新穂高-雲ノ平-折立
- GPS
- 90:00
- 距離
- 38.0km
- 登り
- 2,805m
- 下り
- 2,552m
コースタイム
9日 600わさび平-1010鏡平小屋-1330双六小屋
10日 620双六小屋-920三俣山荘-1030黒部源流碑-1330雲ノ平
11日 530雲ノ平-930薬師沢小屋-1330薬師峠
12日 600薬師峠-630太郎平-930折立
天候 | 8-10日 晴れ、遠景には霞がかかる 11日 曇り、小雨 12日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
折立から亀谷温泉までバス 有峰口から富山地鉄線 富山からJR線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高-双六 よく整備された道です。どこまで来たか目安になるポイントがあるので精神的にも楽です。 双六-巻き道-三俣山荘 多少のアップダウンがある山腹の巻き道です。怖いところはありません。急流ではないが、流れを渡る箇所があるので増水時にはどうなんでしょうか。 三俣山荘-黒部源流-雲ノ平 ゆるやかな小さな沢沿いに黒部源流まで降り、源流を石伝いに渡って対岸の急登を上がるとハイマツ帯のゆるやかな道に出ます。この急登はキツイし浮石がコロコロしていて歩きづらいですが、上がってゆくと対岸の三俣山荘の鞍部越しに槍・穂高が姿を現し、一歩一歩どんどん全体が見えてくるのが面白く、あきない道です。あとはなだらかな道で雲ノ平まで。ただし、テン場が見えてからかなり大回りをさせられます。稜線を越えて反対側をトラバースする区間があり、やや崩壊気味のうえ雪渓までありちょっと意外でしたが、水晶岳の全景が見られます。 雲ノ平-薬師沢小屋 雲ノ平を出るまでは平和な木道。木道末端から薬師沢まで500メートルを一気に下る区間は相当な急傾斜のうえ樹林帯なので石が滑りやすく、手も使って降りるところがありました。薬師沢小屋手前ではハシゴで河原に降り、飛び石を伝って次のハシゴを登り、つり橋を渡ります。 薬師沢小屋-太郎平 薬師沢小屋からしばらくの間の登り道が幅1メートルくらいの馬の背です。樹林帯なので見た目は怖くないですが、崩壊気味のところもありちょっと危険を感じます。その後は木道でところどころ沢を渡る橋があり、木道が終わるとだらだら上がって太郎平まで。橋の前後ではそれなりにアップダウンがあります。橋はちゃんとしたものでよほど増水してなければ大丈夫のように見えました。 太郎平-折立 上部は木道と、丸石を敷き詰めて作られた人工的な登山道。木道はいいが丸石登山道は歩きにくくキライです。案の定、両脇にもっと歩きやすい踏み跡が出来上がっています。その後はやや急傾斜となり折立まで。よく踏まれた土の道です。 |
感想
天気予報は前3日はまあまあ。後2日は微妙、という感じでした。最終日を除いてほぼ当たったことになります。ただ、晴れといっても遠景には霞がかかり、午後は雲がわいてくるといった感じで、あまりスッキリしません。
さて、小池新道の上りは初めてです。下ったときのまだかまだかという遠かった記憶があるので不安でしたが、登ってみると要所要所に目安になる場所や休める場所が作られていて、なんと言うこともなく弓折岳分岐まで。ただ、ここで気が抜けてその後が長く感じましたが。
このあたりで突然ものすごい金属質の轟音が響き渡ります。最初は荷揚げのヘリかと思ったのですが音も違うし音源が高速で移動している様子です。2回目に轟音が聞こえたときにそっちを見ると、左俣谷の上を稜線くらいの高さで川下から川上に向かって戦闘機らしき灰色の小型ジェットが飛んでいるではないですか。びっくりしてみていると、谷を詰めた先の稜線を越えてくるっと横むきに1回転してどこかへ飛び去って行きました。その後も2回ほど、もう少し高空を轟音をまき散らしながら飛んでいきました。せっかく俗界を離れて山に来ているのに、俗の最たるものが騒音を撒き散らしながら頭上を我が物顔に飛んでいくとは無礼千万、規則のうるさい国立公園のこと、この際ついでに軍用機立入禁止というのも規則に盛り込んだらどうか、としばらく腹を立てながら歩いておりました。
