観音山〜熊伏山縦走−静岡百山をつなぐ動と静の世界−
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,379m
- 下り
- 1,370m
コースタイム
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 9:25
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[復路]観音山登山口P=浜北IC=沼津IC=熱海=多賀 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆駐車場 登山口の北400mくらいに左に待避所があるのでその端っこに駐車した。 ◆登山口~稜線分岐 ・登山口には表示あり。 ・登山口の階段を上がったら、180度ターンして20歩ほどあるくと右上山腹に上がるフミアトがある。このあたり、間伐材が散乱していて登山道を隠している。階段をあがった目の前には神様が祀られていて、その右側にもふみあとがあるのを見ると、そちらに引き込まれてしまった登山者が多いのかも知れない。 ・山腹を登って尾根に出ると、尾根から尾根へと上がって行く。途中、山腹をからむ道には行き止まりの棒が置いてあって尾根上に導かれるところが一カ所ある。 ・・1020のベロは平坦な尾根上の平地で炭焼窯跡がある。 ・ひたすら登ると、稜線直下 標高1300m地点でトラバースするようになり(このあたり熊の檻があるとの記録があるが気が付かなかった)、1355m地点で尾根上に踊り出る。その地点には写真にあるように指導標があって、登ってきた登山口が「所能登山口」という名前であることを知る。所能とは、集落の名前である。 ◆稜線分岐~観音山 ・北に登ると、ひとつコブを右から巻き、ヘリポートに出る。ユンボなどもある。現在、使われていないようであるが、真光教の宗教施設であるとのことであり、3棟ほど建物がある。また簡易トイレも2~3ある。そこを過ぎると頂上三角点と標識。頂上三角点の脇には、建物が建てられていたが、いまは撤去?(あるいは再建予定?)されており、土台だけが残っている。 ◆稜線分岐~鶏冠山 ・分岐から小さなゆるやかなコブを2つほど越すと1370m圏内のコブ。ここで左に直角に曲がる。そのまま東に伸びる尾根にはいらないよう要注意。 ・2つほどコブを越すと・1428とのコル。ここから急激な登りを尾根上を登る。左に巻くような道もあるが、ヤブがありすっきりしない。結局、尾根上に戻って一気に登る。登りついた地点は鶏冠状に横行する尾根であり休むような場所もない。そのまま刃渡りのようなところに慎重に足をおいて・1428まで行く。 ・・1428にはナニもないピーク。・1428から東北東に伸びる尾根にはいらないように注意。北西に伸びる尾根に下る。地図で見るイメージよりも急な降下。 ・そのまま地図にも出ていない小さなこぶの登降を繰り返す。赤テープはそれほど多くない。むしろ白い標柱が目印になる。その目印も険しいところにはなく、緩やかなところに立っているのでよい目印になるというわけでもない。 ・3〜4のコブを過ぎて尾根が弓なりに東に曲がって北に屈曲するポイントが鶏冠山。地形図上では、1420m圏内の主曲線に囲まれたピーク。他の登山記録で地図上のどこが鶏冠山かを記録に掲載されている地図などで全く表現していなかったため、場所が特定できていなかった。国土地理院の「標高がわかる地形図」により改めて標高を調べると1428.8mが正確な標高のようだ。(鶏冠山の頂上にある看板には1436mと1510mの標示があるが、どちらも間違い)頂上のすぐ足元までガレがせまっている。 ◆鶏冠山〜前熊伏山 ・鶏冠山からはガレのために行くべき北北西の尾根には下れず、いったん東の尾根側に10歩ほど行ってトラバース気味にすぐ下のコルに下る。ここもそのまま東の尾根に行ってはいけない。 ・鶏冠山の北のコルは急なギャップとなっていて下れずいったん戻って右から巻いた。コルに行くと、今度は目の前に急激ながけが聳え立っていて登れそうにないので、そのままふみあとがある右手斜面を進む。しかし、進むとすぐに大きな山抜けとなっていて、ふみあとが途絶える。これは入ってはいけないフミアト。 ・正しくは目の前の壁のような尾根上を登る。登れそうにないように見えるが、ふみあとはあり、登ることができるが、足元はぐずぐずだし枯れ木はすぐに折れてしまうので、気を付けて登る。 ・登りきると、そこで激しい鋸尾根は終了し、しばらくはササのフミアトとなる。 ・北上する県境尾根がわずかに北東に屈曲する1470圏内の峯は、感覚的には右に直角に曲がるイメージ。ここもほぼ西に伸びる尾根に迷ってはいったフミアトがあり、特に南下するときには容易に入り込んでしまう迷い尾根だ。南下時は要注意。 ・1500m標高前後からササから解放されて素晴らしい原生林となる。どこでも歩いて行ける。そのまま尾根上を行くと前熊伏に導かれる。 ◆前熊伏山~熊伏山 ・一般路 ・前熊伏を下ると2つのコブを越えて熊伏本峰へと導かれる。 ・頂上には一等三角点と、登頂記録などを記入できるノートがある。(箱に入っている) ◆前熊伏山~青崩峠 ・青崩れの頭までは大きな問題はない。 ・青崩れの頭から峠までは、左側がガレている場所があり、要所にはロープが張ってある。降雪直後や氷化しているときには十分な注意が必要。 ・ロープでしっかり自己確保して事故のないようにしたい。 ◆青崩峠~林道 ・問題のない遊歩道。玉石の歩道が歩きにくいったらない。 |
