台風で完走ならず…針ノ木峠〜船窪稜線〜裏銀〜湯俣
- GPS
- 104:00
- 距離
- 48.5km
- 登り
- 4,317m
- 下り
- 4,641m
コースタイム
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 11:10
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:50
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 9:35
タクシーに乗ってしまった。自転車持ってきとけばよかった。
天候 | 10/2 曇り /3 曇り /4 台風 /5 晴れのち曇り /6 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
船窪稜線は蓮華岳の下りからが大変。南沢岳に着くまで、ただひたすらにアップダウン。特に船窪天場から先、『いつこのコースは通れなくなるんだろう?』と思う部分が沢山出てくる。そもそも船窪岳と不動岳は、岩ではなく砂でできているのではと思ってしまう。ただ、北アの稜線ルートが樹林帯を通っているのはここだけと記憶しており、紅葉はかなり楽しめた。 |
その他周辺情報 | 上原の湯 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
この山行後、完全に膝が壊れたようで、現在治療中。人の記録を見れば見るほど山に行きたくなるので、なるべく見ないようにしている。山の計画をを考えても、仕事場の階段ですら苦痛な体でどこまでできるのか…ならばあまり負担のない山行スタイルにすればいいのでは?という方向へは自分のプライドが許さない感じ。とりあえずおとなしくしておくかというのが今のところの結論かな。
本題の山行紀行文、普段から長文、1か月もすれば記憶も薄まり、丁度良い長さになるかな?
今年は北アルプス稜線付近の紅葉が見てみたいと思っていた。かつ、夏の不完全燃焼からちょっと長めのところに行きたいと思った。人もあまり行ってないところとして、読売新道から水晶・裏銀経由針ノ木峠だったら的な感じから今山行を実行。直前に台風がよくわからない動きを見せる中、天気との兼ね合いから完走できずともうまく収めることができるのは逆コースだろう。真夏に歩きたいとは思わないコース、紅葉の中ならあのアップダウン地獄も我慢できるかななんて…
10/2
長めの山行でも車を使わせてもらえた。平日の扇沢は空ていていい。いつまで晴れるやら。今日の行動は船窪小屋天場まで。ショートカットでヘリポートまで進み登山道へ。今まで気にしていなかったがブナ林が心地よい。大沢小屋は閉まっており、沢通しというよりは左岸を大きく迂回、高巻き風もある。こんな感じだったか記憶も薄くようやく本流へ。この手前で単独女性に抜かれるが歩くのが早い。三大雪渓もこの時期はただのガレ沢、何度も来ているが左岸の鎖場に初めて気づいた。スバリ沢を合わせるとやや平坦になるが、その先ジグ切って峠へ導かれた。この辺から紅葉が良くなってくる。途中、水場ポンプへと向かう際中の小屋番に出会い情報収集。きっとこの人が小屋のインスタを更新しているのかな?
ピッチも上がらず針ノ木峠着。とても静か。どうやら明日の天気もなんとかなるという話だ。針ノ木谷側を見るとかなり黄色に山が色づき目論見がうまくはまった感じでニンマリだ。しかしあのアップダウン地獄は遠くから見ても健在だ。
蓮華岳への登りは思いのほかきつく感じたが、小屋番情報でウラシマツツジが蓮華・北葛はいいと思いますとの事前情報、その通り白い砂礫に赤のモザイクが入って目を楽しませてくれた。頂上も相変わらずいい所、次はスキーの時期かな。白砂青松とダケカンバの黄色が素晴らしい大下りを鎖場で締めると北葛乗越。かなり雲が多くなった。北葛岳まで来ると雨が…ただここから針ノ木谷側稜線直下の紅葉がピークとなる。七倉岳までのまでのやせた稜線で、この紅葉に目を奪われて滑落しないか心配だ。七倉乗越からはじきにルートがなくなるでしょう。雨はすぐに止み、膝の痛さを押して七倉岳まで来ると、小屋までの間の紅葉がまた素晴らしいこと!割と混んでいる小屋に天場代を払い、薄暗い中、天場へ向かう。この天場にまさか泊まる日が来ようとは。水場には暗くなったら行かないようにと注意されていたが、この感じなら帰ってこられそうだったので出向く。記憶に残っていなかったけれど、ガレ縁を歩いてさらに下に見える脚立を見て思い出した。水場はガレではなくザレた斜面に無理矢理付けられたトラバース道を通ると到着。量、味、冷たさ三拍子がそろっている。毎年道を施工しているようだが、大雨後ならたどり着けないかもしれないな。天場は当然貸し切りだった。最低明日くらいは天気が持ってほしい。
