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Yamareco

記録ID: 3300579
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

カムイエクウチカウシ山〜1823峰〜コイカクシュサツナイ岳

2021年06月22日(火) 〜 2021年06月24日(木)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
30.9km
登り
2,629m
下り
2,629m

コースタイム

1日目
山行
8:58
休憩
1:08
合計
10:06
4:00
72
幌尻ゲート
5:12
5:17
81
6:38
6:46
99
8:25
8:35
125
10:40
11:25
161
2日目
山行
8:49
休憩
0:33
合計
9:22
6:22
6:27
73
7:40
7:48
52
・1807
8:40
8:45
130
・1602
10:55
11:00
110
・1573
12:50
13:00
72
・1737
14:12
1823峰(・1826)
3日目
山行
9:07
休憩
0:38
合計
9:45
4:55
90
1823峰(・1826)
6:25
6:30
50
・1643
7:20
0:00
175
・1444
10:15
0:00
17
11:11
0:00
103
12:54
0:00
106
上二股
14:40
幌尻ゲート
ルートの軌跡は手動入力です。
天候 6/22 晴れ
6/23 晴れ時々曇り
6/24 曇り時々雨 時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
札内川ヒュッテの1km先、幌尻ゲートまで通行可能
コース状況/
危険箇所等
カムエクまでは昨年の記録も参照。
2020年6月23日〜25日
カムイエクウチカウシ山(八ノ沢カールまで)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2414538.html

2020年7月18日
カムイエクウチカウシ山・ピラミッド峰(日帰り)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2444683.html


【稜線上のテン泊できそうな所】
カムエク頂上直下 2〜3張
カムエク〜ピラミッド峰の中間あたり 1張
・1602コル 2〜3張
・1573コルの岩の横 1張
・1737 1張
1823峰 1張
・1643 1張
七ノ沢カール源頭のコル 1張
コイカク夏尾根頭の西肩 1張
コイカク夏尾根頭 3張
コイカク頂上 1張

【水について】
水場は八ノ沢カール・上二股のみ。
今回は八ノ沢カールで8Lを担ぎ、下山時に2Lも余った。カムエク頂上直下・1823峰の100mくらい下・コイカク周辺に残雪もあり、ちょっと担ぎすぎたかもしれない。ただ、担ぐ量を減らして水不足で苦しむのも辛そう。見極めが難しい。