その他周辺情報 | ■ルート定数[コースタイム(時間)X1.8+ルート長(km)X0.3+累積登り標高差(km)X10+累積下り標高差(km)X0.6)] http://www.sangakusogocenter.com/topics/docs/201406grading.pdf http://www.sangakusogocenter.com/topics/docs/list_A4.pdf 今回山行=8hrX1.8+14.53kmX0.3+1.292kmX10+1.277kmX0.6=32.4 *今回の山行は、一覧表によれば、美濃戸から赤岳登頂とほぼ同じ強度ということになる。 ■秋葉道 遠州の相良から塩を運んだ道で青崩峠を越えていました。 http://tohyamago.com/rekisi/akiba_tousin/index.php |
写真
感想
◆行動記録
天気はあまりよくない。所能登山口まではクルマからすぐだった。あらかじめ調べてあったので、登山口でもお宮さんにお詣りしたあと、迷うことなくUターンをして右上の登山道を見つけることができた。2〜3回Zigzagを切ると、小尾根上に乗り、そのまま尾根上をしっかりした道を行く。尾根がはっきりしなくなると右に斜上して別の尾根を求めて登って行くといった道だ。1300mあたりでトラバースが始まり、そのまま観音山から北に伸びる尾根のコルの少し上、1355m付近に踊り出る。なお、熊の檻があるという記録も多いが、見かけることはなかった。見落としたか、すでに撤去されたか。尾根上の分岐には「所能登山口」という表示がある。
分岐から南に向かうと急登少しで平坦となりやがて広々としたヘリポートの出現となる。ユンボなども広場の片隅にある。真光教という宗教施設とのことだが、この季節は誰もいない。ヘリポートの南には宿舎のような建物があるが、入口はすでに開放状態で中も荒れている。すでに放棄されたのだろうか。他の建物や簡易トイレなども3つほどあり、生活臭がある。それを過ぎると平坦な頂上。
以前は、頂上にも建物があったが、今は撤去された模様で土台しかない。
天気は悪く、温度も上がらず、また頂上も俗化しているのでイマイチ盛り上がらない。ひとりで珈琲をちびちびやって20分ほど過ごす。
頂上から下るとふたつほどコブを越えると1320m圏内の峯。ここを左折する。東の尾根にはいらないように地図読みをしっかりしていく。2〜3のコブを越えると、やがて・1328とのコル。ここからヤブ交じりの岩尾根を急登する。フミアトは基本あるが、岩がぐすぐすだし、手がかりとなる枝も枯れていてはなはだ頼りない。注意を重ねながら息を切らす。ここで楽をしようと左を巻いたところ大して濃くもないヤブにひっかかりここでザックに差したストックを紛失してしまった。痛い!
登りきったところは、・1428から南西に伸びる鶏冠状の尾根の一角であり、休むような場所もない。トサカの上を場合によっては足が置ける幅しかないようなところを慎重に行きながら、やがて・1428.の頂上。ナニもない。・1428から北東に延びる尾根にはいらないように注意しながら、北西へと足を進める。地図で見るよりも細かいこぶがあることと等高線に見る以上に急な斜面だ。尾根が東にぐいと曲がり、それが北に急に屈曲するところ、地形図で1420m圏内と読める場所が鶏冠山。観音山以降、初めての標示物だ。ここでもまだ4割ほどしか来ていない。抜けられるだろうか?と不安になる。休んでも休んだ気がしない。とにかく単独なので、通過地点をマメに登山本部たるカミさんにメールする。ルートは教えてあるから、万が一遭難してもそこの地点以降を探せしてもらえばよいことになるからだ。鶏冠山は頂上のそばまでガレがせまっている。鶏冠山も東に伸びる尾根が誘ってくるので注意が必要。ただし北西にはガレがあて直接下れないので東の尾根に乗っていったん6〜7歩いったあと、トラバース状にくだって北西の方面に足を踏み出すこととなる。すぐ北のコルも急で、右から巻く。さらにいくつかのコブを過ぎると最低コル。ここも急で下れずに、右から巻く。降り着いたコルの正面は今度は、壁となっていて登れそうにない。目の前を見ると右側にトラバースするフミアトがある。しかしこのフミアトを辿るとやがて山抜けとなっていてふみあとは消えた。砂地のような山抜けの底をたどったかすかなフミアトもあるが、本来ではないだろう。そう思い、ふみあとが消えたあたりから、尾根から東に派生している岩の小尾根状、自分が進んできた方向でいうと左上の尾根状を無理やり登った。しかし岩がどんどん崩れて谷底にがらがら落ちていく。これはルートじゃない!ルートはどこなんだ?? ルートは崩れたか? 戻るか?いやいや、もう戻れない。迷ったら戻れの原則どおりコルまで戻ろう。コルまで戻ってよく見ると、先ほど壁のように思えたところにフミアトがある。かなり急だが登って登れなくはないことに気が付いた。注意しながら登ると明瞭なフミアトが現れた。この時点でも無事に抜けられるかまだ不安はおおいにあった。
