北八ヶ岳(ほんの一部)の魅力にふれつつ、南八ヶ岳の宿題を
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,046m
- 下り
- 2,409m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:30
天候 | 曇り~雨~一瞬晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な所はありません、あえて言うなら阿弥陀の登りが少し気を使いました |
その他周辺情報 | 茅野駅の周辺にはあまりお店がありませんでした。コンビニも東口に一軒あるようですが24時間ではありません。駅の売店も7時からだったので、必要なものは事前に揃えていきましょう(当たり前か)高速を降りて国道沿いにはあったかな? |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
今まで八ヶ岳には何度か足を運んでいますが、幼少の頃の親子登山の赤岳に始まって去年の権現岳・編笠山まで、一度も北八ヶ岳地域には行かずじまいでした。
先日、串田孫一先生他編集の「日本の名山○12 八ヶ岳」を読み古今の八ヶ岳に関する随筆の数々を通してかの山域の魅力と、また南八ヶ岳とは趣の異なる北八ヶ岳の素晴らしさに触れ、これは早急にまずは足を運んでおかなければと思い立ちました。
しかしながら、なかなか長期の休みも取れず、取りあえずは一泊二日で行けるコースでまずは様子を見よう……。ということで、ぎりぎり北八ヶ岳に属するという天狗岳と、南八ヶ岳の主要な山で唯一未踏であった阿弥陀岳を結び、ついでに以前行った際にはガスで何も見えなかった硫黄岳で爆裂火口を見て、更にできれば幼少の頃のおぼろげな記憶の中にあった赤岳にも・・と詰め込み気味の行程で行く形となりました。
前日の仕事が夕方に終わった後に自宅から高速を飛ばし、夜の10時くらいには茅野駅周辺に到着してゆっくり車中泊・・・と思っていたのですが、早朝からの勤務の疲れが出たのか、中央道を走り始めて談合坂を過ぎるあたりで既に猛烈な眠気が襲ってきたために仕方ないので結局2回ほど休憩、仮眠をとって茅野駅に到着したのはもう日付が変わる頃でした。翌朝のバスは朝7時のものを逃すとその後の行程に多分に影響して参りますので早々とパーキングに入れて就寝することにしたのですが、道中の2回の仮眠の影響(当たり前)か、今度はまるで寝付けず、結局3時間ほどの睡眠で起きだしてバスで渋温泉に向かいました。(なお、茅野駅の周辺のパーキングはネットで調べたところでは市営のものしかなく料金が少々お高いので、現地で適当なものがなければ1キロほど離れた運動公園の駐車場を考えておったのですが、あっさり駅の近くに手ごろなコインパーキングが見つかったのでそこは幸運でした。)
茅野駅からバスにゆられて小一時間、硫黄の香りただよう奥蓼科温泉郷、渋の湯に到着しました。ちなみに、山行の3〜4日前には天気予報は良かったのに、前日になっていきなり予報が悪くなるという幸先の悪い状況でしたが、この時点ではまだ青空も見えて、もしかしたらという淡い期待を抱いて登り始めます。が、そうはうまくいきません。気温は涼しくて歩きやすかったのですが、黒百合ヒュッテにさしかかる辺りでは風も出てきて、空からぽつぽつと来たような来ないようなという感じで東天狗岳の頂上の手前頃でついに降ってきやがりました。本来の予定では、東天狗に荷物をデポして西天狗に往復しようと思っていたのですが、自分に対しては常に甘々な私は、雨と風が結構横殴りに近くなったこと(本当)とまだ先が長いことを言い訳にあっさりと西天狗をスルーすることを決定し、風雨のなかに気丈にも頂上でカップめん等食べておられる方々を横目にいそいそと硫黄岳に向けて歩を進めました。
