オートルート(Haute Route)・氷河を歩いてシャモニーからツェルマットまで


- GPS
- 42:30
- 距離
- 77.8km
- 登り
- 13,664m
- 下り
- 14,773m
コースタイム
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 9:39
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 6:23
- 山行
- 6:48
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 7:22
- 山行
- 9:01
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 9:02
天候 | 1日目: 快晴 2日目: 晴れのち曇(小屋に到着後に雨) 3日目: 曇のち雨のち晴 4日目: 曇のち雪 5日目: 曇ときどき雪 6日目: 曇のち晴 7日目: 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
前日はアラリンホルンに登頂し、その後シャモニーへバスと電車で移動しました。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-917216.html シャモニー → モンロック(Montroc)のSNCF駅: 電車(モンブラン・エクスプレス)で約25分。なおバス(2番)の方が電車より安いです。 モンロック → ル・トゥール(Le Tour)のリフト駅: ガイドが運転する車に便乗 ル・トゥール→レゾータンヌ: 時間短縮のためリフト利用(ツアー代に含まれる) 【帰り】 ツェルマット → ル・トゥール: ツアー会社が手配したタクシーで移動(ツアー代には含まれない) ル・トゥール → シャモニー: ガイドが運転する車に便乗 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【レゾータンヌ→アルベール1世小屋】ほとんどハイキングコースです。一部鎖場があります。小屋の手前に割と急な雪渓がありますが、ステップが切られていてアイゼンなしで登れました。 【アルベール1世小屋→シャンペ】 スイス・フランス国境のコル・スペリウール・デュ・トゥールまでは、雪渓登りと岩場の登攀になります。雪渓はロープでアンザイレンして登り、岩場はアイゼンを装着したまま登ります(ガイドによる確保あり)。今回のルートで、ミックスの登攀はここだけでした。スイス側に大きな難所はありませんが氷河歩きとなるので、ガイドとはアンザイレンしたまま歩きます。オルニー小屋付近でロープとアイゼンを外しました。下りのリフトがあるラ・ブレーヤまでは最初はガレ場、途中からは普通の登山道を歩きます。 【モーヴォワザン湖→シャンリオン小屋】 宿泊場所のシャンペからモーヴォワザン湖まではツアー会社が手配したタクシーで移動します。モーヴォワザン湖からシャンリオン小屋は一般的な登山道歩きです。途中から雨が降ってきましたが影響はなし。雪渓が数ヶ所ありますがアイゼンは不要でした。小屋に着いたら雨は止みました。 【シャンリオン小屋→ヴィニェット小屋】 シャンリオン小屋からしばらくは前日同様の登山道歩きですがオテマ氷河に近づくと明確な道がないガレ場登りになります。オテマ氷河に入ってからはアイゼンを装着しアンザイレンで歩行。夜間、10cm程度の降雪あり。 【ヴィニェット小屋→ベルトール小屋】 ツアーの計画ではモン・コロンを取り巻く3つの氷河(コロン氷河、高いアローラ氷河、アローラ氷河)を大縦走する予定でしたが、降雪のためエスケープルートに変更。 エスケープルートと言っても、ヴィニェット小屋からエラン谷を1000m下って一度アローラの村外れまで出て、谷の反対側にあるベルトール小屋まで1200m登り返すというかなりキツいルートです。標高2500m付近までは積雪がありました。 またベルトール小屋の直下は雪が深い急坂で、2日ぶりの難所でした。ベルトール小屋に入るにはアイゼンを外してから長い梯子を登らないといけないのですが、アイゼンを外す場所を確保するのにも苦労するほどでした。 夜、前日と同程度の積雪あり。 【ベルトール小屋→シェーンビール小屋】 まずベルトール小屋の外へ出るのにまた一苦労。また長い梯子を降りるとすぐに急坂で、しかも新雪。ピッケルで支点を確保してからアイゼンを装着、次にアンザイレンして氷河に出ます。そのままモン・ミネ氷河を登ってテート・ブランシュに登頂し、シュトッキ氷河を下ってシェーンビール小屋へ降ります。途中から氷河の脇にあるモレーンでできた小さな稜線を歩きます。またシェーンビール小屋の手前には急峻な岩場があります。固定ロープもあるのですが長さが十分ではなく、ガイドがロープを出しロワーダウンしました。 【シェーンビール小屋→ツェルマット】 ごく普通の登山道です。残雪もありません。長野県のグレーディングでBくらいでしょう。 |
