同じ思いでした!その後の遊歩道で訳もなく、なぜか突然涙が、、、
誤ルートでご不安の中でのビバーク、そして正規登山道に復帰され無事に生還されたjaikeiさん、やっぱり凄い方だと思いました!
今後共よろしくおねがいいたします
またしても!おいしそうに飲んでますね
ワイルド過ぎて… ひぇ〜
無事に生還出来て何よりです
こういう場所で人に会うことも稀だと思いますが、知っている方だなんて…
思い出深い山行となりましたね
コメントどうも有難うございます〜。
今回は想定外のワイルドさでビビリまくりでしたが、実は一番焦ったのはガケを下って「これで下降終了だ〜」と思って着地するはずが、ザックが木の間に挟まって体が宙ぶらりんになり足をジタバタした時でした。(本人はプレデターに体を掴みあげられたと錯覚)
やっぱり、体を酷使した後の酒はサイコーですね!
pippiさんのビールごきゅごきゅフォトも見てみたいで〜す!(ささやかな願望)
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