空木岳縦走(RW千畳敷駅〜空木岳〜池山尾根登山口)【長野県、中央アルプス】
- GPS
- 10:26
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,302m
- 下り
- 3,035m
コースタイム
- 山行
- 9:07
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 10:26
● 行動時間
9/21: 10:23
天候 | 午前:快晴、午後:晴れ、曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
9/19 : (家=北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅=山頂駅) 山頂駅―北横岳―亀甲池―天祥寺原―竜源橋―ロープウェイ山麓駅 尖石温泉「縄文の湯」、ホテル泊 9/20 : (ホテル=白駒池) 白駒池―麦草峠―茶臼山―縞枯山―ロープウェイ山頂駅―出逢ノ辻―麦草峠―白駒池 玉宮温泉「望岳の湯」、ホテル泊 9/21 : (ホテル=駒ヶ根駅=しらび平=千畳敷) 千畳敷―檜尾岳―熊沢岳―東川岳―木曽殿越―空木岳―池山林道終点―池山尾根登山口 (池山尾根登山口=駒ヶ根駅=家) 9/21 帰りは、池山尾根登山口下で偶然に出会った仕事仲間に駅まで送って頂きました。感謝尽きず ●登山口へのアクセス ○千畳敷 ・しらび平からの駒ヶ岳ロープウェーで行く。30分間隔運行、片道所要7分。大人片道利用では1,370円 ・しらび平までは、伊那バスが運行している。駒ヶ根高原より先は一般車通行止めのため、マイカーの場合には駒ヶ根高原にある菅の台BCよりバスに、鉄道利用または高速バス利用の場合には、駒ヶ根駅または駒ヶ根BCより伊那バス利用。駒ヶ根駅より大人1,050円(2020.9月 現在) ※バスの混み具合 1)朝の場面 ・駒ヶ根駅4:40到着も始発バスには乗車できず。約10分後の臨時便に乗車 ・菅の台ではアカンと見た方々などが駅に集まったのか、5時時点では都合50名程度 ・駒ヶ根駅の駐車場は、2時間無料、以後は130円/1時間 ・駒ヶ根〜菅の台間のバス停からの乗車希望者も結構見かけたが、定期便もこの臨時便にも乗車できず ・菅の台BCからは、おそらくこのバスよりも前に2本の臨時便が出たようだが、それでもまだ駐車場の中へと延々続くバス待ちの列が見受けられた。黒川平も同様の混雑 ・コロナ禍の下ではあったものの、数年前の黒川平の混雑となんら変わりはないほどであった 2)夕方の場面(菅の台での観察) ・菅の台BCでは駒ヶ根行きを待つ人の列が見受けられた。不詳だが、菅の台止め臨時便からの乗り換えだろうか ・それゆえ、仮に「駒の池BS」から駒ヶ根駅行きに乗ろうとしても、何台か見送る必要があったのかも知れない ・バス最終便の定刻よりも30分以上後である18:30過ぎにも、しらび平からの下山便が運行しているのを見かけた。それだけ多くの人が山に行っていたということのようだ (以上、2020.09.21実録) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○千畳敷〜檜尾岳〜東川岳〜木曽殿山荘 ・気持ちのいい高山の縦走路だが、平坦が少なく殆ど昇降している ・一本道だが、迷いやすい岩稜部などには赤ペンキもある。道標は名称地点(山頂など)にはあるものの、中には脱落しているものもあった ○木曽殿山荘〜空木岳 ・まずは急崖を登り、第一ピークからは岩場の進行。その先のピークは垂直の岩場だが常設ロープ等で上っていく。岩に打たれた足場も多数ある ・山頂部は最高点と標示とが別になっている ○空木岳〜池山林道終点 ・頂上からマセナギの先600mくらいまでは山道。それより下は遊歩道のような道 ・頂上から避難小屋までは、枯れた沢伝いだが、避難小屋に着いてみると道もあるようなので、どこかで道を見落としたかもしれない ・2,500m近傍、2,200m近傍など、昇降を共なうところもあるいっぽう、下降するときはロープや木製階段、鉄製階段などで一気に下降する ・標示は要所ごと。その間の距離も標記されている ○池山林道終点〜池山尾根登山口 ・林道終点駐車場から池山尾根登山口までは人工的な道だけに急斜度で一定しており、足に来る ・林道交差部には、登山道と同様の標示もあるが、それより低いところはハイキングコースが縦横無尽に走り、それらと何度も交差するため登山道の識別が難しい ・ただし、間違えても復帰も容易なので、あまり気にすることはない |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・駒ヶ根名物「ソースカツ丼」のお店はいくつもある。菅の台BC付近にある明治亭などの有名店もある。そば処も菅の台近辺にもある ・コンビニエンスストアは、しらび平に向かう県道沿いではインターよりも東に下ればいくつもある ●日帰り温泉 ○菅の台BCそばに「こまくさの湯」がある。20:00最終入湯。大人610円 |