【熊について】
登山中に熊との遭遇は無し。
・1602〜コイカクの間に熊糞が計10個ほど落ちていた。
帰りの札内川ヒュッテ〜ピョウタンの滝の道路上にも熊糞が計10個ほど落ちていた。
その他周辺情報 新嵐山荘 日帰り入浴270円
1日目(6/22)
幌尻ゲートから出発。去年は無かった頑丈なゲートが設置されていた。
2
1日目(6/22)
幌尻ゲートから出発。去年は無かった頑丈なゲートが設置されていた。
ゲートから3km、去年橋の工事をしていた所はこの通り。
ゲートから3km、去年橋の工事をしていた所はこの通り。
路肩の残雪もまもなく消えそうだ。
路面の倒木も処理されていて、七ノ沢出合までは自転車で快適に走れそう。
1
路肩の残雪もまもなく消えそうだ。
路面の倒木も処理されていて、七ノ沢出合までは自転車で快適に走れそう。
七ノ沢出合から入渓。
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七ノ沢出合から入渓。
この日の札内川ダムの全流入量は5㎥/s
膝下の水深で札内川本流の渡渉も問題ない。
この日の札内川ダムの全流入量は5㎥/s
膝下の水深で札内川本流の渡渉も問題ない。
順調に八ノ沢出合へ。
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順調に八ノ沢出合へ。
八ノ沢出合のテン場。もちろん誰もいない。
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八ノ沢出合のテン場。もちろん誰もいない。
八ノ沢を30分も進むと・・・青空の元、カムエクとご対面。
この好天が続いてくれるよう祈った。
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八ノ沢を30分も進むと・・・青空の元、カムエクとご対面。
この好天が続いてくれるよう祈った。
常に目指すピークが見えているのは嬉しい。
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常に目指すピークが見えているのは嬉しい。
やがて雪渓が現れる。
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やがて雪渓が現れる。
870mあたりで沢は全面雪渓で埋まった。
三股より下の雪渓は去年より溶けるのがわずかに早い感じがした。
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870mあたりで沢は全面雪渓で埋まった。
三股より下の雪渓は去年より溶けるのがわずかに早い感じがした。
999m三股へ。
青空と緑と雪のコントラストが美しい。
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999m三股へ。
青空と緑と雪のコントラストが美しい。
雪渓が切れたところで休憩したのち、カールへの登りへ。
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雪渓が切れたところで休憩したのち、カールへの登りへ。
ロープが付いているとはいえ、この辺のトラバースは緊張する。
4
ロープが付いているとはいえ、この辺のトラバースは緊張する。
1130mあたりの滝。
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1130mあたりの滝。
再び雪渓が現れた。
2
再び雪渓が現れた。
1300mあたりから沢一面の雪渓になった。
左岸の雪渓と地面の境目を辿り、藪をつかんで登っていく。
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1300mあたりから沢一面の雪渓になった。
左岸の雪渓と地面の境目を辿り、藪をつかんで登っていく。
沢靴+アイゼン、この組み合わせが意外と調子良かった。
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沢靴+アイゼン、この組み合わせが意外と調子良かった。
カールが近づき、またしばらく雪渓が続く。
ここもまだ安定していて、乗る場所を選べば崩れることは無かった。
カールが近づき、またしばらく雪渓が続く。
ここもまだ安定していて、乗る場所を選べば崩れることは無かった。
八ノ沢カールに到着。熊の気配は無い。
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八ノ沢カールに到着。熊の気配は無い。
カール内も残雪でびっしりと埋まっている。
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カール内も残雪でびっしりと埋まっている。
カールからはピラミッド峰にまっすぐ向かうようにして残雪の斜面をトラバース。
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カールからはピラミッド峰にまっすぐ向かうようにして残雪の斜面をトラバース。
主稜線のコルがすぐ横になったあたりで右に向きを変え、藪を使って急斜面を這い上がる。
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主稜線のコルがすぐ横になったあたりで右に向きを変え、藪を使って急斜面を這い上がる。
主稜線まで残雪が続いていて、雪庇も残っている。
薄い藪の斜面をジグを切りながら登った。
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主稜線まで残雪が続いていて、雪庇も残っている。
薄い藪の斜面をジグを切りながら登った。
主稜線に上がると、聳え立つカムエクが目の前に。
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主稜線に上がると、聳え立つカムエクが目の前に。
ピラミッド峰も美しい。
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ピラミッド峰も美しい。
ピラミッド峰と1823峰。
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ピラミッド峰と1823峰。
軽装なら何てことない岩場も、重装備だと危険個所と化す。
バランスを崩さないよう慎重に。
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軽装なら何てことない岩場も、重装備だと危険個所と化す。
バランスを崩さないよう慎重に。
コイボクカールにも熊の姿は無かった。
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コイボクカールにも熊の姿は無かった。
頂上直下にも残雪が。これはラッキー。
2
頂上直下にも残雪が。これはラッキー。
カムイエクウチカウシ山、2年連続で晴天の登頂!
素晴らしい天候で縦走のスタートを迎えられて幸せだった。
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カムイエクウチカウシ山、2年連続で晴天の登頂!
素晴らしい天候で縦走のスタートを迎えられて幸せだった。
北日高の眺望。
カムエク三山と言われる・1903と・1917、ナメワッカにエサオマン・・・未踏の山々に血が騒ぐ。
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北日高の眺望。
カムエク三山と言われる・1903と・1917、ナメワッカにエサオマン・・・未踏の山々に血が騒ぐ。
南に続くピラミッド峰〜1823峰〜1839峰。
明日はどこまで行けるだろうか。
