仙ノ倉山(北尾根)
- GPS
- 22:34
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 1,669m
- 下り
- 1,671m
コースタイム
- 山行
- 6:44
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 7:01
- 山行
- 10:06
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 10:33
天候 | 12月28日(月):高曇り→晴れ→雪 12月29日(火):曇り→快晴 12月30日(水):曇り時々雪(標高が低いところはみぞれ) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース全般 バッキガ平から先の北尾根は正規登山道ではありません。 ワカンは毛渡橋の除雪地点から終始使用。 アイゼンは登りの1530mの鞍部から上で使用(komemameはワカン+アイゼン)、 下りはバッキガ平まで使用。ピッケルは小屋場ノ頭から上で使用。 ●土樽駅〜毛渡橋 1.5kmほどの車道歩き。 ●毛渡橋〜群大ヒュッテ およそ4.5kmの林道歩き。 下山時は気温が上がり腐れ雪に。一歩一歩沈みこみがひどい。 ●群大ヒュッテ〜小屋場ノ頭 群大ヒュッテの前で毛渡沢に架かる雪に覆われた橋を渡り、 バッギガ平から適当に急斜面を登って北尾根に取り付きます。 小屋場ノ頭(1182.0)まで高低差およそ410mの急登となり、 膝上〜斜度がきついところは胸ラッセルを延々と続けます。 ●小屋場ノ頭〜シッケイノ頭 小屋場ノ頭からしばらくは平坦な地形が続きますが、 1300m付近から再び急斜面となり尾根幅もギュッと絞られてきます。 1500m付近からは雪稜となり、毛渡沢側に張り出した雪庇を意識しながら、 細かなアップダウンを繰り返してシッケイノ頭(1740)まで標高を上げていきます。 1550m付近で距離は短いですが、急傾斜の雪壁を越える箇所があり、 ピストンの場合は下れるかどうか判断する必要があります。 その後、P1627を経て鞍部からシッケイノ頭の手前まで 高低差100mほど急斜面の雪壁を登ります。 ●シッケイノ頭〜仙ノ倉山 シッケイノ頭から周囲の景色が一変し、雪原が広がります。 山頂への取り付きまでは広い雪原の中を緩やかに進みます。 1800m付近から高低差250mほどの山頂への最後の登りとなりますが、 笹藪の上に積もった柔雪が空洞化していて踏み抜きの連続。 三ノ字ノ頭まで登り切ると山頂まではわずかです。 |
その他周辺情報 | 【温泉】 土樽共同浴場 岩の湯(500円) |
写真
感想
雪山を楽しめるエリアの天気が期待できない年の瀬、
29日のみチャンスがありそう。
ということで、仙ノ倉山北尾根に向かうことにします。
まだ雪が締まっていない時季に重ねて、
10日ほど前には関越道が立ち往生するほどの記録的な積雪のあった上越国境。
山頂に達せない可能性が高いと思ってましたが、
今年は雪山らしい雪山に行けておらず雪にまみれたい。
このルートの適期である2〜3月は例年忙しくて泊まりでの山行が難しく、
少しでもチャンスがあるときに行っておかなきゃ!という気持ちが勝りました。
松:仙ノ倉山〜平標山〜日白山〜タカマタギ〜土樽周回
竹:仙ノ倉山〜平標山〜元橋(バス&電車でクルマ回収)
梅:仙ノ倉山ピストン(サブザック)
という心づもりで出発しましたが、なんと仙ノ倉林道にはトレースがあり、
北尾根の取り付きまで続いているではありませんか。
「こりゃ思いがけずの松プランかも」と妄想していると
尾根に乗ったすぐ先で先行パーティーに追いつきます。
「こんな時期にこのルート目指す人がいるなんて」とお互い同じ感想。
ここからラッセル交代するも、久々の重荷と急斜面に積もった柔い雪で
なかなか進まずこの日は小屋場ノ頭まで。
明日は長めの距離を残すことになり、強制的に梅プランへ。
2日目もスタートから深いラッセル。
思うように進まず、徐々にアセり始めます。
翌日には年末寒波が再びこのエリアを覆うため、
食料は2日分しか用意していませんでした。
でも、早い段階でこの日の下山は諦めて、
ギリギリの予備の食料でしのぐことに決めます。
シッケイノ頭まで登ると目の前にすごい景色が広がりました。
でも山頂の遠さに絶望感にも襲われます。
この時点で12時。時間的にもキビしくなってきた。
1550m付近の雪壁を越える際にワカンを外してアイピケのみになり
(持ってきてよkomemame)、踏み抜きの連続。
三ノ字ノ頭への最後の登りでさらに厳しい試練が。
笹&シャクナゲの上に積もった雪が空洞化して踏み抜き地獄。
ラッセルし続けること7時間以上、体力的にも精神的にもキツかったけど、
14時過ぎに山頂に到着。くつろぐヒマもなくすぐに下山開始。
よろけるくらいの風が出始め、ゆっくり食事できる場所もなく、
途中フラフラになりながらも日没前にテントまで戻ってひと安心。
強風がテントを揺らし続けましたが、夜半にはピタリと止んでくれました。
3日目は小雪がチラつく中の下山。
冬の下りって「あっという間だなぁ」と感じることが多いけれど
(夏は「こんなによく登ったなぁ」と思うことが多いですね)、
今回ほど下りが短く感じたことはありません。
しかし、簡単には終わらせてくれませんでした。
気温が上がって重たくなった雪の林道歩きが修行でした。
下山後は、湯沢のお気に入りのお店で昼ごはんを食べてから、
お正月に向けてお酒やつまみを買い出し。
湯沢の街を出発する頃には関越道に規制が入るくらい雪が激しくなりました。
関越トンネル抜けると太平洋気候圏内に入りさっきの天気が嘘のよう。
今年は世の中が激変して、ホントいろいろあったけど、
最後はいい感じで締めくくることができたのかな。
テント泊で雪山を歩くのは、なんと2年ぶり!?
