【瑞牆山・金峰山】 富士見平小屋で優雅なテント泊
- GPS
- 33:05
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,822m
- 下り
- 1,817m
コースタイム
【一日目:9月12日】
6:00 県営無料駐車場
6:25 瑞牆山荘前登山口
7:00 里宮神社
7:30 富士見平小屋下水場
7:40 富士見平小屋
7:45 テント設営・朝食 9:00
9:25 天鳥川 9:30
11:00 瑞牆山山頂 11:30
13:00 富士見小屋テン場
〜 昼食+ビール・昼寝
〜 ワイン・昼寝
〜 夕食・バーボンお湯割り
21:00 星空観察
22:00 就寝
【二日目:9月13日】
3:30 起床・星空観察
4:30 身支度・朝食・コーヒー
5:30 金峰山へ出発
6:15 大日小屋前
6:40 大日岩 7:00
8:00 砂払いノ頭
8:35 金峰山小屋分岐
9:10 金峰山山頂 9:40
11:25 大日岩 11:35
12:00 大日小屋前
12:45 富士見平小屋テン場
12:50 テント撤収・昼食 13:20
15:00 瑞牆山荘前
15:15 県営無料駐車場
天候 | 9月12日(水):晴れ・曇り・雨・晴れ 9月13日(木):晴れ・曇り・晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレは瑞牆山荘横に有料トイレ(\100) 瑞牆山荘前にドリンク自販機あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【駐車場〜富士見平小屋】※20Kg超のザックを背負って ・樹林の中の山道 ・丸太の整備階段付近の土が流れ、 階段の役割を果たさずに道阻むハードル状態の様。 ・里宮神社山道入口より急登 ・里宮神社境内より案内が不明瞭で祠の左側へ回ったところ、 神社の天井部分の岩場の上を通過して登山道に合流。 ・途中、二度ほど林道を横切る。 ・水場の案内表示が見えたら、すぐに富士見平小屋 【富士見平小屋〜瑞牆山山頂】 ・小屋の左手を回ってコースへ。 ・天鳥川(水は枯れている)河原まで下り ・ここから急登が続く、 梯子、岩潜り、岩登り、ロープと変化が多いコース、 息を抜ける箇所は全く無い。 【富士見小屋〜大日小屋】 ・小屋とトイレ(有料)の間よりコース ・苔むした樹林の中を小刻みにアップダウン ・大日小屋は登山道より少し下る 【大日小屋〜大日岩】 ・大日小屋から30分ほどで大日岩の下 ・途中、ロープ箇所あり ・大日岩を少し上ったところに分岐 【大日岩〜砂払いノ頭】 ・樹林の中、あちこちに泥濘 【砂払いノ頭〜金峰山山頂】 ・ここから岩の尾根の稜線を進む ・尾根は痩せていて要注意が多くある ・岩登り箇所はコース取りがポイント 2〜3箇所は両手両足を使い攀じ登るところあり ・風が強い日やガスで視界が悪い時はかなり厳しそう。 ・山頂は広く晴れていれば360度の展望、五丈岩が象徴的。 ・山頂は大弛峠や巡目平からの登山者で賑わっていた |
写真
感想
遅い夏休み、平日に一泊ですがテント泊山行して来ました。
夏前より、いろいろと計画はしていたのですが、
何かと旨く都合が付かず、結局、前日の仕事から帰宅後に
単独山行での実施を決定。
今回は、ヤマレコで情報収集、「お気に入り」にして、
ズーっと気になっていた瑞牆山と金峰山にチャレンジ。
ヤマレコ山行記録の中には日帰りハイキングで両方を登る方も
大勢おられる様ですが、自分の体力では到底無理な話。
そもそも、体力だけでは無く、自分の技量で
登れる山なのだろうか、岩登りなど経験は全く無い。
最初から、あまりコースタイムは気にせず、
両山の分岐点である富士見平にキャンプを張り、
無理をしないペースでのんびりと登ることとし、
