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この中から西から杣谷に伸びる2つの尾根と東に向う一つの谷を見ていきます。
1)Warren's Ridge(ワーレン尾根)
グラフでは杣谷からの登り方向で7回記録されていて、摩耶山方向への尾根らしいです。
1914年3月21日の記録に次の記述があります。
Gomo--half-way up Cascade Valley, and just above "Melhuish Arms" turned up into hills on left where there is a big waterfall. Went straight over the ridge. Came out North side of "Moon Temple." Decided to call the ridge:--"Warren's Ridge." Down Southern Ridges.
この箇所「思い出」では、"杣谷への登りの中程で、メルフィッシュ紋章の上を左に回り丘を登ると、そこには大きな滝があった。尾根をまっすぐに行く、月の寺の北側に行く。この尾根を「ワーレン・リッジ」と呼ぶことにする。"と訳しています。月の寺を天上寺と考えると、杣谷の摩耶山寄りの支流脇の尾根を通って、旧天上寺の北側に出たように読めると思います。
2)Poole's Ridge(プールズリッヂ)
グラフでは杣谷から登り方向で2回記録されています。1915年4月17日には次の記録があります。
Gomo, Cascade Valley, Poole's Ridge or "The Goats Test." Bad weather. Plenty of rock climbing. Came out below Mayasan on road from Gomo.
「思い出」が、"摩耶山の下、五毛から続いている道路上に出る。"と訳しているとおり、摩耶山の南面に出たと思われます。
3)Sheldon('s) Valley(シェルドン谷、シェルダンズバレー)
Sheldon ValleyまたはSheldon's Valleyと表記されていますが、同じ場所と思われます。グラフでは杣谷から登り方向で5回記録されていて、すべてドクターズノブ(Doctor's Nob, Tenguzuka, Tenguzuka or the Doctor's Nob)に進んでいます。この谷は天狗塚周辺に向う谷筋と思われます。
1915年1月4日の記録には、"Gomo, Tenguzuka or the Doctor's Nob via Sheldon's Valley from the Cascade Valley near Halfway Stone."とあります。この部分「思い出」は、"五毛、ハーフウェイストーン近くの杣谷からシェルダンズバレーを通り天狗塚つまりドクターズノブにいたる。"と訳しています。
ハーフウェイストーンの所在が分かれば、この谷のおおよその位置が分かると思っていたところ、文献に半路石と表示された略図(注1)を見つけました。図で半路石は摩耶山頂と天狗塚を結ぶ線が杣谷と交差する辺りに描かれているので、その位置を現在の地図に当てはめると摩耶第三堰堤の少し上に当たるようです。そこから長峰山へ向う谷として、天狗塚から杣谷峠へ進む尾根道の1つめのコルに伸びる谷(注2)があるので、ひょっとするとこれがシェルドン谷なのかもしれません。
注1: 落合重信「神戸裏山登山史略」(1963) p8「六甲登山道」
注2: ヤマレコの山行記録では長峰西谷と表記されています。URL: http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-385280.html
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