10/3
昨晩雨もなく、朝一は曇天模様。再度給水後、出パする。船窪乗越までも紅葉が最高!小Pから先、アップダウンが激しくロープ・はしご連発し、桟道までもが綱渡り状態。それでも夏に来たときよりも景色に変化があり耐えることができる。ひたすら歩いて、もういい感じのところまで来たかな?なんて思っていたら『船窪第2P』の道標現れた。この時、心の折れる音がした。
不動岳の登りが長く思いのほか大変だった記憶どおり、やはりダラダラ長い登りは体をむしばみ、永遠に続く登りに感じた。ただ、蚊もおらずシラビソ越しに見える紅葉が気分を変えてくれる、と思わなければやってられなかった。ラストの急登を終え不動Pに着いたとき真っ白な灰になった。今日の仕事は南沢岳に着けば終わりも同然、南沢乗越を流れてゆく雲をぼさーっと見ていたら雨が舞ってきたので強制出パとなる。雰囲気は変わって沢の源頭のような、夏ならお花畑であろうところを下って行く。乗越からひと登りで南沢岳、これでもう今日は終わったようなもの。このピークは蓮華岳のように花崗岩の風化した砂礫の場所。展望もよくとても良い所だ。雨も止んだのでここでも長めの休憩。烏帽子四十八池とからめてこのピークまで足を延ばす価値があると思う。
ガスの中、四十八池に向かうが、南沢岳周辺もウラシマツツジが素晴らしく、快晴だったらと悔やまれた場所だ。四十八池は癒しそのもの。烏帽子分岐の二重山稜にある池もダケカンバの紅葉が見事だ。入山前の目論見は見事にはまった。この景色があるならブナ立を登ってもいいかな?ニセPから小屋方面の稜線も見事な紅葉だった。また、三ツ岳山腹の紅葉も素晴らしかった。ここまで紅葉が素晴らしいを連呼するのは明日は台風崩れが襲来、小屋番に聞けば『全部なくなっちゃうだろうからしっかり見ておいてください』と言われたからということを付け加えておきたい。色づきは夏に晴れが少なかったので色が薄いが、今日あたりがピークとのことだった。
きれいに整地された天場はありがたい。自分を含め2張、雨が降る前にテントに潜り込むことができた。
10/4
一日沈殿…夜中から昼過ぎまで風はものすごく、音で眠りが浅かった。ただ、地形から風の影響はほとんどなく助かった。ラジオ三昧。これで読売新道下山はなくなったが、早い人はここから奥黒部ヒュッテまで行くそうだ。
10/5
本当に晴れるのか?と思うくらい夕方まで天気がわるく、昼間も寝すぎてなかなか寝付けなかった。おきてみれば最高の雲海に最高の空の色、ヘリポートで小屋に停滞していた方々と日の出見学。もう一張のテントの方は四十八池往復で下山するとのこと、前を通った際、梨をいただけた。久々に下界らしいものを食べた感じでとても感動した。御馳走様でした。今日はブナ立下山ではなく、初の竹村新道に行ってみることに。
三ツの登りで振り向けば、雲から烏帽子Pが天空の城のごとく顔を出していた。さらにブロッケンも現れ、すごい一日の幕開けとなる。小屋で話した山口県3人組があっという間に追い越していった。やっと来た晴れを味わいつつ、クロマメノキの実を味わいつつ進むのでなかなか進まない。三ツ岳分岐で快速オヤジが抜いていった。
膝の調子もよくなく野口五郎までは牛歩戦術を多用、右に見えている赤牛稜線直下から東沢中流部にかけてがかなりいい感じで色づいている。久々の裏銀、貸し切り稜線を堪能し野口到着。風が少し強くケルンの影に隠れながら記念撮影、天気があまりに昨日までと違いすぎて、このまま西鎌まで行きたい気分になった。いつかこの頂上に昼寝目的できてみたいもんだ。
