二王山〜見月山縦走〜「安倍奥の上級者コース?」でトホホの道迷い〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,459m
- 下り
- 1,646m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 8:15
天候 | 快晴。午後から西風がでた。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[復路]14:55見月茶屋15:05=15:20湯の森集落(Junjapa車ピックアップ)=15:35梅ヶ島温泉・黄金の湯(こがねのゆ)16:30=新清水SA(食事)=用賀=東伏見21:00 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■コースタイム(事前情報) ・この地域に明るい静岡・踏岳会のKさんに標準コースタイムの問合せをしたところ、以下の情報を頂きました。 湯ノ森(3:00)二王山(0:40)二王峠(0:45)栗ノ木(1029P)(0:55)八森山(1:30)三星峠(1:30)見月山(1:10)見月茶屋 <合計9:30(休憩時間含まず)>。 <今回のコースタイム(参考です)> 湯ノ森(1:40)二王山(0:30)二王峠(1:10)八森山(1:35)三星峠(0:55)見月山(1:00)見月茶屋 <合計6:50(道迷い15分含む・休憩時間含まず)>。 ■水場情報 水は三星峠を東に5〜10分下ったなだらかな場所。幕営可。 |
その他周辺情報 | ■日帰り湯 ・「黄金の湯」(こがねのゆ)(新東名・新静岡ICより50分) 〒421-2301 静岡県静岡市葵区梅ヶ島5342-3 054-269-2615(フロイコー!) ・1時間以内の入浴は400円(通常は700円)とリーゾナブル ・冬時間(12月〜3月末)は16:30で終了(16:00札止め)なので注意 (夏時間は午後5時半まで) 温泉の人の話では、冬場は奥地ということもあり特に週日は人が少なく、そのため、営業時間を短くしているとのこと。 ■歩数 35765歩 |
写真
感想
■感想■
三連休は、小川山に行こうと思っていました。瑞牆山荘に問い合わせると、トレースはないし、1mは雪が積もっていて、二人では難しいと言われました。トレースは期待していませんでしたが、積雪が1mもとは思いませんでした。なんでも小屋主もチェーンを持っていないので里に下ろうにも下れなくて困っているとのこと。”危うきには近寄らず”、ムリしてラッセルすることもなかろうということで小川山は次回としました。
今回のコースはスタートとゴールが静岡百山2座であり、それを繋ぐ明瞭な尾根が物好きな自分には魅力的な地形を提供してくれています。1/25000地形図でも破線はありません。縦走の記録も少なく、トレランで5時間で抜けたという資料もあれば、八森山の頂上でテントを張ったという記録もあって、日帰りか一泊なのかギリギリまで悩んでいました。雪があったら日帰りは困難になるのだろうとテント・シュラフを準備して出かけましたが、雪がなさそうだったので、思い切って日帰りにして山に入りました。
結論からいうと雪さえなければ日帰りコースであろうと思います。今回、三星峠で迷ってしまい、技術不足と装備不足(GPSなど)が反省材料でしたが、北上コースとすれば、それも基本的に問題はないと思いました。
南下コースにしたのは同行したNJ氏から、効率的に駆け抜けるのであれば二王山から見月山が下り基調となって良いのでは?と意見があったからですが、実際、その通りでした。
翌日NJ氏からは、下記のメールをもらいました。
「疲労は残っているものの今日の目覚めは清々しいものでした。殺伐とした日常の中で、年を重ねた自分でも自信を取り戻すことができるのだと幸せを噛み締めています。いつもそんなチャンスを与えてくれる貴殿に感謝です」
こちらこそ、ありがとうございます。
■山行記録■
