阿弥陀岳北稜
長野県
knot
体力度について
- GPS
- 09:32
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,188m
- 下り
- 1,202m
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標高グラフを拡大コースタイム
12:20 赤岳山荘駐車場
15:30 行者小屋テントサイト
◎二日目
05:50 テントサイト
07:00 ジャンクションピーク
07:15 第一岩稜取付
07:45 第二岩稜取付
08:05 ナイフリッジ
08:20 阿弥陀岳山頂
08:45 中岳ノコル
09:10 テントサイト
10:25 テント撤収(下山)
11:55 赤岳山荘駐車場
| 過去天気図（気象庁） | 2012年03月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
美濃戸口からはノーマル車高の乗用車で美濃戸迄入りました。 かなり下は打ちましたが、それでもいいと云うならよしなに。 対向車があるとかなりきびしいです。 ただし、車高はノーマルですが四駆です。 |
写真
北稜は普通、日帰り仕事。
それでは何故・・・?
言っておく。
年寄りには明日はないが、暇はある。
まずは中岳沢をめざす。
天気はまずまずのようだが、風は強い。
上等じゃねーか、
先のない年寄り魂をみせてやる。
失うものはなにもない。
膝上のラッセルが続く。
皆さんには
年寄りのハアー、ハアーという
苦しい喘ぎ声が聞こえるだろうか。
息を乱さぬよう進むが
八ヶ岳の魔物が目を覚ました。
5尺5寸、55��
フォーファイブの体が翻弄される。
赤岳から朝日がのぼった。今日も生あることに、神に感謝しよう。
と思ったが、私は浄土真宗本願寺派。
御仏に仕える身。
ここは「仏に感謝しよう」と云うのが
正しいのではないか。
3
今日も生あることに、神に感謝しよう。
と思ったが、私は浄土真宗本願寺派。
御仏に仕える身。
ここは「仏に感謝しよう」と云うのが
正しいのではないか。
年寄り、闘志が燃え上がる。
血圧も一気に上昇。
年寄り、不覚の立ち眩み。
第一岩稜突入。中々の傾斜。
ここはダブルアックスを効かせて
グイグイと登って行きたいところだが、
肩腱板断裂と診断された悲しい年寄りに
ダブルは必要ない。邪魔なだけ。
ピッケル一本で乗り越える。
2
中々の傾斜。
ここはダブルアックスを効かせて
グイグイと登って行きたいところだが、
肩腱板断裂と診断された悲しい年寄りに
ダブルは必要ない。邪魔なだけ。
ピッケル一本で乗り越える。
出発から2時間、第一岩稜終了点に着いた。
中岳ノコルを通して富士山が見えた。
山男は富士山を見ると勇気が湧くらしい。
中にはかしわ手を打つ者までいるらしい。
頭の中は単純なようだ。
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第一岩稜終了点に着いた。
中岳ノコルを通して富士山が見えた。
山男は富士山を見ると勇気が湧くらしい。
中にはかしわ手を打つ者までいるらしい。
頭の中は単純なようだ。
後ろを振り返ってみた。中岳沢からJPの尾根筋が良く見えるが、
第一岩稜は覗きこまなければ見えない。
肌を刺す冷たい強風は、
時折思い出すかのように襲ってくる。
さあ、ここからが核心部だ。
見せてやれ、年寄りの冷や水を!
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中岳沢からJPの尾根筋が良く見えるが、
第一岩稜は覗きこまなければ見えない。
肌を刺す冷たい強風は、
時折思い出すかのように襲ってくる。
さあ、ここからが核心部だ。
見せてやれ、年寄りの冷や水を!
本当の戦いが始まる。左へ回った凹角から取り付く。
この最初のワンステップは
人間にとっては小さな一歩だが、
人類にとっては何の意味もない
迷惑千万な一歩だろう。
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左へ回った凹角から取り付く。
この最初のワンステップは
人間にとっては小さな一歩だが、
人類にとっては何の意味もない
迷惑千万な一歩だろう。
気になるのは肩腱板断裂。
しかしここで引き返すわけにいかない。
いやここまで来ると、
引き返す方がむずかしい。
年寄り、冷や水続行。
写真を撮ってみた。
中々の高感度だが、惜しいかな
年寄りにそれを感じる深視力はなかった。
まだまだ続くぞミックス岩稜帯。
年寄りよ!
まだ闘志は燃え上がっているか?