休憩十分から初の竹村新道に移る。真砂岳に向かう最中、右手の谷を見れば五郎池周辺が紅葉のピークだったみたいで、まるで日本庭園風のゴルフ場グリーンみたいな感じ。この時期に東沢を登りたくなった。
真砂岳のトラバース道はロープで進入禁止になっていたが、登り返すのは膝が嫌だと言っていたので、そのまま入る。また紅葉のいい標高に向かっているのにワクワクする。道があまり良くないイメージだったが、木止めの階段で拍子抜けする。野口側斜面の草付き風をジグザグで下り、ガレ場をトラバースする。冬に来るなら稜線伝いだろうが、ボロボロすぎて危なそうだ。ルートはひたすら槍に向かってすすむ。思いのほか南真砂岳まで距離があったけれど、着いてみればすぐ正面に槍ヶ岳、硫黄尾根、眼下に湯俣、ワリモ大滝と新鮮な景色に感動した。とてもいい所だ。往復の価値あり。
晴嵐荘への道標に従ってピークを野口側から巻くように下り始める。夏はチングルマのお花畑になっているような場所をトラバリ下り、徐々に樹高が高くなってゆくと、至ってアルプス的な樹林帯に突入する。もう紅葉も見えないので記憶をなくして温泉にくだるだけだ。道ははっきりしている。正面樹間越しに丸い湯俣岳がみえている。鞍部付近は沢状の湿っぽくグズグズな道、池なども出てくる。登り返しはダラダラで、残雪期だと間違いなく迷える地形だ。冬に来るために目印をつけながら登る。兎現象的に湯俣岳にたどりつかないと思っていると『おや、こんなところに道標が…』と言うような感じで分岐が出現。ピークの往復はしないつもりだったけれど、踏み跡をのぞけばほんの数メートルで三角点だったので、とりあえず踏んできた。展望なし。夏なら勘弁な道だな。
頑張ってラスト下りに入る。ただひたすらに下る。幹の太いシラビソが多く残っており、なかなか雰囲気の良い林。残り半分のところに晴嵐荘で見覚えのある字で道標がつけられていた。しかしここから先がものすごい傾斜のカラマツ林となり、あっという間に標高を落としてゆく。
気温が高く展望台で休憩することに。北鎌越しに槍ヶ岳が見え、切れ落ちた足元には湯俣の噴湯丘のある河原が見えた。水が極端に少ない。展望台から下はよく踏まれた沢登りの高巻き道のようだった。冬用に目印を付けてきたが、多分登りに来ないなあー…単独ラッセルだと何日かかることやら。
ようやく見覚えのある河原に降りてきて、晴嵐荘の建物が見えると完全に脱力した。河原が荒れてしまい天場が狭くなってしまっていたが、4組しかいないからと言われ伸び伸びサイトだ!と思っていたら10人以上の団体がやってきて、あっという間に休日のテント場と化してしまった。水場は小屋にはなく、対岸のナメ状沢から汲むことになっていた。今日は河原温泉施工は実施する予定もなければ気力もなく、小屋の内風呂にお世話になる。広くはないものの掛け流しの硫黄泉、最高の泉質だ。是非、小屋に泊まってみたい。また、温泉施工隊を編成してくるぞ!
10/6
今日はお金もないことから大町温泉郷まで歩く予定。本流は水が少ないことから、ドーザー道で車止めまで行けるはずと小屋で聞きつけ、小さな登りもしたくないと膝が言っていたのでこちらを選択する。
普段はこんな河原からの景色は見ることもない。道が川を渡るところは飛び石でこなせた。林道に合流し、誰かがタクシー相乗りしませんか?なんて言ってくれるのを少し願いつつ歩く。ダムにはタクシーが一台来ていたものの、自分の財布と折り合いがつかず、とりあえず七倉ゲートまで歩くことに。下り始めると、下から西部警察オープニングの如くすごい数のタクシーが上がってきた。あれは何だったのか?
緊張感を保ったまま、ゲート到着したが、人間楽な方になびくのは早い。値段を聞いたら乗りたい衝動が抑えられず、5000円で扇沢まで行ってもらえることに。車中雨も降ってきたこと、温泉からバス1000円かかる事を考えれば若干得したかな?
上原の湯で入浴、いつも箱で売ってもらっているリンゴ園に寄って信濃スイートを買うつもりだったけれど、まだ時期が早く、別のところにあるからそこに行くといいと教えてもらえた。味見までしたのに買わずで申し訳ありませんでした。
久々の沈殿あり、完走できなかったものの、紅葉予想が的中したこともあり、なかなか充実の山旅だった。
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