浅間山外輪山周回〜雪すべりと雪原歩き、カモシカとの出会い
群馬県
長野県
ぐろ
体力度について
- GPS
- 06:36
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 862m
- 下り
- 861m
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- 山行
- 4:54
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 6:36
| 天候 | 晴れ 稜線上極寒の強風 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年12月の天気図 |
| アクセス | 高峰VC駐車。チェリーパークラインは除雪し融雪剤を散布してあるが、日陰は凍結あり。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
高峰VC早朝−13℃下山時−8℃、黒斑山−15℃。蛇骨岳〜鋸岳極寒の強風。 蛇骨岳までならアイゼンはいらなかったが、槍ヶ鞘からアイゼン装着。草すべりは前歯があるアイゼン必須。 蛇骨岳〜鋸岳ノートレース、すね程度。賽ノ河原はツボ足ラッセル。 賽ノ河原樹林帯内〜湯の平口、明瞭なトレースあり。（天狗温泉からJバンドに向かい東西に迷いトレースと思われる） 草すべり、不明瞭で直下りしているトレース。避けてツボ足ラッセル。 |
写真
黒斑山山頂。気温−15℃凍てつく寒さ。天然のバラクバラは極寒知らず。噴煙が上がる浅間山と、血圧が上がるのが怖いアラフィフの愚か者。
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湯ノ平分岐。いよいよ本日のメインイベント「草すべり」ならぬ「雪すべり」へ向かう。薄っすらトレースがあるから問題ないだろうと思ったのが間違いだった。
1
見上げる草すべりの急坂。トレースはあるのだが、靴跡が下り方向で適当に直下したトレース、しかもこの急坂をシリセードしている。凄い。無難に夏道の記憶を頼りにツボ足ラッセルして行く。
1
極寒強風で雪が舞い上がる中に佇み、吐く息が白い。厳しい自然を生き抜くカモシカはかっこいい。ちなみに野生動物の生後一年の生存率は概ね50％、半分は死ぬ。
23
カモシカに別れを告げて私は目前の急坂を登って行く。踏み抜きが時々あり膝で固めながら、またキックステップしながら足場を作っていく。谷川主脈ヱビス大黒の頭〜最低鞍部と同距離同標高差の草すべり。
2
雪すべりを征し分岐に到着。カモシカ撮影もあったが1時間で登れた。標準CT約1時間20分。積雪があるここの下りは無理に行きたくはない。
3
感想
今年もあと11日。年の瀬の慌ただしさに、巷はクリスマス、年末年始の準備を煽り混雑に拍車をかけている。昼時間が10時間を切り、夜の帳が下りるのが早い師走。各地でイルミネーションが開催され、澄んだ空気に電光が映える。街の明かりが主役の夜景も美しい時期。それは私たち一人一人の生活のともしびが輝いて全体を作っているのだ。良い暮れとなることを祈る。
平標山、仙ノ倉山を予定していたが、早朝まで降雪し後に晴れるが、正午あたりに低層の雲が襲来するので延期に。松手山や一ノ肩で深雪のラッセルを予想するが、やはり天気が悪いと行く気にはなれない。霧氷がきれいな赤城山は前日行ったので、浅間山外輪山へ。
前橋を5時に出立。年末なので早朝でも国道17号、18号はトラックが多かった。
サンラインからチェリーパークへ。除雪して融雪剤が撒いてあるが、日陰は凍結していた。気温−13℃の高峰ビジターセンターに到着。駐車場内は積雪凍結。
駐車場には先行者が一名。その方とは避難小屋手前ですれ違った。蛇骨岳までの登山道はトレースもあり歩きやすい。個人の選択だが黒斑山山頂までの登りに滑り止めは必要ないと思う。ただ私は槍ヶ鞘からアイゼン装着した。車坂山の下りはシリセードできそうだった。
開けたガレ場からは富士山、八ヶ岳、南アルプス、ガスに包まれつつある北アルプス、四阿山、頸城方面が見えた。白く積雪しモンスター化してきた樹林帯を歩むと、北側には黒斑山の霧氷群が白く美しく輝いていた。槍ヶ鞘で定番の浅間山撮影。
放射冷却の影響で空気中の水分が樹木に付着し、霜が降りる霧氷の一種樹霜が見られた。枯れた草にも付着し白い草のように見える。風が強いので儚い現象だ。
