北ア黒部奥山縦走【前編】雲ノ平、高天原
- GPS
- 15:30
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 1,940m
- 下り
- 1,159m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 5:50
- 山行
- 6:16
- 休憩
- 3:22
- 合計
- 9:38
天候 | 9/11 曇りのち晴れ 9/12 高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
定額12,400円 http://www.chitetsu-taxi.co.jp/kankoukisetubetu.html |
その他周辺情報 | 太郎グループの山小屋ではICIスポーツのカードを提示すると特典が受けられるようです。 http://www.ici-sports.com/enjoy/teikeiyamagoya.html |
写真
感想
日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平。そこは一体どんな場所なんだろう。
北アルプスの中でも最深部と呼ばれるその場所を訪れ、周囲の百名山に登頂することを今年の家族の目標としました。
一般の夏休みも終わり静かになるであろう9月に狙いを定めて一週間の休暇を取得したものの、逆に天候は不安定になりがちなことが悩みのタネでした。
当初は9/8(土)からの登頂を予定していましたが、秋雨前線が停滞する事から予定を変更。ただ9/9午後には一時前線が北上し天気が安定する可能性があるとの予報もあったため、9/9の朝の新幹線で東京を立ち、有峰口駅11:10発折立行きのバスに乗り込みました。
富山では晴れ間もあったものの有峰口では既に雨。乗ったのは我々3人のみでバスは出発します。雨は次第に強さを増し、折立に着く頃には完全な豪雨。アスファルトの道路が川のようになっているのを見て登山断念を決断します。午前中のバスで山に入ろうとした登山者が太郎平に到達できずに引き返して来たのを見て判断の正しさを確信。バスからは降りることもなく、折り返して富山に戻って行くそのバスで我々も富山市内で停滞することとしました。
天候が回復するのは9/11(火)ということで、富山市内のホテルに2泊ステイ。登山を始める前に富山の美味しいものを食べ歩き、それはそれで楽しい時間を過ごしました。
さて、9/11の早朝、満を持して出発です。9月になると折立線のバスは金土日祝のみの運行となるため、有峰口からはタクシーを手配しました。折立までの間の車中では時折小雨が降る天候でしたのでやや不安でしたが折立についたころには爽やかさを感じさせる天候になっていました。
折立から太郎平まではコースタイムで5時間、1000mほどの登りとなります。さすがは北アルプスの登山道だけあってよく整備されており、快適に歩くことができ、3時間半ほどで太郎平に到着することができました。
本日の目的地、薬師沢まではそこから400mほどの下り。この道も木道が多く、問題なく進むことができました。
薬師沢小屋に到着したのが13時前でしたので雲ノ平まで駒を進めようかとも思いましたが、前日寝付きの悪かった私の体調がいまいちだったため無理はせず、黒部源流の沢沿いでゆったりとした時間を過ごすことにしました。
出会った「釣り人登山者さん」に話を伺うと、この沢で疑似餌を使った釣りをやり、10匹もの岩魚を釣り上げたそうです。とはいえこの流域では釣った魚はすべてリリースしなければならないそうです。
水が豊富で、かつ前日までの悪天で登山客の少ない小屋では快適に過ごすことができ、翌日までには体調もすっかり回復できました。
秋雨前線もすっかり南下したのか、天候も安定してきました。ちょうど新月の夜であり、満天の星を眺めることができました。これだけの星を見ていると、とある星に自分が存在していて、家族と山に登っていることが奇跡のように思われて来ます。
さて翌日は雲の平まで約600mの急登。薬師沢に架けられた赤いつり橋を渡って出発です。決して快晴ではなく曇りがちの天候ですがどうやら雨の心配はなさそうです。
2時間ほどの登りをこなして木道が始まり、いよいよ雲ノ平に入ったことを実感します。アラスカ庭園と呼ばれる場所に到達すると視界が開け、周囲の山々が見えて来ます。上空は曇っているのですがなぜか遠くまで見渡すことができる、これもまた奇跡のようなコンディションでした。
到着したばかりの時にはどの方向の山がどれであるのかも確信が持てませんでしたが、とにかく素晴らしい場所であることは間違いありません。単なる美しい高層湿原でしたら東北の山に登れば出会えるのですが、四方が3000m近い山々に囲まれた平原などというものはここしか有りえない。