その他周辺情報 | ツェルマットへ下山後はシャモニーへ戻り、モンブランに登りました。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-921677.html |
写真
装備
個人装備 |
スカーフ
バラクラバまたは毛糸の帽子
日陽け帽子
防寒インナー
長袖シャツ
防寒用の上着またはダウンジャケット
雨具
長ズボン
靴下×2(登山用&小屋用)
スパッツ
二重手袋
トイレットペーパー
歯磨き
防水スタッフバッグ
ヘッドランプ
シュラフ用インナーシーツ
水筒(1.5L以上)
ポケットナイフ
日焼け止め
リップクリーム
常備薬
非常用アルミシート
貴重品入れ
ザック(50〜60L)
ピッケル
カテゴリC2以上のアイゼン
カテゴリB2以上の登山靴
ストック
昼食
|
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備考 | 装備リストはツアー会社に指示されたもので、全て持って行った訳ではありません。 例えば防水スタッフバッグの代わりに45Lのゴミ袋を使いました。 またシュラフ用インナーシーツは持ち合わせがなく、現地で買う時間もなかったのですが、たまたま持っていたモンベルの撥水加工シュラフカバーが丁度よいサイズだったので代用しました(インナーシーツが必要なのは、山小屋の布団にシーツが用意されていなかったり、シーツが別料金だったりするためです)。 ハーネスと安全環付カラビナは日本から持って行ってはいたのですが、ツアー会社が用意してくれたのでシャモニーに置いて行きました。 アイゼンと登山靴にカテゴリがあるのは知らなかったのですが、手持ちの物(Petzl Vasak Flexlock + La Sportiva Trango S EVO GTX)で十分だと判断しました。後で調べたらWikipediaに説明がありました。 https://en.wikipedia.org/wiki/Crampons#Grades 食料については、朝夕は山小屋の食事。昼食についてはシャンペの商店で購入可という情報をツアー会社からもらっていたので、3日分をシャモニーから持って行き、シャンペで3日分を追加しました。 |
感想
オートルートは決まったコースがある訳ではなく、アルプスの麓の村々をトレッキングで渡り歩くコースや、春に山スキーで登下降を繰り返すコースなどがあります。
しかし私が狙っていたのは、夏に氷河を歩いて渡るコース。
しかしシャモニーのガイド協会のツアーは私の休みと日程が合わず、かと言って1人で行くのはリスクが高すぎ…でほとんど諦めていたのですが。
フランクフルト空港で乗り継ぎ間ちの間、空港の無料Wi-Fiで何となく検索してみたら、「Glacier Treck Haute Route - Deputure Garanteed」な7日間のツアーを催行するフランスの会社を発見。しかもシャモニーガイド協会のツアーよりも安い!
でも出発まで時間がありません。とりあえず問い合わせのメールを出して、乗り継ぎのジュネーブ行きの飛行機に乗ります。ダウンロードしておいた日程表(英語)を機内で何度も確認して、自分の技量で十分行けることを確認。
ジュネーブ空港に着いてまた無料Wi-Fiをつかまえると、「参加OKだから、今すぐに全額払って下さい」と回答のメールが来ていました。
その後の山行の予定を全て変更して、空港で支払いの手続を済ませ、シャモニーでツアー中に不要な荷物(テント等)を預けられる場所を探して、、と、何とか全て手配して無事にツアーに参加できました。
ツアーの参加者は私以外はほとんど英語を話せず、7日間ずっとフランス語ばかりしゃべっていました。というか、シェーンビール小屋以外の小屋では他の宿泊者もほとんどフランス語話者ばかり。baudrier(ハーネス), corde(ザイル), piolet(ピッケル)などの山用語は日本を出発する前に用語集を作って勉強しておいたので、私の怪しいフランス語でも何とか会話を成立させられました。ガイドも他の参加者も皆、本当に親切でいい人ばかりでした。
氷河版オートルートは日本ではほとんど知られていないと思いますが、とても素晴らしいルートだと思います。ツール・デュ・モンブランやハイキング版オートルートのような面白みが少ない(がリスクも少ない)ロングハイクに飽き足らない、でもマッターホルンのようなピークハントはあまり興味がない、という人にきっと向いています。
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