長く過ごすことになるテント生活の時間を「優雅」に
過ごすことを一番の目的とした。
二人用テントに寝具・着替え、
ガスコンロ・アルコールストーブ、食器、
食料、保冷容器に凍らせたビール・ワイン・栄養ゼリー、
それに室内ランプ、折りたたみテーブルと椅子、
これで70Lのザックはパンパンとなる。
あと、雨具と救急医薬品、3Lハイドレーションの飲み水を
13Lのサブザックに詰め、それを親ザックにセット。
見た目にもかなりのボリューム、合わせて重量は20Kg超。
駐車場からのコースタイムでは60分のところ、
90分近くかけて富士見平小屋のテント場に到着。
10数時間過ごすことになる至福のテント生活を
「優雅」に演出するための90分は大した苦労ではない。
結果的にはこの選択は大正解。
富士見小屋は「荷揚げ中」とう表札がかけられ閉まっていた。
手続きは後回しとして、誰も居ないキャンプ場で
比較的小屋やトイレに近い木陰の好位置にテントを設営。
コーヒーとクリーム玄米ブランで朝食を済ませ、
サブザックのみで瑞牆山を目指した。
富士見平からの歩き出しは樹林帯の山道、軽荷になり好調、
途中の開けたところから岩山が突然目に飛び込んでくると、
ワクワク、ドキドキと緊張感。
平日であるが、先日NHKの「小さな旅」で
瑞牆山が紹介されたこともあり、登山者は多かった。
富士見平までの途中、里宮神社近くでの休憩時に出会った
若い娘さんと元気で優しそうなご両親の三人連れの感じの良いご家族も、
その番組を参照に久々の家族山行とのこと。
ロープや梯子、岩登りに岩の隙間を潜ったり、
変化に富んだ急登なコースである。
10分登っては小休止の繰り返しで、何人にも抜かれた。
富士見平小屋から二時間ほどかかってバテバテで
山頂に辿り着いた。
自分にとってこのコースは「ハイキング」のイメージではない、
今回のジャンルは「無雪期ピークハント/縦走」にすることにした。
瑞牆山山頂はちょうどランチタイム、やや雲が出ているが
絶景の中、ファミリーやカップルが楽しげに食事中。
先ほど出会った3人連れの親子もお食事中。
私は半解凍のエネルギーゼリー飲料を一気飲み。
30分ほど休憩し、雲が切れるを待っていたが、
逆に北側から厚い雲が流れてきて、怪しくなってきたので、
山頂をあとにした。
下りは登りより手強い、ステップを小刻みにし、
息を止めてコース取りを慎重に、
天鳥川までは全く息が抜けない。
富士見平小屋近くの樹林帯のところで雨が降りだした。
雨具を着るかどうするか迷っているうちに小屋に着いた。
小屋は未だ「荷揚げ中」で閉まっていた。
どうやら本日は休業の様子、雨で急遽小屋目当てに
飛び込んで来る登山者も何組もあったが、
諦めて雨の中下山して行った。
私はテントに潜り込み、冷えている缶ビールを一気飲み、
バタンキューとそのまま昼寝、未だ13時である。
自分にとってはとてもハードなコースで緊張の連続、
テントの中で緊張を解し、脱力。
一時間ほど休み、あたりの様子を伺うと、
雨は小雨ながら降り続き、小屋付近での人の会話も聞こえる、
小屋の扉はやはり開いていない様子。
気が付くと、黄色のツェルトテントが一張り増えていた。
今晩はもしかすると山中に一人だけかと思っていたので、
ちょっと心強くなった。
この時点では全く体力が回復しておらず、
『明日、金峰山どうしよう、雨だったら中止だな』と、
独り言が頭の中を過ぎる。
雨中でやることもないので、
テントの中でラジオを聞きながら、
好物の魚肉ソーセージとスナック菓子をツマミに
赤ワインをラッパ飲み、至福なひと時を過ごす。
知らずうちに再び昼寝、今度は二時間ほど爆睡。
17時半頃、あたりは薄暮、登山者も居なくなり、
かん高い獣の声がたまに聞こえるくらいの静寂感。
湿った空気が漂うが雨はあがっている。
黄色のテントの住人は、瑞牆山に登る途中で
