でも、中には、え!それ落とす!見たいな方もいますね。
俺は絶対無いな、と思ってました。つい数日前までは。
根が間抜けなんでしょうか、それ、そこでする!みたいなことをして、ヤツを滑落させてしまいました。
9日、午前7時、上河内岳肩手前の緩い尾根で、カメラとスマホのリーシュコードが絡まっていたのに気がついた。気になったので、そこでほどこうとした。なかなかほどけない。スマホをコードから外さないとムリだなと思い、コードからスマホを外しポケットに入れた。これが不完全だったみたいで、気がつくとスマホがクラストした斜面をスルスルと滑って行くのが見えた。
スマホは奥燕沢に向かって加速しながら滑落していった。ムリだと分ったが後を追った。すぐにハイマツ帯に出た。
1時間ほどそこいらのハイマツを見て廻ったが、見つけられなかった。たぶん日暮れまで探しても見つからなかったと思う。
凹んだ、己のアホさ加減に腹が立ってきた。荷をたたんで下山しようと思いながら、クラストした斜面を時折踏み抜きながら登り返して尾根に出た。優美な上河内岳を眼前にして、気が変わった。くよくよしてもしょうが無い。天気も良いことだし、予定通り上河内岳、茶臼岳、仁田岳、易老岳とピストンしよう、スマホ探しで大分体力を消耗したが、今からならまだ大丈夫だ。
そして、下山して気がついた。
俺は今まで、スマホのGPSアプリを多用しすぎていた。山登りで電子機器に頼りすぎていた。山だけでは無い、下山しても、妻に無事下山の連絡(いつもLINEを利用)もできない。やっとこ公衆電話を見つけ出した。電話をかけるときになって、妻の携帯番号がどうしても思い出せない。自宅の固定電話は4回かけ直してやっと繋がった、「無事下山、明日帰る」と留守電に入れた。
全てのデータはスマホの中。明後日からの仕事では電話もLINE(ワイファイ環境は自宅だけ)も使えない。幸い、前のスマホがあるが、SIMの再発行は5日位かかるらしい。
今日帰宅したら、妻は俺がスマホを無くしたことに感づいていた。固定電話に下山の連絡を入れたからだろう。「ごめん」と言ったら、スマホで良かったと妻が答えた。
山では油断禁物、特に冬山ではちょっとしたミスが命取りになる。もしピッケルなしでこけたら、あの程度の緩い斜面でもスマホではなく俺が滑り落ちて行っただろう。
反省の意味も込めて1月は登山自粛だな!
画像1:上河内岳に向かう途中で日の出を迎える。-11度、西の風10m/s位。
画像2:上河内岳の肩(山頂の間違えでした、たぶん)よりクラストした斜面の正面に聖岳等。
画像3:仁田岳山頂。左から聖岳、上河内岳、茶臼岳。
12日23時追記:レコができました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2140296.html