上越国境稜線(白毛門→巻機山)
- GPS
- 34:09
- 距離
- 25.3km
- 登り
- 2,611m
- 下り
- 2,704m
コースタイム
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 10:57
天候 | 9日 快晴 無風 10日 晴れ 微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
塩沢駅まで車に乗せてくれた親切な方に心から感謝します。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
所々アイゼンを装備したが、二日前の降雪によりかなり沈むので、全行程スノーシューが最善かと。 全区間を通して、それなりの経験と体力、臨機応変な判断力が求められると思う。 土合駅-白毛門 先行者2名、トレースあり。助かりました。1484ピークを過ぎた辺りで追いつき、交代でラッセル、膝-太もも。前々日の降雪が大きく影響している。稜線に上がる手前は小さな雪庇を乗り越えた。 白毛門-笠ヶ岳 ここからは私が先頭になる。ラッセルは踝-スネ。 笠ヶ岳-朝日岳 雪庇が怖いので左側意識で歩くが、所々切り立っている。山頂付近は平原なのでホワイトアウト注意。 朝日岳-大烏帽子岳-檜倉山 ひたすらアップダウン。雪が減ってきたら際どくなりそうな細い箇所が数カ所。当然だが、右側の雪庇には注意。また、ここからクラックが増えてくる。私もこの区間で深さ2m程度のものを踏み抜いた。風が弱い予報だったので、檜倉山頂で幕営。 檜倉山-柄沢山 最危険区間。前半は雪庇がかなり大きく、稜線がそれほど広くない。また、最も細いと思われる区間では藪が露出して通行不可と思われたたため、下まで降りて尾根に登り返した。 稜線に上がるところでは高さ1.5mほどの雪庇が発達しており、ピッケルと膝を駆使して乗り越えた。 柄沢山-米子頭山 米子頭山の前衛峰に登るところが、藪により雪のつき方がイヤらしく、急。また、クラックも多数有り、柄沢山を超えて安堵していたためか、またしても深さ2m級を踏みぬく。 米子頭山-巻機山 何の変哲も無い、緩い登り約300m。 巻機山-登山口 踏み跡だらけでむしろ歩きにくい。かといって踏み跡を逸れると、雪が重く難儀した。結構疲れた。 |
その他周辺情報 | 食事:鳥ラーメン翔鶴 煮卵塩ラーメン 760円 ★★★★★ 前橋市を代表するラーメン屋らしい。開店と同時に入ったが、10分でほぼ満席になった。 麺スープチャーシューの全てがウマい。特にチャーシュー。煮卵とチャーシュー同じ値段ならチャーシュー追加にすればよかった。大盛り220gが無料なのも非常に良い。 温泉:七福の湯 730円 ★★★★★ 前橋市にある、銭湯などの複合施設。露天風呂が巨大で種類が豊富。仮眠室があるのも非常に良い。岩盤浴や食事もできる。深夜に閉店してしまうが、時間潰しに再訪する機会がありそうだ。 |
写真
感想
0日目
1730に帰宅し、準備開始。前日にザックを車に積むまでしていれば、あと1.5時間早く出発できるんだが…。高速で水上ICまで直行し、そこら辺で車中泊。3月上旬は流石にまだ寒く、1.5時間程しか眠れず。
1日目
3時半に起床して土合駅へ移動したが、まさかの満車。困っていると、どういうわけかこの時間に一台が出て行きそこに駐車。なお、土合駅の路面はカチカチだった。
パッキングを済ませ4時20分、満点の星空の元、歩み始める。先行者2名の完璧なトレースがあり、非常に助かった。追いついてラッセルを交代したいのだが、5ヶ月ぶりのテン泊装備と寝不足が祟り、スピードが出ない。また、白毛門への登りは初めてだったのだが、思っていた以上に急登でかなり堪えた。松ノ木沢の頭で先行者達に追いつき、交代ラッセルで白毛門に着いたときは、疲労困憊で弱気になっていて、「笠ヶ岳避難小屋に泊まって日の出見て帰れば満足かな」程度に思っていた。
でもせめて朝日岳のピークは踏もうと思い、なんとかたどり着いた時には出発から8時間。このあとどうしようかと地図を見直して考えているうちに、あまりの暖かさに寝てしまった。30分程寝て起きたらかなり元気になり、まだ時間にも余裕があるので、JPまでは行ってみることにした。
JPから見た上越国境稜線への道は、圧巻だった。去年の5月、本州初心者の僕が馬蹄形ルートを初めて歩いた時、「この先難路道ナシ」の看板を見て、このルートに関心を持ち、いつか歩きたいと強く思ったのを思い出した。行くしかない。柄沢山を過ぎた1800mくらいのピークで幕営するのが望ましかったが、まあ檜倉山に幕営しても明日の正午ごろには巻機山に着けるだろう。JPからのアップダウンもまあキツかったが、さほど危険な箇所はなく、幕営地に着いた。まずいトマトガーリックパスタを食べ、明日用のお湯を沸かし、気絶するように寝た。10時間横になり、寝れたのは6~7時間だろうか。この日はこの時期にしてはかなり暖かかったのだが、3シーズンシュラフでは少し寒かった。次にこの時期にテン泊するときは、グレードの高いシュラフを持ってくる。
