室堂から五色ヶ原を経て薬師岳(過去山行)
- GPS
- 48:30
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,087m
- 下り
- 3,151m
コースタイム
8/29 五色ヶ原山荘03:00→越中沢岳→間岳→薬師岳15:00→17:00太郎平小屋
8/30 太郎平小屋05:00→09:30折立
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
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写真
感想
過去の山行記録です。
8/28 未明、家を出発して、高崎駅1:30過先の急行能登に乗り込む。時期が時期だけに予想したとおり思ったよりすいている。二人分の座席があいているのを見つけてホッとする。夜行では二人掛の席が寝るための必要条件である。ザックを席のすみにおいてベットメイキング。すぐに横になるがなかなか寝付けられない。しばらくして、ガタンと列車が止まる。横川駅である。ここから知ミ廃線となる横川一転井沢間であるが当然夜の為、何も見えない。急行能登は暗やみの中、トンネルを登って行く。軽井沢駅着。ここで、後押しの横開車を切り離す。一瞬見に行こうかなとも考えたが、またの壊会と考えて、寝ることに専念する。
しかし、相変わらず、眠れなかった。結局のところ、長野一直江津間で少しウトウトとしただけで夜が明けてしまった。こうなるともう眠れない。日本海の景色を寝ぼけた目をこすりながら、富山迄ぼんやりと眺めていた。
富山駅でコインロッカーにビデオカメラ(下山後の電車撮影用)をしまってから富山地
鉄に乗り込んだ。一年前と同じ景色であるが、大きく違うことが一つ。太陽が燦々と降り注いでいる。遠くに北アルプスの山並みも見える。絶好の登山日和!
地鉄・終点の立山駅よりケーブルカーで美女平へ。相変わらず、天気が良い。去年、雨で苦しめられた鍬崎山もはっきりくっきり。美女平よりバスに乗り込む。一路、室堂へ。今まで、天気が悪くて一度も展望が見えなかった高原なのに、今日はどうしたことか、鍬崎、立山、大日がそびえ立つ様に見える。こんなにすばらしい景色とは思いもしなかった。高原バスの旅を十分に楽しんだ後、バスは室堂に着いた。
外はひんやりと冷たい。しかし、太陽がまぶしいばかりだ。ピーカンである。一の越へ向かって歩き始めた。登山道は驚く程、整備されている。まるで、遊歩道である。数年前に6月に来たときは、すっかり雪で覆われていたのであったが、こんな道とは思いもよらなかった。しかし、相変わらず、足は重い。それでも、観光客に混じって一の越についたときは、若干のゲインができた。一の越山荘の前は、人でいっぱいである。何処かの高校らしい団体でいっぱいである。若い嬌声(なぜか女の子がいっぱい)が飛び交っていた。
しばしの休憩をした後、五色が原に向かって歩き始めた。少し進むとほとんど人がいなくなる。静寂の中で、草むらのところでゴロっとなる。日がジリジリと顔や腕にあたる。こん な一瞬、ああ山に来たんだなあと感じてしまう。
さて、今日は何処まで歩こうかと考える。暑さもあるのか、相変わらず足が重い。スゴ乗越迄行けば明日が楽。それはわかっているが、足はいうことは聞いてくれない。スゴ乗越がダメだったら、当初の予定どおり、五色が原ということになる。とにかく、頑張んべぇと思いつつ歩く。
五色が原にはザラ峠(佐々成政)へ一旦下り、そこから登り返す。これが結構きつい。あえぎあえぎながら登り、結局、五色が原山荘に着いたのは2時過ぎ。コースタイムを若干のゲインにとどまった。この時間になるともう五色が原に泊まるしかない。2時に山小屋に入るなんて、ポリシーに反するが次のスゴ乗越へは後6時間程度かかる為どうしようもない。
宿泊を申し込んで、部屋に早速入っていった。
山荘は非常にすいていて、なんと一人一部屋というありがたさ。あまりの時間があって、
退屈のあまり、マンガがおいてあったので、部屋でずっと読みふけっていた。
8/29 今日も良さそうな天気である。今日は長帳場。コースタイム合計13.5時間である。従って、ただいま午前3時。この時間に出発すれば、何とか目的の太郎平迄いけるのではないかと考えてのことである。当然、外は真っ暗。
少しは、昨日の間、偵察してきたので問題なく進む。しかしながら、木道が途切れたあたりからとたんに道がわかりづらくなってくる。ライトと月明かりで丹念に道を拾いながら進む。尾根のところ迄来たら、反対側の谷に、発電所らしい明かりが見えた。なんだかほっとする。慎重に慎重に進んでいくうちに次第に夜が明けて来た。
日が出てきた。とたんに気温が上昇をする感じである。出発したときは寒いくらいであったがだんだん暖かくというより暑くなってくる。
