満喫以上〜赤岳-横岳-硫黄岳 一番乗り縦走
- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 1,750m
- 下り
- 1,765m
コースタイム
3/22 テント5:20-文三郎-阿弥陀分岐6:30-キレット巻き道分岐6:40-竜頭峰6:58-赤岳7:04〜18-天望荘7:40-地蔵尾根分岐7:47-二十三夜峰ハシゴ7:54-日の岳トラバース8:14-鉾岳トラバース8:26-石尊峰8:45-小休止(昼食)8:55〜9:05-三叉峰9:15-奥の院9:29-カニのヨコバイ9:36-硫黄岳山荘10:07-硫黄岳10:30〜34-赤岩の頭10:44-赤岳鉱泉11:32〜45-中山乗越12:10-行者小屋テント12:18〜13:41-美濃戸山荘14:48-美濃戸口15:35
天候 | 3/21 曇りのち雪 3/22 文句なしの快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
美濃戸口〜美濃戸 車道を行くが、雪と氷。車の轍あり。通行車両をよけるのが煩わしい。 美濃戸-南沢-行者小屋 雪深いが、トレースしっかりしている。チェーンスパイク付けたが、特に必要はない。潜ることもない。 行者小屋-文三郎-赤岳 雪が深くべったりついていて、階段やハシゴ、鎖もほとんど出ていない。雪壁状態の部分もあり、アイゼン、ピッケルの世界。稜線に出てからは風強く、また雪がルートにかなり深く着いており、岩場は雪壁になっている。きちんとステップを切り、ピッケルを適正に使用することが必要。 赤岳-地蔵尾根分岐 クサリはほとんど出ていない。雪がついているため、クラストしてアイゼンがよく聞く。風は強いが、慎重に行けば特に危険はない。 地蔵尾根分岐-横岳 日の岳の雪壁のトラバースは要注意。雪深く、斜度も高く、足場を確認して迅速に横断後、雪壁をピッケルを活用して登る。鉾岳の諏訪側のトラバースは、雪が多く、ほとんどべったりした雪壁。斜度も高く、雪もしっかりしていないために、慎重にトラバースする。ピッケルの使い方が肝腎。その後は奥の院まで、展望の利く歩きやすい尾根の漫歩。奥の院の下り、カニのヨコバイと呼ばれるところは、やはり雪が大量についているため、雪壁の下り。アイゼンとピッケルで慎重に降り、トラバースは岩が出ているために、鎖も見えている。硫黄岳へは広い稜線の中、強風の登り。視界が利けば問題なし。 硫黄岳-赤岳鉱泉 初めは雪の急斜面の下りだが、日が高くなると雪が腐る。以後樹林帯の雪道の下りで問題はなし。 赤岳鉱泉-行者小屋 トレースしっかりしていて、問題なし。 行者小屋-美濃戸口 雪の消えたこと、驚くばかり、腐った雪と美濃戸口への林道は土が出ていた。 |
写真
感想
一度入力して、なんとESCキーで、一瞬で消えてしまい、モチベーションダウン。
なんとか気力を取り戻し、書き込もうと思います。
八ヶ岳は大人気で、混むのが嫌は自分としては、東面にこだわると言っておきながら、
今冬はそうはいかなくなってしまっています。
北八ヶ岳ロープウエイ、渋の湯、そして、何と今回は美濃戸口。
高校の山岳部以来、八ヶ岳はほぼ積雪期ばかりですが、その頃はもっぱら美濃戸口からの入山でした。
が、それ以来とんとご無沙汰。その間に人気は上がるばかり。ますます行く気がなくなっていましたが、
でも、今年のような北八つづいていると、うっ憤が溜まるので、ここは一気に緊張感を取り戻そうというわけです。
それにはここが手っ取り早い。
一応計画は、行者小屋テントからの権現ピストン。でも、久しぶりに横岳の稜線も歩きたいと、曇天の中、美濃戸口から歩き出した。駐車場は、三連休の初日にしてはすいていて、二段目の半分も埋まっていなかったので、楽勝で駐車。