特に進行方向に見える水晶岳のギザギザの岩峰の存在感は圧倒的でした。
風景を楽しみ、何枚も写真を取りながら進み、雲ノ平山荘へ到着。ここでは9時から軽食が食べられると聞いていたので注文したチキンライスと焼きそばは美味しかったのですが、いつもはこのような食事を山中ですることはないので調子が狂ったのか、妻がやや体調を崩し、摂食・嚥下の不調となったため小屋でしばし滞在していました。
その為もあり、早めに高天原の小屋に向かうことに。約400mの下りは甘く見ていましたが、実はこの道はかなりの悪路で、北アルプスというよりはまるで「奥秩父のような」道。粘土の水たまりのある急坂を下り続けなけれなならず大分消耗しました。
それでもなんとか小屋に到着。この日も客は少ないと見えて、「1枚の布団に二人」どころか「2畳の畳に布団を1枚」あてがわれました。
高天原といえばなんと言っても温泉です。荷物をおいてお風呂セットだけを持って約20分の坂道を下りていきます。そこにあった温泉は秘湯というよりはよく手入れされた野湯という趣ですが、湯質は天然硫黄泉。このお風呂を我々と昨日薬師沢小屋でご一緒させていただいた「釣り人登山者さん」だけで独占。男のロマンを満喫できるとても贅沢な時間を過ごしました。
山中で温泉に入れるとはとても幸せで、身体がさっぱりして疲れも吹き飛びますね。
その後は小屋に戻りランプの下で山談義を楽しみながら美味しい夕食をいただきました。
とはいえ、まだ北アルプスの百名山山頂はひとつも踏んでいません。これからの天気はどうなるだろうか? 明日からの行程に期待と不安を抱きながら眠りにつきました。
(後編に続く)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1587716.html
高天原山荘でご一緒した者です。『奥秩父のような』というキーワードが出てきてとても嬉しく思います。
中々あの道は記憶が美化されません(笑)
私の頭の中では、皆さんの音声が付加され、短編映画を観ているようでした。
後編もとても楽しみです。
korisu06 さん、こんにちは。
早速のコメントありがとうございます!
山小屋の夜、本当に楽しい時間を過ごしました。
「男のロマン」というフレーズにも反応いただけましたでしょうか。
後編は鋭意作成中ですが、ストーリー中にご登場いただく構想になっています。
お楽しみに!
(ご無礼ありましたらご容赦ください)
わ〜!楽しみです。どんな役でも嬉しいですよ。
コメント欄が同窓会みたいになっていて、それも嬉しいです(*^^*)
先日は男のロマン!
一緒に楽しませてもらいました
ヤマレコに初めて投稿なので検索機能使えず、一番上から探してみました
後編も楽しみにしてます
それまでに一回レポート入れて検索できるようにしないと〜(汗)
seabassさん、こんにちは!
温泉では息子ともどもお世話になりました。
大東新道いかがでしたか?
折立のゲート間に合いましたでしょうか?
あ、返信ありがとうございます
あのあとてすが、11時間位で駐車場につきました
途中で河原沿い歩いてたら、また釣りしたくなり、やっちゃいました(笑)
30分で6匹くらい釣れました
下山道ですが増水してなければ大丈夫ですね
川原の玉石が歩きなれないとちょっと危ないくらいでした
19時でゲート閉まってて、あーあーぁーと思ってたら、おじさんが開けてくれました
良かった(笑)
高天原・三俣・双六で出会った者です。
前編がアップされたとの一報を聞いて見させてもいました!
あの日の晩、皆さんと夕食をご一緒出来なかったのを今でも悔やんでます笑
高天原以前のストーリーも鮮明にイメージできてとても楽しいです!
kick-rinさん、こんにちは。
後編アップしました。
たくさん登場していただきました。
お楽しみください!
高天原山荘ではお世話になりました!夕御飯をご一緒させて頂きました小太りで朝早くに出た者です。
アップされたことを聞きつけて飛んできました。本当にあの日は楽しく過ごせて最高の山小屋泊でした!
後編も楽しみにさせて頂きます!
and_hiratinさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
確か朝3時ごろ出発されていたのではないでしょうか。その後雨が強く降っていたようなので気にしていました。
雲ノ平までの悪路、大丈夫だったでしょうか?
雨、大丈夫でした!歩いてる間も特に強く降ってなかったので、丁度雲の切れ目だったんですかね?
道は確かに木の根が多く大変でしたが、皆さんから前情報を頂いてましたので、心構えができてなんとかなりました。ありがとうございます😊
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する