登り尾根ー鷹ノ巣山−稲村岩尾根
- GPS
- 06:51
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 1,760m
- 下り
- 1,694m
コースタイム
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 6:52
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:東日原バス停 *GWで増便多数が出ていました |
コース状況/ 危険箇所等 |
登り尾根は七ツ石小屋下分岐まで緩い勾配が続き、面白みはないが疲れにくい。整備は良好。 稲村岩尾根は随所に激しい勾配がある険しい道。滑落、転落に注意。 |
その他周辺情報 | つつじ祭り?開催中の河辺駅にはホリデー快速も臨時停車。ただし、駅前の温泉「梅の湯」は超満員で、駅前の飲み屋も満員でした。GW恐るべし。 |
写真
感想
連休中のホリデー快速は混雑するだろうと、直前の8時13分着の普通で奥多摩駅へ。トイレへ寄って鴨沢西行き臨時増発バスに乗ったころ、快速の乗客が駅前に文字通りあふれ出てきた。駅出口側の広場はハイカーでびっしり埋まり、日原方面行きバスの列と混じってエライことになっている。「増便にも限界があるので乗ってしまってください」とアナウンスが流れ、余裕のあった車内がたちまち満員になってバスが出発した。
よく晴れた行楽日和だが、まだドライブの客は辿り着いていないと見えて、道はすいていた。本来の8時35分より3,4分早く出たのでちょっと早く鴨沢バス停に到着。駐在さんが交通監視する中、準備を整えてちょうど定期バスが着くころ出発した。「かもさわ登山口」の板看板の脇から短い階段を登り、右へ狭い車道を辿る。指導標で左折するとコンクリート舗装の急坂になった。山腹の新緑が目に鮮やかに映る。
しばらく森の中の道を行くと、再び車道に出た。車がずらりと停めてあり、丹波山村営駐車場の近くのようだ。横断してすぐ森に入るのかと思ったら、そうではなくて車道を左に300mほど行くと左に擁壁の上へ登る登山口があった。何年も前の雲取山以来なので、すっかり忘れている。
ここからは、新緑の雑木林と植林帯が交互に現れるダラダラ坂をひたすら登る。雲取に向かうと思われる初心者風の遅いハイカーたちは追い抜き、ランナーは先に通してマイペースを保とうとしたが、その雲取からと思われる下山者も多くて気を遣う。
女性2人組のランナーに道を譲ったら「きっと逆転されると思います」と自信なさそう。休憩中のところを当方が追い抜き、再度先に通したがまた逆転して、結局、七ツ石小屋分岐まで先行した。だったら走るより歩いた方が景色も見られていいだろうに、と思うのは私だけだろうか。
堂所など所々に丹波山村が設置した平将門の伝説の説明板がある。ポイント間の距離も記しており、変化のない道だからいい試みだと思った。できれば地点の標高も添えて実用性を加えれば文句なしだ。その堂所付近の標高は1250mで、ここまで尾根の東斜面を這い登ってきた登山道が稜線と重なる。
しばらく行くと若干傾斜が増して登山道が右へ鋭角に曲がった。地形図で標高1350m付近と確認。雑木林は芽吹く前の木が増えてきたが、殺風景な枝枝の合間でミツバツツジの花が映えている。足元にはキランソウの紫の花。件の女性ランナーの1人が追いついてきた頃、複雑な道標が倒れて立てかけてある七ツ石小屋下分岐に着いた。よく確認して右の道を辿り、予定より早く小屋へ着くことができた。
標高1600mの小屋は、奥の広場から富士山が望める。今日も霞がちだが何とか見ることができた。ちょっと早いが昼にする。日向は暑いくらいなので小屋入口側の日陰に移動してカップ麺とお握りなどのいつもの昼食にした。
30分以上ゆっくりして出発。小屋からまっすぐ上に伸びる道を辿る。水場を過ぎ、標高差100mほどの急坂を喘ぎ登ると石尾根稜線の分岐に着いた。とりあえず左へ七ツ石山を目指す。本日の最高地点は、雲取山への稜線をはじめとする展望の開けた視界良好の山頂だった。南西は富士山、その右に遠く南アルプスの白い稜線、手前には大菩薩嶺方面と思しき峰々が浮かぶ。南東に目を転じれば三頭山の存在感が大きい。