美濃戸までの林道歩きは、白く雪で凍結した道路や、霧氷の木々がきれいだったが、四駆の車がやたらと登ってきて、それをよけるのにイライラしてしまう。ここは一般車の規制すればいいのに、と思う。たかだか40分。
美濃戸口に着いても、見えるはずの阿弥陀岳は見えず、空は厚い雲に覆われているようだ。
冬型になっていて、風の音も強くなってくるし、気温も低い。
この時期は閉まっている美濃戸山荘のベンチでパンとテルモスの紅茶を飲み、せっかく持ってきたからと、チェーンアイゼンをつける。
山荘の前を多くの登山者が通過していくが、ほとんどが北沢へ向かうが、こちらは南沢へ。前後に登山者はなし。
雪が多い。
南沢大滝のあたりで人声が聞こえたりしたが、一時間ほどで、白河原に出る。ここからは横岳の岩峰が見えるはずだが、白い雲で何も見えない。ここから随分時間がかかるので、見えない方がいいかもしれない。すぐ着く気がして疲れるからだ。
行者小屋には20張程度のテントが張ってあって、あちこちで活動的な登山者が動いている。
こちらも、適地を見つけ、早速テントを張るが、風が強そうで寒々しているため、1時間ほどかかってテントの高さに近い雪のブロック壁を作った。
まだお昼だが、寒々としているし、することもないのでシュラフにもぐりこむ。いつもの通り、ダウンの薄い半シュラフと、スリーシーズンのダウンシュラフのダブル。12-1月にこれでも寒いとは思わなかったが、今回はなんかす―スーする気がした。下界が春めいて、寒さに対する抵抗力が鈍ったかなと思ったが、夕食後はポカポカしてぐっすり眠ってしまった。
権現のピストンと決めてはいたので、とにかく早出をしようと、4時出発のつもりが4時起床。。。
あわててうどんを食べ、身支度をして一時間少し遅れで、テントを出る。
4時頃からテント場は少しずつ人が動き出してはいたが、実際出発する人はまだいない。
文三郎に向かうとトレースはすぐ二つに分かれる。右は北稜にでも行くのだろうと、左に行くが、しばらくすると、右へ曲がっていき、小尾根を越えて、右のトレースと合流してしまった。
こちらには新しい踏んだ跡があり、見上げると、三名のパーティーが先行していた。
文三郎は階段が有名だが、そんなものは深い雪の中で、ひたすら雪壁をまっすぐ登っていく感じ。
一直線に登ったところで、三名パーティーがザイルを出し、ハーネスをつけているので、赤岳の西壁のどこかをやるのかな、とチラ見して先へ行く。風が強くなる。予めバラクラバとネックウォーマーをしてきていて正解。
阿弥陀からの稜線と合流すると、見事な展望が広がると同時に、強い寒風にさらされる。
ここから赤岳へはいつもは岩と雪や氷のミックスのはずだが、今年は雪がべったりついている。
アイゼンを蹴り込み、ピッケルを支点に登っていく。かなりの斜度だ。雪壁登りに、新しく手に入れた、ベントのついたピッケルがとても使いやすいことに気づく。
振り向くたびに、大展望に心が躍る。竜頭峰について進路に悩む。見る限り、南へのトレースはない。それはそれでいいのだけれど、けっこうリスク高い長丁場、行きたい気も強いが、この天気、南へ行けば北側の展望がさえぎられる。
この機会は、やはり横岳へ行くべきか。。
結局赤岳にはこの日一番乗り。大大展望。この瞬間、横岳へ方向転換を決める。これは稜線歩き、楽しい。
昨日の雪もあり、指導標も何も、エビのしっぽに覆われていて真っ白。凍りついている。
少しすると、南から後続の方が一人上がってこられる。
それを機に、北へ縦走を開始。頂上小屋も真っ白だ。