唯一追い抜いた自分よりも年上の年配の男性であった。
トイレに立たれた時に挨拶をした。
「明日は金峰山ですか?」と尋ねると、
「天気にもよるが、相当バテたのでこのまま降りるかも」
と、全く同じ心境の様子であった。
「お若い人が近くで心強いですな・・・」と社交辞令、
私もちっとも若くは無いのである。
そんなに空腹ではなかったが、暗くなってきたので、
夕食の支度、本日は「和定食」と決めていた。
アルファ米の五目ご飯、鯖の照り焼き缶詰、豚汁、
それにバーボンのお湯割りを片手に、
ロッキング椅子に寄りかかり、テントの外で優雅な晩餐。
何か一日中食べている気がする、多分太ったであろう。
食事の後片付けを簡単に済ませ、
ほろ酔い気分で再びテントで横たわる。
また直ぐに眠れるのかと思ったが、
静けさの中、やたらに飛行機のバク音が響いて気になる。
20時〜21時少し前あたりの時間帯が頻繁で、
2〜3分おきに飛行機が通過する。
その度に数えていたら眠くなるかと思っていたら、
かえって目が冴えてきた。
ワインはとっくに空びん、
お湯を沸かし、再びバーボンのお湯割りにする。
お湯割りのカップを片手にヘッドランプを照らし、
辺りを散策、吐く息が白い、南の空を見上げるが星は無い。
人工衛星の動き追って、視線を西北に向けると、
そこには煌く満天の星空があった。
お湯割りのお代わりを作り、誰も居ない小屋前のベンチで
一時間ほど星空観察、星座の知識も疎いので、
ただただ見上げるばかり、流れ星も見ることが出来、
なんか心の充電が出来た思いで、22時に就寝。
翌朝、3時半に起床してトイレに立つ、
この時点で星空は南の空にも広がり、より煌き、
本当に満天の星空となっていた。また暫し星空観察。
天気も良さそうである。
体力的にも回復している気がしたので、
帰りの撤収が楽なように、シュラフやマットを
仕舞いテント内を整理しながら着替え、
明るなってきた5時半に出発。
黄色いテントの方もトイレ前で身支度をされていたので、
「おはようございます、良い天ですね、一足お先に」と
朝の挨拶をしたところ、
「私はもう少し様子をみて帰るかも知れません」とのこと。
体力が回復しておらず、不調な様子。
トイレ横の登山口から登り始める。
最初の登りで既に息があがる、酒を飲みすぎたかも。
『どうしよう、ヤメようか・・、いや行こう』と自問自答、
大日岩を経由して砂払いノ頭までは、どちらかというと
苔むした樹林帯の中の山道を歩く、途中にロープの岩登りの
箇所があったり、大きな泥濘があったりするが、
昨日の瑞牆に比べれば全く大したことはない。
ところが、砂払いノ頭から一変した。
細い岩場の痩せ尾根の登りの連続、
両手両足でひっかかりのある箇所を確認しながら、
全身を使って岩登りをする箇所も出てきて緊張の連続。
コース状況の情報では特記するほどの危険箇所は無い、
というコメントを目にしてきたが、この辺りは、
危険箇所の連続過ぎて、「特記する」ことが出来ない
のではないかと思えた。
自分にとっては、超危険箇所である。
気力と体力が尽きたら一貫の終わりである、確実に落ちる。
幸い快晴で展望が開けていたので、バランスさえ保って
ゆっくり落ち着いて行けば何とかなったが、
五丈岩は未だ未だ小さい、遥かなたである。
ここら辺でも何度も帰ろうかと思った。
風や強かったり、ガスっていたら確実にやめていた。
ようやく五丈岩が目の前に見えて来た頃に、
雲が出てきた、最近このパターンが続いている気がする。
ここのところすっかり山頂雲男となっている。晴れない。
富士見平小屋から4時間弱をかけて金峰山に到着。
途中、岩の上をピョンピョンと跳ねるように駆け登る
山猿のような軽快歩きの男性に抜かれた。
あとは大日小屋でテン泊して金峰山を登り、これから
瑞牆山を目指すという若者とすれ違った。この若者に