写真を何枚か撮って折り返す。千本ツツジはまだ花期ではなかろうとパスして巻道を進んだところ、次の高丸山への尾根道に満開の山桜を発見。今度は稜線の道を辿って一応山頂を表敬し、滑り落ちそうな急斜面を下って再び巻道に逃げた。巻道はごく一部が斜面と同化しかかって滑落の危険も感じたが、総じて歩きやすく、ふかふかの落ち葉のじゅうたんみたいな区間もあった。じりじりと標高を下げて、わずか登り返す先に鷹ノ巣山避難小屋が見えた。
中を見ると2人がすでに寝袋で休憩中。もう一人、入り口前のベンチで寝ていた男性と言葉を交わした。「泊まりですか」と尋ねると「うん、昨日から」との答え。「???」。実は久々の登山で、昨日、疲れ果てて寝ようとしたら両足がつってしまい、居合わせた夫婦に介抱してもらったという。水分補給だけではなく塩分不足が問題だと言われたので、今日は少し周辺を歩いた程度で、塩分の補給に努めて休んでいるのだとか。「まだ足は痛いし、食料を食べつくして軽くなったら下山します」と避難小屋籠城を決め込んでいた。
一休みできたので、標高差にして170mほどをゆっくり踏みしめ、最後の鷹ノ巣山に登頂した。10人ほどが遅めの昼食を採るなどして休んでいる。素晴らしい眺望だが、いかんせん霞がかかって富士山は蜃気楼のようになり、丹沢もかなりボヤけている。
10分ほど英気を養い、稲村岩尾根の急勾配に備えて靴ひもを締め直した。いきなり逆落としのような急坂が始まる。木々の根を階段代わりにどんどん下り、やっと傾斜が緩むとヒルメシクイノタワ。全区間で唯一と言っていい平らな尾根だ。先へ歩きかけてふと見ると、3mほど先の道の真ん中で小鳥が虫をつついていた。ヒガラのようだ。そっとカメラを出して撮影すると同時に飛び去った。
さて、急坂は容赦なく続く。稲村岩に登った時に一休みした1300m付近の緩傾斜区間で一息ついて、徐々に休憩の頻度を増しながら下って行く。後ろを続くらしい男女の声が時折聞こえたが、前を行く人は誰もいない。逆に3,4人と擦れ違ったが、いずれも健脚な方のようには見えず、この時間から登って無事下山できるのか、ちょっと懸念を感じた。
標高1000mを切って木の根と岩が混じる岩場に至ると、ほどなく稲村岩の鞍部だった。鞍部はもう少し低い所だと勘違いしていた。ここまで来ればあと少しというつもりだったが、標高600mの巳ノ戸橋はまだまだ先だ。稲村岩に関する「死亡事故注意看板」は新しくなっていた。アルプスの岩稜をストレスなく上下できるレベルなら、当方のような特段の岩壁登攀技術を持たない者でも普通に登れると思うのだが、世の中にはどんな頓珍漢がいるか分からないための警告なのだろう。
足を滑らせたら200m一直線という感じの急斜面をトラバースする登山道を慎重に下る。ジグザグを描きながら高度を下げていくが、どうかするとストックが落石を起こす。下に登山者がいたら危ないので気を付けないといけない。沢の音が大きくなり、沢床に廃道の朽ちた橋と指導標が見えた時はほっとした。
午後の陽が後ろから差し込む沢伝いに下る。木橋で左岸に渡り、ふと見ると右岸に大岩壁が迫っている。稲村岩の基部だろう。一部はオーバーハングしていて、ものすごい迫力だ。見上げて時々スリップしそうになりながら右岸に戻り、岩に触れる所まで迫ってから再び左岸に戻った。
随分と歩いてようやく杉林の下り坂の向こうに橋が見えた。橋から渓谷を写真に納めて、バス通りまで最後の登りにかかる。標高差にして60m以上あり、西日も暑くて結構こたえた。たどり着いたバス停は50人ほどが長い列を作っている状態。ギリギリ乗れるだろうと踏んでいたら、続行便と2台でやって来たので首尾よく座ることができた。立ち客を合せてちょうど定員程度で出発したバスだが、川乗橋でどっと乗り込んで超満員状態で奥多摩駅前に到着した。
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