記録ID: 857697
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
日程 | 2016年04月29日(金) ~ 2016年04月30日(土) |
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メンバー | |
天候 | 1日目:五分〜十分おきに天気が変わる(曇り、粉雪、晴れ間など) 2日目:午前中は晴れ!(午後から徐々に吹雪がはじまったらしい) |
アクセス |
利用交通機関
新穂高ロープウェイに近い、24時間対応の有料駐車場に停めて車中泊(2時間の仮眠)しました。登山口に近いのは安心しますが、ちょっとお高いですね。下山後の清算で3500円。
車・バイク
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地図/標高グラフ


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コースタイム [注]
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
1日目の飛騨沢を登る際には、数え切れないぐらいの小休止もはさんでいます。ルートを逸れて復帰したことも含めて、時間をくっています。
コース状況/ 危険箇所等 | ●右俣林道 凍結なし。この日は寒気が来ましたが、この区間では降っても霙雨ぐらいでした。 ●白出沢出合〜滝谷避難小屋 登り始めは無雪ですが、避難小屋が近づくにつれ日陰に雪が残ります。凍結がいちばん多いのもこの区間。土、雪、氷が順不同であらわれますが、アイゼン無しで粘りました。 ●滝谷避難小屋〜槍平小屋 このあたりから本格的に積雪で安定してきます。槍平でアイゼンを装着。 何度かガリガリ君状態の雪崩跡をトラバースします。 槍平で先行者一名と遭遇。ここまでトレースを付けて頂きましたが、そこからは中崎尾根に進んでビバークするとのことでした。後続の登山者は、ここ槍平キャンプ場で一泊目だったでしょうか。 ●槍平小屋〜飛騨乗越(飛騨沢ルート) 小屋の直後に、川の渡渉があるので気をつけながらジャンプ。 その先は、長いことで悪名高い飛騨沢の登りです。歩いても、歩いても、・・・ゴールが見えないまま体力を失い、ダメージを負っていきます。 また、沢筋を粘って進んでいくだけとはいえ、視界不良だと効率的なルート取りが難しく思いました。何度も方角を見誤り、逸れて行っては復帰し、復帰しては逸れていってしまいました。 道迷いまではいかなくとも、体力的にヘロヘロになっていきます。 上部は、山荘のスタッフさんが旗竿を立ててくれています。 一区間上げては休み、また休みの連続です。 長大な急斜面でもあるので、ピッケルでいつでも滑落停止できるようにした方がよいです。 雪質はザラメ、またはその上に新雪がサラサラと乗っている状態でした。クラストは最上部でわずかにあるぐらい。太陽が照らす時間になると、全体的に溶けていきます。 ●飛騨乗越〜槍ヶ岳山荘 旗竿に従って、ラストスパートです。(が、ヘロヘロでゆっくり登ることしかできませんでした) 特に危険はありませんが、クラストがないかは気にして進みましょう。 ●槍ヶ岳山頂アタック(30日の朝6時〜8時頃、天気は晴れ、やや強風での状況) よく研いだアイゼン、ある程度は打撃力のあるピッケル、義務化されているヘルメット(山荘貸し出しも有り)、よくフィットしたグローブで挑みます。ザックはデポ。 暖冬ではありましたが、最近の降雪がしっかり付いて残っています。 この朝はクラストは目立たなかったですが、難易度は決して低い方ではなかったかと思われます。 岩が突起している箇所は、しっかりホールドして三点支持で。ロッククライミングの要素を交えながら登っていきます。ただし、つかんだ石がぐらついたことが二回ありました。要注意です。 雪渓(雪壁)の急斜面が短い区間ながらもあって、ここが特に下りの際にはいちばんの難所です。 岩・鎖・梯子がないので、アックスとアイゼン爪先が安定して刺さっているかを確かめながら、慎重に高度を下げていきました。 このあたりの経験やイメージトレーニングができない人は、危険なので無理に踏みこまない方がよいのではないでしょうか。 |
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その他周辺情報 | 温泉は選び放題の奥飛騨エリアですが、話のネタにと思って「新穂高の湯」を試してみました。寸志200円ほどの野ざらし露天風呂。外から丸見えなのが苦笑です。お湯はぬるいです。 |
過去天気図(気象庁) |
2016年04月の天気図 [pdf] |
装備
備考 | 上だけハードシェルでした。下はfinetrack社のストームゴージュアルパインパンツ。 |
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写真
夕食前の二杯目です。
その日の宿泊者数は意外なほど少なくて20名もいなかったかと。天気予報が不安をあおったか、GW初日だけでここまで高度を上げる人が少ないのか。話をすると、ちょっと変わった、面白い人達ばかりでした!