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南に続くピラミッド峰〜1823峰〜1839峰。
明日はどこまで行けるだろうか。
重装備を担ぎ上げた記念に。
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重装備を担ぎ上げた記念に。
頂上で食べる天然カキ氷は絶品だった。
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頂上で食べる天然カキ氷は絶品だった。
夕方。
陽が傾き、稜線のコントラストがはっきりついてくるこの時間が何とも言えない。
8
夕方。
陽が傾き、稜線のコントラストがはっきりついてくるこの時間が何とも言えない。
夕焼けに照らされるピーク
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夕焼けに照らされるピーク
沈むように 溶けてゆくように・・・
10
沈むように 溶けてゆくように・・・
山頂から徒歩30秒の好立地
最高のテン場で就寝。
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山頂から徒歩30秒の好立地
最高のテン場で就寝。
2日目(6/23)
3時過ぎでもう明るい。青とオレンジのグラデーションが変化していく。
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2日目(6/23)
3時過ぎでもう明るい。青とオレンジのグラデーションが変化していく。
カチポロの右から朝日が上がった。
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カチポロの右から朝日が上がった。
これから歩く主稜線の方向
360°どこを見ても感動的な景色だった。
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これから歩く主稜線の方向
360°どこを見ても感動的な景色だった。
うっすらモルゲンロートのカムエク南西稜
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うっすらモルゲンロートのカムエク南西稜
朝日に照らされる北日高の山々
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朝日に照らされる北日高の山々
・1917、ナメワッカ岳、幌尻岳
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・1917、ナメワッカ岳、幌尻岳
イドンナップの稜線が浮かび上がってきた。
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イドンナップの稜線が浮かび上がってきた。
まずはピラミッド峰を目指して下る。
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まずはピラミッド峰を目指して下る。
振り返ると、そそり立つカムエクが美しい。
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振り返ると、そそり立つカムエクが美しい。
八ノ沢カールに動く物体を発見!
絶対熊だろう・・・と思ってズームしてみたら人間だった。
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八ノ沢カールに動く物体を発見!
絶対熊だろう・・・と思ってズームしてみたら人間だった。
早朝しか見られない?ピラミッド峰の三角形の影
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早朝しか見られない?ピラミッド峰の三角形の影
ピラミッド峰(1853m)到着。
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ピラミッド峰(1853m)到着。
ピラミッド峰から見るカムエクはやっぱり最高だった。
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ピラミッド峰から見るカムエクはやっぱり最高だった。
未踏の主稜線を・1807へ進む。
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未踏の主稜線を・1807へ進む。
この辺はまだ踏み跡が薄っすらあり、藪の程度はマシなほうだ。
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この辺はまだ踏み跡が薄っすらあり、藪の程度はマシなほうだ。
・1807手前には南日高の靴幅山のようなナイフリッジがあった。
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・1807手前には南日高の靴幅山のようなナイフリッジがあった。
・1807、ガケ尾根分岐に到着。
4
・1807、ガケ尾根分岐に到着。
足元の岩に基準点が埋め込まれていた。
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足元の岩に基準点が埋め込まれていた。
振り返ると、カムエクがずいぶん遠くなった。
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振り返ると、カムエクがずいぶん遠くなった。
1823峰へ続く主稜線。
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1823峰へ続く主稜線。
藪が無い所は楽だけど、重装備で岩場を下るのは緊張の連続だった。
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藪が無い所は楽だけど、重装備で岩場を下るのは緊張の連続だった。
・1602手前まで降りると十勝側斜面にお花畑が広がる。
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・1602手前まで降りると十勝側斜面にお花畑が広がる。
・1602の先の稜線は雪庇で削られたような特徴的な形だ。
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・1602の先の稜線は雪庇で削られたような特徴的な形だ。
ロックガーデンを下り、・1602コルへ。
広めのテン場があるが、周囲に熊の掘り返しが多いのが気になる。
4
ロックガーデンを下り、・1602コルへ。
広めのテン場があるが、周囲に熊の掘り返しが多いのが気になる。
・1602コルを過ぎるとハイマツが一気に濃くなった。
4
・1602コルを過ぎるとハイマツが一気に濃くなった。
踏み跡もあまりなく、ジャングルのような濃密な藪がきつい。
4
踏み跡もあまりなく、ジャングルのような濃密な藪がきつい。
振り返ると、カムエクから辿ってきた稜線が綺麗に見えるのだが・・・
風もなくてクソ暑くて消耗する。
6
振り返ると、カムエクから辿ってきた稜線が綺麗に見えるのだが・・・
風もなくてクソ暑くて消耗する。
・1573コルの岩場の横。秀岳荘の小野社長がテン泊したのはここかな?
1張でギリギリだけど、風も防げて荒天時には良さそう。
4
・1573コルの岩場の横。秀岳荘の小野社長がテン泊したのはここかな?
1張でギリギリだけど、風も防げて荒天時には良さそう。
・1737が近づくと藪は少しマシになり、踏み跡も出てきた。
4
・1737が近づくと藪は少しマシになり、踏み跡も出てきた。
・1737への登りは岩交じりの急登。
3
・1737への登りは岩交じりの急登。