2日目
眠くてウダウダしていると5時半になっていた。少し出遅れたが、まだ天候は持ちそうだ。スタートしてすぐに、最大の懸念箇所、柄沢山への稜線。今年は雪が少ないためか、細尾根上に雪が凹んでいる箇所がある。間近で見ても突破困難そうだったので、大きく下降して登り返して巻いた。元気のあるうちにここを通過しておいてよかった。その後は、山頂稜線へ登る再の雪庇が目前に立ちはだかる。高さは1.5mほどか。後ろを振り返り、失敗しても平原に叩きつけられるだけだろう・・・いや、ただでは済まないか?まあ、まだ雪は硬いし、行ける気がした。一応、登る前に最愛の人に連絡を入れておく。そして、ピッケルを思いっきり遠くに差し、膝を踵と手を使い登りきった。今回は幸いにも突破できたが、僕の技量ではここを100%突破できたかは疑問があるので、この判断の真偽はわからない。
その後は安堵し、米子頭山へ歩みを進める。前衛峰への上りは、クラック・藪・急斜面でキツかったが気合一閃、突破した。ここまでたどり着けばもう安心だ。あとは数十m下り、+300m一本勝負。右手には、僕が恋焦がれる積雪期の越後の山々が見えるが、このコースでこんなに手こずっている現状では、僕一人ではとても手が届かない山域のように感じた。
巻機山に着くと、これまでとはうってかわって人でごった返していた。下りは、
記憶していた以上に雪がグズグズでシンドかった。
登山口に着き、疲れきった顔で後片付けしていると、渓流釣りの偵察で通りかかった方が声をかけてくださった。ありがたいことに塩沢の駅まで載せていただき、自宅に帰るのが3時間程早くなった。土合駅で車を回収し、前橋でラーメンを食べ、温泉に入って休憩所で仮眠をとると、2時間以上が経過していた。余程疲れていたのだろう。写真を見返しても、カメラの設定を一度も変えておらず、ずっとCTEで撮影していた。余裕が無かったんだな。
自宅に着いたのは1時過ぎだった。疲労よりも充足感が勝っていた。大変だったが、また山へ行こう。無理し過ぎない程度のところへ。
コメント
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longvalleyさん、はじめまして。
フォトNo.11朝日岳山頂の3人のうちの一人、hareharawaiです。
朝日岳付近でお会いした後、奥利根の檜倉山頂(1744m)で幕営したのですね!しかも3シーズン用のシュラフで。3月の比較的暖かい日だったとはいえやはり標高1744mの稜線上は寒かったことと推測されます。その後もずっしりと重い幕営装備を背負い巻機山まで2日間で25km走破、ご立派です。
No.12の尖った三角の山は尾瀬の主峰である燧ヶ岳、No.18の平ヶ岳の左の山は越後三山の陰に少し身を潜めながらもなかなか素晴らしい荒沢岳です。また、No.25の谷川岳主脈ですが、左から順に、谷川岳トマノ耳&オキノ耳から、一ノ倉岳、茂倉岳、万太郎山、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山(真っ白な山)、平標山です。自分にとって谷川周辺だけは、地元の庭みたいな山なので山座同定が可能です。
自分も沢登りや馬蹄形ルートで朝日周辺には来ていますが、BCではアプローチの困難さからこれまでずっと敬遠していましたが、相棒のWさんから宝川温泉から入山し朝日岳山頂を踏み、広大な雪の砂漠のようなナルミズ沢左俣を滑ってみたいと誘いを受けて快諾し、3/9当日を迎えた次第です。
今回のレコ大変楽しませて頂き、どうも有り難うございました。
朝日岳〜巻機山までのルートの感じが何となくつかめたような気がします。やはり鱗板を使ってもワンデイで抜けるのは難しいと思った次第です。次は鱗板の機動力を生かし、ワンデイで鳩待峠から平ヶ岳を往復しようと計画中です。
hareharawaiより
hareharewaiさん、コメントありがとうございます。
自分のような若輩者には少々辛い行程でしたが、非常に学びの多い実りある山行でした。
スキーの記録は見たことないのですが、スノーシューワンデイを成し遂げている方がいるようです。
鳩待峠-平ヶ岳ワンデイが射程圏内に入る、大ベテランのhareharewaiさんの脚力なら、問題無く達成可能なのではないでしょうか。
山座同定のご教授、ありがとうございます。
少々居住地が遠いですが、私もここら辺の山々は大好きなので、通いつめたいと思います。
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