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本書を読むと、戦前・戦後の物資の乏しいころの登山用具(タイトルのテント以外についても)などを知ることができる。一方、あくまで山の楽しみ方に独特な手法を編み出してきた著者ならではの楽しい山岳賛歌であって、時代背景に少し気を配れば、気楽に読むことができる。たとえば、最初の一編「山頂の石」では、山頂でその山に似た形の石を探して土産に持ち帰るという蒐集のお話。写真入りで楽しいが、現在であれば、石ころ1つでも北アルプス(国立公園)から持ち帰るのはご法度のはず。それにしても、1〜2kgはあたり前で、ものによっては12kg近い重さの石もある点は、驚き。他にも「アルビノ遍歴」も蒐集ネタで色素を置き忘れてきた植物界の変わりもの(個体変異としての白化)のお話。そのほかにも、著者オリジナルな視点での物知り小話がてんこ盛り。
このような楽しい本を読み終わっての感想は、こんな楽しい山、もっともっと道草くって、のんびり遊ばなくちゃもったいないなぁ、というものでした。そして、もう少し田淵行男氏の著作物に触れてみようかと思っています。
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