写真
感想
長年計画倒れにおわっている山の一つ「空木岳」。数年前には、夜を徹してやってきたものの、バスの行列にやられ、木曽駒ヶ岳のみで帰る羽目になったこともある。 今回はそれらの反省も頭に置き4連休を有効に活かして登ろうと思っていた。数日前から天候は21日が安定的となったが、残念なことにも山頂部の小屋の予約が取れない。間際まで粘ってみたが空きそうもない。仕方がないので、「日帰り、JR駒ヶ根駅利用、朝の始発バスから最終バス」の行程にトライすることとした。
宿を4時前には出発し、朝食を摂り、駒ヶ根駅前駐車場には4:40に到着。ところが事前に中央アルプス観光に電話取材していた状況とは異なり、駅バス停も大変な混雑。待ち人は、すでに50人は越えようか。やがて到着した始発バスは案の定乗ることが出来なかった。臨時便は出るであろうが、遅れることは避けられなさそうだ。やきもきしたが、約10分後の臨時便でしらび平へ。更にロープウェイのフル運転で予定の15分遅れ程度で登り始めることが出来た。
静寂のカール内を登り詰め極楽平へ。そこにいた幾人かも向かわない南へ。空木岳へ向けて縦走を開始。まずは島田娘までの緩い登り。今日は四方の山々がよく見える。北も御嶽に続き乗鞍も見えるようになってきた。気持ちの良い縦走になりそうだ。
改めて先を見ると、檜尾、熊沢、東川と続く一繋がりの尾根の長さに圧倒される。空木は遠いなと深呼吸し、まずは檜尾へと踏み出す。
緩やかな下降と直線的な登りを超えて「濁沢大峰」。山名標は朽ちてしまって名前がわからないのだが、一部の書籍だけではあるが、この名前が出ている。その先の岩塊で始めて鎖が現れる。
ようやく檜尾への登り道が姿を現すが緩やかながら飽きることない登りだ。延々と登ってようやく檜尾岳に到着。
南アルプスも八ヶ岳も存分に楽しめる。そして何より空木岳がいよいよ正面から見ることができるようになった。空木の北面は名前とは異なり峻険だ。西向こうには三ノ沢岳がどっしりと聳えている。
しかし時間は思ったよりもずいぶん早い。これならば終バスには間に合うことが出来るかも知れない。
ここで縦走の青年と会話。越百山まで行ききる予定とのこと。学校の山岳部がコロナ禍で活動休止となってしまったので、単独で縦走に挑戦しているらしい。みんな力が落ちているんじゃないかと心配そうだ。どこもコロナ禍で大変だ。
その青年に山頂写真を撮って頂き、先行する。案の定、彼には熊沢岳への途中で抜かれてしまった。ただそのおかげで、木曽殿越までは抜きつ抜かれつ同道させて頂いた。
大滝山は山頂下を通過する。特に踏み跡があるようでもないので、通過。そして熊沢岳を改めて見るが尾根が細く岩がちで険しい。頂上には遠くからでも特徴的な岩塊がモニュメントのように置いてある。
そこへ向けてじっくりと登っていくと、岩のモニュメントは眺めるだけでその横に山頂。ここに来てようやく東川岳の識別が出来るようになった。手前の2,703m峰に隠れるように存在している。標高が低いのに、むしろこちらが名のある峰となっている理由は行くとわかる。
まずは2,703m峰に登る。そして下降。東川岳は、石の鏃を立てたような形をしており、端正かつ鋭利だ。急崖を登ると山頂。
いよいよ空木岳までには遮るものがなくなった。その登路は外連味のない急坂で細い尾根筋をひたすらに登っていくようだ。また、南駒ヶ岳も眼前に迫ってくる。こちらはこちらで山肌がまるで地獄の針山のようになっている。ひょっとしたら昔の人はこの山を見て地獄を想像したのではなかろうかと思うほど。
足下の木曽殿越に向けて出発。こちら側の下りも急崖すぎて上からでは峠にある小屋が見えない。しばらくへつるようにジグザグと降りていくと、ようやく小屋が眼下に見下ろせるようになった。文字通り屋根に降りていくくらいの急角度で下降。一息で小屋の前庭に出た。
小屋前で昼食。先ほどの青年は、ここで水場まで水くみに行った。こちらはその間に出発。
覚悟を決めて一気に登る。ちょうどガスも上がってきており、背後の東川岳の姿も次第に怪しげになってくる。急登の最後では北面が絶壁のはずだが、そちらは見えない。さらに緩みなく登り、ようやく山頂部の肩へ。第一ピークと書いてある。そこからは巨大な岩塊を乗り越えながら山頂へと進むようだ。塊の間を渡ると、次のピークへはまさに岩登り。ロープや足場を利用して垂直の煙突状や一枚岩を登り、またピークへ。そこから最後の頂上部を見つつ岩場を登っていくと、いよいよ頂上。