感想/記録
by sprout
一泊二日で、残雪期の新穂高ルート。
約2000mを一日で上げるのは、体力的にけっして簡単ではありませんでした。
また、今年の穂先アタックのコンディションは、おそらく難しい方でした。
記録的暖冬で一度は消えるかと思われた積雪が、最近の降雪で復活したのでした。
私が登頂した二時間後には、滑落(遭難未遂)の騒ぎもあったらしいです。
ベテランと見受けられる女性も、途中でヘルメットが脱落したこともあり、雪田の手前でリタイアされていました。
(一方そのころ、奥穂高をはじめとして各山域で記録的なGW遭難が目撃されはじめるのでした。)
槍ヶ岳。安易に挑むべき山ではないということを、ここではっきりと申し伝えておきます。
しかしながら、青空に囲まれ、その山頂を独り占めすることは素晴らしい体験です。
そのこともまた、強調しておきます。
同じような好条件に恵まれた際には、こんどは奥穂高岳に行きたいと願っています。おそらく私にとっては、この槍や奥穂ぐらいがGW期の限界なのかな?と直観的には思います。
今回の山行は、残雪期の素晴らしい面も恐ろしい面も、それぞれ捉えるための良い機会を与えられたと感謝します。
基本は、ゆるふわ。時々、挑戦。
そんな感じで山の世界をあじわっていきたいと願います。
約2000mを一日で上げるのは、体力的にけっして簡単ではありませんでした。
また、今年の穂先アタックのコンディションは、おそらく難しい方でした。
記録的暖冬で一度は消えるかと思われた積雪が、最近の降雪で復活したのでした。
私が登頂した二時間後には、滑落(遭難未遂)の騒ぎもあったらしいです。
ベテランと見受けられる女性も、途中でヘルメットが脱落したこともあり、雪田の手前でリタイアされていました。
(一方そのころ、奥穂高をはじめとして各山域で記録的なGW遭難が目撃されはじめるのでした。)
槍ヶ岳。安易に挑むべき山ではないということを、ここではっきりと申し伝えておきます。
しかしながら、青空に囲まれ、その山頂を独り占めすることは素晴らしい体験です。
そのこともまた、強調しておきます。
同じような好条件に恵まれた際には、こんどは奥穂高岳に行きたいと願っています。おそらく私にとっては、この槍や奥穂ぐらいがGW期の限界なのかな?と直観的には思います。
今回の山行は、残雪期の素晴らしい面も恐ろしい面も、それぞれ捉えるための良い機会を与えられたと感謝します。
基本は、ゆるふわ。時々、挑戦。
そんな感じで山の世界をあじわっていきたいと願います。
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この記録へのコメント
投稿数: 156
なかなかアグレッシブな
山行お疲れ様でした。
あの日は宿泊者が少なく、
みんなで色々話して楽しかったですね。
帰路の渋滞も大変だった事を想像しますが、無事でなによりです。
投稿数: 36
結局あの後、強風〜吹雪の予報のなか蝶ヶ岳とその先へと進んだのですね。
BCの機動力はすごいですね。
私は比較的順調に登頂および下山できたのだと思います。
新穂高に下山した瞬間に、雨がぽつぽつし始めたという幸運なタイミングでした。
・・・今期GWは異様なほどに遭難の知らせを聞くことになりましたね。
雪山について、いろいろと考えを巡らせ、思いを改めさせられる山行となりました。
お互いに、無事に楽しめたことを感謝するしかないですね!