さて、根石岳を越えて蓑冠山で道は夏沢峠を経由して硫黄岳方面と、オーレン小屋に降りる道に分岐しています。この頃には既に雨はほぼ本降りとなり、樹林帯の中なので風はありませんが、ランチもまだろくに取っていない状況で、ここからどうせまたガスガスの硫黄に登るのか・・・とまた弱気な自分が顔を出します。見たかった爆裂火口は天狗からの下りで何となく見れたし、もともと宿泊地は赤岳鉱泉か、もしくは「状況によっては」オーレン小屋を考えていたので、かなりオーレン方面に傾いたのですが、翌日の阿弥陀のことを考えると今日は赤岳鉱泉まで行かないと時間的に厳しいこともあり、先ほどの天狗で既に1回負けているので、よくわからないやる気が出てきて結局、硫黄岳経由で赤岳鉱泉まで行くことにしました。ちなみに夏沢峠までCTでは20分と書いてあったのですが下りにも関わらず30分近くかかり、非常に悶々としながら硫黄岳への登りに取り掛かりました。途中、楽しそうに会話しながら降りてくる外国の登山者の方々を横目に見つつ、今日の最後の登りだからと自分に言い聞かせながら一歩一歩登ります。景色は相変わらずガスガスでしたが、雨は少し小降りになってきたのは幸いでした。ようやく、以前横岳の方向から登った時に見たようなケルンが見えてきました。視界の悪いガスの中、頂きへの目印として心強く感じつつ、次から次へ見えるケルンになんであと頂上までいくつとか書いてないのか等とぼやきつつ、ようやく到着した硫黄岳頂上の景色は3年前と同様にガスと風雨の中で展望はありませんでした。そうなるともう長居しても仕方ありませんので行動食を軽くとって早々に赤岳鉱泉へと下ります。この頃が一番風雨が強くなっておりましたが、無心で、すべって転ばないことだけ注意して歩き続けます。
さすがに赤岩の頭を過ぎて樹林帯の中に入りますと雨もそれほど気にならず、ようやっと本日の宿泊地、赤岳鉱泉に到着しました。テントの受付をする際に、雨に濡れたシェルなど乾かすために乾燥室を使えないかと聞いてみましたが、小屋泊の方しか使えないとのことで残念でした。せっかく鉱泉ですので山で入浴ができるならと思っていたのですが、テントを張って食事をすませて横になっていたら得意の夕寝をしてしまい、目覚めたらすでに夜の10時だったのであっさり諦めてしまいました。外は雨が降っております。せめて朝には上がっていることを願ってまた眠りに落ちました。
翌朝は4時頃にアラームを仕掛けて目が覚めましたが、下界と同様に二度寝をやらかし、5時に起きて朝食をとります。時間的には6時に出発するつもりでしたが何だかんだと雨に濡れたテント類の片付けに時間がかかり、結局6時半の出発です。幸いガスっぽいものの雨は上がっており、小一時間で中山乗越を経て行者小屋に到着しました。途中、噂には聞いていましたが某アウトドアメーカーの象印が延々と付けられた階段があり、登りで下を見てひいひい登っていると常に目に入るので少し辟易しました。
さて、行者小屋では予定通り荷物をデポして身軽になって赤岳と阿弥陀岳に向かいます。当初、有料でも小屋で預かってもらえるかと思い聞いてみたところ、預かりはしていないが自己責任で皆さん置いていってます…との事でしたので、そんなものかと思い、ありがたく軒下のスペースにデポさせて頂きました。
すっかり身軽になったので、CTを軽く切ってサクサクと登って行けるかと思ったのですが文三郎尾根が意外に急登でなかなかペースが上がりません。上に行くにつれてガスも風も強くなり、最後の岩場の辺りでは、このままのペースでは阿弥陀に行けるのか不安になってきました。というのも、この日は平日なので美濃戸口から茅野駅に帰る最終バスが14時台と早かったのです。元々、赤岳については、はるか昔ですが行ったことがあるので何なら未踏の阿弥陀のみにするという、またもや「状況によって」のお手軽オプションを考えていたのですが、行者小屋を出てすぐの分岐で見通しを甘く見て標高の高い赤岳を先にしたほうが後々が楽なんではないかと判断してここまで来てしまっています。後悔先に立たずですが、とにかくまずは登るしかありませんので、歩を進め、赤岳山頂に到着しました。はるか昔、多分30年位前ですが記憶の中にある赤岳とあまり変わりはありませんでした。何せ展望はあの時も今もゼロなんですから。ちなみに、あの時、幼い自分がとても驚いたのは、このとにかく高いところにある赤岳頂上山荘に緑の公衆電話があったことでした。さすがに現在のケータイ全盛の時代には公衆電話は見当たりませんでしたが、山荘の中で少し休みながら、そんな事を思い出していました。
