晩秋の 大峯奥駈道 縦走(柳の渡し→熊野本宮・5泊)
- GPS
- 51:08
- 距離
- 107km
- 登り
- 7,868m
- 下り
- 8,018m
コースタイム
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 5:16
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 9:51
- 山行
- 10:02
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 10:32
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 9:21
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 7:49
- 山行
- 7:46
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 8:13
天候 | 初日(11/19):晴 2日目(11/20):晴 3日目(11/21):晴・曇 4日目(11/22):雨(強風) 5日目(11/23):晴(強風) 6日目(11/24):晴・曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
ナルゲンボトル
ガスカートリッジ
シェラカップ
コッヘル
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
ロキソニン
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
寝袋
寝袋カバー
ストック
ナイフ
ポール
エアマット
|
---|---|
備考 | 装備総重量:15kg(水1L込み)±2kg(水) 食料:トータルで3.2kg(1800kcal × 6日分) |
感想
数年前からずっと目標としてきた大峯奥駈道・逆峯をついに決行しました。10月はじめに日程を確定し,仕事の予定が入山日と重ならないようにしたたかな調整(会議の代理参加して頂いた〇〇さん,すみませんでした)に気を配りつつ,週末はトレーニングに励みました。このたび無事に吉野から本宮まで歩ききりましたのでログをアップします。あたたかく送り出してくれた家族,職場の同僚にはほんとうに感謝です。
<計画について>
何泊で計画するかを直前まで悩みました。ネット上のログでは健脚の方が多いようで,4泊(もしくは3泊)などの計画を多く目にしていましたが,自分の体力レベルとスピードと考えると5泊が妥当と判断しました。行動時間を増やしすぎると食事が喉を通らなくなって翌日にすぐバテるなんてことも過去ありましたので,今回は毎日の確実な体力回復を目指しました。天気については,出発当初からどこかの時点で雨が降ることは覚悟していたものの,南奥駈に突入する4日目にあたりそう。アップダウンがきついと噂の区間なので非常に心配でしたが,少なくとも雨装備だけは確実にしました(実際はレインパンツの水漏れがあったりしたんですが)。
この時期は渇水期のため,水場での水確保が確実とはいえなそうでした。3L分の容器を準備し,常に1Lキープながら,次の水場まで1L飲んで歩く,宿泊前には満水にするという配分で計画しました。この季節,この装備重量であればだいたい5h行動で1Lの消費という目安です。
寝袋は確実に寒くならないように少々重いですがIsukaエアドライト480にしました。また,雨中ツェルト泊も想定して寝袋カバー(Isukaシュラフカバー)も持ちました。その代わりいつも持つフライシートは省略。マットも雨の中の行動を想定してザックにしまえるエアマット(Nimo Ora)にしました。ザックはグレゴリー・バルトロ65Lを使用です。
<食事>
食料計画はだいたい一日に1800kcal弱を接種できるように,アルファ米,フルグラ,カップ麺,カロリーメイト,スポーツようかん,ゼリー,フリーズドライ味噌汁・卵スープ,魚肉ソーセージでアレンジしました(トータル3.2kg)。朝と夕にお粥(FD味噌汁を入れて雑炊)にする予定でしたが,朝はおなかに入らず。結局,朝は卵スープとカロリーメイト,コーヒーを食べて出発,行動中はフルグラとようかんとゼリーで過ごし,夜にお粥(梅ペーストで),味噌汁,魚肉ソーセージというのがベストな感じでした。これで一日に1000kcalの接種です。最終的に1.5kgくらい食料を残してのゴールでした。米とフルグラをもっと減らしてもよかった。
<奥駈 柳の渡〜本宮>
1日目:
初日は近鉄特急で京都から悠々と六田駅に到着。金峯山寺でホラ貝の音が聞こえてきて出発の気分が高まります。ながい舗装道路を抜けて四寸岩山への登りからやっと山っぽくなります。この日は二蔵宿小屋での泊でしたが,小屋は閉鎖中のためツェルト泊。水も確保できて無難な滑り出しの初日でした。
2日目:
この日は二蔵宿から行者還までの計画でしたが,翌々日の雨を見越して大天井ヶ岳をトラバースして弥山まで行ってしまうことを考えました。深夜,トレールランナーがヘッドライトで駆け抜けていくのを見て,夜明け前に出発して,大天井をトラバースせずに弥山まで行こうと決める。気温も低くないので早々に出発,大天井に登り,五番関に降り,再び山上ヶ岳への登りでしたが,高度を上げてから突然消耗。息がすぐに切れるようになり,ペースは落ちるばかり。小笹の宿で水を満タンにしてからは余計にペースダウン。大普賢山頂から行者還岳への稜線を見下ろしながら弥山までは断念。予定通り行者還小屋泊まりと決める。行者還岳の山頂もスルー(行者も引き返した山なんだからと言い訳)。この日は小屋はほぼ満員になりました。水場を教えて頂いた方,天気予報を見せて頂いた方,本当にありがとうございました。小屋を楽しく過ごせました。
3日目:
やはり翌日の雨を恐れて先を急ぎました。深仙の宿までの予定ですが,昼までに着ければ持経の宿を目指そうと決めました。今日のルートは下見をしていたルートでもあり,最も楽しみにしていたルートでもあります。アップは弥山・八経へくらいで,あとは眺望の良いなかをどんどん歩けるなと。ただ,気を使う場所が多く,ペースは思ったよりも上がりません。コースタイムを越えたペースをなかなか出せない感じでした。持経の宿まで,,,とばかり考えていましたが,途中からペースを気にする歩き方に疑問を感じ始めます。じぶんは明日の雨を避けたいだけで,明日のことは明日に考えようと思い至ったあたりで釈迦ヶ岳でした。お釈迦様に手を合わせ,スーッと気が晴れてゆっくりと深仙に降りました。かくし水をゆっくり探し,水場の横でFD味噌汁を作って食べたのがしみるほど美味しかった。深仙の宿でゆっくりと過ごしました。夜半から風がすごくなってきましたが,雨はまだのようです。
4日目:
今日は濡れる覚悟で宿を出ますが,早い出発に越したことはありません。ただ,風がすごい。少々おさまった5時に出発。行仙の宿までの予定だけれど,途中止まりでもいいので行けるだけ行けばいい。雨は7時頃からポツポツ降り始めました。ものすごい風が吹いたと思ったらしばらく雨は止んだりといったことを繰り返す中,ひたすらアップダウンを繰り返します。この日くらいから体のコンディションがだんだん良くなるように感じ始めました(むしろ初日より)。南奥駈のアップダウンはつらいといえばつらいしペースも上がりませんが,延々と続く森の中のかすんだ道を歩いていると体の無駄なものが色々落ちていくようで不思議なくらい清々しい山行だった気がします。道標の案内通りの時間で持経の宿に到着,平治の宿を経由してあっけなく行仙の宿に到着しました。行仙岳をトラバースするルートもありましたが,足は上を目指しましたのでピークを踏んでから小屋に降りました。行仙宿小屋はすばらしく,長居しないともったいないくらいでした。薪ストーブで濡れたアウターなどを乾かさせて頂きました。本当にありがたい。置き水(ペットボトルの水!)もありがたく使わせてもらいました。ちなみにザックの上の方がきちんとカバーできておらず,ハイドレーションの穴からザックないに浸水していました。寝袋入れ(これもIsukaの防水コンプレッションバック)の隙間から水が入り,袋入り口に詰め込んでいた空気枕が濡れていました。あぶないあぶない,寝袋まで濡れなくてラッキーだった。
5日目:
朝から小屋のドアが開かんばかりの強風。出発時期を見計らうものの,立地上の強風と判断して日の出後に出発。ツェルト設営できるくらいの時間に玉置神社に着いていればいいので気持ちの余裕が大きい。昨日からコンディションがいいので笠捨て山へのアップダウンを楽しくこなし,気持ちの余裕をもって玉置山に向かいました。風は強いものの昨日の雨でしめった装備がきれいに乾き,むしろ追い風と感じました。玉置山から神社へ降りていくとホラ貝の音が聞こえ始めました。お社で手を合わせ到着の報告をした後,水を頂いて本宮辻へと降りツェルトを張りました。思えばここまで大きな膝痛(右膝がちょっと痛いか?),靴擦れ,筋肉痛はまったくなく,体調もむしろ初日よりも良くなっているような。
6日目:
いよいよ熊野本宮に降りる日です。アップは大森山までくらいかと思いきや,それなりにアップダウンが続きます。ですが圧倒的に下りが多くなり,ペースを上げると膝にきます。ですがロープを渡してある場所が多く,ありがたく楽をさせてもらいました。紅葉の残る森を抜け,たまに見える熊野川にうきうきしながら気持ちよく本宮まで降り,非常に静かな気持ちでゴールしました。ここまで繋いでくれた奥駈道(ここまで踏み跡を作ってくれた先人たち・ヤマレコに情報を上げてくれた人達・小屋や道の保守をしてくれている人達)に感謝感謝です。
<その後>
バテバテで帰宅の予定だったのですが,奥駈後半からの体調の良さがそのまま続き,出発前よりもコンディションが良くなって帰宅でした(もちろん疲れましたけどね)。いま食事は何を食べても味がよく分かり美味しく感じます。帰宅翌日から職場に出て,溜まった大量のメール返信に取りかかりましたが,パソコンのディスプレイに向かっていると酔いますね。まあすぐ慣れるんでしょうけど,ずーっとディスプレイに向かうような生活はいかにも健康に悪いんでしょう。。。あと気になる体重でしたが,痩せるかと期待してましたがいまのところ変化なしです。
※その後,体の水が抜けたようで,大体2kg超の体重減でした。消費,摂取カロリーのバランスから考えてちょうどくらい。
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