双六小屋から三俣への巻き道は多少のアップダウンはあるものの、ほぼなだらかな楽な道です。三俣で一休みしてから黒部源流へ。なかなかいい雰囲気の流れに沿ってゆるやかに下って行きます。地形を見ると、沢の流れがゆるやかになるところまで降りてから沢を渡るように作られているのがわかります。それでも黒部源流はそこそこ水量のある流れで、乾いた岩伝いに渡れるようになっていて手がかりとしてロープも張ってあり、特に怖い思いをせずに渡れました。ただし少し増水したら岩は水面の下になりそうな感じでしたが。
その対岸の登りは急斜面に無理やりジグザクに刻んだような道で、浮石もあり歩きにくい道です。でも三俣の鞍部越に槍穂高が見えてくるのが面白く、標高差もそんなにないのでウンザリするまえに終わりました。
祖父岳の裾をまく道に入るとあとはゆるやかにハイマツのあいだをたどるだけです。テン場が見えてから、テン場に直接降りられる道が植生保護を理由に止められていて、迂回路に導かれるのですがこれが意外と大回りで、しかも稜線を超えて水晶岳の全景を眺めながら歩くのには驚きました。水晶側の谷は荒れた感じで、雲ノ平側とは印象がまったく違います。あとでテン場からみると、この区間は稜線付近に岩がゴロゴロ堆積していて、それを避けていたようです。
雲ノ平のテン場はゆるやかな傾斜の広い沢をそのままテン場としていて、テン場の中にあちこち小流れができています。岩のあいだにハイマツが生えていて、庭園のような雰囲気です。ただし、テントを張りやすい場所が限られそうです。水は流しっぱなしの水場があって不自由しません。トイレもきちんとした設備のものでした。
翌日は何々庭園、という名前のついた台地を抜けて端まで行って、一気に500メートル薬師沢まで降りるのですが、この下りがかなりひどい道でした。樹林帯の中なので岩も石も見た目より滑りやすく、腰を落とし両手も使ってこわごわ降りるようなところもありました。ここで降られなかったのは幸いでした。それでもかなり下りてきたな、とおもってはっと前を見ると小屋が見えているという感じで薬師沢小屋の近くまでたどり着きました。それからハシゴの上り下りがあったのはちょっとびっくりしましたが。
薬師沢小屋のテラスでちょっと休んでから出発。小屋上部の登り道は馬の背です。急傾斜で滑りそうなところには鉄製の階段が設置されていて、登りに通るぶんには危険は感じませんが、下りで疲れていたりしたら危ないかもしれません。
そのあとは平坦部は木道で、ところどころ沢に向かってアップダウンがあって橋で沢を越えるというのを何度か繰り返し、だらだら坂を登って太郎平です。この区間ですこし降られましたが雨具を着るほどではなく、太郎平に着くころにはあがっていました。一休みして薬師のキャンプ場へ。盆休み前の土曜でかなりの混雑でした。場所はいくらでもあるのですが整地されたサイトは早くに埋まり、遅く着いた人は自分たちで石を取り除いてテントサイトを作らなければならなかったようです。
さて翌日は下山して帰るだけです。片付けをしている横を、薬師に向かう社会人山岳会ふうの人たちがテン場の混雑について、最近は個人で来るから、集団でも一人1テントで来るから混んでかなわないねえ、と声高に話しながら通り過ぎて行きます。聞こえてますよ、というかわざと聞こえよがしに言っているのかもしれません。山行のスタイルは多様化しています。旧来のスタイルだけが正しいわけではありません。
太郎平からの下りは最初調子にのって急いだため後半あと三分の一程度のところからペースダウン、登りとのすれ違いも多くてやや疲れ気味で折立まで到着しました。
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