大雪山・黒岳からトムラウシ山縦走


- GPS
- 33:19
- 距離
- 41.2km
- 登り
- 2,205m
- 下り
- 2,804m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 9:22
- 山行
- 11:11
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:51
- 山行
- 11:01
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 11:51
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
生きている山が好きだ。
神々の遊ぶ庭にお邪魔してきました。
先住人のクマさん🐻のそばをそーっと、通らせて頂きました。
座って、こちらの様子をチラチラ見ていました。200mくらいは離れていたと思います。クマ鈴はつけ、クマスプレーは携行し、時々話もしながら歩いていましたが、実際にお目にかかれて、恐れや敵対する気持ちは全く起こらず。
野生で熊の生活が保たれる山、熊も含めて生き物が野生で暮らしていける山、まさに生きている山の真っ只中に自分がいることを実感できて、感動しました。
距離が相当あれば、刺激しない様に、熊さんの様子も伺いつつ、通り過ぎて、なおかつ、後から追いかけてこないか?にも気をつけて、後ろを振り返りつつ進みました。
熊を驚かせるのが、一番良くないので、遠くから聞こえる鈴の音は有効。
日本にも野生があるって、素晴らしいと思います。この自然環境が永く守られます様に。
1日目 黒岳を出発すると、渡渉がある。水量が多いときは、靴が濡れるのであろう。まずは北海岳を目指すが、途中、お花畑に出くわし、写真タイムとなる。
撮っても撮っても、まだ取りたくなるほどの、チングルマとエゾノツガザクラの群落が見事で、先がまだあるし、白雲岳も登らないとなのに、時間ばかりが過ぎていく。
白雲岳はカットする気にならず、しかし、重荷で初日からくたびれるのも、よろしくないので、目の届くところの頂上直下にザックをデポして、ピストンする。(以前、白雲岳直下にも熊が来たことがあるので、要注意)小屋到着直前にしっかり雨が降ってきて、雨具の下も履けばよかった状態となったが、新築されたばかりの白雲避難小屋には、濡れた服をかけるところもあり、とても助かる。この夏は、鈴木みきさん(イラストレーター)が在小屋で、様々ご配慮頂いて、快適な滞在となった。
本当にありがとうございました。小屋では、旧知の方々にも偶然お目にかかり、お久しぶりでした。
小屋へは周辺登山道維持管理協力金も含めて3,000円/人、お支払いして、手ぬぐいも頂いて、ありがとうございます。
ドコモ4G微弱ですが入るので、ヤマテン予報も取得して、翌日に備えました。
明日は5時発。熊さんの朝ごはんの時間と重なりますので、注意して行きましょう。
2日目 3時半起床、5時出発
高根ヶ原の雪原をよく見ると熊さんが見える、小屋に滞在の方々とひとしきり熊でワイワイしてから、出発。鈴木みきさんのお見送りを受けて出発。ハイマツの露対策で雨具のズボンを履く。
高根ヶ原へいよいよ差し掛かるところで、なんとなく気になり、雪原をのぞくと遠い距離に先程の熊さんを見つける。たまたま撮った高根ヶ原の写真にも、熊が小さく写っていた。さあ、忠別岳を越え、ヒサゴ沼を目指しましょう。高根ヶ原に入ると、ウルップソウやらコマクサの群落が現れる。群落と言っていいのだろうが、まるでコマクサの地面?絨毯? 休憩しようにも荷物を置くと、こまくさが潰れます。大変です。まったく進まなくなり、私達、白雲荘を一番で出発したにもかかわらず、後発グループに抜かれる抜かれる。
忠別避難小屋のトイレにはよらずに、忠別岳を一気に登ると、ハクサンイチゲの群落の先には、化雲岳の突起がちらっと見えて、あそこまで行かないと。。。という疲れ気味の声も聞かれました。忠別岳から一旦下って登り返すと五色岳。天人峡からの道と沼の原への道との重要な分岐だ。
この先登山道はハイマツのブッシュを切り開いた道となり、ハイマツの枝をぐいぐい押し避けながら、ときには後ろの人へ強烈な枝パンチを食らわしながら前進あるのみ。枝パンチを避けるのは、後ろの人の責任だと思う。痛いのが嫌なら、少し距離を取ればいいだけ。頭を使ってほしい。