山頂部は最高点と山名標のある部分が別になっている。残念ながら、赤梛岳や南駒ヶ岳以外の山はガスの中に消えてしまった。足下の駒峰ヒュッテすら見えたり見えなかったり。ここまで景色が良かったのに満足して、下降へ。
急でザレた面を下降し駒峰ヒュッテへ。ほんとうは駒石経由で行こうと思っていたのだが、ヒュッテ前の標示をよく見ず降りると、すでに分岐点よりも後だったようで、戻ることは止めてそのまま避難小屋経由に切り替えた。
枯れた沢筋をずっと降りる。時折テープ誘導で道らしきものにも入るが何もなくなって河原を行かざるを得ないところもある。そのまま進むと空木平避難小屋前に到達。河原から建物側に上がると、ちゃんと道もあるようだ。どこで見落としたのであろうか。ふと上を見ると、駒石も見えるが、空木岳はガスの中だ。
そこからは緩く標高差30m位を登り返して両道は合流。標示はしっかりとしているが、案内される次の目印は「ヨナ沢の頭」。そして進んでみるとその次は「迷い尾根」。いずれも地図上に名前のある場合もあるが統一的でもなく、結果的に目安時間を得にくい原因となっているようにも思う。いくつかの地図に名前のある「大地獄」「小地獄」もどこだかわからなかった。
名前はともかく迷い尾根の手前までは緩やかな道取りが殆どで、このペースで本当に標高差2,000mも降りることが出来るのかと不安になる。と思いきやその先から梯子や鎖の連続で一気に下降する。
迷い尾根とマセナギの中間点を示す標示の辺りからは、傾斜の緩やかな遊歩道のような道となり、ペースアップ。てくてく歩くとマセナギへ。しかし、案内が不明で地図上検討の結果「尻無」を目指すことに。
道は正解だった。まもなく「尻無」。ここで再度時間を確認する。なんとか17時台のバスには乗れそうだ。遊歩道経由での下降、水場もそこそこにタカウチ場へとぐんぐん進む。ここも直進ルートも見えて曖昧さがあるが、とりあえず地図重視で右折り返し気味に進む。林道のような緩さで降りていくといかにも近道という入口が見える。そちらへ進むと、急な踏み跡道ながら、ちょうど池山林道駐車場前に顔を出した。
そこからは再び林道を離れて登山道へ。今回の場合には林道は工事中でもあり、登山道経由は致し方ないところ。しかしこの登山道も厳しい。休むことなく下降していく。疲れた足にはきつい。
林道をもう一度横断ししばらくで、空木岳登山道を示す標識が左へと誘うのでそちらへと進む。それが正解で、更に林道を横切り、スキー場脇の急斜面をへつりながら下降する。やがて、林の中に多数の道が現れる。そちらは「木陰のパノラマ遊歩道」こちらの「登山道」とは整備主が違うのか、道の状態も案内標示も異なっている。そのせいもあって何度も交差するうちに一箇所間違ってしまったが、だいたいは登山道を下降、なんとか登山口に到着した。
着いてみると、昨日下見に来たスキー場駐車場の最奥部である。よろけた足で下まで降りる。バス時間にはずいぶん余裕がある。ここで飲み残したジュースで一息ついてバスへ、などと思っていたら、駐車場から降りてきた一台の車が目の前に止まる。さっき途中で抜かれた人たちかな、とか思って見上げると、思いがけない顔が出てきた。
同業会社の同輩だ。まさかこんな所でお会いするとは。それは相手も一緒で、こんな所で何してんですか、と言われてしまう。
お互い空木岳に登ったことは同じで、その方々は池山尾根を往復したそうだ。こんな疲れる長い尾根、それはそれで凄いことだと思う。
駅駐車場にあるマイカーまで連れて行って頂くことに。これはありがたいことだ。思いがけない親切には心から感謝を申し上げたい。車の中ではお互いコロナ禍の影響話になる。同業なのだから、同じような悩みを抱えている。また来て下さい、落ち着いてきたらいっぱい行きましょう、などとお互いに言いながらお別れした。
ちなみに後述の通り菅の台に戻ったのだが、そのとき見かけたバス停の様子では、まだ駒ヶ根駅まで乗りたいお客さんが溢れて行列しているようだった。ひょっとすると、バス時間には間に合ったが、すぐには乗れなかったことも考えられる。そんな意味でも、こんな所での同輩氏との遭遇は、ないような幸運だったようだ。
おかげで時間に余裕が出来たので、菅の台まで戻って「こまくさの湯」に入湯。出てきたら、すでに夕暮れ。もうバス最終は超えた時間なのだが、目の前を次々にバスが降りていく。やはり今日は大量のお客さんが上に行ったようだ。
重量級の縦走コースをほぼ成功裏に終え、幸運にも恵まれ、今月は充実の山行で締めくくることが出来た。
同輩氏を始め、多くの方々と幸運に感謝感謝。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する