この難場を過ぎると、しかし急に尾根が優しくなり、ササ帯となった。ササの間に刻まれた明瞭なフミアトをぜーぜー言いながらたどる。
さすがに精神的に疲れて、その次の1470m圏内のコブで大休止。ここも西に伸びる尾根が要注意で実際に入り込んだフミアトがある。特に南下する場合には要注意ポイントだろう。そのあともササが続くがやがて1500mの標高近くになるとそれが消え、素晴らしい原生林の中を行くようになる。どこでも歩いて行ける。まるで先ほどの鋸尾根に耐えたものだけに与えられるご褒美のような気もする。
足が疲れてなかなか前に出ないが、気分は最高だ。少しずつ登ると前熊伏に着いた。ここからは一度来た場所でもあり、また、一般路となっているため精神的にかなり楽だ。静岡二山をつなぐ旅と思って来た以上、熊伏本峰をないがしろにはできないだろう。雪がべっとりついたコブを2つ超えるところで向こうからやってきた青年にあった。「あと少しですよ」という言葉に励まされてついた熊伏山。
雪がたくさん積もっており、寒々しい展望のないピークとなった。
グリーンカレーのラーメンを頬張り、体を温めると青崩峠へと下った。
◆感想
ふたつの静岡百山をつなぐ山旅。
いつも一緒のNJさんが都合が悪く、カミさんにもフラれ、単独となりました。
下調べでは、前半の尾根が痩せており激しい登降を繰り返す危険個所とありました。
ひとりでは危険と思いましたが、思い切って出かけました。
細かいこぶを登り下りする縦走路。
ふみあとはありましたが、ハッキリしない箇所もあってヤブ漕ぎを強いられたり、ぐすぐすの岩角を掴んだり、枯れ木をそっと握ったりとそんな箇所が続きました。
鶏冠山の先のギャップでは、そこに下れずに右側の巻きを強いられた上にその先が壁に思えたので右のふみあとに誘われたのですが、その先は山抜けがあってふみあとが消えている。
仕方なく、尾根にあがる小尾根状を登り始めたらボロボロと岩が落ちていって、こりゃルートじゃない。戻るか?と一瞬、心が折れそうになったりしました。
正解は、そのまま壁のように思えた尾根をそのまま登るで、そのあとは、またふみあとが復活しました。
後半は、その苦労の甲斐あってという感じもした素晴らしいブナの原生林が迎えてくれました。
静岡百山をつなぐ躍動と静寂。
「動」と「静」の世界がそこに広がっていました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ご苦労様でした。
このルートは私の地元でもあり、何回か歩いていますが、読図でも面白いルートでした。
しかし、その後、テープなどの目印がベタベタ張られだしたという話を聞き、足が遠のいていたのですが、junjapaさんのこの記事を拝見し、楽しく読ませていただきました。
また、一人で歩いた時のこと、徒歩で車まで戻る途中の集落で犬達に吠えられたことを思い出します。
それにしても、東京からはるばるこの辺鄙?なこの辺りまできめ細かにあるかれておられ凄いですね。
楽しませていただきありがとうございました。
softbreezeさん、返信が遅くなりすみません。 ありがとうございます。そうなんですね!何回も歩かれている・・・すごい! このルートは、読図も面白いし、前半の鋸尾根もちょっと危険だけれど、歩いていて面白かったなーと今では思っています。テープはところどころにありましたが、そんなにウルサイほどではなかったと思っています。白い杭がずっと立っていたので、それに導かれてという感じでしょうか。観音山だけ、熊伏山だけではもうひとつ興趣に欠けるような気もしますが、この尾根を歩くと重み・充実感が結構違いましたね。観音山はもう一度行きたいとは思いませんが、このルートはもう一度行ってもいいかなと思っています。ありがとうございました。
捻挫をする前に、行くと決めていたコースです。
次回、ダニやらヒルやらが大人しくなった頃を待ちます。
ittaさん、ありがとうございます。そうなんです。「ここ!」なんです。静岡百山にもいろいろな登り方があると思いますが、ここは、こういう歩き方が望ましい! なんて思って行ってきました。楽しかったです。 ただ一人では、何かあった場合にちょっとヤバいかもとは思っています。他の人に迷惑をかけない登り方ということなら、やはり2人〜3人で行くということでしょうね。ありがとうございました。
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