・1737付近のテン場。ハイマツに囲まれた1.5×1.5mくらいのスペース。景色は開けないが、風は防げそう。
3
・1737付近のテン場。ハイマツに囲まれた1.5×1.5mくらいのスペース。景色は開けないが、風は防げそう。
・1737を過ぎるとようやく1823峰が近づいた。
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・1737を過ぎるとようやく1823峰が近づいた。
ハイマツも膝下くらいの高さになってペースも少し上がる。
3
ハイマツも膝下くらいの高さになってペースも少し上がる。
と思いきや、1823手前でまたハイマツが濃くなった。
兄さん、遠いよ・・・
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と思いきや、1823手前でまたハイマツが濃くなった。
兄さん、遠いよ・・・
1823峰(1826m)到着!
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1823峰(1826m)到着!
コイカクシュサツナイ岳、1839峰へ続く稜線。
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コイカクシュサツナイ岳、1839峰へ続く稜線。
コイカクへの恐竜の背のような岩場、無事に越えられるだろうか
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コイカクへの恐竜の背のような岩場、無事に越えられるだろうか
1823峰でテントを張った。
日高側からの風を避けられて快適なテン場だった。
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1823峰でテントを張った。
日高側からの風を避けられて快適なテン場だった。
カムエク南西稜に沈む夕日
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カムエク南西稜に沈む夕日
2日続けてこんな景色を見られて幸せだった。
9
2日続けてこんな景色を見られて幸せだった。
3日目(6/24)
阿寒の山のほうから朝日が上がった。
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3日目(6/24)
阿寒の山のほうから朝日が上がった。
この日は曇り空で程よく涼しい。1823峰を出発。
5
この日は曇り空で程よく涼しい。1823峰を出発。
まずは・1643へ。
藪が無く歩きやすいところもある。
5
まずは・1643へ。
藪が無く歩きやすいところもある。
踏み跡も多く、ハイマツはそこまで濃くない。
3
踏み跡も多く、ハイマツはそこまで濃くない。
・1643、コイカク、1839
6
・1643、コイカク、1839
七ノ沢カール源頭のコルのテン場。
日高側からの風を受ける立地。
3
七ノ沢カール源頭のコルのテン場。
日高側からの風を受ける立地。
・1643への登りは一部急な岩場もあった。
5
・1643への登りは一部急な岩場もあった。
・1643に到着。1張分のテン場があるが、ここも日高側からの風を遮るものがない。荒天時は微妙だ。
4
・1643に到着。1張分のテン場があるが、ここも日高側からの風を遮るものがない。荒天時は微妙だ。
ここから眺めるコイカクはどっしりした山容で、夏尾根からは見えない姿を見ることができた。北海道百名山に選ばれるだけある。
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ここから眺めるコイカクはどっしりした山容で、夏尾根からは見えない姿を見ることができた。北海道百名山に選ばれるだけある。
日高側の草地と十勝側のハイマツの境目に歩きやすい部分がある。
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日高側の草地と十勝側のハイマツの境目に歩きやすい部分がある。
でもやっぱり濃密な藪も出てくる・・・。
4
でもやっぱり濃密な藪も出てくる・・・。
・1444コルあたりまで来るとコイカクは目前だ。
3
・1444コルあたりまで来るとコイカクは目前だ。
最後の岩の急登に差し掛かる。
5
最後の岩の急登に差し掛かる。
写真ではうまく伝わらないがなかなかの高度感だ。
奈落の底へと落ちていきそう。
5
写真ではうまく伝わらないがなかなかの高度感だ。
奈落の底へと落ちていきそう。
次から次へと現れる岩場。
三点確保で慎重に登った。
4
次から次へと現れる岩場。
三点確保で慎重に登った。
岩場を登り切り、カムエク方面を振り返る。
3
岩場を登り切り、カムエク方面を振り返る。
少しハイマツを漕ぐと夏尾根頭の西肩に出た。
ここから夏尾根頭まではすぐだろう、と思いきや・・・
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少しハイマツを漕ぐと夏尾根頭の西肩に出た。
ここから夏尾根頭まではすぐだろう、と思いきや・・・
意外に濃いハイマツに手こずる。
5
意外に濃いハイマツに手こずる。
ヤオロマップ岳〜1839峰もずいぶん近づいた。
4
ヤオロマップ岳〜1839峰もずいぶん近づいた。
夏尾根頭〜コイカクまでは高速道路のようだった。
足だけで前に進める幸せを噛みしめながら・・・
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夏尾根頭〜コイカクまでは高速道路のようだった。
足だけで前に進める幸せを噛みしめながら・・・
コイカクシュサツナイ岳到着!
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コイカクシュサツナイ岳到着!
カムエク方面を眺める。未踏の稜線を繋げることができて満足だった。
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カムエク方面を眺める。未踏の稜線を繋げることができて満足だった。
1599峰〜ルベツネ山〜ペテガリ岳
次はあっちを攻めるか?
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1599峰〜ルベツネ山〜ペテガリ岳
次はあっちを攻めるか?
急に日高側から変な雲が流れ込み、雨が降り出した。
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急に日高側から変な雲が流れ込み、雨が降り出した。
恐ろしいほど急なコイカク夏尾根を下る。
4
恐ろしいほど急なコイカク夏尾根を下る。
主稜線の岩場に比べればまだ易しい、とはいえ油断できない。
3
主稜線の岩場に比べればまだ易しい、とはいえ油断できない。
上二股まで降りると天候は回復。
沢の水量はかなり少なく、登山靴のままで行ってみる。
3
上二股まで降りると天候は回復。
沢の水量はかなり少なく、登山靴のままで行ってみる。
1つ目の函は左岸から巻く
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1つ目の函は左岸から巻く
2つ目の函は右岸から巻く
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2つ目の函は右岸から巻く
堰堤も右岸にロープがある
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堰堤も右岸にロープがある
沢から道道に上がり、真っ暗なトンネルを抜けて幌尻ゲートに帰還。
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沢から道道に上がり、真っ暗なトンネルを抜けて幌尻ゲートに帰還。