05:55 2台で平野の見月茶屋前に到着。NJ車を見月茶屋前の駐車場の下流側ギリギリに駐車させてもらう。NJ車をここでデポしjunjapa車で湯の森に向かう。06:05見月茶屋発。06:20 湯の森集落に到着。バス停の反対側、梅ヶ島大橋の下をヘアピンで河原に降りていく道があり、その脇に駐車。薄明かりの中、荷造りをする。
06:40発。湯の森からバス停の反対側、造里集落への道をたどる。角に二王山の導標がたてかけてあるのを尻目に40mほど歩くと左側にトタン板の倉庫があって、左に入るよう指導標がある。鹿柵をまたぎ登山届のポストをすぎるといよいよ山に分けいる。冬の早朝の凍てついた世界。霜でカチカチになった路面をゴトゴト音をさせながら登る。一泊か日帰りかギリギリまで迷ったあげく、テント・シュラフは置いてきた。ツエルトやコンロ、食糧は二日分もっているが今日中に見月山から降りたい。幸運にも雪はなさそうだ。小尾根の山腹が終わるとすぐに尾根上となり、右に石碑を見ながら登るとさらに一段上の幅広の尾根に乗る。道は明瞭だ。古いガイドブックには入島からの道を合わせるとの記述もあるが、その地点と思しき分岐には「←湯の森」の指導標が立っており、小径も落ち葉に埋まって通る者はなさそうだ。・620で高度計の標高を合わせた。右手をみると八紘嶺だろうか、雪がついた白い峰に朝陽があたってことのほか美しい。標高約790m〜850m地点で左側斜面の樹木が皆伐されている伐採帯を通過する。十枚山が広い山腹に目いっぱいの朝の光を受けて眩しい。
07:40 最初のガレが現れる標高920m地点で休憩。日があたって暖かい。おまけに今日は快晴だ! 鳥が啼く。07:50発。少し傾斜の緩んだ気持ちのよい尾根道をさくさく進むと、やがて頂上直下の奥仙俣への道に合わせる。頂上へは右に一分だった。
08:30 二王山頂上着。頂上の標識がある。展望はよくない。樹間から安倍奥の山々が望める。三角点を往復する。三角点ピークの方が高いのにどうしてここが頂上になっているのだろう? 8:50発。
歩き始めると「上級者向けの山」との表示があり遭難が多発しているからここから戻るようにとの警告がある。う〜ん(苦笑)、この縦走をやりに東京から来ているので止めるわけにはいかない。注意に注意を重ねていきます!と心に誓う。明瞭な道を下り、15分で椎ノ木尾根への分岐。さらに15分で、二王峠。二王峠のすぐ手前でモノラックの軌道がではじめる。二王山は二王峠から来ているという。二王峠とは、梅ヶ島入島・湯の森と奥仙俣を結ぶ往古の道が大儀であり、峠で二王立ちしてしまったということからついた名前らしい。しかし二王峠はここではなく頂上直下のあそこが峠であっただろう。ここから一般路を離れるが、ご丁寧に八森山への指導標もついている。道は良さそうだ。雪もない。ここから三星峠の手前まではほぼ平坦な縦走路がずっと続く。が、樹林で覆われており、展望を楽しむプロムナードというわけではない。1010mのコブの頂上には作業小屋がありその脇を通り過ぎる。しばらくはとりとめもない明確な登山道をテープに導かれながら淡々と進む。・1029(栗木山)の手前でササの道となる。頂上手前でどういうわけか、縦走路がテープで通せんぼされている。遭難でも起きたのか。稜線側に迂回する。頂上には表示がある。道はしっかりしている。・987で尾根は90度左折して痩せ尾根となってくる。注意して歩けば問題ないだろう。道はゆっくりと登りに転じ、まだかなあと思いつつ植林帯を歩くと最後は八森山頂上三叉路になる。右はこれから行く見月山への道。左は渡(ど。珍しい集落の名前)への下山路となる。渡への道を30歩ほど歩くと八森山の頂上三角点。
10:30八森山頂上着。少しゆっくりする。写真を撮って10:50発。すぐに鹿柵が出て迂回すると、もう一度鹿柵が出てくる。登山道を邪魔するように張ってあるので、それを押し下げてまたいで前進する。980m地点の幅広い尾根で道を失った。右上の尾根上に出ると再びしっかりした踏み跡。
