剱岳剱尾根主稜
- GPS
- 70:52
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 3,304m
- 下り
- 3,316m
コースタイム
- 山行
- 2:30
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 2:46
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 9:51
- 山行
- 14:02
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 15:08
天候 | 初日晴れのち雪、2-4日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
5/1
馬場島から池ノ谷を目指すが白萩川が増水で渡渉できず!
敗退して急遽、室堂スタートでの剱尾根を目指す。
11時過ぎに室堂を出て雷鳥沢で水を汲んで剣御前へ。天気は午後から荒れる予報で赤旗を頼りになんとか剱沢のテンバまで来たが視界がないのでトイレ近くに設営。
設営中にテント飛ばされるアクシデントなどありつつもなんとか入山祝い。
夕方から雷鳴響き、霰降るコンディションでしたが明日への準備をして就寝。全然寒くなかったなぁ
5/2
3時に起きて準備するも天候の回復遅れ、テントで天気待ち。
5時過ぎに明るくなって視界が開けてきたので慌てて準備して出発。
認識違いでちょっと回り道しつつも別山尾根に乗って一服剱、前剱と進む。後ろからは誰も来ない。
平蔵谷は下から登ってくる人が見える。このシーズンは登りも下りもカニのヨコバイを通るのがスタンダードらしいがタテバイも鎖が出てたのでそっちを登る。うーん、初めて登ったけど一般道にしては厳しいな。鎖なしだとロープなしで登る気にはならんな。
ほどなく早月尾根に合流して剱山頂へ。風が強いのでそそくさと下る。長次郎谷のコルへの下りで長次郎谷左俣を詰めてきた人2人とすれ違う。
池ノ谷乗越を初めて積雪期に下るが傾斜がきつくて緊張する、ミスったら終了の傾斜。途中から雪が緩んできて三の窓を横目にさくさく下っていく。氷のないR4、R9を横目に下っていくとR10手前に水音のする氷瀑があり、そこでコッフェルを出して水を汲む。そんなに時間かからずに水が汲めた!
R10を暑さに喘ぎながら登ってコルEで休憩。思ってたより狭い…。
こっからは藪漕ぎ?と思ってたら藪の濃い登山道くらいのやつを登って進む。
非常によさげなテンバを横目にⅢ級+25mくらいの岩場をNさんに登ってもらってコルCへ。
目の前にⅢ級くらいの岩場を目前にツエルトを張る。
ちなみに今回は軽量化で3人テントは剱沢にデポ、ツエルト(クロスオーバードーム)でシェラフカバーだけで寝てみる。
目前に"門"が雄大に聳え立ち、左に小窓尾根、右に早月尾根、そして眼下に白萩川から水の張られた田んぼが光る富山の平野の向こうに富山湾を臨む。
そんな景色に向かって夕陽が沈むのを眺めながら酒を飲む至上の時間を過ごせた。
夜は満月近くの月が薄いツエルトの壁の向こうにずっと見えてて明るかった。
しかし…寒かった。
5/3
寒くて長い夜を過ごしていざ出発。
すぐの岩場は出だしがやや悪いが時間短縮のためノーロープで越える。
ほどなく"門"のすぐ下の前衛だが剱尾根最難ピッチの岩にぶち当たる。
ここは取り付きから5m直上してから右へトラバース、リッジに出てから右のフェースを登ってリッジに戻るというピッチ。
人口登攀が一番得意な私がリード。(とはいえ本チャンは10年以上ぶり…)
しかしトラバースしてほどなくピンがどう見ても足らず、しょうがないので一手フリーで抜けてリッジへ。
リッジ右のフェースもそんなに良くなかったがなんとかリッジに戻って重いロープを引き上げて後続を上げる。
さて、メインの"門"だ。(ここの取り付きもそんなに広くないので泊まりはコルCの方がよい)
ここはフリーが強いMくんに任せる。しかしザックは置いて空荷で。
スタート5mのクラックというかチムニーが核心でそこをA1で越えるとあとはクラック沿いに左上(バランス悪くて簡単ではない)していくと抜けられる。
これで終了?と思ったらアイゼンだと微妙に嫌な寝た岩場が出てきて、念のためNさんにロープ出してもらいルンゼでピッチを切る。10mくらいの一手もの。
少し歩くとドームの上に出た。まだ11時だ!前日に設定した上半部へのリミット12時より前に着いたので稜線までトライすることに。
そこから簡単な雪稜で左から巻き下っていくとコルBだ。
ロープを出してNさんリードでⅢ級という話の壁を登るがもっと難しい気がする。上部は岩が脆い。
そのあと雪稜トラバースから岩場へ上がるところも気温が高くて雪がグズグズだったのでここも念のためロープを出す。
これでやばいところは終了。あとはひたすら詰めていくと剱尾根の頭に出た。
頭のすぐ横は広い雪田になってて泊まれそう。
ここから長次郎の頭まではすぐで、頭から長次郎のコルへ戻ると昨日のトレースに合流した。この時点で16時過ぎ、稜線が面倒なのはわかっていたので長次郎谷を下っていく。登ってくる人がたくさんいるなぁ。出合から長い長ーい剱沢を登り返してベースキャンプへ戻った。最後は月明かりでの歩きとなった。久々の15時間行動。
5/4
この日は帰るだけなので明るくなってから起きだす。
締まった剱沢を登り返し(ストックがあると楽だー)人がいっぱいの劒御前で剱への見納めをして(後でバスから見えたけど笑)テントだらけの雷鳥沢へ。
雪の上をスーツケース引っ張ってる人とか雪がないのにアイゼンかりかり言わせながら歩道を歩いてると帰ってきたなーという気にさせられる。
室堂でそばを食って下山。
感想
たしか震災の年に剱尾根を一度だけ計画したことがあった(その時は悪天で転進)がそれ以来ずっと道具箱に眠っていて岩トレでしか使ったことのなかったプレートアブミがようやく日の目を見ました。
剱尾根、まさに岩と雪の殿堂。トレースのない雪稜を満喫できました。
初日は降られたがその後快晴微風のコンディションに恵まれ踏破。
ドームから見た門、長次郎の頭から見た剱尾根は忘れられない光景となった。
雪が少ない年ではあったが今回のルートに関して言うと困らないくらいには着いていた気がする。
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