景鶴山
- GPS
- 30:51
- 距離
- 49.1km
- 登り
- 2,800m
- 下り
- 2,810m
コースタイム
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 10:21
- 山行
- 9:26
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 10:22
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
去る週末、滑りは楽しめたが、あまり「山」という感じではなかった。下山して里から後立山の稜線を見た時に、「あそこにいたかった」という気持ちがあり(積雪その他の状況により諦めたのであった)、今週は山に入りたいと思っていた。nkzw氏に連絡したところ「あいている」とのことだったので、一緒に行き先を検討した結果、土曜日の強風を避けられる場所として、尾瀬に行くことになった。
3月16日(土)
2時に起きて関越に乗って戸倉へ。この時期、5時歩き出しだと既に明るい。林道はずっと圧雪されていて歩きやすい。ところどころショートカットしながら徐々に高度を上げる。途中で白尾山へ向かうために道を逸れた。山頂までは順調に進むも、最初の滑りは悶絶級の難しい雪で転げた。その後の皿伏山の巻きでもシールに団子が生じてだいぶ苦労させられ、大清水平をシールで横断し、尾瀬沼に出るところのシール滑りではまたもコケた。
当初別の計画もあったが、思いのほか体力を消耗したこともあり、尾瀬沼で計画の修正について話し合う。その結果、荷物をデポして燧ヶ岳に向かい、翌日は景鶴山へ向かうことに。燧ヶ岳へ向かう樹林帯も、比較的新しい雪が残った場所では団子が生じ、スキーが重い。引きずるようにして高度を上げたが、最終的に山頂まで残り標高差250mで、超絶団子により私がギブアップ。下りは超絶モナカやストップもあったが、それはそれでまあ楽しかった。
尾瀬沼の端にテントを張って、飯を食って就寝。#3ハーフの寝袋を逆にかぶって寝たが、19時前〜0時頃までは快眠、その後は1時間起きに目が醒める感じであった。
3月17日(日)
4時起床。テントから顔を出すと星空と尾瀬沼に一点のヘッドライト。その後、5時過ぎまでそこにいたようであったが、いつの間にかいなくなっており、何をしに来たのか謎であった。6時前に荷物をまとめて歩き出す。尾瀬沼を横断し、小沼、治右衛門池、タソガレ田代、マサヨシ沢と渡り、小八木沢を下る。橋?を渡り、尾瀬ヶ原をゆくが、早朝の低温でアイシーな雪面の移動はとてもスムーズ。龍宮小屋の近くに再び荷物をデポし、与作岳へ向かう。
しばらくすると、スキーのトレースが2本。登る尾根は違ったが、1700mあたりで2人組パーティと遭遇し、少し会話した。山頂を経てコルまで滑る。ここで山座同定タイムとなるが、nkzw氏の同定が止まらない。さすがである。一息ついて、ここからまたシールで景鶴山を目指すも、私のシールがふたたび超絶団子に...。最後はツボ足で山頂?を往復した。2人組は来ていなかったので、どうやら行き先が違ったようだった。
曇り空で景鶴の南面はまだ硬かったため、肩から滑降することに。nkzw氏にファーストを譲ったところ、転倒。片板が外れて流れていく。不謹慎ながら、この山行がこの先どうなるのか、内心少しワクワクしたが、板は木に当たって飛び、(残念ながら?)見える範囲で雪面に刺さり止まった。板を回収して再び滑る。局所的にフィルムクラスト化しており、まあまあ楽しめた。
平地の移動をこなしてから、富士見峠へ向けて最後の登りにとりかかる。ここでまた2人組のトレースを見つける。この尾根は中途半端に新しい雪が積もっていたので、先行は団子で大変だったと思われるが、おかげでかなり楽をさせてもらった。ラスト100mくらいのところで休憩していた2人に追いついたので、お礼をして少し会話してから、最後は先行させてもらった。富士見峠からはピステンでならされた林道を移動して下山。標高差のわりに疲労感の残る山行であった。
スノーパーク尾瀬戸倉から、スノーキャットに圧雪された林道を歩き始める。周りの森を見ながら、圧雪された道で高度を上げていくのはあまり気分のいいものではない。白尾山へ向けて道を外れると、ようやく山登りらしくなった。白尾山から見る燧ヶ岳が大きい。尾瀬沼までは雪が重く、ダンゴになり大変。このあたりは、センノ沢を歩いたときに夏に通った。尾瀬沼の標高が高いので2000m級の山々が低く見える。尾瀬沼を渡って、荷物を置いたら燧ヶ岳へ。ダンゴになった雪に悩まされながら途中まで登った。帰りの滑りもかなり大変だった。
翌日は湿原や池を巡りながら尾瀬ヶ原へ。燧ヶ岳を回り込んでいくので色々な姿が見れる。小屋関係だろうか、モービル跡もあった。荷物を置いて、景鶴山へ向かう。稜線からの景色はよく、さすがに奥深さを感じる。尾瀬・南会津・奥利根・越後とこのあたりは本州では一番深く、広大な山域なのは間違い無いと信じているが、人の手も入ってはいる。北は奥只見湖・田子倉湖、R252、R352、西は奥利根湖、南は道や小屋…。それでも平ヶ岳や丸山岳、利根川右岸の稜線は深淵という雰囲気を放っていた。景鶴山からの滑りは板が外れて(開放値が5になっていた)流れたり、転んだりと大変だった。Tomahawkさんがセンター80mm 163cm 950gの板で颯爽と滑っているのを見ると、上手ければ板は関係ないというのがよくわかる。最後の富士見田代までの登りは力尽きて、かなりキツかった。
尾瀬はフィールドとしては非常に美しいが、人の痕跡があちこちに目立ち、原始の雰囲気はまったく無い。東京電力の私有地で、自然保護を謳っているが、人工物だらけだ。車道、林道、登山道、木道、キャットにモービル、小屋……。道が無いこと(要するに簡単に人が入れないこと)が、自然保護に繋がるが、観光地にしたり、経済的な理由などもありできないのだろう。(小屋を潰したり、鳩待峠までの群馬県道260号を無くしたりしてまで自然保護をするつもりはない)
キャットツアーも実施されているようで、富士見峠(1883m)までキャットで圧雪されている。アヤメ平(1968m)へのモービル跡もあった。何が楽しいのだろう。キャットツアーでなくても、アヤメ平に行きたい登山者は、このキャット跡を歩いて向かうのだろうか。それが一番合理的なことも悲しい。ここを歩いても山に入る歓びは欠片も無い。
とはいえ眼の前にある林道や橋を使わないほどストイックにはなれない自分もいる。いろいろ考えながらキャットに圧雪された林道を滑っていると、後ろから数台のモービルに追い抜かされた。排気ガスを嗅ぎながら、今度は前からくるキャットを避けてスキー場へ戻った。自然保護を謳うこのエリアで自然や自由を求めるのは難しいようだ。
コメント
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ロングで悪条件な山スキーこそ物語がありますよね笑
次は原始が味わえそうな西側に行ってみたいと思いました。お疲れ様でした。
南会津、ネコブ、平ヶ岳など、私の好きな山域に最近行かれてて、よもやまさんの視点でどんなところを滑るか楽しみです
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