兵庫県&鳥取県境 氷ノ山頂上〜こしき岩頂上〜赤倉山頂上



- GPS
- 04:44
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 744m
- 下り
- 738m
コースタイム
- 山行
- 4:01
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 4:44
歩行距離8.5km、歩行時間4時間、歩行数16,800歩
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
氷ノ山の鳥取県側に「氷ノ山キャンプ場」があり、氷ノ山登山者専用の駐車場があります。 【電車・バス】 鉄道は「鳥取」駅<山陰本線接続>7時23分始発、「郡家(こおげ)」駅<因美線接続>7時43分経由で若桜(わかさ)鉄道を利用し、終着駅「若桜」でバスに乗り換えます。電車は1日10本走っています。 「若桜」駅から8時35分発を始発に1日6本「氷ノ山ふれあいの里(氷ノ山キャンプ場近く)」行きのバス(つく米線)が出ています。帰りは「氷ノ山ふれあいの里」16時52分発が最終バスとなります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
こしき岩東(氷ノ越登山道九合目標識の脇)からこしき岩頂上まで、赤倉山北東尾根及び南南東尾根は登山道ではありません。根曲がり竹(チシマザサ)などを多少かき分ける必要がありますが、踏み跡があり、プチヤブコギ程度ですみます。 登山道のほうは、前日午前中にまとまった雨が降った影響で、一部、ぬかるみや水たまりがありました。緩やかな道が多く、滑りやすそうな所は丸太の階段が設置されているので、気を抜かなければ大丈夫だと思います。一か所渡渉がありますが、水深は1,2cmしかなく、急な大雨で増水しても大丈夫そうでした。 駐車場から氷ノ山越<写真11>までは、基本砂利道で、たまに丸太の階段や木の根が露出した所があります。 旧伊勢道<写真07>の標識周辺は石畳が残っていますが、平坦な道なので濡れていても滑らないでしょう。標高1040m辺りには小石が積もった上を歩き、ちょろちょろ流れる沢をまたぐ所があります。水深は1,2cmしかなく、増水しても大丈夫そうでした。ゲンノショウコ赤花<写真09>撮影地点辺りには、ちょろちょろ水が流れていました。復路では多少水が増えて水たまりができ始めていました。雨天や大雨後にはもう少し水が増えるかもしれません。 氷ノ山越<写真11>から氷ノ山頂上<写真22>までは、土道にたまに石埋まりや木の根が露出した所、ぬかるみ、水たまり、木道があります。特に木道周辺はぬかるみが多いですが、よけて通れます。 ブナ原生林大木<写真16>を過ぎると、木の根や石埋まりの階段状の道がしばらく続き、一部かたい粘土に丸太の階段が設置されています。雨が降ると水が流れるかもしれません。 標高1400m辺りは、少し大きめの石が埋まった道で、石の間には水たまりができています。少し滑りやすくなっていますが、気を抜かなければ大丈夫です。 こしき岩<写真19>周辺については後述します。 氷ノ山頂上<写真22>から千年キャラボク<写真25>までは、少し草が生え両サイドに根曲がり竹(チシマザサ)が生えた細道で、西にそれる道の入口の下の方に「千年伽羅木」と書かれた白い小さな道標があります。 こしき岩<写真19>周辺は、北側にある巻道が正規の登山道です。南側には石が埋まった道がついており、中間点<写真20>までは登れます。ここから上はほぼ垂直になっており、滑落すると下にいる人を巻き込む可能性が高いです。途中で立ち往生すると下りるのはほぼ不可能なので、これ以上登るのはよほど自信がある人以外はやめておきましょう。 氷ノ越登山道九合目の標識の脇には、根曲がり竹(チシマザサ)の間からなんとなく踏み跡らしきものが見えます。かき分けて一歩入ると幅30cm程の細道が続いており、たまに根曲がり竹を手でよけながら歩けます。10分足らずで急に視界が開けると、こしき岩の頂上です。 氷ノ山越<写真11>から赤倉山<写真33>へは、まず土道の正規の登山道を北に進みました。西側には背丈ほどの根曲がり竹(チシマザサ)が茂っていましたが、標高1290m辺りは多少まばらに見えたので、かき分けて取り付きました。 ここの根曲がり竹は細めで反発力が弱く、かき分けるのは楽でした。標高1320m辺りで急に幅30cm程の踏み跡が現れました。根曲がり竹は次第に低くなり低木が増えてきて、かき分ける必要はほとんどなくなりました。頂上周辺は2,3人なら座って休めそうなスペースでした。 南南東には、さらにはっきりした踏み跡があったので、そちらを下ることにしました。やはり幅30cm程の細道で、途中から背丈ほどの根曲がり竹が茂ってきましたが、足元は見えるので楽でした。最初はかき分けていましたが、そのうちに進行方向に向かって寝ているのが多くなり、それらをつかんで下れました。最後には倒れかけた木が現れ、その脇を伝って根曲がり竹をかき分けると登山道に合流できました。 |