・973で、口仙俣への小径を分ける。指導標もある。・1004は手前で右山腹をからむトラバースが続く。そのままトラバース道が続くので適当なところから尾根上に戻る。尾根上にテープあり。50m登って50m下るコブ。その南の950mの等高線で囲まれているピークから上落合への小径を分ける指導標がある。しかし導標はあれど道ははっきりしない。もう廃道なのであろうか。さらに地形図の930mコブを越えて、ずんずん下っていく。「この分だと、問題なく三星峠へと降れそうだね」などと軽口を叩く。地形図からいくと、この下りが一番のネックと見ていた。地形が複雑で3本も似たような小尾根が下降する尾根から低く派生しているし(その3つ目の尾根の先が峠となるわけだが)、顕著な尾根からその切れ込んだコルに下るのは下降ポイントを同定するのが難しい。
うちにテープも途切れはしないがまばらとなり、左寄りに歩くが南西にテープがある。そっちは違う。南東方面のテープ群をいくと、斜面は下っているがテープがなくなった。おかしい。この先に三星峠はあるのか。しばらく地形図とにらめっこをするがよく分からない。樹林で見通しがきかず、三星峠の峠状のたわみも確認できない。
少し南に来すぎているようだ。少しトラバース気味に北に戻ろう。また少し登ろう。
樹林に囲まれたわずかな小尾根上に出てもう一度、にらめっこをする。この小尾根を下ったら三星峠では?とNJ氏がいう。しかし先に峠がある確証もない。とにかく戻ろうと小尾根上を戻ってひたすら登ると、突然、「←栗駒」の文字の入った指導標が!
あれ? そのとなりに木には「三星峠→」の導標も。あ、そうか、ここが八森山→三星峠の縦走路の栗駒への分岐なんだ。(でも分岐ポイント的には、三星峠→栗駒集落に下降する直進道に尾根から下ってきた道が直角に突きささる三叉路の形で合流する)
この分岐点へあたかも栗駒集落から登ってくるようにして来たことになる。
やはり通り過ぎていた。しかし、どうして分岐を見失った?
念のため尾根上に戻ると尾根には紛らわしいテープ類が多すぎる。「3本テープの木」(写真)が下り口の目印のようだったが、別のテープを信じて直進してしまい、三星峠→栗駒の下山道がこの尾根を東西に横切るポイントまで下ってしまったと推定された。それで東西に散在していて、それがゆえに我々を混乱させたテープ群が説明出来る。慎重に注意して下るべきだったと反省。おそるべし「上級者コース!」(笑)
でも、「迷ったら戻れ」をNJ氏も自分もあまり自説にこだわることなく実践出来たのは良かったことだと思った。
三星峠へは、尾根上で直角に左折し、尾根東の三叉路をさらに左折して急な下りを経て峠へと降り立つ。(三叉路を右折はむろん栗駒集落への道)すなわち尾根からはUターンするような形でくだっていくのが正規の道のようだ。
12:25 三星峠着。峠の憩いというより道迷いから戻れた安堵があった。でもここから送電線ピークへの壁の登りもあってゆっくりできない。地形図にある峠から北に伸びる沢すじの道は廃道のようだ。はっきりした道が認められない。ミシュランの三つ星は素敵だが、ここの三星は冴えない(笑)。正午を過ぎて風がでてきた。12:35発。
送電線が2本走るピークに向けて喘登する。風が出てきた。送電線は刈り込まれていて景色がよい。2本の送電線のちょうど間で、上平への小径が下っていっている。おそらく巡視道だろう。ゆるやかに登っていると、見月山が見えてきた。あと少しだけれど足が出ない。手前のコルからは、鹿柵が現れてそれに沿って足を騙しだまし登っていくと、植林帯の中の見月山の頂上に導かれた
13:30見月山頂上。まだ陽は高いのに、まるで樹林帯の中で夕暮れのような雰囲気。おまけに寒風が汗をかいた体に吹き付けてくる。長居は無用だ。13:50発。
少し戻って「←見月山」の表示のところが下山口。これも表示がないので知らないとわからない。もっとも縦走する人前提で指導標は作られていない。下から登ってきて往復する人は下り口は分かっているハズの前提なんだろう。下調べの大切さだ。
迷いやすいと心配していた壁のような下りもしっかりした踏み跡とテープ類に助けられ、さくさくと下れた。
14:55に見月茶屋に降りたった。NJ氏と固い握手。青空が広く高く見えた。
コメント
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なるほど、静岡百山二座をつなぐ縦走ですか。junjapaさんの実力からすれば、上級者コースも、なんら問題ないのでは?