先は短い(えっ?)、粉骨砕身の健闘を祈る。
北稜をめざす二人組が小さく見えた。
アンタも好きねぇ・・・。
小さくつぶやいてみた。
もう終わったようなもの。
踊ろうが歌おうが個人の勝手。
お好みのスタイルで山頂をめざすがいい。
ただしそんな奴はいない。
阿弥陀岳山頂。出迎えてくれたのは、強風と
雪に埋もれた標柱(約2m)だけだった。
景色も素晴らしかったが、
あくまで今日のミッションは北稜。
写真お披露目は割愛させていただきます。
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出迎えてくれたのは、強風と
雪に埋もれた標柱(約2m)だけだった。
景色も素晴らしかったが、
あくまで今日のミッションは北稜。
写真お披露目は割愛させていただきます。
しかし風が強く、
支えるのがやっとだった。
次回のキメポーズに乞うご期待。
これでも一般登山道。山頂からコルへ向けての急斜面。
「尻セードで下りれば早いぞぉ・・」
悪魔がささやいた。
しかし、
幸か不幸か、年寄りは耳が遠かった。
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山頂からコルへ向けての急斜面。
「尻セードで下りれば早いぞぉ・・」
悪魔がささやいた。
しかし、
幸か不幸か、年寄りは耳が遠かった。
感想
阿弥陀岳北稜は多少のクライミング技術とミックス岩稜でのアイゼンワークが
可能な人ならば、基本的には誰にでも楽しめるゲレンデだと思っている。
ただ山岳部などでは難易度が低い分、初心者育成の恰好のゲレンデとして、大勢の
パーティーが押し寄せてくる。
結果、週末ともなれば大渋滞が発生する。
ロープを出してアルパインの流れをおさらいする訳だから、当然といへば当然なのだが、
寒い日の時間待ちは結構応える。
気の利いたリーダーなら先に行かせてくれるが、普通、遅く到着した者に
そのような恩恵はなく、おとなしくじっと待つしかない。
前回北稜をやった時は、そんな苦い経験をしている。
余談だが、僕は1分でも2分でも待つのは大っ嫌いである。
もちろん他人を待たせるのはもっと嫌である。
待ち合わせ時間に遅れることは、よほどの事情がない限りまずない。
と、そんな渋滞が嫌で今回は平日の21〜22日で計画を立ててみた。
立ててみたと云っても、特別北稜に思い入れがあるわけでもないのだが、
近頃日増しにひどくなる右肩の痛みに不安を覚え、訪ねた整形外科の診立ては「肩腱板断裂」。
今すぐ腕が動かなるという緊急性のものではないが、断裂部が治癒することはないそうだ。
どうしても治したいという人には手術しかないようだ。
これはもしかしたら近いうちに山を諦めなくてはならないかもしれない。
沢登りや岩登りもできなくなるかもしれない。
今のうちにできるVルートに行かなくては・・・。
そう思ったら矢も盾もたまらず、プチアルパインの北稜往きを思いたった。
北稜だったら突然右腕が使えなくなっても、前回の登攀印象から左腕だけで何とかなると
思ったからだ。
これは決してナメてる訳ではなく、本当にそんな印象だった。
そして無事三度目の北稜をやり終えて僕は今、ヤマレコを書いている。
もう少し山との付き合いは続きそうである。
コメント
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阿弥陀岳の最新記録
阿弥陀岳北稜の最新記録
丹沢に八ヶ岳と飛び回られていらっしゃいますね。
写真だけ見ておりますとシリアスな展開なのですが、
コメントを拝読いたしますと、、、いつも笑って
しまいます(失礼！)。
山との付き合い、もう少しと言わずいつまでも続くことを
願っています。
navecatさん、こんばんは。
＞コメントを拝読いたしますと、、、いつも笑って
しまいます(失礼！)。
navecatさん、失礼どころか、これは僕への最高の褒め言葉です。
笑っていただき、ありがとうございます。
＞山との付き合い、もう少しと言わずいつまでも続くことを
願っています。
万感の男泣きです。
今年の開幕投手はマエケンで決まり！
最後は広島優勝で笑いましょう。
knotさんこんにちは
はじめまして。knotさんの前日に阿弥陀南稜登りました。
北稜か迷ったんですが、パートナーの事を考えて南稜ルートに。
肩腱板断裂、私も昨年秋にやりました。
痛みが日毎に増し、夜間痛がするようになったので、
正月過ぎてやっと専門医に行きMR、その後リハビリ開始。
週二回のリハビリを三ヶ月、痛みもほぼ消えて、
今はボルダリングでぶら下がれるようになりました。