さて、感傷に浸るのも束の間、時間がないことを思い出しました。もう一度、所要時間と見込みを検討し、とにかくこれ以上遅れなければ何とかバスに間に合うはず…と思い、山荘を後にします。山頂直下の岩場を多少転がり気味に降りていきます。こう言うときは空荷がものを言います。赤岳を下り、中間地点の鞍部に立って中岳を見上げるとなぜかやたら高い小山のように(当たり前ですが)そびえて見え、一瞬怯みましたが、登ってみるとそれほどでもありませんでした。
最後の阿弥陀の登りは、上がガスで全く見えなかったのが逆に先入観を捨てさせ、とにかく頑張って登ることに専念出来ました…が、はしごや鎖のある岩場が連続し気を使う所でした。そして途中で急に陽が指してきて気温が上がったのを感じ、ふと振り返ると、今までガスでなにも見えなかったのが急に晴れてきて、やけに大きな赤岳が目に飛び込んできました。…しばし足を止めて見いってしまいました、まだ阿弥陀の頂上ではないのに。その時、なぜか頭のなかに浮かんだ言葉は「グレートジャーニー…」でした。でも、最後の最後の大展望で何か救われ、吹っ切れた気がしました。もうバスに間に合わなくてもいいじゃないかなんて…。そして、阿弥陀山頂に立つと、全方位にほとんど雲はなく、まさに南八ヶ岳の大展望台の名の通り、全ての峰々が眼前に広がっておりました。
さて、一通り展望を楽しみますと、徐々に我に返ってきます。さっきの賢者モードはどこへやら、バスに間に合わないと言うことはタクシー…?いくらかかるんや?等と現実的な事が頭を駆け巡り、とにかく急いで頑張るだけやってみようと言うことに相成りました。阿弥陀から中岳のコルまではなかなか早く降りられませんでしたが、その先は意外に普通の山道で文三郎尾根とは天地の差です。走れるところは走って、自分としてはなかなかの早さで行者小屋に戻った時には、あとは美濃戸口までCT通りで行けば十分バスに間に合う時間でした…。
しかしながら、その後、ほぼ緩い下り道とはいえ、荷物を改めて担いで歩き出すと
昨日からの疲れと先程までのブーストモードの反動が如実に出て参りましたが、何とか凌いで、ようやく辿り着いた美濃戸口バス停前の八ヶ岳山荘では、あまりの解放感で炭酸飲料を3本も飲んでしまい、お腹たぷたぷのまま、茅野までバスで爆睡しました。
後日談というか、このレコを書いている最中にふと思い出したのは、北八ヶ岳には一度も行ったことがないと思っていましたが、もう10年ほど前でしょうか、父親がまだ健在の頃、最後の家族全員の旅行として長野、山梨方面に行った時に北八ヶ岳ロープウェイで坪庭へ上がり、その流れでスニーカーで北横岳に登った事があったのでした。あの時はまだヘビースモーカーで、坪庭に降りた際に何となく息苦しくなり、今改めて見るとたかだか1時間ほどの登りの北横岳で歳の割に異様に疲れた為、愕然としたことが煙草を止めようと決心した理由の一つでした。
今回、またしても南の方にインパクトを持っていかれ、肝心の北八ヶ岳地域の魅力には軽く触れた程度に終わってしまいましたが、次回は家族の思い出の地を含めて北八ヶ岳メインで訪れてみたいと決意を新たにしたのでした。
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以上、駄文に最後までお付き合いいただき、有難うございました。
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