昨シーズンは年末年始は寝込んでしまい、
その後もしっかり荷物を背負って歩かず仕舞いのままシーズンを終えました。
こうして迎えた2020年末、昨年とは打って変わり雪はたっぷり。
しかも猛烈ラッセル必至の北尾根……、私にちゃんと歩ききれるのか??
そんな弱気モードでのスタートとなりました。
初日は驚くことに先行の2人組が。
追いつくところまでラクをさせていただきました。
が、その先は深い雪に阻まれ、体がぜんぜん自由に動かない。
わかんに雪だんごがくっついて、ただでさえ重い足がさらに重くてあがらない。
ここで熊とか未知の生物とかミサイルとかに攻撃されたら、
絶対逃げ切れないなぁとか考えながら、
この不自由さ加減を久しぶりに味わいました。
翌朝は身軽になって山頂へ。
早朝で雪が締まっていたらいいなと思ったけど、
この時期の雪はそう簡単に締まらないようです。
でも、身軽になってラッセルはだいぶラクになりました。
danyamaと交替しながら少しずつ進みます。
そして1550m付近、目の前に垂直にも見える雪壁が。
雪が締まっていないので、あがるのも大変だけど、下るのがかなり危険そう。。
ちょっとでも足もとが崩れたら、確実に落ちます。
しばし考え、danyamaだけ行ってもらい、ここで撤退しようと決めました。
ところが、ちょうどこのとき、後ろから来ている前日の2人組が追いついてきて、
彼らが雪壁を超えるのを見ていたら、雪壁にゆるやかにステップが出来ていました。
もしや、もっとちゃんとステップを作れば、私でも降りられるかもしれない。
わかん&アイゼンで一歩一歩蹴り込んでペタペタ踏みながら登ってみます。
2、3段進んで振り返ると、これなら慎重にいけば降りられそう。
「ここで撤退なんて寂しすぎる」と欲が湧いて、撤退は撤回することに!
再び山頂を目指しました。
それにしても山頂は遠かった。
山頂の手前の最後の登りが笹藪で、わかんを履いていても全然進みません。
どこまでも続く踏み抜き、、ここだけで何時間かかったか。
もう最後は発狂しそうになりましたが、アイゼンだけのdanyamaはもっと大変そう。
風で寒かったけど、疲れはなかったので踏み抜きへのイライラを沈めつつ、
せっかくあの雪壁を乗り越えてきたんだから、絶対山頂に辿り着かなくちゃと頑張ります。
こうして辿り着いた仙の倉山頂。
平標山が目の前にあるのにびっくり。ずいぶんと歩いてきたものです。
かなり時間がかかってしまったけど、ここまで来て本当に良かった、と思いました。
テントに戻る頃から風がかなり強まり、寒さで歯がガチガチするほどに。
食べるのも忘れて歩き続けて、体が冷え切ってしまったようです。
途中、大急ぎでパンを一口食べたら、少しずつ暖かくなりました。
あらためて食べるって大切!
予定になかった3日目はあっという間に林道まで下山。
降りるのラクすぎ!早すぎ!
林道歩きは大変だったけど、1日目・2日目のことを思えば何のその。
2020年を良いかたちで締めくくることができました。
今年の山行ベストにもランクイン決定です!
おしまい。
コメント
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おふたりさま、こんにちは。ご無沙汰しています。
いつもいつも眺めるたび熱く見つめてしまう北尾根。やっぱりいいですね!
27(日)に土樽から日白山に行っていました。あわよくば日白山まで行ってくだされば、その先トレースがありましたのに〜(笑)
雪の季節にまたどこかでお会いしたいです(^^)
cheeさん
おはようございます。
こちらこそご無沙汰しています。
平標新道との分岐で「棒立山方面にも入ってるね」と話してましたが、
なんとcheeさんのトレースだったのですね!
豪雪後は、あのエリアで雪にまみれたいって、考えることが同じ(笑)
きっと近いうちにまたお会いできるような気がしてます。
2日目フル装備を背負ってたら、間違いなく仙ノ倉にも辿り着けず、
強風に晒された場所でテントを張らなきゃならない状況になってたと思います。
cheeさんのトレースを使わせてもらえるようになるためには、
まだまだ精進が必要ですね(笑)
コメントいただきありがとうございます!
先日の北尾根ではトレースありがとうございました。
29日、実は寝坊してしまいまして・・スタートが2時間遅れで小屋到着も随分と遅くなってしまいました。
お二人が居なかったらシッケイノ頭までも辿り着かなかったと思います。
昨年行った岩菅山もdanyamaさんのレコ参考にさせて頂きました。
今後とも参考にさせて頂きます。
kurihideさん
こちらこそありがとうございました。
仙ノ倉林道のお二人のトレースのおかげで、
2日目の体力温存ができました。
すれ違った時には、時間も時間だったし、
風も強くなり始めていて、
そんな中、重荷でお疲れ様でした!
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