下りの鎖は少し出ているが、ほとんど雪の下で、アイゼン効かせて走るように下る。風は強いが、それほどでもない。
何人かすれ違う。
一気に天望荘へ。おなじみの風力発電はみんな凍っている。
地蔵尾根の下り口に人が上がってきている。これからどんどん混むのだろう。
このまま先行していけば、人が少ない稜線を楽しめるはずだ。
お地蔵さんはエビのしっぽで気の毒な状態。日中には消えてしまうだろうけれど。
さて、見上げると日の岳の雪壁が見える。どこかでトラバースして、どうやって登ろうか。
楽しそうだが、緊張もする。
すると、先行の二人パーティーが見えた。地蔵尾根をあがってきたのだろう。
スピード上げて追いかける。
梯子を過ぎ、日の岳のルンゼの手前まで来ると、北から縦走してきた一人の登山者があっという間に雪壁を下りてきて、走るようにトラバースしてきてしまった。急いでトラバースするのはわかりますよね。
ゆきは深くかなり潜るようなのが見て取れる。
すれ違って、先行のお二人がトラバースし、垂直に近く見える雪壁を登っていく。
こちらも急いでトラバースに入り、さくっと渡り切り、雪壁の登りに入るが、本当に急だね。
でも、しっかりした深い雪なので、ピッケルを差し込み、あるいは両手で持って支点にしてキックステップで気持ち良く上っていけた。あがりきったところでザックを下しているお二人をパスし、こんどは鉾岳の諏訪側のトラバースに入る。日が当たらず風も直接当たり、冷たさが増す。
日の当たる佐久側では暑くなるし、諏訪側に入れば寒風にバラクラバやネックウォーマーを引き上げざるを得ないし、なかなか大変。
北からの方のトレースが岩稜の上に向かって消えていたので、30メートルほど先に見える鎖場めがけ、硬くてでも潜る雪をトラバースしていく。落ちれば一直線だね。
そこをクリアし、今度は佐久側に出て石尊峰を過ぎると平坦地があり、風も当らなそうなので、休憩とした。
ザックを下してパンを食べ、テルモスの紅茶を飲んだ。少しのんびりだ。この先にある緊張ポイントは奥ノ院の北の岩稜だけだ。4時過ぎに朝食だから、いい加減昼飯の時間だ。もう9時だ。
のんびりした後、まぶしいばかりの雪稜、それも平坦なのんびり漫歩の稜線を行く。三叉峰で杣添尾根からまさに登り切りつつある登山者が見え、北からの縦走者とポツポツすれ違うようになる。
稜線から望める文三郎にも、地蔵尾根にも、列をなす登山者が見えている。みんな遅いよー。もっと早く起きなくちゃ。ていうか、けさ早く入山した人たちなんだろうけどね。
目の先に大きく見える硫黄岳の頂上はすでに大勢の登山者でにぎわっているようだ。
このままの調子でいけば、硫黄の頂上をさっと通り過ぎ、昼にはテントに帰れそうだ。
満足してるし、これで下山して、雪かきしている富士見平の仲間の手伝いに行こう。三日間遊んだら、申し訳ないし。
漫歩を続け、写真を撮りまくり、奥ノ院を過ぎると、最後の悪場にさしかかる。せまい雪稜はそのまま歩いており、日の当たらない諏訪側に岩の間を下りていくと下から上がってきたパーティーが待っていてくれているのに気づく。
慎重にトラバースし、雪に埋もれた梯子を後ろ向きに降りて、すれ違う。
すれ違った後のまぶしい佐久側の雪のトラバースに入って数歩行ったら、幅20センチほどの雪の足場がいきなり崩れ、ヒヤッとした。本日唯一のヒヤリハット。。落ちたら、数百メートル。
硫黄までは石やルートを示すポールに着いたエビのしっぽを楽しみながら、強い風の中、広場を歩くようなもの。
ゴロゴロ転がっている石にみんなエビのしっぽがついているのも、なかなか面白いものだ。
いくつも一定の距離で立っている大ケルンをたどり、硫黄の頂上の端に着くと、大勢の登山者の楽しげな嬌声が耳に入ってくる。ここは、少し世界が違う。
