平標山ー日白山・タカマタギ縦走周回〜友との再会は遠回りして
ぐろさん
体力度について
- GPS
- 09:37
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 1,843m
- 下り
- 1,848m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 9:35
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
・平標山登山口駐車場はすでに除雪され駐車可だった。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・岩魚沢林道のゲートからヤカイ沢へ。平標山南西尾根に取付き、夏道に合流し平標山登頂。松手山方面へ行き、一ノ肩から二居俣ノ頭経由で日白山登頂。タカマタギまでピストンし、再び日白山から東谷山経由で二居へ下山。国道17号を駐車場所まで徒歩で戻る縦走周回。 ・ヤカイ沢ルート、一ノ肩〜日白山ルートは、一般的な登山道ではなく、リボンなど目印のないルート。経験者と同伴かルーファイ出来る方でないと遭難や事故になるので注意。GPSやログでのナビがあれば安心。 ・全てトレースがあり、一昨年の稜線ラッセルや隠れクラックとは異なり、楽な周回となった。ただし気温が上昇したら踏み抜くので要注意。また一ノ肩〜日白山は、隠れクラックが多く3度嵌まった。 ・岩魚沢林道のゲート〜平標山南西尾根の取付きまで、雪面がクラストしており、急斜面トラバースがあるためアイゼン。平標山南西尾根に取付きから二居下山までスノーシュー。午後は気温上昇のため、スノーシューでも沈む箇所が多かった。 ・下山後、地元の方と話をしたが、「この気温だとお彼岸までで雪が無くなるかもね」と言っていた。今年は早く行って正解だった。 |
写真
MSRライトニング アッセント・パラゴンバインディング25インチ。ペアで約2kgある。バンドタイプは傾斜した雪面トラバースで外れてしまうことがあり、カニ歩きを余儀なくされていた。このタイプはそれを克服し、楽に歩けたことを実証できた。
9
歩道は雪で埋まり、登坂車線の脇を歩いていく。irohaさんに乗せて行こうかと山頂で言われたが、歩いて帰ることを決めていたので、丁重にお断りした。
4
感想
稜線を白い風が駆け抜ける。空気を切り裂く強風と横殴りの雪。地吹雪が全ての景色を消し去り視界を奪う。ホワイトアウト。自分の足元すら見えず、歩くことすら出来ない。
二ヶ月後、尾根の全てが白くなり、低木は積雪の下に埋もれている。張り出した雪庇が延々と続く稜線。人を拒絶する道に変わりはないが、残雪の道は行った者しか見ることが出来ない絶景への道と化す。
月曜の男たちirohaさんは、二居から日白山周回すると連絡がきた。私は友と再会するために少し遠回りしてヤカイ沢から行く。再会は劇的な方ほど嬉しいものはないのだ。
前橋を4時に出発。飛び石連休の中日平日だが、関越道は車が多かった。月夜野ICで下りて、国道17号を北上。薄暗いワインディングロードを流す。気温が高く2℃だった。路肩の雪が溶けだしていた。
三国トンネルを抜けるとそこも雪国だった。日中の喧騒など微塵も感じない、眠りについている苗場プリンスホテル。斑な部屋の明かりが駐車した車を照らし出していた。
火打峠を抜け、旧みくに学園前スペースに路駐。実は平標山登山口駐車場はすでに除雪され利用できたのだ。昨年は3月でも除雪されず、ここに停めたのだった。事後承知ご容赦。
5時40分出発。街灯が照らされた岩魚沢林道を歩いていく。魚沼沢湯沢町の日の出は6時40分。別荘街の終点でアイゼン装着。早朝でクラストした雪面と急斜面トラバースがあるのでアイゼンの方が断然有利。
暗いヤカイ沢を遡上して行く。前日のトレースが豊富にある。ただここは何度も来ており慣れているので、暗い視界でも気にもならない。行先は足が知っている。
モルゲンの苗場山を振り返りながら急斜面を登攀して行く。南西尾根に出るが雪庇が全て崩壊し、気温の高さを視覚でも知ることとなった。稜線から遅れた日の陽光が身体を差す。
隠れクラックの前兆を横目で見ながら、夏道に合流。美しい平仙鞍部と仙ノ倉山を眺めながら直登する。振り返ると春霞に覆われ景色もぼんやり。清少納言の時代とは異なる。
美しく白い雪景色に包まれ平標山山頂に登頂。下から2時間20分だった。早出とクラストした雪面、足下を軽量選択したアイゼン装着が効果をもたらした。気温−2℃、やはり風は冷たい。360度のパノラマは残念ながら霞でぼんやりだった。午後の日白山からの眺望に期待する。
それでも独り占めの景色を堪能。一ノ肩方面へ向かう。今年はトレースも有り楽勝。一ノ肩からの北斜面も余裕。それでも隠れクラックの前兆は見られたので、近づかず下って行った。
稜線の雪庇上を歩いていく。樹林帯が西に在り、風も収まり暑い、気温2℃。最低鞍部までの約2.5kmは、積雪も多くクラストしており、一昨年のラッセルと比べ楽勝。まだ緩んでおらずクラストしており、早々に駆け抜ける。
昨年1時間以上費やした核心部の二居俣ノ頭までの1kmの登り。今年は三度隠れクラックに嵌まり踏み抜いたが、20分程度で通過。ゆったりと谷川主脈を見ながらの余裕の歩き。