私も年寄りの冷や水派ですが、
まだまだ行けるぜ！と思っています。
まずは肩、養生してください。
これからも素敵な山行記録拝見したいです。
penguinさん、はじめましてknotです。
ご心配ありがとうございます。
最近やっと、先生からひどくなったら(初診の時、しばらく様子を見ると言って帰った)
いつでもいらっしゃいと言われたのを思い出し、伺の機会を探しあぐねている所です。
それにしても三ヶ月ですか・・・(もちろん状態によってはもっと長いかもしれませんね)
しょうがない、腹、くくりますか。
ところで、遅ればせながら南稜の山行記読ませていただきました。
パートナーの方と喜びを共有しての山頂征服は、さぞかし心地良いものなのでしょうね。
実は今回の北稜にあたっては、最初南稜も候補に挙がっていたのですが、
一人寂しく南稜をやった５年前の一月下旬の事を思い出すと、
いまいち南稜に踏ん切りを付けることはできませんでした。
青ナギ先の無名峰にテントを張り、無我夢中で登ったP3ルンゼ。
無事ルンゼを越えたものの、今度はpenguinさんのいわれる「もうひとつの核心部」。
出だしの少し覆い被さったボロボロの岩壁をつたってのバンドトラバースは、
ザックが引っかかりそうになり本当にヒヤヒヤもんでした。
最後は船山十字路に停めた車回収で頼んだタクシーが雪のため行ってくれず、
途中で降ろされアルバイトを虐げられたこと。
南稜は今度penguinさんのように、周りの景色を楽しむ余裕をもって挑みたいと思います。
penguinさんも御身いたわっての楽しい山行をお続けください。
knot 様
南稜の山行記録お読みいただきありがとうございます。
肩腱板断裂ですが、放おっておいて痛みがなくなり、
日常生活には支障を来さない人もいらっしゃるようですね。
私の場合、痛みが出てから無理をしてジムのボルダーや外岩に行って
症状を悪化させてしまいました。
１ヶ月ほどは、右腕がまったく使い物にならず、日常生活でも支障をきたしました。
痛みがひどくなって注射を打たれ、それでリハビリ時に腕が
動かせるようになってから、機能回復のペースが早くなったように思います。
動かせるようになってからは、こんどは上半身のストレッチを痛い右だけじゃなく、
左右同じようにやりました。
それとアイシング。クライミングなどの運動の後は、
かならずアイシングするように、理学療法士に言われました。
スポーツ選手でもあるまいにと思いましたが、
最近ではなるべくアイシングするようにしています。
どうぞお大事になさってください。
penguinさん、おはようございます。
二度にわたってのお気遣い、ならびにアドバイスありがとございます。
すみません。
普段僕は、山行記録を読むことはあっても、日記欄まで目を通すことがないので
気付くのが遅かったのですが、penguinさん、「クライミングで肩が痛い その1〜3」を
アップされていたのですね。夕べそちらも読ませていただきました。
発症してからの不安な気持ちの中、それでもクライミング技術向上に向かわなくては
ならないpenguinさんの心の揺れ具合、自分に置き換えて興味深く読ませていただきました。
それらを踏まえて僕は今、何らかの行動を起こさなくてはならないなと思っています。
あとは決断力だけです。
いずれにせよ、先生の指示を仰ぎたいと思います。
ありがとうございました。
治療状況からして、5.9は時間の問題でしょう。
ますますのご活躍をお祈りしています。
こんばんは。来週末、阿弥陀岳行く予定です。
ルートは阿弥陀岳広河原沢中央稜です。
雪山はまだ始めたばっかり。
ワクワクしています。
でも、knotさんの写真見たら行けるのかしら？
と、ちょっとビビっていますw。
方はお大事にしてください。
まだ行く場所は沢山あると思います。
今後も記録を拝見するのを楽しみにしています。
raeさん、
おはようございます。
それと、
ご心配ありがとうございます。
身体あっての山遊びですからね、養生いたします。
ところでraeさん、
出発はまだ先だというのに、
ちょっとビビったり、ワクワクしたり・・・と、
もうraeさんの中央稜は始まってますね。
分かりますよ。
気持ちは遠足をひかえた小学生と同じですもんね。
安全第一で、
大いに楽しんできてください。
ちなみに僕のアルパイン用ジャケット、オーバーパンツは
すっかりきれいになって、今は箪笥の奥で来シーズンの
声がかかるまで眠っています。
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