「金峰山まであとどのくらい掛かる?」と尋ねたら、
「30分も掛からないのでは・・・」だった。
実際に私は、そこから一時間を要した。
金峰山山頂には多くの登山者が寛いでいた。
大弛峠方面などからの登山者であろう。
富士見平からの登山者は未だそんなに居ないはず。
五丈岩にロッククライミングしているペアが居た、
休憩しながらその様子を見守っていた。
頂点に上り詰め、両手を天空に突き上げた時に、
山頂の登山者から大きな歓声と拍手がおこった。
頂点のペアはそれに応え、会釈をして手を振っていた。
気が付くと辺はすっかりガスの中、眺望も無くなった。
行動食とビタミンゼリー飲料でエネルギー補給して、
30分ほどで山頂をあとにした。
帰りのコースをタブレットに入れ来た地図で確認したが、
結局、来た道を戻るが最短であるため、岩場の細尾根が
気になりつつもピストンで戻ることにした。
帰りは、少し慣れたせいか比較的スムーズに感じた。
だが途中、大きな一枚岩を降りる時に、足場に困り、
咄嗟に滑り台から滑る様にすり降りたところ、
ズボンのポケットに入っていた車のキーの
オートロックボタンを破損した。
岩場を40分ほど降りて来たところで、
キャンプ場で一緒だった年配の男性とすれ違った。
「迷ったけどやっぱり来ちゃいましたよ、
私は5時間超えペースでゆっくり行きますわ・・」、
「頑張りましたね、あと少しです、お気を付けて!」、
いや、気がかりだったので良かった良かった。
下山は順調で、もう一箇所注意ポイントが
あったはずと注意深く歩いていたら、とっくに
スルーしてたらしく、気が付いたら大日岩まで来ていた。
あとはロープで降りるところが一箇所あるだけ、
ペースも快調な下山でほぼコース設定タイム、
13時前に富士見平小屋まで戻ってきた。
少し曇りがちだったので、雨が降り出す前に
テントの撤収をすることにした、
ちょうど、作業をし始めたら、荷揚げの背負子を
背負った小屋のご主人が帰って来た様子。
ただち、小屋まで行き、テント泊の手続きと
料金の\1,000を支払った。
週末の予約客の食事の仕込みを2日間かけて
下界で行ってきたそうで、それを今運んでいるとのこと、
大変な作業である。
つまり、週末に予約客があると、
小屋は火曜日・水曜日が休業になる可能性が高いとのこと。
テント撤収後、湯を沸かし、カップうどんの昼食、
食後、ドリップコーヒーを入れ、一息ついた。
確実に二日間分の食料と飲み物が減ったので、
帰りの荷物はかなり減量となったはずだが、
未だまだ結構な重量のままである。
駐車場までの帰り道、往きと同様に、
重荷を背負って、ゆっくり慎重に降りた。
往きに少々迷った里宮神社付近の参道も確認しながら降りた。
15時少し前に瑞牆山荘が見えて来た。
昨日、登り始めた登山口、終点である。
ちょうど、折り返しの路線バスが到着した。
瑞牆山荘前ベンチのバス待ちの人の中に、
今朝、金峰山山頂前で、「あとどのくらい・・・」と
尋ねて、「30分も・・」と答えてくれた若者が居た。
結局、瑞牆山も登頂して来たとのこと、
「瑞牆山のほうがきつかったっすよ、」
残念ながらガスで眺望は無かったそうである。
バスの発車時刻まで、大した時間では無さそうだったので、
自分は車で来ていることを告げ、そこで別れ、
駐車場へ向かった。
駐車場に着くと、となりの車のオジさんが、
背中の荷物を見て、「何泊?」と尋ねてきた。
「一泊です。」、「え〜、凄い荷物だね。」。
いいんです、優雅な至福なひと時を過ごせたので。
今回の登山は、自分の技量では兎に角ハードでした。
しかし、バテバテでありましたが、
二日間で二つの100名山を登頂、無事下山出来、
達成感も大きく、こころの充電も出来、良い山行でした。
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