妙高山・火打山(燕温泉〜高谷池テント泊)


- GPS
- 14:55
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 2,371m
- 下り
- 2,306m
コースタイム
- 山行
- 6:15
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 6:48
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 9:36
・黒沢池ヒュッテ到着が午後3時を過ぎた場合は黒沢池ヒュッテのテント場にするつもりでしたが、結果的には高谷池まで辿りつけたので満足です
・2日目の河原の湯では30分以上お湯に浸かっていました(ぬるかったので…)
天候 | 10/4(日) 霧のち晴れ ・スタートは霧〜妙高山の山頂は強風〜高谷池は穏やか〜夜は星空 10/5(月) 快晴のちくもり ・朝は氷点下の冷え込み〜快晴の火打山〜黒沢池ヒュッテから先は曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※県道39号線は赤倉温泉から燕温泉間が通行止めのため、県道396号線を経由していったん関温泉へ迂回する必要があります。事前に道路情報をご確認ください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・燕温泉登山口〜妙高山は明快な登山道で標識も多かったので、山頂手前の鎖場だけ気をつければ問題なし ・妙高山〜黒沢池ヒュッテは妙高山からの下りが急なので用心、長助池分岐から大倉乗越までは一部崩落した斜面のトラバースがあります ・黒沢池ヒュッテ〜高谷池では茶臼山の前後が滑りやすい土で、登山靴のスリップ痕が多数ありましたので転倒に注意です ・黒沢池ヒュッテ〜三ツ峰分岐では、山と高原地図の表示と現地が違うところがあり(詳細は写真で解説)、三ツ峰分岐から燕新道への下りは傾斜が急なところや滑りやすいところがあり、注意が必要なルートでした。 ・燕新道〜燕温泉は、藪漕ぎするほどではありません笹ヤブが茂っていたり、岩がゴロゴロしていたり、巨岩を乗り越えるルートがあったりして、意外とタフな道でした |
その他周辺情報 | ◯下山後は「河原の湯」に直行(入浴料:寸志) ・着替え用の小屋があるだけのオープンな混浴露天風呂 ・雰囲気は最高! でも湯温が低くてなかなか温まりませんでした… ・入浴客は男性のみでした |
写真
感想
◯ 感想
ソロでのテント泊はデビュー戦の草津・芳ヶ平以来約3年ぶりでしたが、星空・紅葉・山頂からの絶景と三拍子が揃った今年一番の山行になりました。
初日のスタートは8時半、予定通りではありましたが遅めの時間になりました。
この時間から妙高山を越えて行くと、黒沢池ヒュッテのテント場に着くのが午後3時から4時の間、この時期の早い日没を考えるとここがギリギリのところでした。
翌朝の火打山を考えると高谷池ヒュッテまで行っておきたいのですが、黒沢池からはさらに1時間かかる見込み。
そこで「午後3時までに黒沢池ヒュッテに着いた場合は高谷池を目指す」という目標を定め、霧の中の燕温泉をスタートしました。
スタートの時点では小雨でしたが、この日の予報は回復傾向。
妙高山の山頂につく頃には晴れているかな?という希望的観測を持ちながら霧の中を歩いていきます。
舗装されている坂道が続くのですが、これが地味にキツイ。
コース沿いにあるという滝も、音はすれども姿は見えず。
胸突き八丁を越え、高度を上げるに従って青空も現れるようになり、これは良い傾向だなと山頂からの絶景への期待に胸を膨らませながら、天狗堂の分岐の広場で買って来たお握りを頬張りました。
ここから山頂まではコースタイムで2時間、ひたすら登りが続くので、バテる前に腹ごしらえです。
ここまでで30分以上タイムを巻いてきましたが、ここからはペースを上げすぎないように注意し、一定のペースで登り続けます。
やがて山頂前の鎖場に到着。
確かに長い鎖場ではあるのですが、足元にステップが切ってあるぞ。
先々週の妙義山で度胸が付いたようで、案外平気で登ってしまいました。
