串田孫一著「山のパンセ」を読み終わりました。この書物は、1957年に「山のパンセ」(実業之日本社)、1962年に「山のパンセ II」(実業之日本社)、1963年に「山のパンセ III」(実業之日本社)と出版された後、1966年に一部の作品を入れ替えて、「新版 山のパンセ」(上・下二巻、実業之日本社)として出版された後、作品を元に戻して1972年に「山のパンセ」(実業之日本社)として出版されています。さらに、1990年には集英社文庫からも出版されていますし、1995年には「新選 山のパンセ」が岩波文庫から出版されています。岩波文庫からの「新選」は、著者が自選した作品だけになっていて、計55編ですが、実業之日本社のオリジナルおよび集英社文庫のものは、その他のものも含めて、全部で91編の作品が収録されています。代表作とも言える「島々谷の夜」「島々谷の朝」は自選にも含まれています。
正直、東大哲学科出身の詩人の作品は私には難しすぎるものも多数あり、自選から漏れている作品の方が、親しみやすかったりしました。たとえば、「つむじ曲がりの山」「断想(小話の集まり)」などが分かりやすく気楽に読めました。
著者は1915年【注】生まれですので、40代の作品が集められているという点では、今の自分の年齢より約10年ほど若い時期に相当するのですが、かなり熟しているなぁ(というか自分が未熟だなぁ)と感じた次第です。
【注】1945年生まれと誤まって記載してしまっておりました。お詫びして訂正させて頂きます。ご指摘くださいました ainakaren様、いつもありがとうございます。
nomoshinさん こんばんわ bergheilといいます。
串田孫一氏は、私の好きな作家のひとりで、「山のパンセ」は何回も読み直した、好みの一冊です。(単行本と文庫版の2冊持っています)。
孫一氏のエッセイ(散文)は、ちょっと難解な感じもしますが、じっくり読むと、味がある文章だと思います。
私の通った高校では毎年著名な文化人による講演を行っていました。1年の時の講演が串田孫一氏の「山のパンセ」という題の講演でした。私が山を好きになるきっかけを作っていただきました。
講演の中で氏が「山のパンセ」の中にあるエッセイの朗読したのをよく憶えています。山が始めての若い女性との山行のことを書いたものです。私も初めての人との山行では同じようなことをすることがあります。
>東大哲学科出身の詩人の作品は私には難しすぎるものも多数あり
・・・・本当かどうか知りませんが、その時の講演では哲学科は無試験で入れたと話していました。
>bergheilさん
>UGSさん
コメントをどうもありがとうございました。
確かに一度読んだだけで分かった気になるような作品ではないように思いますし、もう一度読み直したい作品も事実ありました。
同氏の山に関係ある著作の中でも最初のころの「若き日の山」についてもいずれ読んでみたいと思っています。
それにしても、昔は東大も無試験で入れたんですか! 驚きですが、そもそも東大に入ろうということだけで、エリートだったんでしょうかね…
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