感想

昨年夏に初めてカムエクに登り、この山の虜になってしまった。
日高の稜線繋ぎを進めるべく、今年はそこからさらにコイカクまでの縦走に挑戦してみた。

カムエク〜コイカクは日高の稜線としては無雪期に縦走する人は多い(?)区間なようで、ルートの状況やテン場などの記録も豊富にあり、昨年の神威岳〜トヨニ岳縦走に比べれば不安要素は少なかった。

早い時期にカムエクに登る場合、札内川の水量と八ノ沢の雪渓の状態が肝になる。
札内川ダムの全流入量を6月に入ってから毎日チェックしていると、6/18頃には概ね5㎥/s台に落ち着いた。八ノ沢の雪渓については、昨年同時期に登ってなんとなく攻略方法が分かったので行けるだろうと判断。


【1日目 6/22】
幌尻ゲートで車中泊して早朝にスタート。水は1.5Lだけ背負った。今回は周回ルートなので自転車は使えず、七ノ沢出合までの道は普通に歩く。去年よりも整備が進み、橋が完成していたり倒木が処理されていたりして快適になっていた。札内川本流の流れも昨年と大きく変わっていないようで、渡渉点や巻き道の位置も同じだった。ここを歩くのも3回目、慣れもあり八ノ沢出合まで順調に進む。

八ノ沢に入ってしばらく進むと所々に雪渓が現れ、やがて沢全面が雪渓に覆われた。ただ昨年の同時期に来た時よりも若干薄いような気がした。999三股から上はピンテも増えていて、周囲をよく見れば迷うところは無さそう。1300mあたりから再び雪渓が出てきたが、幸いなことに厚みが残っていて、藪をつかみながら安定して登って行けた。

八ノ沢カール手前の源頭で取水。8L分のペットボトルを満タンにし、ザックの重量は25kgくらいになった。重すぎて肩と腰が砕けそうだ・・・。

沢靴から登山靴に換装し、カールから主稜線へ向かう。服部文祥の真似をして木の枝をピッケル代わりに持ちながら斜面をトラバースした。藪をつかんで最後の急登を這い上がり、主稜線へ。カムエク頂上までは快適な道なのだが、ザックが重すぎて全然進まない。日帰りした時の倍近い時間がかかってしまった。

カムエク頂上直下にテントを張り、日が暮れるまで360°の大展望を楽しんだ。写真を撮ったり、頂上直下の残雪でカキ氷を作ったり、ひたすらぼーっとしたり・・・。自分がこの場所にいるのが信じられず、なんだか夢のような時間だった。


【2日目 6/23】
3時ごろ起床。朝の気温は肌勘で5℃くらいだろうか。夕日も良かったが、朝日もまた感動的だった。

水の残量7Lで出発。まずはピラミッド峰を越えて未踏の稜線へ進む。踏み跡は薄っすらあるものの、一気にハイマツが濃くなった。・1807手前には両側がすっぱりと切れ落ちたナイフリッジもあり、南日高の靴幅山を思い出した。

