記録ID: 6162956
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波
那須岳「紅葉は終わり静寂のひょうたん池」
2023年11月08日(水) 〜
2023年11月09日(木)


体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 14:39
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,171m
- 下り
- 1,063m
コースタイム
1日目
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 6:24
距離 9.0km
登り 658m
下り 579m
16:15
2日目
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 6:14
距離 5.2km
登り 518m
下り 489m
13:51
天候 | 山行した8日、9日ともに晴れました。 10時頃に入山しましたが、7日未明の前線通過がもたらした風は、昼近くまで残りました。昼頃から風も止まりポカポカ陽気。急激な気象の変化には、驚かされます。 早朝の入山者には引き返した人も少なくなかったようです。(地元登山関係者談) ともかく、10月6日の遭難(4名死亡)が起きてから、わずか一ヶ月しか経っていません。気を引き締めて登り始めました。 このエリヤは特に風に注意しなければいけないようです。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
入山届けは、那須登山指導所(鉛筆、用紙有り)のポストに投函しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
茶臼岳は活火山です。雄壮な景色を楽しみながら、落石や足元の崩壊に気をつけて歩きました。中腹のトラバース路は狭く、すれ違える場所が少なくて小さいため、早めの対応が必要です。前方からの7〜8人のグループに対し、単独の私は僅かに広い所に早めに退避しました。団体どうしのすれ違いは要注意です。 姥ヶ平では豊かな生物相を感じながら、心休まる時間を過ごしました。茶臼岳山麓の紅葉の絶景を楽しめると聞いたひょうたん池。木道が整備され、植生を壊さずにアクセスできました。 姥ヶ平から三斗小屋温泉周辺は笹藪が多く、熊が棲息していても不思議ではありません。私は頻繁に咳払い。女性グループに抜かれた時は、しばらく沈黙しました。熊鈴必携かもしれません。私は念の為、熊スプレーを持参しました。 三斗小屋温泉から隠居倉までは心地良い笹藪の樹林帯。登山道は一部で木の桟橋や蛇籠による保全が図られています。洗堀に対する地元関係者の涙ぐましい努力に、感謝しながら登りました。 隠居倉から熊見曽根、朝日の肩、峠の茶屋跡避難小屋までは稜線歩き。絶景ですが、風が強いときは大変です。急峻な箇所も有り、気を引き締めて歩きました。難しくはありませんが油断は大敵です。 全コースを通じて、指道標が整備、管理されていて、安心して歩けました。救助要請時に伝える地点番号が設定されていて、これを表示した標識も設置されています。 稜線の主要地点には石をモルタルで固めた頑丈な地点表示碑が有ります。どんな強風や大雪でも壊れないでしょう。景観保全のためその高さは抑えてありますが、私には強風時はこれを風除けにしろと言っているように感じました。 |
その他周辺情報 | 帰路の路線バスから見えました。 大丸の日帰り温泉施設の玄関には休業の張り紙が有りました。 残念。三斗小屋温泉・煙草屋で相部屋した登山者によると車移動だと近傍の北温泉も良いらしい。 私が泊まった三斗小屋温泉・煙草屋の温泉は石鹸の使用不可でシャワーも有りません。もちろん、山中の温泉ではこれが当たり前です。自宅までの電車は出張帰りや帰宅のサラリーマンで混んでいます。山行で汗をかいた私、少し小さくなって乗車しました。 |
写真
シラタマノキ。サロメチールの香りがして、その実は「甘く爽やかな味」らしい。ある有名人が子供の頃の故郷の味にあげていました。
葉から抗炎症作用のある「冬緑油」ができるらしい。
「う〜ん」。摘んで匂いを嗅ぎたくなりますが、もちろん我慢します。
葉から抗炎症作用のある「冬緑油」ができるらしい。
「う〜ん」。摘んで匂いを嗅ぎたくなりますが、もちろん我慢します。
明治14年の茶臼岳大噴火で高木が枯れたらしい。変な言い方ですが、噴火のお陰で今の素晴らしい眺望があるんですね。そして何故この景色に感動するのでしょうか。自然の微妙な危うさが、私たちの本能に訴えているのかもしれません。
木道の終点にひょうたん池。
そうです。この構図です。
ひょうたん池からの茶臼岳の眺めです。
美しさと安らぎに加えて、緊張感や脅威を感じます。
手前の木が邪魔だとか、もっと水面に近づきたいとか考えてはいけません。
きっと多くの関係者がカンカンガクガクした答えがコレだと思います。
このまま感謝して味わいました。
そうです。この構図です。
ひょうたん池からの茶臼岳の眺めです。
美しさと安らぎに加えて、緊張感や脅威を感じます。
手前の木が邪魔だとか、もっと水面に近づきたいとか考えてはいけません。
きっと多くの関係者がカンカンガクガクした答えがコレだと思います。
このまま感謝して味わいました。
笹藪の樹林帯。気持ち良く登ってきました。
朝日に照らされた流石山方面の眺め。右に下がった所は大峠方面でしょうか。
私にもう少し体力が有れば、大峠から三本槍岳を周回したかったのですが。最終バスの時刻を気にしての、急ぐ下山には懲りています。
朝日に照らされた流石山方面の眺め。右に下がった所は大峠方面でしょうか。
私にもう少し体力が有れば、大峠から三本槍岳を周回したかったのですが。最終バスの時刻を気にしての、急ぐ下山には懲りています。
黄色い菊の花束。
先月、此処で亡くなった遭難者に手向けたものでしょう。
手を合わせる登山者の姿が有りました。
私もご冥福をお祈りしました。
私たち登山者は、数多くの遭難現場をそれとは知らずに歩いている。それをこの花束が教えてくれました。
先月、此処で亡くなった遭難者に手向けたものでしょう。
手を合わせる登山者の姿が有りました。
私もご冥福をお祈りしました。
私たち登山者は、数多くの遭難現場をそれとは知らずに歩いている。それをこの花束が教えてくれました。
感想
那須岳の紅葉を見たい。ひょうたん池から見た茶臼岳の素晴らしい紅葉の写真が、私の記憶に強く残っていました。
今年こそは。しかし仕事やプライベートと天候の巡り合わせ。結局「那須岳の紅葉」には間に合いませんでした。
寸前の嵐で紅葉は散っていたのです。
考えてみれば、そんなに上手くいくはずも有りません。
入山の時、葉の落ちた樹林に出鼻を挫かれましたが、予定のルートを回りました。
荒々しい茶臼岳、姥ヶ平とひょうたん池の時間が止まってしまったような静けさ、隠居倉、熊見曽根、朝日岳のピークを継なぐ空中散歩。
やっぱり山は素晴らしい。どの山も、どの季節も素晴らしい。紅葉に間に合わず、がっかりしていた自分を恥ずかしく感じました。
そして三斗小屋温泉の家族で力を合わせた接遇と露天風呂から見た天の川は、忘れ難い思い出となりました。
最後に、風による遭難の回避について。山行ルートのどこで撤退、ビバークを判断したらよいのか。稜線を進んでしまってからの風力増大は、非常に怖い。ビバーク可能な箇所も非常に少ない。これをシュミレートしながら歩きました。
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利用交通機関:
車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5
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