その他周辺情報 | 鳥取県若桜町には「不動院岩屋堂」があります。天然の岩窟内にある舞台造りの建物で、国の重要文化財として指定されています。本堂の不動明王は弘法大師が33歳の時に刻んだもので「日本三大不動明王」の一つと言われています。 |
ファイル |
(更新時刻:2017/08/30 09:07)
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写真
桜ん坊
若桜(わかさ)鉄道の終着駅「若桜」駅の近くにあります。11:00〜15:00は「取った分だけバイキング」で若桜町で取れる鹿肉や野菜を使った料理が量り売りされており、その場で食べることができます。
駐車場
国定公園「氷ノ山」の麓にある中国地方有数の施設とロケーションを誇るキャンプ場です。標高900m付近にあり、氷ノ山全コースでもっともアプローチしやすい出発ポイントです。
和名は、花の形とつき方が帆掛け舟を吊り下げたように見えることに由来しています。ここにだけまとまって生えていましたが、傷んだ花ばかりでした。左端に見えているのはトラマルハナバチかもしれません。
氷の越は旧伊勢道の峠で、昔はお伊勢参りや京都府の元伊勢にお参りするための道でした。天照大神が霊石山の行在所からの帰路にここをお通りになったとの言い伝えがあり、同じようにわざわざ山を越えてお伊勢参りをする人が多かったと考えられています。この周辺にだけ石畳が残っています。
氷ノ山越(旧伊勢道の峠)の標高は1,240mで、お伊勢参りの安全を祈願したお地蔵様が設置されていました。『皆原村 先達半平 ゐ一切』とあります。皆原村(現八東町の一部)のお伊勢参りの案内人を務めた半平さんが寄進したのでしょうか?「ゐ一切」(為一切)とあるので、案内人としてあらゆるお世話をしたと少し誇らしげな感じがします。
氷ノ山越で鳥取県側および兵庫県側から登ってきた人たちが合流します。10時40分頃にはここで多くの人が休憩中で、避難小屋内で食事中のグループも見られたのでスルーしました。13時過ぎには1グループだけでした。
前足が真っすぐに見えること、頭部と胸部の境界付近が大きく曲がって雪だるま状態になっていることなどから判断しました。何かトラブルでもあったのでしょうか、登山道の真ん中にいました。後続に踏まれてはいけないので、道端に放してあげました。動画にも撮りました。
氷ノ山北尾根の標高1,250m地点にとうろう岩が見えました。石が埋まった上に「とうろう岩」という標識が転がっていたら、そこが展望スポットです。昔はそちらへ向かう登山道がありましたが、現在はなかなかのヤブコギだそうです。
氷ノ山越
こしき岩直下からこの中間地点までは登れます。来た道を振り返ると、氷ノ山越が見えました。このときはまだ氷ノ山越避難小屋<写真12>の向こうの赤倉山<写真33>が根曲がり竹(チシマザサ)に満ちているというイメージはありませんでした。
氷ノ山の最後の登りは階段状の木道でした。両サイドは根曲がり竹に満ちていました。さすがにスズノコ(根曲がり竹の筍)の旬はとっくに終わっていたので、スズノコ大好きのクマに遭うこともありませんでした。
三ノ丸コースを少し下がった標高1,490m地点に千年キャラボクへの分岐があり、進むとすぐに出てきます。動画も撮りました。周辺のキャラボクの群落は、中国山地では大山に次ぐ規模を誇り、鳥取県の天然記念物に指定されています。この奥には、雪の重みで倒れては立ち上がり地面を這うように枝を伸ばした万年キャラボクがあるそうです。
キャラボクにはかすかな香りがあり、それがインドの香木「伽羅」に似ていることからキャラボクと名付けられました。日陰で育っているせいか、一部の枝が苔むしていました。完全に枯れた枝もありましたが、大丈夫でしょうか。
キャラボクは雌雄異株で、果実は赤く熟し、果肉(仮種皮)は食べられますが種子は有毒です。ちなみに、大山山頂のキャラボク群落では、野鳥に食べられるのか、ほとんど実を見ることができないようです。存続はいかに!?