いずれ、テントを担いで行って、二王山にでも張ろうかと思い、お気に入りいれさせて頂きました。(現時点でまだ一つ星ですが・・・)
最後に温泉に入るのがこの時期のお楽しみですね。車2台の威力でしょうが、定期バス利用だとちょっと時間配分に工夫がいるかも知れませんね。(単独行で湯上りにビールをたしなむには、公共機関利用が前提なので・・・)
nomoshinさん、静岡百山がふたつ対峙していて、それをつなぐ尾根がたおやかに続いている。「登って来いよ!」 と言っているように思えて前からプランを考えていました。あまり縦走の記録は多くなく、またこの時期、雪のこともあるので、テントか日帰りかさんざん悩みましたが、思い切って日帰りで行ってみました 。道はしっかりしているので、地図さえ読めれば日帰りコースということなんでしょうね。でも八森山の頂上でテントを持ってゆっくりビール を飲んだり、梅ヶ島温泉でいっぱい というのもまたオツなものです。
見月山〜二王山はカシミールにも線を引いてあって、
いつか歩きたいルート、、ですので大変興味深く拝見させていただきました。
やはり三星峠周辺は、尾根を乗り換えるような感じで分かりにくいのでしょうか。
私はお守りのGPSを持って行きます(笑
三星峠から栗駒への道。
たしかに地形図の破線よりも80mくらい上部を通ってるんですよね。
地形図の破線が通っているあたりは大きくガレているのですが、そのガレが地形図に出ていなくて・・・。
自分が行ったときは、たまたま(ホントにたまたま)ピンクテープが密集している所が目に留まり、迷わずに済みました。そして、そこから破線路まで下ろうとしたら・・・・・ほとんど下らないうちに三星峠から栗駒への道へ合流してしまい「あれっ」と思いました。
色々と思い出しながら楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。
ittaさん、コメントありがとうございました。いろいろと安倍川周辺を歩き回られているittaさんなら、手近な場所ではないかと思いますが、あの地形は、ちょっと、難しい場所ですね。ガスが出ておらず、送電線の地形が見えたのでまだ自分たちはラッキーだったのかも知れません。GPSは、「やまログ」というアプリを持っていったのですが、どういうわけか、二王山周辺を表示してくれませんでした 。
それで当日は諦めた次第です。自分にとっての初GPSだったんですが・・・(泣)。平地に戻ってもう一度トライしたらきちんと表示してくれました。なんでだろう??? と思っています。
ありがとうございます。そうだったんですか 。何となくそう思ったのですが、裏付けが取れて良かったです。あの三叉路から峠まではかなり高度を下げました。どう考えても25000地形図はあっていないなーと思っていました。そうですかあのトラバースはやはりガレが発達していたんですね。よく見ないまま下ってしまいました。GPSがないと道探しの楽しみが楽しめるのですが、それも限りがありますかね。これからはしっかりしたGPSを持っていきたいと思っています。
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