スゴ乗越は巻き道を進もうとしたが、どうも巻き道は崩壊して通行不能の様である。仕方なく登り始める。恐ろしい程の直登である。山頂に着いたときはもうバテバテであった。せっかく登ったのに、今度は一直線に降りて行かなければならない。そして、山小屋へはまた登り返しだ。暑い。登りでただでさえ暑いのに、太陽がジリジリと照りつける。当然、足取りも重たい。
結局、小屋に着いたときは早くもバテバテであった。小屋で改めて水を補給する。ここで補給しないとこの先、太郎平迄ない。小屋番の人も休憩中であった。一言、二言、言葉を交した後、大休止に入った。
30分近く休憩した後、ようやく重い腰をあげる。出発する前に、タオルを水で濡らす。
今日のこの恐ろしい程良い天気を乗り切る為には、水濡れタオルが必需品であった。さあ、薬師岳へ向けて約5時間の登りで開始であった。
なんと書けば良いのだろうか?とにかく、暑くつらい登りであった。登りは思ったよりも急で、稜線上の道は、結構アップダウンが厳しい。それにともかく暑い!!タオルはすっかり乾いてしまっている。水で濡らしたいが貴重な水を使うわけには行かない。頼みの綱は地図に記載している小さな池(たぶん池糖)。ここでタオルを濡らして頭を冷やすことだけを考えている。
あった〜!。きれいな水とは言えないもののこの際、賛沢は言えない。泥が舞い上がらない様にそっとタオルを浸す。タオルを引き上げて頭の上で搾る。生き返る様な感じ。しかしながら、一時間もするとタオルは乾いてしまい、灼熱地獄が待っていた。
頂上近くになると歩みは更に遅くなっていた。15分歩くのが限界という状況である。もうどうでもいいやと考え、休み休み進む。
やっとの思いで薬師山頂についたときは、倒れ込む様に座った。すばらしい景色が待っ
ていたものの、そんなことよりもようやく着いたという気持ちでいっぱいであった。よく
歩いたなと思いながら、歩いて来た連なる山並みに目を落とす。ぼーっと15分ぐらい景色
をただ眺めていた。ようやく、よっこらしょと重い腰をあげ今宵の宿である太郎平小屋に向かう。といってもまだ、2時間半ぐらいの距離はある。
しかし、下りのなんと楽なことだろう。ドスドスと足を降ろして、どんどん下って行く。
途中になんと山小屋がある。途中から目に入って気になっていたのであるが、営業小屋らしい。自分の持っている古い地図だと小屋の印はあるものの営林署かなんかの小屋の感じの為、泊まれないものと勘違いしてしまった。一瞬、疲れ切っていたので泊まることを考えたものの電話がないことと、この調子であれば5時前に間違いなく太郎平小屋に着けることを考えあわせて先を急ぐことにする。道は相変わらず下る。やがて、樹林帯に入ると道は沢沿い(というより涸れ沢そのものが道)を強引に下る様になる。これを登ってきたらつらいだろうなと考えさせられる様な道である。とにかく、ドコドコ下ると水の音が聞こえてきた。さすがにこの時間になると、雲がでてきてさほど暑くないものの待望の水である。思わず、ゴクゴクと飲む。おいしかった。
太郎平のキャンプ場はそこからさほど遠くないところにあった。このキャンプ場が最低接部であり、ここから小屋迄は少し登り返す。最後の力を振り絞りながらヨタヨタと登る。
ようやく、小屋が見えてきた。やあ、これで終わったなと思いながら小屋の中に入って
いった。
小屋は正直言ってがっかりであった。通されたところは蚕棚型部屋。しかも一番端で薄暗く布団もなんだか湿っぽい。談話室にでも行こうと思ったもののそれもない。こうなってはさっさと自炊をすませて寝るしかないわけでそのとおりの結果となった。
8/30 環境は最悪であったが、昨日、あまり寝られなかったことと、疲れとでまあまあ眠れた。今日は下山するだけ。多少もったいないなと感じたものの、早く降りて電車に乗ることにする。早朝、ゴソゴソと自炊に励んで5時過ぎに出発する。
北アルプスよ.さらば!
薬師岳の長大な景色を日に焼き付けた後。下山開始。今日は本当に下るだ。道は遠目にはすごく良い道に見えたが、石がゴロゴロしていて結構歩きづらい。左には薬師岳とそれに続いてカールの様な地形が見えてきて、まったく、日本離れした雄大な風景だ。じっと眺めていたい感じもするが、心にしっかりと刻み込んでおくことにする。樹林帯に入り、薬師岳ともお別れという段階になって、前を歩く人に追いつく。かなり足早に歩いていることから、若い人と思っていたが、結構年輩の方で驚く。長尾さんという方で会ったが、とにかく早い。
日程を聞いてビックリ。たぶん、自分よりも早い。自分の黄金時代のコースタイムとほとんど変わらない。爺さまがこんなに早くては、立つ瀬がない。
ともかく、ペースが同じぐらいなので、一緒に話しながら下山をした。話しているうちに更に驚かせることを言う。足が悪いと言うのである。以前に事故で足を手術したらしい。なんという爺さまであろうか。足が悪いのにこんなに早いなんて。それ以外にもいろいろと驚かされることが多い爺さまであった。
話しながら、降りて行くといつの間にか、折立に着いた。後はバスに乗るだけである。これで、97年夏山は終わった。
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