甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根から 地図に無い道へ 行動時間15時間の修行旅
- GPS
- 38:15
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 3,149m
- 下り
- 3,152m
コースタイム
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 5:40
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1)八丁尾根 大岩山南斜面の登りは、垂直に近い斜面に張られたワイヤーロープ一本を頼りに腕力で登る標高差100m近い激登り。初心者や体力に自信の無い方、高所恐怖症の方(含む私)は近づかないほうが良いでしょう。 2)日向八丁尾根 駒岩〜日向山間 雁ヶ原付近に登山地図上記載のルートと実際のルートに大きな乖離がある箇所あり、要注意。GPS上のルートと食い違っても、しっかりした踏み跡のあるルートを辿ること。GPSに忠実に進むととんでもない道(ともいえない道)を歩かされることになります。ここに上げているGPSデータで、道を外れて北に向かってまた戻ってきている軌跡がありますが、その軌跡をそのまま進むのが正しいルートです。 3)八丁尾根 三ツ頭〜大岩山間は地図にも記載無いルートですが、親切過ぎるほど赤い目印がたくさん設置されており迷うことはありません。むしろ上記2)のように実線登山道の方が怪しい。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
今回は珍しく複数でのテント泊山行です。
2年半前から大阪で生活している友人のdatomi氏と、元気過ぎる60代・超悪オヤジ氏の3人で甲斐駒 黒戸尾根!
久々に気の置けない仲間とのテント泊ということで楽しみにしていたのですが、超悪オヤジ氏が急遽体調不良のためリタイヤ、datomi氏とサシでの登山となりました。
datomi氏は以前うちの近所に住んでいて、お互い近所の自転車屋に出入り、というか入り浸っていた10年近く昔からの友人で、子育てに忙しい中、たまたまこの連休が自由時間になった!ということではるばる大阪から駆けつけてくれました。
datomi氏の希望「2,000m以上」で「人が少ない山」という条件でいろいろ考えた末、いくつかのオプションの中からdatomi氏の希望もあり黒戸尾根に決定!
私にとっては3回目(テント泊では2回目)の黒戸尾根。キツイけど静かで雄大な山の雰囲気にどっぷり浸かりにレツラゴー!
前夜大阪から自走してきて2時間くらいしか仮眠しておらず、しかも寝る直前に油ギトギトラーメンを食べてすこぶる調子が上がらないというdatomi氏ですが、2年ぶりに重い荷物を担いだとは思えない軽やかな足取りでサクサクと標高を上げ、11時過ぎには小屋到着。
登り口に「台風のため本日は宿泊もテント泊も受付しません とっとと日帰りで下山してください by 小屋番」みたいな張り紙があり、もし本当にテント張れなかったらどうしよう? 甲斐駒越えて北沢峠にでも行って張るか? そしたら帰りはどうする? みたいな心配をしていたのですが、着いてみたらあっさり受付してくれてちょっと拍子抜け。なんだよ。
というわけでさっそくテント設営して宴の開始。
なにしろ古い友人なので四方山話に花が咲く。最初は我々含めて4人だけだったテント場がすっかり埋まる頃、とっぷりと日も傾き、我々のメートル(死語)もすっかりレッドゾーン。
それぞれのテントにもぐりこんでいつもどおり前後不覚で就寝。
明け方、隣のテントのヘビースモーカーオヤジが吐き出す煙で目が覚める。
全く爽やかではない目覚めだけど、街灯のように明るい月光が降り注ぐ夜空の景色に一発で目が覚める。
メシ食って準備して4時半過ぎ、ヘッドライト点けて出発!
5時半、八合目御来迎場着。ほどなく、びっしりと敷き詰められた雲海の中からご来光。
ありがたや ありがたや。
「横浜山の会」というフラッグを持ったご一行の記念撮影のお手伝いをしたりしつつ山頂に向けて出発。
ひとしきり岩登りチックなポイントをクリアし、7時過ぎに頂上到着。
早朝のせいか、比較的人の少ない山頂をゆっくり堪能し、いよいよ未知の道「八丁尾根」へ向けて出発。
八丁尾根は、甲斐駒山頂から北西へ、途中までは鋸岳へ向かう尾根を辿り、途中の三ツ頭で真北に分岐して烏帽子岳、大岩山、日向山と辿る。
三ツ頭から大岩山までは登山地図にも記載の無い完全バリエーションルートだけど、ヤマレコにもちらほらレコが乗っていて、黒戸尾根とあわせて日帰りで回る人も多いようなので「まあ大丈夫だろ。」的な楽観主義で入っては見たものの。。
そこは、大小のアップダウンが連続する、大荷物担いだ身には非常に堪えるルートでありました。
極めつけは大岩山の登り。
遠くから眺めると、どう考えても「登山道」など無さそうな断崖絶壁の山。
こりゃ間違いなく巻き道があるに違いないと勝手に思い込んでいたのですが、そのふもとから見上げる巨大な絶壁の中腹にポツンかかると小さなハシゴが見えたときは本当に目が点になりました。
うっそ〜、これ登るの?この高所恐怖症のボクちゃんにこれ登れと?
一瞬「もう帰らせてもらうわ!」と言いかけて、帰れないことに気がついてしまいました。
仕方無い。腹括って登るしかないか。
と、登りだしてみたらそのハシゴを越えても更にその先延々とワイヤー、鎖、ザイルを頼りに垂直に近い壁をよじ登ること約100m(標高差)。
ようやくなだらかな尾根に出たときはすっかり疲労困憊でした。
こんなに緊張したのは妙義山以来だわ。
そこから先は、それほど危険な場所は無かったものの、一部登山地図、GPSマップと実際のルートが大きく乖離している箇所があり往生したり、そんなこんなですっかり日が暮れてヘッドランプの灯りで真っ暗な急坂を下ったり、棒のようになった足を気合だけで動かしたりしつつ19時半にようやく駐車場到着。
暗闇の中、尾白渓谷売店の建物が見えたときは冗談抜きで「助かった!」と思いました。
本日の行動時間 15時間。
私の登山経験最長記録を更新。
おめでとうございます。ありがとうございます。
それにしても、靴ズレ、マメ、寝不足、2年ぶりのデカザックという困難にめげず最後までがんばり通したdatomi氏の精神力には脱帽。
おかげでこっちもがんばれました。感謝!
普段は一人山行最高!な私ですが、気の置けない友人との山行はやっぱり最高に楽しい!と再確認したのでした。
namifujiさんの記事を読ませてもらったら、あの苦しかった八丁尾根が早くも良い思い出に変換されてました!!!
恐るべしf(^_^;
またご一緒出来ることを楽しみにしています♪
datomiさん
いやー本当にお疲れ様でした、というか疲れた!
「黒戸尾根よりゃ楽だろう」的な軽い気持ちで入ったのは大きな間違いでした。
でも、もし私一人だったら途中でベソかいてるような状況でも、誰かと一緒というだけで心強いものですね!
また、行きましょう。
ここ以外のところへ(笑)。
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