・1807から岩場を慎重に降りて・1602コルへ。・1602〜・1573の先までは今回のルートで最も藪がきつい区間だった。背丈を超える樹木や巨大化したハイマツが稜線を埋め尽くしている。乾燥した枝先は尖っていて、容赦なく体を突き刺してくる。そんな藪をかき分け、踏みつぶしながら強引に進んだ。晴天で景色は良いのだが、風がなくて暑いのも相まってかなり消耗してしまった。

・1737あたりまで来ると藪の背は低くなり、この日の最低限の目標としていた1823峰も近づいてきた。調子良ければコイカクまで1日で行って、翌日ついでに1839峰も登っていくか?なんて考えていたけど、そこまでの余裕はない。完全に日高をナメていたようだ・・・。

14時過ぎに1823峰に到着。ここは1839峰と違ってあまり注目されない山だけど、「いっぱにいさん」という響きが渋くて、存在感もあって以前から登ってみたかった山のひとつだった。今回登頂できて嬉しかった。

まだ時間は早かったが、座って休憩していたら一気に眠くなってきた。翌日の行程を考えるとこれ以上進む必要も無いかなと思い、1823峰でテントを張る。カムエク南西稜に沈む夕日がきれいだった。


【3日目 6/24】
3時ごろ起床。この日は曇りで涼しい。水の残量3.6Lで出発。

1823峰から・1643までは低めのハイマツの中に踏み跡がある部分が多く、順調に進む。・1643を過ぎてもやはり歩きやすい部分が多かったが、・1444コル付近など背丈くらいの藪が濃い所もいくつかあった。それでも昨日より悪くないペースで歩けたのは、涼しいことと、水と食料が減って荷物が軽くなったからだと思う。

コイカクへの岩場の登りは高度感たっぷりだった。藪を掴んで直登したり、岩の横を巻くように登ったり。よく観察すれば登りやすい部分が必ずあるので、安全そうなルートを探しながら三点確保で慎重に登った。これが下りだったり、風雨が強かったりしたら相当怖いんじゃないだろうか・・・。

コイカクの頂上を踏んだあと、雨も降りだしてしまったのですぐに夏尾根を下る。ここは2年前に1839峰を登った時に通っているが、なかなか急な尾根だ。濡れた岩場は滑りやすくなっていて、登山道だからと言って油断できない。

上二股まで降りると雨は止んだがすでに靴は浸水していた。沢の水量は少なく、沢靴に履き替えるのも面倒だったので登山靴のまま沢を歩いた。函が出てくるあたりまではすべて飛び石で渡渉できたが、後半数回の渡渉で再び靴は浸水。でも行程の最後だったので気にせず進んだ。
水の残量2Lで終了。


【まとめ】
今回は天候に恵まれ、カムエク頂上テン泊、1823峰登頂、未踏の稜線繋ぎなどを達成することができ、充実した良い縦走だったと思う。日高らしいキツさが適度にありつつも、テン場でのんびり過ごす時間が取れたのも良かった。次回はコイカク〜ペテガリ、あるいはエサオマン〜カムエクあたりに挑戦したい。

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コメント

大変お疲れ様でした
厳しい重装備トレッキングの完遂、おめでとうございます。
一昨年コイカクに初登頂しカムエクや1823峰を眺めて從走したいものだ、などと簡単に考え高齢の身をして不可能な夢を抱いたものでした。
今回の se11482 さんの軌跡や当時の状況が手に取るように詳細な Photo 投稿を読み、藪や高低差、水の重装備など どれをとっても困難なコースであることが改めて理解できました。大変貴重な記録だと思います。
素晴らしい山行の完遂に絶大な拍手を送ります。
2021/6/30 18:22
Re:大変お疲れ様でした
tannayさん、コメントありがとうございます。
コイカクまで登れればその先の縦走も何とかなるのではないでしょうか…?とはいえ、日高の稜線では水を得るのが難しいので、無雪期に縦走するとなると装備が重くなるのが大変な所ですね。
2021/7/1 9:56
Re[2]: 大変お疲れ様でした
返信ありがとうございます。この7.8月は水が重荷で躊躇します。
時間もありますし天気を見ながら稜線上に3泊するつもりでゆっくり無理せず年相応に1839峰をアタックしようと思います。
2021/7/1 21:46
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