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淳子さんが女性として初めて世界最高峰(エヴェレスト)に登頂してからは、田部井さんのご主人と呼ばれることになってしまったが、もともとは先鋭的なクライマー。ヨーロッパアルプス三大北壁を1シーズンで全完登しようとしたが、天候不順でかなわず、しかも凍傷により足指4本を失うという経験をお持ちの方。淳子さんの方が熱を上げて姉さん女房(淳子さんの方が2歳上)になった様子も本書からうかがえます。それだけ、人間的な魅力にあふれていて、最後まで淳子さんの活動を全面的に支えています。
本書には夫婦間の往復書簡も披露されていますが、それにしてもすばらしい信頼関係にあったことが伺い知れます。淳子さんが海外遠征で行方不明との一報があった時に「あいつなら大丈夫」と判断し、息子さんを連れて予定通りアメリカ大陸50ccバイク(政伸氏の勤務先はHONDA)横断に出かけるなんてエピソードも紹介されていました。また、淳子さんの遺稿「再発! それでもわたしは山に登る」は2016年8月18日(お亡くなりになったのが10月20日なので約2カ月前)までで終わってしまっていますが、こちらの本では、10月4日のラジオ番組の収録の様子までの生前のご様子が描かれていますし、死去2日後に予定されていた講演会(長野県の高校で創立110周年記念イベント)にはご子息が代理登壇し、その晩に逝去したことを報道機関に発表したという裏話も披露されています。いずれにせよ、夫婦愛を描いた最高峰、タイトル通り「てっぺん」の書で、読後感も二重丸。
【読了日:2018年4月30日】
田部井淳子さんの「再発!それでもわたしは山に登る」に続いて、ご主人の田部井政伸さんが書かれた「てっぺん 我妻・田部井淳子の生き方」を一気に読みました。
田部井淳子さんは、女性でエベレストに初登頂を果たした登山家として有名ですが、ご主人の田部井政伸氏も、若いころは、田部井淳子さんに勝るとも劣らぬ先鋭的なクライマーだった事を知りました。また、10代の半ばに結核に罹り骨盤カリエスになり、全く動けなくなってしまったにもかかわらず、病気を克服して岩登りに取り組み、やがてヨーロッパアルプスの冬季三大北壁登攀に挑戦し、グランドジョラスとマッターホルンの登頂に成功したアルピニストでその時に凍傷にかかり、足指を失ったにもかかわらず、その後訓練して、また岩登りに取り組んだ登山家であることを知りました。このような病魔に闘いこれを克服する姿に田部井淳子さんが惚れたことも知りました。しかし、田部井さんがエベレスに挑戦することになって以降、育児、家事、田部井淳子さんのアッシーとして、田部井さんの活動を支え続けたことも知り、お互いが固い信頼の絆で繋がっている夫婦愛の素晴らしさに感動しました。素晴らしい本に巡り合えて、感謝します。
matusanさん、いつもコメントありがとうございます。返信が遅れて失礼しました。
私の読書は、山歩きと同じように、のんびり・マイペースですので、どうか追い抜いて行ってください(笑)
また、山岳良書がありましたら、お教え頂けるとありがたいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
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