辿り着いた山頂には、冷たい強風が吹き付けていました。
雲は次々と流れていき、切れ間から覗く青空がとても眩しかった。
周りの人たちの多くは岩陰の風下側に身を隠し、昼食を取っているところでした。
まだ先を目指す私は、写真撮影を済ますと早々に反対側へ下る登山道へ進みます。
ここから長助池の分岐までは、地図にもあるとおりの急坂で、延々と続く下りに案外体力を奪われてしまいました。
大倉乗越までの間には崩落した斜面のトラバースがあり、上からの落石と崩れやすい足元に気が抜けないところもありましたが、そこを超えると緩やかな下りになり、黒沢池ヒュッテに到着しました。
時刻は午後2時半すぎでしたが体力的には結構キテいたので、目の前の茶臼山への登りを見て一瞬気持ちが切れかけました。
いやしかし、コースタイムより1時間早く到着したんだし、明日の行動時間を考えたら行くしかないでしょ!?と自らを奮い立たせ、高谷池を目指して歩き始めました。
茶臼山への登り坂は滑りやすい赤土の道で、無数の登山靴のスリップ痕が付いていました。
転ばないように気を付けて登ると、樹林の中に「茶臼山」の標識がありました。
これでもう登らなくて済むぞ、とホッとしました。
やがて足元は木道になり、登山道の向こう側に黄金色に色づいた高谷池が姿を現しました。
その景色の美しさと無事に目的地に着いたという安堵感。
「着いた〜!」と自然に叫んでいました。
歩いている最中は、日没までにたどり着けるかどうかという不安感から時計をやたらと気にしたり、自分の体力の残りゲージを想像しつつあとどれくらい歩けるか?ということを気にしたり、それがまた久しぶりのソロ山行への不安を煽り自分を追い詰めていたのですが、そこから一気に解放されたこの瞬間のゾクゾクする喜び。
これがソロの喜び、かな。
−・−・−・−・−・−・−・−・−
小屋でテントの受付を済ませ、目の前は池という一等地にテントを張り、水を汲み、ビールを飲み、フライパンでソーセージと牛タンの燻製を焼く。
鍋で湯を沸かし、豚バラ肉と野菜を放り込み、キムチ鍋の素を入れて煮込む。
三本目のビールを飲み干し、締めにトック(韓国の餅)を煮込んで食べる。
空は漆黒になり、寝袋に入りながら頭だけテントの外に出して眺める。
お気に入りの音楽を聴きながら、眠る。
10時過ぎ、寒くて目が覚めた。
持ってきたものを全部着込んで外へ出た。
月のない夜空にまたたく無数の星があった。
あんなに鮮明な天の川は初めて見た。
オリオン座の中にあんあに星があるのも知らなかった。
1年前に買ったカメラで星空撮影に挑んだ。
試行錯誤しながら撮った。
寒くてたまらなかったけど、30分ぐらい粘ったらまあまあのが撮れた。
トイレをすませて、再び寝袋に入った。
少し離れたテントから響いてくる怪獣の叫び声のようなイビキを聞きながら。
翌朝は、すべてが凍っていた。
外に出しておいたお握りも霜で真っ白くなっていた。
雑炊にしてはふはふ言いながら食べた。
火打山へ向かう。
木道は凍っていて転びそうになった。
風のない池塘に写る火打山が美しくて、何枚も何枚もシャッターを切った。
登っている途中で日が昇った。
どっちを見ても雲海だった。
登山道の岩にひとり腰掛け景色を眺めている女性がいた。
「山頂まで行くのも大変だし、もうここで充分だと思って。」
山頂についた。
他には誰もいなかった。
途中で焼山の方から走ってきた人がいて、写真を撮ってすぐに降りていった。
そのうちおばあちゃんがひとりでやってきた。
山頂を独り占めできる権利を譲ることにした。
次々と登ってくる登山客とすれ違いながらテント場に戻ってきた。
とりあえずコーヒーを淹れ、マロンケーキを頬張った。
その後、テントを片付けた。
隣りのソロテントでは一足先に撤収を終えた女子が、
「お先に失礼します」と礼儀正しく言い残して去っていった。
その時に気がついた。
さっき岩に腰掛けていた女性はその人だった。
かも。
その女性に続いて、僕もテント場を後にした。
「また来年くるからね」
−・−・−・−・−・−・−・−・−
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する