化雲岳に近づくと高山植物がどこもかしこも満開状態×2となり、まるでウルップ通り。
化雲岳の標高は1954m 自分の生まれた年と同じ数字だということで、皆にお祝いされる嬉しい方ありました。おめでとうございます。疲れているところで、明るい気持ちになったイベントでした。
化雲岳を出発するとまもなく「神遊びの庭」と呼ばれる一帯となる
この時期のわずか一週間ほどだと思うが、雪融けとともに一斉に開花する高山植物がまるで海。チングルマ満開ハクサンイチゲ満開エゾノツガザクラ満開キバナシャクナゲ満開というところ
この一週間のために名付けられたような場所 神様ありがとうございます。
まるで天国という表現では足らず、ここが天国と言い切る。
しばらくというより、かなりの時間をここにとどまり、皆さん思い思いに写真を撮り、こころに焼つけ、その景色に涙を流しておりました。
ヒサゴ沼へ。
雪渓下りはルートファインディングが難しい。
ぎりぎりで、雪のないところも使って、沼畔へ。沼も一部雪に覆われており、まるでアラスカのポーテージ氷河みたいと言ったら、行ったことないけど、なんとなくわかるという返事あり。あまり池に近づくと、雪が壊れるから注意。雪庇と一緒の原理だ。水くみをして、煮沸処理 小屋の2階で今日はお休みです。
2人1組となり、各組のコンロで、煮沸処理。組ごとにいろいろあって、人間模様が面白い。
さ、いよいよ明日は、トムラウシ越え 天気は今日と変わらない感じの予報(前日取得)なので、冷たい雨にあたる心配はなさそう。いざというときのために衛星携帯も持ってきたが、使うことなく終わりそうで、安心である。
3日目 ヒサゴ沼避難小屋を出発し、雪渓の登りとなる。昨日の道ではなく、少し遠回りして、神遊びの庭に再訪した。
花、花、花と、キタキツネさんが、何しに来た? と言わんばかりにひょっこり現れる。ご挨拶を簡単にすませ、花畑を目に焼き付ける。
いよいよ、トムラウシへの登りに差し掛かり、天沼を越えたところで、なんとなく気配を感じ覗いてみると、熊さん。かなり近い。今までで一番近い。動画も撮ろうという気持ちになるくらい、近い。
熊が、こっちに向かってくるかどうか、この距離感で大丈夫なのか?など、熊さんとか悠長なことを言っている場合ではないが、相手との距離が、熊がドキドキしない距離なのであろう、こちらに威嚇する気配はない。相手の様子を伺いつつ、熊の横を通り過ぎることとする。
遠くに離れていってくれればいいものを、なんと、雪渓の岩場で座ってしまった。耳をそばだてている。間違いなく、こちらの様子をチェックしている。
そういう距離感だった。最接近したとき、こっちに向かってくるようであれば、もうだめかもしれない。と思う気持ち48%、たぶん無事通り過ぎることができるであろうという気持ち52%で、わずかに大丈夫なほうを信じつつ、歩く。
複数ガイドなので、もうひとりのガイドさんに、理由も告げずに、一番うしろを歩くようにお願いした。万が一熊が近づいてきたら、2人して追い払わないとならないから。その時はストックと熊スプレーで勝負するしかない。
しばらく歩いて、かなり離れたところで休憩したが、熊の追ってくる気配はないので、無事、熊さんエリアを離れたことと安堵する。
日本庭園の美しさに心癒され、しかし、トムラウシの山頂までの標高差はまだまだ300m近くあり、なかなかつかない。熊さんと出会ってから約3時間、ようやくトムラウシの山頂に到着
山頂では静かに今までの縦走を思い起こし、感慨にひたる。はずであったが、若い人たちの歓声が響いて。。。
1日目の黒岳石室で購入したコーラで乾杯。
ここからの下りも長いので、頑張りました。今回一番つらいのこれからの下りなのかも。
コマドリ沢の雪渓は無難に終わったが、カムイ天上を通る長い下りは、田んぼのような泥濘、ぬかるみ。そして、蚊、蚊、蚊。
歩いていても刺してくるので、そのたびにパチパチ腕を叩くと、アップルウォッチが大丈夫ですか?と聞いてくる。何十箇所も刺され、17時丁度に登山口に到着ということで、約6時間の下山であったが。
皆さま、ギリギリだったかと思いますが、アミノバイタルを何度も何度も飲んで、くじけず、最後まで歩いて、全員無事下山となりました。
長い長い重い重い2泊3日でしたが、ようやく終わりました。
大変お疲れさまでした。
こだま登山部Instagramより抜粋
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