二居俣ノ頭で谷川主脈の北景色を観賞し日白山へ。ここから先は二居周回ルートとなっており、緊張もほぐれる。広くなった雪庇上を歩き日白山へ。
ビクトリーロードを駆け上がると、月曜の男たちirohaさんが出迎えてくれた。1時間以上早い日白山登頂。出発地から10kmを4時間半で歩いてきた。毎日継続するランニングやウオーキングなどトレーニングの成果が現れた証。早すぎた登場に戸惑っていた。
それでも友との再会を楽しみ記念撮影と近況など会話。二居から停めた場所まで乗せて行こうかと聞かれたが、自分の決めた計画があるので丁重にお断りした。irohaさんは私の信念を分かっているので「grow君はそうだよなと」すぐさまご理解頂いた。すべきことは決まっている。
霞が取れ晴れ渡った谷川など山座同定を説明。現地に居なくてもいつでも説明できます。沢方面へ向かいまったりランチするirohaさんとお別れ。私は時間もあるのでタカマタギへ。
アップダウンのある斜面は、すでに正午の日差しと気温で緩み歩きにくくなっていた。暑くなり腕まくり、アンダーシャツ一枚で歩ける稜線。美しい谷川連峰と越後山稜を眺める。着雪のない巻機山天狗岩が目立っていた。
タカマタギ山頂からの景観を楽しむ。棒立山から土樽に抜けるのは今日は無理だな、時間と金がない。頂きから新谷川岳薬師岳と俎�堯⊃卦戝�川岳を北側から眺めると今年も俎��登頂の意欲が増す。
踵を返して日白山へ戻る。アップダウンの多い稜線。それでも美しい景色を眺めながらも、心を無にして淡々と歩んで行く。何気ない尾根の雪景色やアニマルトラックが心に語り掛けてくる。
日白山に再登頂。BCの方たちが寛いでいた。歩いてきた平標山からの稜線を無言で眺め下山。遠く歩いて来た稜線だが、一期一会の景色に言葉は要らない。時を経て変わりゆく景色。絶えず変化し移り行く日常。
微風と南中の日差しが紺碧の空を作り上げる。白い雪面を淡々と歩いていく。沢に残るウサギの足跡が冬の厳しさを物語る。踏み抜きと足裏雪団子対策のためスノーシューまま下りていく。二居峠から下はさらに雪面が緩んでスノーシューのままだった。
二居の住宅地を歩く。のどが渇き水を頂く。セシウムや融雪剤など気にする人間ではない。自分自身が危険物。地元の方と会話で「この気温だとお彼岸までで雪が無くなるかもね」と仰っていた。恐らく現実となりそうだ。今年は早く行って良かったか。今後の気象もあるだろう。
二居の住宅地を抜け国道17号を南上。約4kmの徒歩。irohaさんにもお断りしたが、バスなど移動機関に乗る気は全くない。歩いて来れた距離なのだから、歩いて帰るのが当たり前だろう。
歩道は積雪しているので登坂車線のさらに左側を歩く。二居川の源流から歩いて来たのだから、遡上感は嬉しいものだ。国道を無心で淡々と歩く。今回は道中で「乗せていきましょうか？」と言われなかった。コロナで当然だろう。こちらも乗る気は全く無い。自分の計画したこと遂行するだけ。
通り過ぎた平標山登山口駐車場が、除雪され利用できていた。前年同月は出来なかったが早目の対処で素晴らしい、分かっていればこちらに停めたのだが。
駐車場に着く寸前に、見慣れたシルバーのSUVが寄ってきた。irohaさんだった。風呂上がりでも挨拶したくて寄って下さった。装備を片づけながら会話。やはりSNSではなく直接の会話は心温まる。その語3月の守門岳遠征の話で盛り上がった。
軽く着替えて帰路へ。午後の気だるい国道17号から関越道へ。渋川ICでirohaさんとお別れ。サムズアップで見送った。再会も近いだろう。
大自然から日常に戻り、買い物と家事をこなす。平凡な日々と山行とのギャップにはもう慣れた。弛緩と緊張のルーチンワーク。黄昏の夕日に己を投影する。私には新たな目標と挑戦が待っている。留まることを知らず前へ進むのみ。
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growmonoさん
こんばんは
さすがgrowmonoさん
物凄い勢いですね！
最後の２kmぐらいの国道歩きは安全が担保されているので
鼻歌交じりに気軽でしたね。
本当にお疲れさまでした。
こんばんは、iiyuさん。
今年は早めに訪れたので、雪面がクラストして残雪が多く、尚且つトレースもあり楽勝でした。コンディションの違いで3時間も早くなります。
帰りは雪崩観察の国土交通省の車と、のんびり一緒でしたね。楽しい雪山歩きでした。
growmono さん お疲れてないですか？・・・失礼しました。
全くこの馬力は何処から生まれる物なのだ・・・未知数∞なり
平標山から日白山を通りすぎタカマタギとは雪上車重機ですね、
もう真白な雪山景色は帰りには見飽きたのではないですか。
今年は行けないかもね暇ができた時には雪がなくなる勢いですね。
こんばんは、yasioさん。
ほぼ毎日の早朝トレーニングを継続しているので、疲れや筋肉痛などはいつもありませんよ。今年はトレースばっちりで残雪多く楽勝コースでした。物足りなかったですね。
スリルある雪庇上からの眺めは最高で、谷川主脈や上越山稜を見ながらの歩きは行った者しか見られませんよね。絶景慣れしつつも一期一会の景色は心に訴える感動があります。
失意な己を奮い立たせてくれる絶景と山仲間に感謝しかありません。
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