SEA TO 白馬岳 栂海新道


- GPS
- 48:18
- 距離
- 53.1km
- 登り
- 5,215m
- 下り
- 3,761m
コースタイム
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 7:50
- 山行
- 11:42
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 12:23
天候 | 1日目 晴れのちガス 2日目 晴れのち雨のちガス 3日目 ガスのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
糸魚川駅から越後ときめき鉄道で親不知駅へ。 親不知駅からは約4kmの国道歩きです。 復路は蓮華温泉からバスで糸魚川駅へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
栂海新道含め全てのルート上の整備は行き届いています。また8/14時点では栂海新道上の水場は全て潤沢に出ていました。 |
その他周辺情報 | 親不知駅は無人駅で駅には年季の入ったトイレがあるのみ。周辺にコンビニもありません。 また親不知観光ホテルまでの国道歩きはホテル手前に急カーブが連続する隧道があり、対向車からは死角になる箇所があります。徒歩の際は注意が必要です。 |
予約できる山小屋 |
蓮華温泉ロッジ
|
写真
感想
行きたい行きたいと前々から思っていた栂海新道に行って来た。行くなら絶対に海からが良い!と常々思っていたが、ついに実現する事が出来た。
アクセスについて色々調べたが栂海新道登山口に車を停めると後の回収が大変そう…
色々思案した結果、公共交通機関を使って周回する事に決定。新幹線→在来線へと乗り継ぎいざ、親不知駅へ。誰か別の登山者がいたらずっと一緒に行く事になるなぁと少しだけ心配したけど全くの杞憂で自分1人以外誰も降りる事はなかった。
味のある駅でここから登山口まで先ずはロードを4km程歩く。海が近く潮の匂いを感じながら歩くがとにかく蒸し暑い。日向は既に暑くて歩けない位だ。
途中までは歩道もあり車道も広いので思ったより歩きやすかった。が、登山口まで残り1km手前。親不知記念広場なるものがあり、ここから登り坂の急なカーブが連続する。ここからは歩道がほぼ皆無となり見通しが悪くかなり危ない。行き交う車はまさかこんな所に人が歩いていると思わないだろうからビュンビュンスピードを出している。車両が途切れる時を見計らってダッシュするというのを繰り返して進む。そうこうしている内になんとか親不知観光ホテルに到着。暑さと車道歩きのせいで既に顔は汗だくだった。
ここから海岸まで降りる階段があり海に出た。ネット上でよく見る風景だ。ここが標高0mの地点。海にタッチしてここからいよいよスタートだ。再び階段を登り返す。道路を渡って栂海新道の看板が出て来た。上高地まで約10日という看板もありここが北アルプスの末端なんだなぁという事を思わせる。序盤は急坂が連続。標高が無いので暑いには暑いが樹林帯が日陰になるので車道を歩くよりはよっぽどマシだった。
二本松峠を経て最初のピークは尻高山。標高は677程だがコースタイムは4時間。序盤から栂海新道のアップダウンの多さを物語っている。尻高山を過ぎ坂田峠で一回車道へ。そこから少し登ると待望のシキ割の水場だ。栂海岳友会さんが運営しているHPに全ての水場が復活したとの情報があり事前に確認する事が出来たので大変ありがたかった。冷たい水がじゃぶじゃぶ出ておりここでクールダウンしてリフレッシュする事が出来た。ここから更に標高を上げると白鳥小屋だ。
小屋の裏手には垂直の梯子がありこれを登るとテラスがある。ここから日本海方面がとてもよく見えた。登って来たなぁという実感がやっと出て来た。目指す栂海山荘方面はガスに巻かれている。ここから更にアップダウンの連続で中々標高が上がらない。黄蓮の水場で再びリフレッシュをし水を3リットル担ぎ上げてようやく15時過ぎに栂海山荘に到着した。既に3張程テントがあり小屋の前では何名か談笑していた。テント場は結構広く平で張りやすかった。今回導入したストックシェルターを初めて試す。2箇所両端をペグダウンしてストック2本を中でポール代わりに立てるだけ。これだけで設営出来る。初めてでも5分程で設営出来た。慣れれば1分で出来るらしい。寝るスペースを確保するだけとはいえこれはかなり使い勝手が良いと感じた。
栂海山荘は真っ白なガスに覆われていたが夕刻、日本海側が晴れて来た。散歩がてら写真を撮りに行くとテントの女性と小屋泊の男性がおりそこでしばし談笑。ここまで来る人はみなさん中々の経験を積んだ方々でお話を聞くのが楽しかった。明日は早いので早々にシェルターに潜り込んだ。風が強くシェルターが揺れて中々眠れなかった。ウトウトしながら0時位に外を覗くと月明かりの元に星空が広がっていた。今日も良い日になりそうだと期待を胸に朝食を済ませて出発。すぐに犬ヶ岳に到着した。日本海側のキラキラした街並みがとても綺麗だ。北俣の水場にも寄り、その後のサワガニ山、黒岩山とアップダウンが続く。月明かりの元、黒岩平を歩きアヤメ平に差し掛かると辺りが明るくなってきた。木道の脇に池塘が広がり北アルプスの北端らしさが出て来る。長栂山付近でいよいよご来光。目の前には朝日岳。そして北信の山々も見え、ここが地元からそう遠くない事を思わせる。照葉の池と呼ばれる辺りに来ると目指す白馬岳がはっきり見えた。
ここは天国か。
そして吹上のコルへ。何名か栂海新道方面へ行く方々にエールを送りいよいよ朝日岳へ。アルプスの一座目を海から来る事が出来て嬉しかった。
朝日岳からは白馬連峰、剱岳からなる毛勝三山や僧ヶ岳方面の北方稜線までくっきり見えここが富山県なんだと思わせる風景だ。
次に目指すは雪倉岳。大きく降り大きく登り返すこの雪倉岳の大きさに感服しつつ雪倉山頂へ。ここまで来ると白馬岳がとても近い。少し降り三国境まで再び登り返し最後の登りを経て白馬岳に到着。
正真正銘標高0mの海からここまでやってこれた。
この日の工程はここまで約11時間。心地よい疲れと達成感があった。
少し降って村営宿舎のキャンプ指定地で再びシェルターを張った。16時頃から土砂降りの雨に見舞われて中は完全に水没。シュラフもびしょびしょになってしまった。濡れたシュラフにくるまりウトウトしつつもほぼ眠れなかった。白湯を飲んで身体を温めながらボーッとしていた。
翌朝3時前には出発し再び白馬岳。ガスガスの中三国境まで来るとガスが晴れて来た。小蓮華山の辺りでご来光。今日も良い日になりそう。すれ違う方々は皆良い表情をしていた。
白馬大池では綿毛になったチングルマが朝露に濡れとてもキラキラしていた。郷は暑くても季節は確実に進んでいる事を感じる事が出来た。
蓮華温泉まで降り無事ゴール。
蓮華温泉には白馬連峰のマップがあり今回の道程を地図上で追う。海からここまで歩いて来れたんだなぁと再び達成感と満足感に包まれた。
北アルプスの北端は嫋やかでとても大きく、そしてとても優しい山塊である事を肌で感じる事が出来た、そんな短い夏休みだった。
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