氷ノ山は須賀ノ山(すがのせん)とも呼ばれています。素戔嗚尊(すさのおのみこと)がここに造られた宮を須賀の山神宮といい、因幡、但馬、美作、播磨四か国の総社で皇室が管理していたそうです。
今回の第2の目的地、赤倉山<写真33>の南東側の山容です。左下に見えている小さな建物は氷ノ山越の避難小屋<写真12>です。そこから尾根を巻いている道は見えましたが、頂上への道は…?動画も撮りました。
標高1,332mの赤倉山頂上です。昔は道があって頂上も開けていたのかもしれませんが、今はとてもワイルドな状態です。一応、頂上付近には踏み跡がついています。昔、因幡の国(鳥取県)ではこの山を氷ノ山と呼んでいました。
赤倉山頂上より南東方面に氷ノ山を望むことができました。氷ノ山ぶん回しコースの最西端からの氷ノ山展望です。ちなみに、かつて鳥取県側では、この赤倉山が氷ノ山と呼ばれていました。
赤倉山の南東斜面を下りると、最後の最後に前方が見えない根曲がり竹(チシマザサ)のヤブに行く手を阻まれましたが、少しかき分けると無事に登山道に出ることができました。この木は倒れかけており、幹に円盤状の標識のようなものが取り付けられていました。以前はあったという登山道の名残なのでしょうか。
氷ノ山の麓、標高800mの所にあるつく米(よね)集落には、「日本の棚田100選」に選ばれた棚田があります。畦畔(けいはん)の多くは下流の谷から運び上げた雑石により一度崩壊すれば決して復元できないような見事な石積みが施されています。
感想
氷ノ山は東西南北どの方向からもアプローチが可能な山です。岡山県南部(岡山市)からアプローチする場合、1日山行となると、鳥取県側にある「わかさ氷ノ山キャンプ場」がもっとも時間短縮できます。鳥取自動車道の佐用平福ICから河原ICまでの約60kmは無料区間ですので、ありがたいです。岡山県奈義(なぎ)町と鳥取県智頭(ちず)町を経由した方が、距離は10kmほど短縮できるのですが、時間短縮するには、鳥取自動車を利用するのが、一番効率がいいです。ちなみに、150kmあまりの距離を3時間足らずで行けます。
氷ノ山は兵庫県と鳥取県の県境にあり、兵庫県では最高峰、中国山地で大山(だいせん)に次ぐ高峰です。日本二百名山やふるさと兵庫50山のひとつに選定されていることもあり、多くの登山者が訪れます。特に氷ノ山越から氷ノ山頂上までのコースは人気が高く、この日だけでも100人以上の登山者にお会いしました。道はかなり整備されており、傾斜の厳しい所はジグザグ道となっています。
一方、氷ノ山頂上を少しだけ、南に行くだけで、途端に人が途絶えます。そのおかげで、千年キャラボク<写真25〜27>などの貴重な植物観察を独占できました。さらに、頂上から西北西に少し進んだこしき岩の頂上でも絶景を独占できました。程なく、チャレンジャーな女性グループが下から岩を登ってこられましたが…
氷ノ山に対し、氷ノ山越の北は誰一人会うことがありませんでした。鉢伏(はちぶせ)山に続く山道も誰も歩いていませんでした。氷ノ山越のすぐ近くにある赤倉山は積雪期には登頂記録があるものの、頂上付近を除き、ほとんどが根曲がり竹(チシマザサ)のヤブのようでした。氷ノ山やこしき岩から赤倉山を望んだ際に、北東尾根からのほうがアプローチしやすいと判断し、登頂を試みました。根曲がり竹のヤブにしてはイージーでした。頂上からは氷ノ山を望むことができました。もちろん、この展望も独占状態でした。帰りは登山道と合流する南東方向に下りました。最後の数mだけは根曲がり竹で前方が見えませんでしたが、ルート(踏み跡)探しゲームみたいで楽しいヤブコギでした。冒険心をくすぐるコースでした。
下山後には、名水の「氷山命水」を飲むことにしました。維持費として費用は1ℓ50円です。常駐する年配男性がいろいろ説明をし、試飲を勧めてくださいました。くせがなく、冷たいおいしい水でした。コーヒー用にと1ℓ水筒に入れました。おつりは・・・?でしたが、維持に貢献したということで(^◇^)
おいしい水を飲んだ後は、近くのつく米(よね)棚田を見学しました。日本棚田百選にも選定されています。まだ稲刈りは始まっておらず、グリーングリーンしていました。最後には目の保養で終えることができました。
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