強風吹き荒れるトーミの頭からの眺望を楽しみ、眼下の草すべりを確認する。積雪しているが、うっすら道筋やトレースが見えるので行けると判断。下りは危険なのでまだ登りのラッセルしたほうが良い。
貸切の黒斑山で記念撮影し、外輪山を時計回りで周回して行く。樹林帯内は積雪で下がった枝が頭に当たる。ヘルメットを忘れた。蛇骨岳に到着すると湯ノ平高原から強烈な風が雪を舞い上げつつ吹き上げてくる。キラキラと陽光に照らされダイヤモンドダストのようにきれいだ。
蛇骨岳から先はノートレース。蛇骨岳から下りの岩場も積雪で埋まっており踏み抜き、転落注意。シュカブラと雪庇を破壊しながらガシガシ進んで行く。極寒の風で鼻水が鼻の中で凍る。白ゾレからの吹き上げが凄まじく、仙人岳への急坂を煽られながらから登る。
岩稜地帯虎ノ尾を過ぎ、Jバンド分岐からトレースの有無を確認。手前まで消え去っているが、上がりきった所まで左右にトレースがある。天狗温泉からの登山者が迷ったようだ。充分に行けそうだと判断し鋸岳へ寄り道する。北斜面に吹き溜まりがあり腰まで埋まった。
再びJバンドへ戻り下っていく。鋸岳バカ尾根方面と左右に迷ったトレースがあった。ここから先の下りはトレース通りに行ったら踏み抜いたので、避けて岩の形や場所など夏道の記憶を頼りに下っていく。賽ノ河原に下りると三ッ石が出迎える。
白い浅間山と白い雪原。荒涼とした景色は、色が白くなっても変わらない。
殺伐感ある雪原を歩いていく。降雪でトレースも消え去り、丸印やリボンマーカーも不明瞭。吹き溜まりもあり股下ツボ足の箇所もあった。少し道迷いしたが、岩の形や場所を頼りに樹林帯へ入る。樹林帯内は明瞭なトレースがある、リボンも見られる。ここは残雪期などは迷いやすいので注意。
湯ノ平分岐から草すべりへ。草など見えない雪すべりと化している。急坂手前までは明瞭なトレースがあり歩きやすい。硫化水素発生する沢も積雪でそれほど臭わなかった。大きな岩を過ぎると急登が始まる。このあたりからトレースが直下している。靴跡をよく見ると下ったトレース。無理やり下りたようだ。驚愕なのはシリセードした跡があるのだ。凄い。また記憶を頼りにツボ足で登っていく。
ふと気配を感じるとカモシカ。黒斑山山頂直下の草地にいた。私ではなく南側をじっと見ているので視線の先を南に移すと、もう一頭カモシカ。トーミの頭直下の雪原にいた。私は二頭の間にいる。しばらく観察する。厳しい自然環境を生き抜く野生動物は生後一年の生存率が概ね50％以下、半分は死ぬ。自然の掟。
カモシカに別れを告げて急坂を進む。途中雪深く踏み抜きが時々あり膝で固めながら、またキックステップしながら足場を作っていく。まるで氷河跡の直登のようだ。そこを登りながら、そう言えば草すべりは谷川主脈ヱビス大黒の頭から最低鞍部と同距離同標高差だったと思い出す。
後半きつかったが、何とか分岐に到着。約1時間かかった。標準CTは1時間20分。
分岐先の風除け地で昼食。ソロなので手抜きのラ王醤油味に豚角煮のせ。寒い中ラーメンで温まる。
下山は中コースで。極寒で溶けておらずぬかぬかになっていない。開けたガレ場も積雪が多くなりもう少しでシリセード出来そうだ。無事に高峰VCに到着。午後2時で晴れていても気温−8℃。寒中で着替え帰路に着いた。
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growmono さん 今晩は、
賽の河原といい、草滑りの登りといい
並外れた健脚ですね、
草滑りのシリセードで降りられた方もすごい、
ご苦労様でした。(お疲れ様と言うと疲れていないと返事が来そうなので？）
こんばんは、yasioさん。
冬季は比較的晴天率の高い浅間山近辺によく行きます。嬬恋方面は晴天率が高いですが極寒ですよね。群馬県内で一二を争う極寒地域です。多分年末年始にもう一度行くでしょう。その頃はさすがに周回は出来ないと思います。
草すべりですが、シリセードは岩がある上の方でなく中間地点辺りです。上から降りてきたものの、あまりの急斜面に恐れをなしたようなトレースでした。笹上の踏み抜きを恐れて、仕方なしにシリセードしてしまったのではないのかと思われます。早く下りることや、遊びにしては滑った跡は一か所だけでした。もしかして初めて訪れた方なのかも知れません。
草すべりを登り終えた後はさすがに脚が疲れました。すぐに昼食で休めましたから。回復も早いです。ただいつも帰りの運転は疲れます。完全自動運転の車が欲しいです。前橋の大先輩から労いのお言葉をいただき身に余る思いです。
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