北側に開けた天狗岳を中心とした北八ヶ岳の展望をカメラに収め、さっと下り始める。赤岩の頭への稜線はたくさんの人が連なっている。
かけるように下って、雪が腐り始めた赤岳鉱泉への急くだりに入る。どんどんのぼってくる登山者とすれ違うのもしょっちゅう。
ぽかぽか陽気の赤岳鉱泉、紺色の空の下。すごいいい天気だね。初めて見たアイスキャンディーでふた組が遊んでいた。のんびりしている。時間がまったり。緊張感もなし。
ここで、インナーに来ていたとっくりセーターを脱ぐ。いくらなんでも暑い。
青と白の世界、あたたかい陽射し、こんな時間、ぜいたくすぎる。
のんびり中山峠を越え、テントに帰る。
ひと山終えてのんびりするテント村の住民たちや、あがってきたばかりで、広がる山々の光景に興奮の声を上げる団体さんたちなど。
すっかりあたたかく、乾いたテントを開けて、装備を全部解く。
コンロつけてスパゲティをゆで、うめしそのソースで第二回の昼食をとった後、のたのたテントを撤収、
パッキングして13時半前に下山開始。
せっかく作ったブロックの壁は、ちょうど上がってきたご夫婦に進呈した。
白河原で、振り返り振り返り写真を撮り、この日にずいぶん融けた雪に驚き、暑い暑いと言いながら、美濃戸に到着。
テルモスの紅茶をかぶかぶ飲んで、喉をいやす。こんな季節になった。
美濃戸口までの道路も、昨日とは打って変わり、すっかり融けたところが多い。
靴を汚したくなく、雪を拾って歩き続けたが、美濃戸口の手前でギブアップ。雪がなくなった。
美濃戸口の駐車場は満杯。ずっと下まで路駐の列が続いていた。大変な混雑ですね。
車で装備を解き、どこかで風呂に入ろうと下って行った。
麓の畠の中の一本道で振り返ると、真っ青な空をバックに、真っ白に光り輝く八ヶ岳連峰の全貌が見えた。
八ヶ岳は、こういう、下山してきたときの展望がいいんだろな、そう思って、車を富士見平の小屋あるじの家へとむけた。
素晴らしい快晴の空と真っ白な雪ですね
いやいやいや・・・。
21日の天候がいまいちでしたので、うちらも行者泊で翌日赤岳方面縦走とか考えていたのですが。
やはりっこちらは素晴らしいですね!
この冬のストレス払拭されたのでは
コメントありがとうございます。すっばらしかったですね。
あらあら、お会いできたかもしれなかったとは、残念。
確かに、北八ツのまったりばかりで鬱憤たまっていましたから、
その解消にはなりましたが、懸案のキレット・権現の尾根と、それに阿弥陀岳を省いてしまったし。だいたい、全山縦走って言ってたのに。。
4月半ばにそれなりに、仕上げようかと。すっかり春ですけどね。
連休の八ヶ岳は天気が凄く良かったですね。
高峰の山域で天気が安定したいたのは八つだけで、北関東も北アも寒気の影響で不安定な様子でした。
私も1月に横岳は通過していますが、日の岳のトラバースは
シビレますね〜 雪が少なすぎても多すぎてもちっといやらしいです。
1月は雪崩れる心配もあるような、雪の量でしたので急いで通過しましたが、あのルートはとても楽しいです。
確かに、日の岳のトラバースは、ちょうど良い感触でした。早朝に出たせいだと思います。あの後は、けっこう腐っていったのではないかと思います。
胸のすくように雪壁登攀でしたよ。
それにしても、若いころに正月休みを利用して何度か横岳を通過しているのですが、このあたりの記憶がないんですよね。本峰の北側の岩場やトラバースはよく記憶しているのに、鉾岳と日の岳の覚えがないのは、なんとなく通過してしまっていたせいなのでしょうか。
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